ネタバレ解説*映画「犬神家の一族(1976)」あらすじ・キャスト・予告動画・視聴方法

映画「犬神家の一族(1976)ネタバレ解説・キャスト・予告動画

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1976年公開の映画「犬神家の一族」についてまとめました。

「金田一さん、事件ですよ!」というコピーとともに一大ブームを巻き起こし、いまや「犬神家」といえばこの映画をさすほど有名になった作品。

わたしはまだ幼かったのでリアルタイムでは見てませんが、いま見ても面白いし、とにかく映像が芸術的で美しい。何度見ても飽きない名作です。

そして「角川映画」の第1回作品でもあります。当時、角川書店の2代目社長に就任したばかりの角川春樹氏が、本を売るためのメディアミックス(日本初)のひとつとして製作(製作費は破格の2億2000万円)。これが大成功をおさめました。

映画は1976年10月16日に日比谷映画劇場で先行上映され、公開1週間の観客動員数5万6335人は世界新記録を樹立。

最終的な配給収入は13億200万円(15億5900万円とも)で、当時としては大ヒット。角川文庫の横溝正史シリーズも1800万部を突破し、『犬神家の一族』だけで200万部を超える大ブームになりました。

プールでスケキヨごっこをする子どもが続出し、「犬神家禁止」という貼り紙がされていた…というのはよく聞く話ですね。

今回は映画のあらすじを追いつつ、原作との違い、製作のエピソード、各シーンの見どころなどを解説していきたいと思います(映画を見た人向けの解説です)。

作品概要

  • 製作国:日本
  • 上映時間:115分
  • 公開日: 1976年10月16日
  • 脚本:長田紀生/日高真也/市川崑
  • 音楽:大野雄二
  • 監督:市川崑
  • 製作総指揮:角川春樹

予告動画

視聴方法(動画配信)

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原作について

この映画の原作は、横溝正史の長編推理小説『犬神家の一族』です。

横溝正史は終戦直後に人気を博した作家で、この作品が発表されたのも終戦から5年後の1950年(昭和25年)です。横溝作品の映画化は1961年の「悪魔の手毬唄」を最後に途絶え、1970年頃には忘れ去られた存在になっていました。

そんな彼の作品に着目したのが、角川春樹氏でした。当時、日本の土俗的なものへの回帰が始まっていたことや、アメリカで「エクソシスト」などのオカルト・ブームが来ていることを知り、「これからは横溝正史だ」と考えたそうです。

そこで横溝正史本人に交渉し、作品をつぎつぎと文庫化していきました(この頃、推理小説の文庫はまだ少なかった)。それがもくろみどおり当たって、映画化の流れになっていったのです。

原作についてはこちら↓で詳しく解説しています。

横溝正史「犬神家の一族」原作ネタバレ解説と感想 「犬神家の一族」原作ネタバレ解説(相関図あり)犯人はスケキヨ?

登場人物(キャスト)

金田一耕助(石坂浩二)
私立探偵。ぼさぼさ頭を掻きむしる癖がある。古館法律事務所の助手・若林から依頼の手紙を受け取り、那須を訪れる。

犬神佐兵衛(三國連太郎)
犬神財閥の創始者。不可解な遺言状を残して他界する。松子、竹子、梅子という腹違いの3人の娘がいるが、正式な妻は持たなかった。

犬神松子(高峰三枝子)
佐兵衛の娘。3姉妹の長女。未亡人。犬神家の遺産を息子の佐清に相続させたいと考えている。母親とは幼い頃に離別している。

犬神佐清/青沼静馬(あおい輝彦)
松子の一人息子。戦地のビルマで行方不明になっていたが、顔に大怪我を負って帰ってくる。不気味な仮面をかぶり、一族から正体を怪しまれる。

犬神竹子(三条美紀)
佐兵衛の娘。3姉妹の次女。遺言状の公表に立ち会うため、夫・寅之助、長男・佐武、長女・小夜子とともに那須の本宅に滞在中。連続殺人に「斧、琴、菊」の呪いを感じ取る。

犬神寅之助(金田龍之介)
竹子の夫。犬神製薬東京支店の支店長。

犬神佐武(地井武男)
竹子の息子。復員した佐清を怪しみ、奉納手形を使って正体を暴こうと画策する。

犬神小夜子(川口晶)
竹子の娘。佐智の妹。竹子の長男・佐武を慕っている。

犬神梅子(草笛光子)
佐兵衛の娘。3姉妹の三女。遺言状の公表に立ち会うため、夫・幸吉、長男・佐智とともに那須の邸宅に滞在中。遺産の取り分を増やすため、佐智と小夜子の結婚を望んでいたが…。

犬神幸吉(小林昭二)
犬神製薬神戸支店の支店長。

犬神佐智(川口恒)
梅子の息子。両親を喜ばせるために小夜子と付き合っていたが、遺言の内容を聞いて珠世に乗り換えようとする。

野々宮珠世(島田陽子)
佐兵衛の恩人である野々宮大弐の孫。現在は犬神家に身を置いている。

猿蔵(寺田稔)
犬神家の使用人。佐兵衛から「命に替えても珠世を守れ」と言われている。

古館恭三(小沢栄太郎)
古館法律事務所の弁護士。犬神家の顧問弁護士で、佐兵衛の遺言状を預かっている。助手の若林が殺害されたため、代わりに金田一に調査を依頼する。

若林(西尾啓)
古館弁護士の助手。ひそかに金庫を開けて遺言状を読み、「犬神の一族に何かが起こる」と金田一に調査を依頼していた。だが金田一と会う前に毒殺されてしまう。

署長(加藤武)
那須警察署の署長。犬神家の連続殺人事件を捜査する。

大山神官(大滝秀治)
那須神社の神官。佐兵衛と野々宮家の関係を知る人物。

はる(坂口良子)
那須ホテルの女中。金田一の捜査を手伝う。

野々宮大弐(那須清)
故人。那須神社の神官。神社の拝殿の床下で倒れていた17歳の佐兵衛を助け、面倒を見た。珠世の祖父。

野々宮晴世(仁科鳩美)
故人。佐兵衛の恩人である野々宮大弐の妻。珠世の祖母。

青沼菊乃(大関優子)
佐兵衛が50を過ぎてから関係を持った女工。佐兵衛の息子・静馬を産んだあと姿を消した。

お園(原泉)
松子の実母。松子が幼い頃、犬神家を追い出された。

琴の師匠(岸田今日子)
松子の琴の師匠。盲目。

久平(三木のり平)
柏屋の亭主。

那須ホテルの主人(横溝正史)

渡辺刑事(角川春樹)

あらすじ解説

オープニング

昭和22年。日本の製薬王といわれた犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛(三國連太郎)が信州・那須湖畔の本宅で息を引き取る。遺言状の公表は、犬神家の顧問弁護士・古館恭三弁護士(小沢栄太郎)に委ねられた。

放浪孤児だった犬神佐兵衛は、17歳のときに那須神社の神官に救われた。その後独立し、犬神製薬工場を設立。一代で莫大な資産を築き上げた。

映画は犬神佐兵衛臨終の場面から始まります。

佐兵衛を演じるのは三國連太郎さん。このとき53歳。実は佐兵衛の長女・松子を演じる高峰三枝子さん(当時58歳)より若かったんですね。以下、角川春樹氏の談話。

三木のり平さんと三國連太郎さんに関しては、「この人を出せば必ず映画がヒットする」というジンクスがあったんです。だから、わずかなシーンでも出演してもらいたかった(笑)

現代ビジネス「日本映画に革命を起こした『犬神家の一族』はここがスゴかった」より

原作では年代が明らかにされていませんが、本作では終戦から2年後の「昭和22年」という設定。犬神佐兵衛が営む事業も、原作の「製糸工場」から「製薬工場」に変更されています。その理由についてはのちほど。

佐兵衛の生い立ちについて、映画では古い写真を使って断片的に紹介。原作では、恩人の野々宮大弐との衆道関係や、独立に至った経緯、松子、竹子、梅子の家族関係などが、数ページにわたって詳しく説明されています。

そして市川崑監督の金田一シリーズの特徴でもある、画面いっぱいのクレジットタイトル。独特のタイポグラフィは、のちに「新世紀エヴァンゲリオン」や「古畑任三郎」でオマージュされたことでも有名です。

黒背景に巨大な明朝体の白文字だけが浮かぶという鮮烈なオープニング映像に、大野雄二氏作曲の有名なメインテーマ「愛のバラード」が流れる。美しい旋律を奏でるのは「ダルシマー」と呼ばれる、ヨーロッパの民族楽器です。

大野氏はこのあと「ルパン三世」の音楽を担当することになるのですが、わたしは「犬神家」よりも先に「ルパン三世」のほうを見ているので、「犬神家」の劇伴を聞くと「ルパン三世」、とくに「カリオストロの城」を思い出してしまいます。まったくカラーが違う作品だけど、音楽は似てるんですよね(どっちも好き)。

金田一耕助登場

佐兵衛の死から7か月後。
私立探偵の金田一耕助(石坂浩二)は、ある人物からの依頼を受けて那須市を訪れる。

市川崑監督の金田一シリーズで探偵・金田一耕助を演じるのは、石坂浩二さんです。このとき35歳。

この映画ではじめて、「年ごろ三十五、六、もじゃもじゃ頭の、風采のあがらぬ小柄の人物で、よれよれのセルに、よれよれの袴といういでたち」という、原作どおりの金田一耕助が登場しました。

それ以前は時代劇スターの片岡千恵蔵さんが演じていまして、背広にソフト帽の洋装で、美人秘書までいるというアメリカナイズされたスタイルでした。

金田一のトレードマークにもなっている茶色のトランクケースは、石坂さんの私物。神戸で買った骨董品だそうです。ところどこに戦前のものとおぼしき旅行先のステッカーが貼られていて、市川監督がひと目見て気に入り、その後のシリーズでも使われました。

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