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あらすじ(ネタバレ有)
沖田(高倉健)、古賀(山本圭)、浩(織田あきら)の3人は、新幹線に爆弾を仕掛ける計画を立てる。古賀は北海道の夕張へ行き、貨物5790列車に爆弾を仕掛ける。
大勢の客を乗せ、東京駅から博多行きひかり109号が発車する。乗客の中には、沖田らにダイナマイトを売った指名手配犯・藤尾(郷鍈治)と彼を護送する刑事もいた。
沖田は新幹線総局に電話し、ひかり109号に爆弾を仕掛けたことを告げる。爆弾は時速80キロになったとき自動的にスイッチが入り、再び80キロ以下に減速すれば爆発する仕掛けだった。
嘘ではない証拠として、沖田は夕張線を走る貨物5790列車に同種の爆弾を仕掛けたと伝える。ほどなく、貨物列車は伝達通りに爆発する。
総合指令所の運転指令長・倉持(宇津井健)は、109号の運転士・青木(千葉真一)に爆弾が本物であることを告げ、乗客に知らせずに最高速度を120キロにおさえ、博多到着まで時間を稼ぐよう命じる。
警察は合同対策本部を設置し、警察庁捜査一課長の花村(鈴木瑞穂)が捜査の指揮をとることに。沖田は追加の電話で、爆弾の解除方法を教える代わりに500万ドルを要求。国鉄総裁(志村喬)は金を用意するため、政府に協力を求める。
109号が停車するはずの名古屋駅を通過したしたことで、乗客らが騒ぎ始める。鉄道公安官・菊池(竜雷太)はやむを得ず、車内放送で爆弾のことを伝える。
名古屋駅で降りるはずだった妊婦・平尾和子(田坂都)がパニックを起こして産気づき、乗り合わせた女医の秋山(藤田弓子)が出産に立ち会うことに。
沖田はその場その場で刑事に受け渡し方法を指示し、ヘリコプターや舟を使って金を運ばせる。
荒川上流の長瀞渓谷に待機していた浩が金を受け取る手はずだったが、尾行していた警察がたまたまその場を通りかかった大学柔道部の集団に協力を求めたため、浩は金をあきらめてバイクで逃走。逃げる途中に交通事故を起こして死んでしまう。
夕張駅に落ちていたタバコの銀紙に付着していた指紋から、古賀の名前が浮上。警察に追われた古賀は逃げる途中に足を撃たれて負傷しながらも、沖田の工場にたどり着く。
浩の死と古賀の負傷に責任を感じた沖田は、計画を中止しようとする。だが古賀に説得され、続行することを決意。警察に電話し、身代金の受け渡し方法を伝える。
沖田は警察を出し抜き、ついに500万ドルを手に入れる。警察は沖田からの電話で、爆弾の解除に必要な設計図が喫茶店サンプラザに預けられていることを知って急行するが、偶然にも店が火災に見舞われ、設計図は消失してしまう。
警察は夕張線の貨物列車に仕掛けられた爆弾に電磁式速度計が使用されていることから、速度計を製作した沖田精器製作所にたどり着く。警察に囲まれ逃げ道を失った古賀は、ダイナマイトを抱いて自爆死を遂げる。
ひかり109号で出産に臨んでいた和子は、流産してしまう。和子自身も危険な状態に陥る。警察は沖田が主犯だと確信し、沖田の元妻・富田靖子(宇津宮雅代)に協力を求める。総合指令所の倉持は、「爆弾の解除方法を教えてほしい」とテレビ放送を通じて沖田に訴える。
ひかり109号に乗り合わせていた刑事の松原(近藤宏)は、護送中の藤尾が爆弾事件に関与していることを知る。藤尾は沖田が今夜の便で国外逃亡を企んでいること、そのパスポートの名前は“武田俊介”であることを教える。
政府は爆弾解除が間に合わなかった場合に備えて、新関門トンネルや北九州工業地帯での被害拡大を避けるため、山口県の田園地帯で列車を停止させて爆破するよう国鉄総裁に命令する。
警察の無能さに激怒した倉持ら国鉄職員は、高速度撮影機を使って列車下部を撮影し、仕掛けられた爆弾の場所を特定する。コードを切断するためには車内にある鉄製のゴミ箱を壊さなければならなかった。倉持は救援車を並走させ、109号に酸素溶接機を届ける。
運転士の青木らは受け取った酸素溶接機でゴミ箱に穴をあけ、爆弾のコードを切断することに成功する。鉄道写真にはもう一か所、爆弾の可能性がある物が写っていたが、倉持は山口県内で列車を停止させることを決断。青木に停車を命じる。
青木は80キロ以下に減速させるが、列車は爆発することはなく無事に停車する。安堵する倉持だったが、乗客1500人の命を見捨てて停止を命じたことに罪悪感を覚える。
さらに、警察が沖田を逮捕するために109号救出のニュースを発表せず、倉持が沖田に呼び掛ける映像をテレビで流し続けていることを知り、「この仕事を続けていく資格はない」と辞職を申し出る。
警察は未だ沖田の顔を把握しておらず、羽田空港で“武田俊介”を名乗る人物を待ち伏せていた。沖田は“サクマゴロウ”名義のパスポートで警察の目を出し抜き、出国ゲートへ向かう。
だがそこには、妻・靖子と息子・賢一の姿があった。動揺した沖田は逃げ出し、花村たちに気づかれてしまう。海に飛び込んで対岸に渡った沖田だったが、警官たちに包囲され、狙撃される。
感想(ネタバレ有)
Netflixで配信されるリブート版を観る前に、オリジナルを視聴。昭和生まれのわたしが見ても「驚き」がいっぱいの映画で、面白かった。
パニック映画というよりも、サスペンス色の濃い人間ドラマという印象。犯人側の事情が明らかになるにつれ複雑な感情になり、彼らと警察の攻防にはハラハラさせられました。
あとキャストがとんでもない顔ぶれで、しかもワンシーンだけの出演が多くてびっくり。集めすぎでは?と思うくらい。北大路欣也とか岩城滉一とか志穂美悦子とか多岐川裕美とか、言われないと気づかないレベルでさらっと出てくる。
今ではほぼ使われなくなった「オールスター」という言葉が力を持っていた時代の作品だなぁ、としみじみ思いました。
高度経済成長期の裏側に潜む影
犯人グループが新幹線に仕掛けたのは、時速80km以下になると爆発する爆弾。「異常を検知したら自動的にブレーキがかかる」という新幹線の“安全神話”の盲点をついた、おそろしい計画でした。
爆発を回避するには、速度を落とさず走り続けるしかない。終点の博多駅に到着するまで約9時間というタイムリミットも生じる。
犯人の沖田、古賀、浩の3人は、戦後の経済成長から取り残された人々として描かれています。そんな彼らが、絶望的な反撃として高度経済成長のシンボルとも言える新幹線を爆破する…という設定がすさまじい。
国鉄側でも残酷な結末が待っていて、終盤みんなが109号救出に大喜びする中、運転指令長の倉持だけが沈鬱な表情で指令所を出ていく場面に表れている。
北九州工業地帯を守るため、山口県の田園地帯で停止させよと命じた政府。つまり日本経済のために乗客1500人の命を犠牲にすることを決めたわけです。
倉持は断固反対しながらも、結局はさからえず停車を命じてしまった。109号は爆破しなかったものの、「乗客を見捨てた」というぬぐい切れない罪悪感が彼を辞職に追い込んでしまう。
単なるスリルだけではなく、当時の日本社会に対する批判や問いかけも含んでいて興味深かった。
現代から見ると…
犯人グループを追う警察は、古賀勝と大城浩を特定し、ついに主犯の沖田にたどり着きます。が、名前と住所がわかっても、顔がわからない。
アナログ時代の面白さですねぇ!
スマホで日常的に写真を撮りまくってSNSに投稿している現代とは違い、当時は何かイベントでもない限り写真なんて撮らなかった。もちろんデータではないから、家族が「処分した」となると絶望的。
終盤の空港のシーンは最高にスリリングでした。目の前に沖田がいるのに、刑事たちは誰も気づかない。残酷にも、別れた妻と子どもに見つけさせて沖田を特定する警察。
ラストシーン。沖田には逃げ切ってほしいと願いつつ、彼が生き延びることは歴史的に見てもありえないということに気づく。時代に取り残された彼らを見捨てて、日本は世界有数の経済大国に成長する。
公開当時はあまり受けず、興行的には赤字で失敗だったらしいけど、フランスでの大ヒットを皮切りに世界各国で公開され、続々大ヒットを記録。80年代に入って日本でも再評価されるようになり、今に至ります。
さて令和のリブート版はどんな作品になるのか。楽しみです。
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