英国ドラマ「北氷洋」全話ネタバレ・登場人物(キャスト)一覧

英国ドラマ「北氷洋」あらすじキャスト

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英国ドラマ「北氷洋」(全6話)についてまとめました。

イアン・マグワイアの小説をドラマ化。人間の本性と自然の脅威を描く、壮大なスケールのミステリー。IMDbの評価は7.7。

捕鯨船の船医サムナーを演じるのは若手注目株のジャック・オコンネル。彼と対峙する野蛮な男ドラックスを、実力派俳優コリン・ファレルが演じます。

テレビドラマの枠をはみ出した映画並みのスケールで、荒々しい自然界の描写には圧倒されます。

たびたび登場する動物を狩るシーンはとてもリアルで、ドラマだとわかっていても目を背けたくなるほど。苦手な方は要注意です。

文明を築く人間こそが優れた生き物であるとする19世紀の価値観は、現代から見れば愚かにも見えるけれど、果たして当時の人々を非難することができるのか、という思いにもなりました。

人間は本質的には何も変わっていないのかも…。

作品概要

  • 放送局:AXNミステリー
  • 放送時間:2021年12月4日(土)16:00~ ※一挙放送
  • 製作国:英国(2021年)
  • 原題:The North Water
  • 原作:イアン・マグワイア『北氷洋―The North Water―』​
  • 監督・脚本:アンドリュー・ヘイ​

あらすじ

19世紀。地獄のような戦場を体験した元軍の外科医であったパトリック・サムナーは、北極海をめざす捕鯨船の船医として乗船することになった。しかし、彼の地獄は終わっていなかった。サムナーは野蛮なモンスターのような男ヘンリー・ドラックスと対峙していくことになる・・・。

AXNミステリー公式サイトより

予告動画

原作について

このドラマの原作は、イアン・マグワイアのサバイバル・サスペンス小説『北氷洋-The North Water-』(2016年刊行)です。

2016年のブッカー賞の候補作となり、ニューヨーク・タイムズの2016年度ベスト・フィクション5冊のうちの1冊にも選ばれています。

登場人物(キャスト)一覧

パトリック・サムナー(ジャック・オコンネル)
インドから帰還した元軍医。アイルランド出身。船医として捕鯨船ヴォランティア号に乗り込む。戦地での経験がトラウマとなっており、アヘンに依存している。

ヘンリー・ドラックス(コリン・ファレル)
銛打ち。人を人とも思わず、本能のままに生きる凶暴な男。サムナーが所持する指輪を狙い、航海中に殺そうと企む。

バクスター(トム・コートネイ)
捕鯨会社の責任者。サムナーを雇った人物。ヴォランティア号を北部の海で沈没させ、保険金を手に入れようともくろんでいる。

アーサー・ブラウンリー(スティーヴン・グレアム)
ヴォランティア号の船長。3年前、氷山との衝突で大勢の船員を犠牲にしている。雇用主のバクスターにヴォランティア号を沈めるよう密かに指示されている。

マイケル・キャベンディッシュ(サム・スプリエル)
一等航海士。保険金詐欺計画を知っている人物。ドラックスとともにサムナーの指輪を狙っている。

ジョーンズ(キーラン・アーカート)
二等航海士。将来の夢を抱き、5年後に船長になる計画を立てている。サムナーと親しくなる。

オットー(ローランド・ムーラー)
銛打ち。信心深く、穏やかな性格。サムナーと親しくなり、相談相手になる。

マッケンドリック(フィリップ・ヒル=ピアソン)
大工。同性愛者。キャベンディッシュとドラックスの証言により、給仕係のジョゼフを殺した容疑で拘束される。

ジョゼフ・ハンナ(ステファン・マクミラン
給仕係。航海中に性的暴行を受けたことがサムナーの診察により発覚するが、頑なに相手の名前を告げず、その後遺体で発見される。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1859年、英国の港ハル。インドから帰還した元軍医のサムナーは、船医として捕鯨船ヴォランティア号に乗り込むことに。彼は港の薬品店で大量のアヘンチンキを手に入れ、船に持ち込む。
捕鯨会社の責任者バクスターは、保険金詐欺を計画。船長のブラウンリーに北部の海で船を沈めるよう命じる。乗組員の中で計画を知るのは、一等航海士のマイケル・キャベンディッシュだけだった。
乗組員のひとりで銛打ちのヘンリー・ドラックスは、港の酒場で口論になった男を殺して金を奪う。彼は本能のままに生きる凶暴な男だった。
船が出港し、サムナーはキャベンディッシュらに誘われてラーウィックの港に上陸する。酒場で酒を飲んでいるとドラックスが暴れ出し、喧嘩に加わろうとしたサムナーは殴られて気を失う。
ドラックスとキャベンディッシュは気絶したサムナーを船室に運び、彼の荷物を探ってアヘンパイプと除隊通知、インドから持ち帰ったと思われる高価な指輪を見つける。サムナーは何らかの理由で軍法会議にかけられ、恩給も与えられずに除隊になっていた。2人は航海中にサムナーを殺して指輪を手に入れようと企む。

ヴォランティア号は北極海に到達し、乗組員たちはアザラシ狩りを行う。野性的な男たちに触発され、2日目はサムナーも狩りに参加。だが途中で力尽き、ドラックスに助けを求めるも流氷に置き去りにされてしまう。
海に落ちたサムナーはジョーンズに救われ、奇跡的に命を取り留める。船がバフィン湾を目指す中、給仕係のジョゼフ・ハンナが腹痛を訴え、サムナーの船室にやってくる。診察するとジョゼフの肛門は損傷し、性病をうつされた痕跡があった。
サムナーは船長のブラウンリーに相談し、誰に犯されたのかジョゼフを問い詰めるが、本人は怯えて泣くばかりで名前を明かそうとしない。ドラックスはジョゼフの虚言癖を告げ、「話を真に受けない方がいい」とサムナーに忠告する。
ついに鯨を発見し、乗組員たちによって捕鯨が行われる。そのダイナミックな光景に圧倒されるサムナー。獲物を手に入れ浮かれ騒ぐ乗組員たちだったが、翌朝、樽の中からジョゼフの遺体が発見される。

ジョゼフの遺体を検視したサムナーは、絞殺と判断。指には争った痕跡があり、前歯が欠けていた。キャベンディッシュは乗組員から聞き込みを行い、大工のマッケンドリックが同性愛者であることを船長に報告する。マッケンドリックは殺害を否定するが、ドラックスの目撃証言によって犯人と断定され、船倉に鎖でつながれる。
北を目指すブラウンリー船長は、保険金詐欺の計画を知るヘイスティングス号のモーウッド船長と合流。ランカスター海峡で船を沈め、乗組員をヘイスティングス号に救助してもらう計画を話し合う。
サムナーはマッケンドリックの親指が動かないことを知り、遺体に残っていた2つの親指の痕と矛盾することを船長に報告。嘘の証言をしたドラックスを怪しみ、身体検査を行う。ドラックスの腕の傷には、ジョゼフの欠けた歯が埋まっていた。
犯行を暴かれたドラックスはその場にいた船長を杖で殴り殺し、駆けつけたジョーンズによって拘束される。ヴォランティア号の指揮は一等航海士のキャベンディッシュが執ることになり、予定どおりランカスター海峡に向かうことに。
ジョーンズは「今海峡に入るのは命取りになる」と忠告するが、キャベンディッシュは聞く耳を持たない。絶望的になるジョーンズとオットーを、サムナーは懸命に励ます。

軍医としてインドに駐屯していたサムナーは、軍医長コービンに命じられ、3人の軍医仲間とともに財宝を盗みに行く。だが反乱兵の襲撃に遭い、ほかの3人は殺されてしまう。コービンは生き残ったサムナーに全責任を押しつけ、不名誉除隊を受け入れるよう脅す。
突然船が大きく揺らぎ、サムナーは現実に引き戻される。ヴォランティア号が氷塊にぶつかり、船尾に穴が開いて沈むかもしれないという。乗組員たちは急いで氷上に荷物を運び出し、サムナーも薬品箱を含めた身の回りのものをまとめてテントへと向かう。
だが船は損傷していなかった。保険金詐欺を見抜いていたドラックスは、「このままでは沈まない」とキャベンディッシュに助言する。キャベンディッシュは自ら斧を振るって船に穴を開ける。
キャベンディッシュの指示で、ジョーンズ二等航海士は先発隊を率いてヘイスティングス号へ向かう。サムナーはキャベンディッシュやドラックスら数名の乗組員とともにその場に残り、テントで嵐が過ぎるのを待つ。
だが翌朝嵐がおさまると、ヘイスティングス号の姿は見えなくなっていた。アヘンが切れ、禁断症状に苦しむサムナー。乗組員たちはボートで船を探しに行くが、やがて会場に浮かぶヘイスティングス号の残骸とジョーンズの遺体を発見する。
生き残ったサムナーたちは陸地にテントを張り、冬を越すことを決める。サムナーは禁断症状を抜け出して依存症から解放され、力をみなぎらせるが、ほかの乗組員たちは目的を失って無気力になっていた。
そこへ2人のエスキモーがボートに乗って現れる。サムナーたちは彼らが狩るアザラシとライフルを交換し、冬を越すための食料を手に入れる。サムナーは帰るというエスキモーを説得し、指輪を渡して1人だけ残ってもらう。

ドラックスは密かにエスキモーと話をつけ、逃げ出す算段をする。そして言葉巧みにキャベンディッシュを説得し、鎖を切るヤスリを手に入れる。翌朝、拘束を解いたドラックスはエスキモー2人を殺害し、一緒に行くというキャベンディッシュをも殺して一人でボートに乗って逃げる。
遺体を発見したサムナーたちは、冬を越す食料を失って途方に暮れる。ドラックスを恐れた3人の乗組員はエスキモーを探して米国の捕鯨基地に案内してもらおうという儚い望みにすがってテントを去っていく。
残されたサムナーとオットーは北極熊をおびき出し、ライフルで狙い撃ちを試みるが失敗。サムナーは去っていく熊を追って吹雪の中を歩き、幻覚に襲われながらもついに熊を仕留める。凍えそうになる中、サムナーは熊の内臓を取り出して死骸の中に入り込み、寒さをしのぐ。
エスキモーに発見されたサムナーは、白人の伝道師が住む小屋に運び込まれ、介抱される。エスキモーたちはサムナーを“アンガコク”と呼び、熊の特別な力を譲り受けた者だと信じ込む。

サムナーに魔力が備わっていると信じるエスキモーたちは、アザラシ狩りに同行してほしいと頼む。サムナーは彼らに同行し、お礼に熊の彫刻で飾られたナイフとネックレスを贈られる。
伝道師が虫垂炎を患い、サムナーは知識だけを頼りに手術を行う。伝道師の命を救ったことで、再び医師としてやり直したいという思いが芽生える。
長い冬が終わり、サムナーはついに母国の港ハルに帰還する。ヴォランティア号の船主だったバクスターはサムナーを歓迎し、新たな職場としてロンドンの医者を紹介すると請け合う。
だがバクスターは家の屋根裏にドラックスを匿っており、サムナーの帰還によって保険金詐欺がばれるのを恐れ、ドラックスにサムナー殺害を依頼する。さらに、手下のスティーヴンズにドラックスを殺すよう指示する。
ドラックスは倉庫の暗がりで2人を待ち受け、誤ってスティーヴンズを撃ち殺してしまう。サムナーは倉庫の中でドラックスに襲われるが、持っていたエスキモーのナイフで彼の首を刺し、殺害する。
その後、サムナーはバクスターの家を訪ね、彼が自分をエサにしてドラックス殺害を企んだことや、船を沈めて莫大な保険金を手に入れたことを問い詰める。バクスターは50ギニーを支払うと持ちかけるが、サムナーは金庫の中の金をすべて奪い、バクスターを殺して立ち去る。
1年後、裕福になったサムナーは動物園を訪れ、檻の中のやせ衰えた北極熊を見つめる。