ネタバレ有「イントゥ・ザ・ナイト」全話あらすじ・キャスト・感想

海外ドラマ「イントゥ・ザ・ナイト」あらすじキャスト

記事内に広告を含みます

Netflixの海外ドラマ「イントゥ・ザ・ナイト」(全6話)についてまとめました。

ポーランドのSF小説『The Old Axolotl』を元にしたベルギー製ドラマ。謎の宇宙現象によって「太陽から逃げる」ことを余儀なくされた人々が、飛行機でひたすら地球の闇(夜)をめざすパニック系SFスリラーです。

ベルギーのドラマは初めてだし、俳優は知らない人ばかりだし、設定も突飛だし、コレどうなんだろう? と思いながら見ました。

起伏のあるストーリーと、常にどうなるかわからない緊張感が持続し、最後までドキドキさせられました。各話40分弱で全6話なので、さくっと見られるのも◎。

次から次へとトラブルに見舞われますが、流血シーンは少なめ(ここ個人的にポイント高い)。人間ドラマとしても面白く、パニック系や密室劇が好きな人におすすめです。

作品概要

  • 製作国:ベルギー(2020年)
  • 原題:Into the Night
  • 原作:ヤチェク・ドゥカイ『The Old Axolotl』
  • 脚本・製作総指揮:ジェイソン・ジョージ

あらすじ

ハイジャックされた深夜便の乗客乗員たちは、謎の宇宙事象により地上で大惨事が起こっていることを知る。助かるためには、太陽を避け西へ飛行を続けるしかない…。

Netflix公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

シルヴィ(ポーリーヌ・エチエンヌ)
元ベルギー空軍の兵士。ヘリコプターの操縦経験があり、急遽マチューの補佐をすることに。冷静沈着で統率力がある。飛行機に乗り込む前は、病死した恋人アンリを追って自殺しようとしていた。

マチュー(ロラン・カペリュート)
モスクワ行き21便の副操縦士。機長が乗り込む前にハイジャックされたため、機長となって責任を背負い込むことに。責任感が強く、独断で物事を決める傾向がある。客室乗務員のクロエとは不倫関係にあった。

テレンツィオ(ステファノ・カセッティ)
NATO軍の将校。自己中心的で狡猾な男。会議の内容を聞いて“世界の終わり”を知り、西へ向かうためモスクワ行き21便をハイジャックする。

アヤズ(マフメット・クルトゥルス)
トルコ系のビジネスマン。テレンツィオと対立し、一触即発となる。ナビルを雇い、ある“仕事”を命じていた。子ども好きな一面もあり、ザラの息子ドミニコを気に懸けている。

ローラ(バベティダ・サジオ)
ヴォルコフの専属看護師。テレンツィオに撃たれたマチューの傷を手当てする。心優しく、乗客の死に心を痛める。

リック(ヤン・ベイヴート)
警備会社勤務。マチューの独断に反発し、テレンツィオに従うようになる。病気の母親と2人暮らしで、ネットで知り合った若い女性に恋をしている。

ヤクブ(クサヴェリ・シュレンキエル)
航空会社勤務のエンジニア。ポーランド生まれ。ブリュッセルに残してきた家族のもとに戻るため、ベルギーに引き返すことを要求する。

ホルスト(ヴァンサン・ロンデ)
博識多才なITエンジニア。気候学者でもあり、太陽の極性についてシルヴィたちに説明する。

ザラ(レジーナ・ビッキニナ)
ロシア人。息子ドミニクは嚢胞性線維症。最新の遺伝子治療を受けさせるため、親子でモスクワへ行こうとしていた。アヤズに嫌悪感を示す。

イネス(アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ)
インフルエンサー。SNSを使ってビジネスをしている。“世界の終わり”を知って悲観的になる。

オスマン(ナビル・マラッド)
空港清掃員。イスラム教徒。ベルギーに来る前はモロッコでツアーガイドをしていた。アヤズと一緒にナビルの遺体を埋葬する。

ガブリエル(Astrid Whettnall)
客室乗務員。同僚のクロエがマチューの子どもを妊娠していることにいち早く気づく。カナダの空港でヤクブとともに英国兵に同行し、置き去りにされてしまう。

ナビル(ヤシン・ファデル)
アラブ人。出発時から様子がおかしく、隣席のリックにテロリストだと誤解される。スコットランド到着時に死亡し、カナダで埋葬された。

フレディ(ジェームス・マッケルヴァー)
スコットランドの空軍基地から乗り込んだ英国兵3人のうちの1人。イネスが持っていた酒を奪って騒動を起こす。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

シルヴィは恋人アンリの遺灰を持ってブリュッセル国際空港へ向かい、モスクワ行き21便に乗る。空港のテレビには、各地で人々が倒れている様子が映し出される。
NATO将校のテレンツィオは、ライフルを奪ってモスクワ行き21便をハイジャック。副操縦士マチューの手を撃ち、離陸を命じる。空軍でヘリコプターの操縦経験があるシルヴィは、操縦桿が握れないマチューを補佐することに。
離陸後、テレンツィオは「太陽が昇る場所から人が死んでいく」と話す。マチューはパニックになることを恐れ、乗客には「男の要求に応じて目的地を変更する」とだけ告げる。
看護師のローラはマチューの傷の手当をするが、縫合はできず、止血するため焼灼を行う。
病気の息子ドミニクの治療のためモスクワへ行こうとしていたロシア人のザラは、テレンツィオに立ち向かう。トルコ人の乗客アヤズがテレンツィオからライフルを奪い、トイレに閉じ込める。
マチューはアイスランドの空港に着陸しようとするが、空港の飛行機は炎上し、大混乱に陥っていた。異様な光景を目にしたことで、テレンツィオの言葉を信じ始めるシルヴィとマチュー。
2人はテレンツィオを解放し、乗客たちの前で何が起きているか説明させる。「太陽が昇れば死ぬ。だから西に向かって飛び続けるしかない」というテレンツィオ。
飛行機は北スコットランドのキンロスにある空軍基地へ着陸する。人気のない基地に一台のジープが現れ、3人の英国兵が「世界の終わりだ」と告げる。

乗客のナビルは苦痛を訴え、「ダイヤを飲み込んだ」という言葉を残して死んでしまう。3人の英国兵は飛行機に乗せてほしいと言い、マチューとシルヴィは承諾する。
マチューたちは離陸して西へ向かうことを決めるが、エンジニアのヤクブは家族のもとに戻りたいと訴え、ザラは息子のために残ると言い張る。ザラに注射を打って眠らせ、飛行機に運び込むローラたち。
絶望的な状況に仕事を放棄するヤクブ。シルヴィは恋人が死んだこと、飛行機に乗るまで自殺しようと考えていたが、今は生きる意味ができたとヤクブに話す。
ネットが復旧し、客室乗務員ガブリエルのもとには家族からメールが届く。気候学者のホルストは、太陽の極性に問題があるという記事を読んで「深刻なガンマ線放出が起きかねない」「中性子爆弾の大量爆発と同じだ」と話す。
アヤズは3人の英国兵たちが殺人とレイプの罪で軍事裁判にかけられていることをネットの記事で読み、シルヴィに知らせる。英国兵のフレディは機内で酒を飲んで暴れ、その騒動で乗客のヴォルコフが頭を打って死んでしまう。
カナダに着陸後、ヤクブは英国兵3人を倉庫に閉じ込めて置き去りにしようとするが、事情を知らされていなかったガブリエルが一緒に取り残されてしまう。さらに、追ってきた英国兵の撃った銃弾が飛行機の窓に当たり、ひびが入る。

テレンツィオは、マチューが英国兵3人を独断で追放した件に関して、全員の意見を聞くべきだと抗議する。
ヤクブが調達した無線機で別の航空機との交信に成功し、ハワイにあるNASAの海中訓練施設〈マーズ・スフィア〉の情報が入る。そこなら太陽の光が届かず、100人収容可能だという。マチューは〈マーズ・スフィア〉に避難することを決める。
APU火災と室温上昇を示す警報が鳴り、マチューは車輪格納部の配線に誰かが触れたと推測。置き去りにした英国兵が離陸のときに入り込んだ可能性を示唆する。マチューは高度を上げて格納部の扉を開け、英国兵を海に落とそうとする。
銃弾を受けてひびが入った窓が吹き飛び、機内は突風に見舞われ大混乱に陥る。ヤクブが窓を塞いで難を逃れるが、ドミニクはチューブが飛ばされ呼吸困難に。アヤズは手近にあるもので即席のチューブを作る。
再び警報が鳴り、ヤクブ、アヤズ、テレンツィオは格納部へ向かう。アヤズはテレンツィオを守るために格納部に潜んでいた英国兵を射殺する。
置き去りにされた客室乗務員のガブリエルは、SNSにメッセージを投稿。同僚のクロエがマチューの子どもを妊娠していることをイネスに伝える。クロエの妊娠を知ったマチューは動揺する。
オスマンは、アヤズがナビルを埋葬したときに腹からダイヤを取り出したと証言。乗客たちはアヤズを問い詰める。アヤズは祖国トルコのエメラルドを取り戻すためだったと語り、ナビルを運び屋として雇っていたことを打ち明ける。

リックはアヤズの処罰が確定するまで拘束することを提案するが、アヤズと対立していたテレンツィオが何も言わないことを不審がる。
飛行機はアラスカのアッツ島に着陸。リックの主導でアヤズの処遇を決める即席裁判が行われる。テレンツィオはNATOでシェルターの噂を聞いたと言い、ベルギーに戻って資料を探すべきだと主張。戦力になるとして、アヤズの釈放を訴える。賛成多数で釈放されるアヤズ。テレンツィオは借りを返しただけだと告げる。
ホルストの説明によって、太陽の光を浴びた食物はDNAが壊れており、生鮮食品には栄養価がないことに気づく乗客たち。人々は餓死する可能性に怯える。
マチューの様子がおかしいことに気づいたシルヴィは、アヤズとリックに頼んでマチューを操縦席から運び出す。
国際宇宙ステーションにいる宇宙飛行士の声をキャッチし、“スタラ17”“日の出”“夜明け”“星”というロシア語を聞き取るが、何を意味しているのかわからない。さらにハワイの施設〈マーズ・スフィア〉が未完成だという記事を見つけ、選択肢はシェルターに絞られる。
マチューは傷口から感染症を患い、敗血症になっていた。感染した組織を切除するには無菌室や人工呼吸器が必要だと言うローラ。機長不在のまま着陸に備えるシルヴィ。ヤクブは動画を見ながらシルヴィを補佐する。
飛行機は無事にブリュッセル空港に着陸するが、ホルストは食物と同様に燃料が劣化している可能性に気づく。

ヤコブとオスマンは劣化していない燃料を手に入れるためアントワープへ向かう。ローラ、ホルスト、ザラはマチューを病院へ連れていき、ローラが手術をすることに。その最中、ザラの息子ドミニクが生きている動物を目撃する。
テレンツィオ、アヤズ、リックはシェルターの情報を得るためNATO本部へ。警備会社に勤務するリックは警備室のモニターで会議の映像を確認し、“スタラ17”がブルガリアにある掩体壕を示していることに気づく。
テレンツィオとアヤズは殴り合いになり、テレンツィオは「アヤズは先に戻った」と嘘をついて失神したアヤズを置き去りにしようとする。テレンツィオを怪しみつつ、彼に従い空港に戻るリック。
イネスと一緒に食料を調達していたシルヴィは、一人で家に戻り、ベッドの上で亡き恋人を思って涙する。迎えに来たヤクブに思わずキスしてしまうシルヴィ。
トラック一台分の燃料を補給し、飛行機は離陸に向けて準備を整える。復活したマチューは操縦席でシルヴィを待つ。シルヴィはヤクブとともに戻るが、アヤズが戻らない。ザラはアヤズがいないことに気づき、リックを問い詰める。
リックはテレンツィオが何かしたと発言。離陸する直前、一台の車が滑走路に入ってくる。車から降りてきたのは血まみれのアヤズだった。

テレンツィオはアヤズを殺そうとした罪で懲罰を受け、拘束される。リックが聞いた座標はスタラ地区の水力発電ダムがある場所だと判明。ダムは掩体壕のカムフラージュだと推測するシルヴィたち。
ブルガリアの空軍基地から掩体壕までは15キロ離れており、太陽が昇るまでの時間は30分しかなかった。ザラはドミニクの治療費を得るために腎臓を撃ったことをアヤズに告白し、もし自分が遅れたときは息子を守ってほしいと頼む。
シルヴィは恋人アンリが膵臓がんだったこと、彼に痛みを我慢させていたことをマチューに明かし、アンリが死んだ翌日に除隊したことを話す。マチューは自分を許せと助言する。
リックは警備室のモニターで倒れているアヤズを見たにもかかわらず、置き去りにしたことを謝罪する。アヤズはリックを許し、2人は和解する。リックがモスクワ行きに乗った目的はネットで知り合った女性と会うためだったが、イネスの指摘で詐欺だと判明する。
飛行機は空軍基地に着陸し、乗客たちは2台のジープに乗り込み、ダムへ向かう。途中、アンリの遺灰を置いてきたことに気づくシルヴィ。後続のジープを運転していたアヤズの意識が混濁し、ジープは衝突。アヤズ、ヤクブ、イネス、ホルスト、ザラとドミニクは歩いて掩体壕へ向かう。
シルヴィたちは施設のゲートを通り抜けるが、その後ゲートは自動的に閉まってしまう。ゲートは誰かがボタンを押していないと閉まるシステムになっていた。テレンツィオが立候補するが、シルヴィは彼を信用できないとして、その場に手錠で拘束し置き去りにする。
アヤズたちは分かれ道で方向を誤り、電気柵に阻まれる。柵を乗り越え、掩体壕へ向かう6人。シルヴィはマチューたちを掩体壕の中に入れた後、後続のジープを迎えに行き、アヤズたちと合流する。間一髪で掩体壕に潜り込むシルヴィとアヤズたち。
置き去りにされたテレンツィオは、手錠に繋がれたまま朝日を浴びる。シルヴィたちは掩体壕の中で兵士たちに囲まれる。指揮官は問題解決のために力を貸せとシルヴィに要求する。

感想(ネタバレ有)

奇抜な設定が面白い!意外と練り込まれた脚本

いきなりライフルを持った男にハイジャックされ、わけがわからないまま離陸したモスクワ行き21便。テロと思われたその行為が、実は乗客たちを救うことに。

なぜなら地上は謎の現象に見舞われ、大惨事となっていたからです。11年周期の太陽磁場の反転に異常が起き、中性子爆弾級のガンマ線放出が起きてしまったと思われる(たぶん)。

それって、そんな急に起こるものなの? 昨日まで大丈夫だったのに? 爆弾級の放射線浴びても遺体がキレイなのはなぜ? とかいろいろツッコみたくなりますが、そこはスルーしましょう。

ハイジャックした男、NATO軍将校のテレンツィオは、「西へ向かえ」と命じます。太陽の光を浴びると死ぬ、つまり「夜」の区域にいれば助かる。というわけで、ひたすら西へ、太陽から見て地球の“裏側”に回り込むモスクワ行き21便。

この設定がタイムリミットを生み出し、とんでもなくハラハラさせてくれるのです。燃料や食料補給のために空港に着陸しても、すぐに太陽が追ってくる(夜明けが近づく)ので、のんびりしていられない。常に緊張感。スリリング。

全体的にハチャメチャなように思えるけど(実際ハチャメチャだけど)、意外としっかり練り込まれた脚本なのかな。

人間関係でもトラブル続出

加えて、飛行機には文化圏の異なるさまざまな人種が乗り合わせ、閉塞空間と極限状態のストレスからトラブルが続出。このあたりも面白い。

会話は基本フランス語。ベルギーではオランダ語とフランス語が話されているというのも初めて知りました。

リーダー的な人物がいないこともあって、乗客たちはバラバラ。一致団結とはほど遠く、全然まとまらない。「みんな勝手だなぁ!」と思うけど、これが普通なのかも。

そんな彼らも命の危険が迫るとなると別。終盤になって突然リーダー宣言をしたシルヴィのもと、「生き延びる」ために結束して困難に立ち向かいます。

第6話(最終話)の、空港から掩体壕へ向かうシーンが最高にドキドキしました。「なんで事故るねん!」「なんでそっち行くねん!」「なんで脱いでるねん!」とツッコみながら、画面にクギヅケ。

続きがありそうな終わり方でしたが、どうかなぁ。正直、“飛行機で太陽から逃げる”という設定がすべてのドラマだったと思う。舞台が地上に移ったら魅力ないかも。

とはいえ、シーズン2あれば見ると思います。