Paramount+で独占配信中のドラマ「モスクワの伯爵」(全8話)の登場人物と時代背景をまとめました。
ベストセラー小説「モスクワの伯爵」を元に、ロシア革命から第二次大戦後にかけての激動の時代を描くドラマシリーズ。
数奇な運命に見舞われる主人公・ロストフ伯爵を、エミー賞やゴールデングローブ賞などの受賞歴も持つユアン・マクレガーが見事に演じ切っています。IMDbの評価は7.4。
時代背景として、ソビエト連邦の成立とそれに伴う政治的・社会的変動が物語の大きな要素となっています。
難解な作品ではないので知識がなくても問題なく楽しめますが、時代背景について知りたい方は、年表を作りましたので参考にしてみてください。
Paramount+は、WOWOWオンデマンド、J:COM STREAM、Prime Videoチャンネルでサービスが提供されています。
※この記事は随時更新中です。各話視聴後、加筆修正します
Contents
作品概要
- 配信:Paramount+
- 製作国:英国(2024年)
- 原題:A Gentleman in Moscow
- 原作:エイモア・トールズ『モスクワの伯爵』
- 脚本:ベン・ヴァンストーンほか
- 監督:サム・ミラーほか
あらすじ
ロストフ伯爵は、それまで暮らしていたモスクワの一流ホテル・メトロポールのスイートルームから、ホテルの屋根裏部屋に追放され、その狭小な部屋で30年以上に渡る軟禁生活を送ることを余儀なくされる。しかし、そんな不遇を乗り切るために、彼が選んだのは、「紳士の流儀を貫くこと」だった。屋根裏部屋でも貴族としての矜持を失わず、新たな生活を築いていくロストフ伯爵は、宿泊客や従業員との絆を深めながら、友情や家族、愛の価値を見出していく。運命に翻ろうされる元貴族が過ごす“過酷で優雅な生活”とは――。
映画.COM公式サイトより
予告動画
原作について
このドラマの原作は、エイモア・トールズ氏の長編小説『モスクワの伯爵』(2016年刊行)です。
ロシア革命後のモスクワを舞台に、架空の人物アレクサンドル・ロストフ伯爵の人生を描き、全米発行部数150万部を突破したベストセラー小説です。
時代背景
この物語は、ロシア革命後のモスクワが舞台になっています。
主人公のロストフ伯爵は、革命後のソビエト政権によって「反革命的」とみなされ、死刑を免れたものの、モスクワのメトロポール・ホテルに軟禁されます。
ロストフ伯爵が「反革命的」とされた理由は、彼が貴族であり、旧体制であるロシア帝国の象徴的な存在だったからです。
新しいソビエト政権は貴族や旧体制の人々を敵視し、彼らを社会主義の価値観に反する存在と見なしていました。
年表
西暦 | 出来事 |
---|---|
1914 | 第一次世界大戦始まる(~1918) |
1917 | ロシアで二月革命、十月革命が起きる(ソビエト政権成立) |
1918 | ロシア社会民主労働党(ボリシェヴィキ)、党名をロシア共産党に変更 ドイツ革命によりドイツ共和国成立 |
1920 | ソビエト=ポーランド戦争始まる |
1921 | 中国共産党結成 |
1922 | ソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)成立 |
1923 | 日本で関東大震災が発生 |
1924 | レーニン死亡、スターリンとトロツキーの権力闘争が激化 |
1927 | トロツキー、ソ連共産党から除名される |
1929 | ソ連でスターリンが権力を握る |
1933 | ドイツでヒトラー内閣が成立 |
1937 | ソ連のスターリン体制の下で粛清が行われる 日中戦争始まる |
1939 | 第二次世界対戦始まる(~1945) |
ロシア革命
1905年から1917年にいたる一連の革命。ロシアにおいて帝政を倒し、史上初の社会主義国家を成立させた。
ボリシェヴィキ
レーニンを指導者とするロシア社会民主労働党の左派。1918年にロシア共産党と改称。
チェーカー
十月革命後の1917年に設立された〈反革命・サボタージュ取締り全ロシア非常委員会〉の略称。のちのKGBの前身にあたる最初のソビエト政治警察。
レーニン
ロシア革命の指導者。マルクス主義者。労働者や農民による政府、すなわちプロレタリアート独裁を実現するために行動を起こし、ボリシェビキをひきいて世界最初の社会主義国家を樹立、その首班となった。
1922年から病状が悪化し、最後にスターリンを批判して死亡した。
スターリン
ソビエト連邦共産党指導者。レーニンの死後、トロツキー派を排して党と政府を完全に掌握し、急速な工業化と農業集団化を推進した。
1936年にスターリン憲法を制定して社会主義の勝利を宣言する一方、反対派を粛清で大量処刑した。第二次世界大戦ではヒトラーの攻撃を退けて祖国防衛に成功。戦後はソ連の国際的地位を高め、冷戦の立役者となった。
登場人物(キャスト)
アレクサンドル・イリイチ・ロストフ(ユアン・マクレガー)
革命で爵位を奪われ、無期限の軟禁刑を課される。一流ホテル・メトロポールの粗末な使用人部屋に追放されるも、今までと変わらず紳士としてふるまい、新たな生活を築いていく。会話が上手く教養があり、ワインについても造詣が深い。
オシプ・グレブニコフ(ジョニー・ハリス)
チェーカー(反革命・サボタージュ取締り全ロシア非常委員会)の将校。ロストフを屋根裏の使用人部屋に追放し、厳しく監視する。
ニーナ・クリコワ(アレクサ・グッドール/Leah Balmforth)
ホテルの従業員の娘。「どのドアも開く鍵」を持っており、隠し通路などホテル内の隅々まで知り尽くしている。ロストフとは長年にわたって友情を育むことになる。
マリーナ(リア・ハーベイ)
ホテルの従業員。夫を亡くし、働きながら息子のヤーシャを育てている。裁縫が得意で、ロストフの服を仕立てることも。
アンナ・ウルバノワ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)
有名女優。たまにホテルを利用し、ロストフとの情事を楽しむ。
ミーシカ(フェヒンティ・バログン)
ロストフの大学時代の友人。共産主義者。ロストフの妹エレーナとは相思相愛だったが、ロストフによって仲を裂かれた。
ハレツキ(ロブ・ジャーヴィス)
ホテル・メトロポールの支配人。
ニコライ・ペトロフ(ポール・レディ)
ロストフの友人。王子だったが革命により身分を剥奪された。バイオリンを愛し、演奏家としてホテルに通う。身の危険を感じ、ロストフとともに国外脱出を計画するが…。
アブラム(ダーモット・クロウリー)
ホテルの屋上の管理人。屋上で20年近く養蜂をしており、親しくなったロストフにはちみつを振る舞う。
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