ネタバレ有「埋もれる殺意」シーズン4全話あらすじ・感想・キャスト・予告動画

埋もれる殺意シーズン4あらすじキャスト

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英国ドラマ「埋もれる殺意~30年目の贖罪~ 」(全6話)についてまとめました。

2015年から始まった人気シリーズ「埋もれる殺意」シリーズの第4弾。

今回のストーリーは、30年間も冷凍されていた遺体が見つかったことをきっかけに、無関係な4人の容疑者の現在と過去が暴かれていくというもの。

前作で心を病んでしまった主人公キャシー。引退を望むものの、退職金を受け取るには3か月足りないとわかり、しぶしぶ現場に復帰します。ニコラ・ウォーカー演じる警部キャシーを見られるのは今作が最後。大好きだっただけに残念です。

作品概要

  • 放送局:WOWOWプライム
  • 放送時間:2021年12月18日(土)15:00~ ※一挙放送
  • 製作国:英国(2021年)
  • 原題:Unforgotten
  • 脚本:クリス・ラング
  • 監督:アンディ・ウィルソン
  • 製作総指揮:レベッカ・イートンほか

あらすじ

ビショップ署の警部キャシーは、18年前に失踪した若い女性の白骨遺体が見つかった事件の捜査に全力を注いだが、その結果、心を病んでしまう。そんなキャシーは引退を望むが、退職金を受け取るのに必要な勤続30年にまだ3カ月届いていないと知り、最後の気力を振り絞って捜査に復帰する。
ロンドン東部の廃棄物処理場で冷凍された遺体が発見される。捜査の結果、遺体は30年前のものと分かり、容疑者として浮上したのは、30年前に警察学校を卒業したばかりの訓練生4人だった。それぞれ違う道を歩み記憶もあいまいだと言う彼らを、キャシーの長年の勘と粘り強い捜査で切り崩していくが……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト/吹き替え)

警察

キャシー・スチュアート(ニコラ・ウォーカー/声:野沢由香里)
ロンドンにあるビショップ署の警部。冷静かつ優秀で、部下たちに的確な指示を出し捜査を進める。人情に厚く、被害者と家族の心情を第一に考える。感情移入しすぎることからシーズン3で心に深い傷を負い、現在は休職中。退職金をもらうため、仕方なく3か月間だけ復帰することに。

サニル・“サニー”・カーン(サンジーヴ・バスカー/声:目黒光祐)
ビショップ署に勤務する警部補。キャシーの部下で右腕的存在。復帰したキャシーのことを心配し、事件にのめりこみすぎないよう見守る。シングルファーザーで年頃の娘2人と暮らしている。恋人サルとの交際は順調で、一緒に暮らすため新居に引っ越す。

マーレイ・ボールティング(ジョーダン・ロング/声:北田理道)
ビショップ署に勤務する刑事で、キャシーの部下のひとり。

フラン・リングリー(カロリーナ・メイン/声:尾身美詞)
ビショップ署に勤務する刑事で、キャシーの部下のひとり。

ジェイク・コリアー(ルイス・リーヴス/声:横田大輔)
ビショップ署に勤務する刑事で、キャシーの部下のひとり。

容疑者

ロバート・フォガティ
冷凍遺体が入っていた冷凍庫の持ち主。2か月前に心臓発作で死亡し、その後ハウスクリーニング業者によって冷凍庫が廃棄場に持ち込まれた。1990年、警察学校の卒業パーティーの帰りに飲酒運転で逮捕され、キャリアを棒に振った。

リズ・ベイルドン(スーザン・リンチ/声:上田晴美)
1990年にフォガティが飲酒運転で逮捕されたとき、同じ車に乗っていた警察訓練生のひとり。近く警察本部長に任命されると噂されている。同性パートナーのジャネットと結婚予定。冷酷な母親との関係に苦しんでいる。

ラム・シドゥ(ファルダット・シャーマ/声:蒼谷和樹)
1990年にフォガティが飲酒運転で逮捕されたとき、同じ車に乗っていた警察訓練生のひとり。現在は風俗取締課の警部。野心家でカリスマ性もあるが、人種のこととなるとすぐにカッとなる性格で、数々の不祥事を起こしている。妻アンナは妊娠中。

ディーン・バートン(アンディ・ナイマン/声:いとうさとる)
1990年にフォガティが飲酒運転で逮捕されたとき、同じ車に乗っていた警察訓練生のひとり。初期訓練を終えた数か月後に警察を退職している。 人当たりのいい好人物だが、秘密主義でもある。妻のマーニーと障害のある息子を育てながら、チャリティー活動をしている。

フィオナ・グレイソン(リズ・ホワイト/声:阿部彬名)
1990年にフォガティが飲酒運転で逮捕されたとき、同じ車に乗っていた警察訓練生のひとり。警察官だった父の期待に応えるため警察学校に入ったが、性に合わず、卒業後1年半で退職している。現在はセラピストとして働き、パートナーのジェフと彼の子供たちと一緒に暮らしている。

被害者と家族

マシュー・キアラン・ウォルシュ(James Craze)
廃棄物処理場で冷凍遺体で発見された青年。1990年に失踪している。犯罪者一家に育ち、暴行や麻薬所持など6件の前科があった。

ジェローム・ウォルシュ(James Craze)
マシューと恋人カレンの息子。父や祖父母に会ったことはなく、母親も7歳の時に亡くなり施設で育った。両親とは異なり、まっとうな人生を送ろうとしている。

クライヴ・ウォルシュ(デヴィッド・スコフィールド)
マシューの兄。現在は更生訓練施設で暮らしている。事件の夜、マシューと一緒にいた。

キャシーの家族

ジョン・ベントリー(アラステア・マッケンジー/声:北田理道)
ウィンチェスター署の元警部。シーズン3でキャシーが担当した事件に関わり、捜査に協力する中で彼女に好意を抱くようになる。現在はキャシーと交際中で、新しい職場の近くに2人で引っ越す予定を立てている。

マーティン・ヒューズ(ピーター・イーガン/声:関口雄吾)
キャシーの父親。シーズン3で認知症を発症した。以前はキャシーと同居していたが、交際中のジェニーと暮らすことを希望し新居に移った。遺言の書き換えの件でキャシーと言い争う。

アダム・スチュアート(ジャッサ・アールワリャ)
キャシーの息子。ニューヨークに滞在していたが帰国し、現在は無職。

そのほか

アイリーン・ベイルドン(シーラ・ハンコック/声:押川チカ)
リズの母親。要介護者で、寝たきりの生活を送っている。気難しく思いやりに欠け、リズやユージニアに愚痴や不満をぶつける。リズの過去の罪についても知っている。

ユージニア(Mina Andala)
リズが雇っている家政婦。リズの母アイリーンの世話をしている。生活が苦しく、給料を上げて欲しいとリズに交渉する。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ハーリンゲンの廃棄物処理場で頭部と手のない遺体が発見され、サニーたちビショップ署のチームが捜査を始める。遺体は凍らされており、やがて廃棄場から血が付着した鍵付きの冷凍庫が見つかる。
休職中のキャシーは退職を願い出るが、勤続30年に3か月満たないため退職金は出せないと言われ、気力を振り絞って復帰。古巣のチームに戻り、捜査の指揮にあたる。
冷凍庫の持ち主はロバート・フォガティという男で、2か月前に死亡していた。彼の死後、ハウスクリーニング業者が地下室にあった冷凍庫を廃棄したのだった。捜査チームはまだ見つかっていない遺体の頭部と両手を見つけ出すため、業者が引き取ったフォガティの持ち物を調べることに。
遺体の身元はマシュー・キアラン・ウォルシュと判明。24歳の青年で、最後に目撃されたのは1990年の3月30日だった。フォガティは同じ日に飲酒運転で逮捕されており、逮捕した巡査によると車にはほかに4人が乗っていたという。
5人はみな警察訓練生で、警察学校の卒業パーティーの帰りだったことがわかる。

キャシーたちは、すでに死亡している容疑者フォガティが30年前に飲酒運転で捕まった際、車のトランクに遺体を積んでいたと推測する。そして同乗していた警察訓練生ラム、ディーン、フィオナ、リズの4人を捜すことに。
5人は1990年3月30日に警察学校を卒業した同期生で、同じクラスだったことが判明。アジア系のラムは風紀取締課の警部、ディーンとフィオナは卒業後に警察を退職、リズは警察本部長への任命が噂される副本部長だった。
被害者のウォルシュを最後に目撃した人物は、道路に停まっていた車からアジア系の男が降りてきて、ウォルシュを追っていくのを見たと話す。
キャシーは情報提供を求めて事件を公表することを決定、ニュース番組で大々的に報道される。それにより、ラム、ディーン、フィオナ、リズらが事件を知ることとなる。

上司のコプリーは現役警察官を含む容疑者4人への捜査に難色を示し、48時間以内にフォガティが単独犯ではない証拠が出ない限り、被疑者死亡で捜査を打ち切ると告げる。
キャシーは本部長昇進が内定したリズを聴取するが、被害者ウォルシュについては知らないと言われ、フォガティが逮捕された夜のこともほとんど覚えていないとはぐらかされる。
フィオナとディーンもまた記憶にないと主張し、当時の訓練生とは誰とも連絡を取っていないと話す。
フォガティの荷物を調べていたジェイクは、フォガティが8年前から利用していた貸倉庫の鍵を見つける。倉庫の中にはプラグが抜けた冷凍庫があり、中には遺体の頭部と両手が入っていた。
サニーはラムから話を聞こうとするが、早々に追い返される。ラムは過去に薬物使用や証拠捏造など数々の不祥事を起こしていたが、人種差別によるものだと主張し、すべての疑惑に争って勝っていた。
フランはもうひとりの目撃者に会い、被害者のウォルシュがアジア系の男と背の高い男の2人に追いかけられていた、という証言を得る。

捜査が進む中、事件への関与を隠そうとするフィオナとリズ、ラムとディーンはそれぞれ密会し、嘘を突き通すことを確認し合う。
キャシーたちは被害者のウォルシュが失踪の3週間前に、警察学校近くのパブで暴行事件を起こしていたことを突き止める。喧嘩の相手はラムで、ウォルシュがフィオナにしつこく言い寄ったのがきっかけだった。
当時彼らを指導した教官によると、5人はいつも一緒だったという。性格も育った環境も異なる5人だが、卒業パレードにゲストが誰も来なかったという共通点があった。
ウォルシュの服に付着していた植物から、彼が5人に追われて市民農園まで逃げたことがわかる。キャシーはラムを連行して尋問するが、ラムはウォルシュのこともパブでの喧嘩も覚えがないと主張する。
捜査にのめり込み、次第に心を蝕まれていくキャシー。遺言を書き換えると言い出した父マーティンとの関係は悪くなり、恋人のジョンや息子のアダムからも素っ気ない態度を取ってしまう。
フィオナはパートナーのジェフに問い詰められ、27年前に車の衝突事故を起こしたことを打ち明ける。その事故で相手側の車に乗っていた子供が亡くなり、フィオナは危険運転致死罪で有罪判決を受けていた。
捜査チームはフィオナの事故について調べ、彼女の血液サンプルがキングストンの署内で紛失していることを知る。当時リズがキングストンに勤務していたことから、彼女の関与が疑われた。
ラボではミイラ化した遺体の検視が行われ、頭蓋骨内に細長い凶器が埋まっていることが判明する。

ディーンは警察学校に応募する3か月前に名字を変え、犯罪者一家のクイン家と縁を切っていた。ディーンの母メアリーは、警察官になるという彼を家族が許さなかったことを明かし、30年会っていないと話す。
ウォルシュとラムが乱闘事件を起こしたパブの店主が見つかり、ウォルシュが店にいた女性に性的暴行を加え、止めに入ったラムもウォルシュに叩きのめされていたことがわかる。さらに事件の夜、市民農園で5人を目撃したという人物も現れ、5人が何かを防水シートにくるんで車のトランクに入れるのを見たと証言する。また、ウォルシュの頭部に刺さっていた凶器が万年筆であることも判明する。
キャシーはリズを連行し、わかっていることを突き付けて司法取引に持ち込もうとするが、彼女は黙秘を貫く。
フィオナはセラピストの免許証が偽物であることや、過去にアルコール依存症になり自殺を2度図ったことなどを家族に打ち明ける。警察に連行されたフィオナは、ウォルシュが刺殺されたと聞いて激しく動揺する。
事件の夜、フィオナが市民農園に駆けつけた際にはウォルシュは既に倒れており、ラムが心肺蘇生を行っていたという。ラムは「見つけたときにはこうだった」と言い、フィオナもリズも事故だと信じていたのだった。
キャシーは処分保留で2人を釈放することを決め、署を後にする。電話に出ようとしない父マーティンへ留守電のメッセージを残し、帰宅する途中、交差点で衝突事故に遭う。

衝突事故で病院に運び込まれたキャシーは脳の手術を受けるが、意識が戻らない。サニーは容疑者が事故を起こした可能性も考えつつ、キャシーの代わりに捜査の指揮を執る。
ディーンの口座を調べると、定期的にラムの口座に金を送金していることが判明。ディーンは何年もの間ラムに麻薬の密輸の片棒を担がせ、賄賂を送っていたのだった。
サニーはラムを殺人容疑で逮捕し、既に自白したフィオナや目撃者たちの供述をもとに問い詰める。だがラムはあくまで事故だったと言い張り、ウォルシュの殺害を否定する。
何かを見落としていると焦るサニーは、ディーンの生家とウォルシュの家が近距離にあったことに気づく。さらに、凶器に使われた万年筆の購入者がディーンの兄スティーヴンだったことがわかる。スティーヴンは1989年に何者かに刺され、死亡していた。
ディーンを連行し、尋問するサニー。スティーヴンはディーンの唯一の理解者で、万年筆は新たな人生を歩もうとする弟への誕生日プレゼントだった。だがその数週間後、ディーンは対立していた犯罪一家の息子ウォルシュに刺されて死んだのだ。
事件の夜、市民公園で倒れているウォルシュを見つけ、衝動を抑えきれなかったと泣きながら語るディーン。意識を失っているウォルシュの頭に万年筆を刺し、その場から離れたという。その後ラムが駆けつけ、心肺蘇生をしているさなか、ほかの3人がやってきたのだった。
キャシーの車に衝突した相手は車両窃盗の常習犯で、「向こうが飛び出してきた」と主張。ブレーキ痕も残っていたことから故意ではなかったことが明らかになる。
キャシーは意識が戻らないまま亡くなる。マーティンは、仲直りしたいというキャシーからの最後の留守電メッセージを繰り返し聞き、涙を流す。
サニーはキャシーの墓を訪れ、花をそなえる。

感想(ネタバレ有)

全6話一気見。予想してなかった結末に呆然としてます…。

キャシーの“最後の捜査”って、そういう意味だったの。てっきり普通に辞めて退職金もらって、ジョンと平穏な暮らしを送るもんだとばかり思ってた。悲しすぎる。

お父さん、こんな別れ方になって辛いだろうな。せめて電話に出ていればって、この先ずっと後悔しそう。キャシーが無理して復帰したのも、お父さんの治療費のためだったわけだし…切ない。

キャシーは繊細すぎて刑事には向かなかったのかもしれないけど、私は彼女のそういうところが大好きだった。被害者の思いを優先して法に背いたり、亡くなった人に対しても同じように心を痛めたり、心ない人に静かな怒りをたぎらせたり。

彼女はいつも人の心に寄り添おうと努力する人だった。相手が誰であろうと、そのための労力を惜しまなかった。だけど世の中には、シーズン2のウォーカー(加害者であり被害者)やシーズン3のフィンチ(サイコパス殺人鬼)など、どうやっても理解できない残虐な人間がいて。

たぶん「そういうやつもいる」って簡単に心を切り離すことができたら悩まないんだけど、キャシーにはそれが難しかったんだろうと思う。

その点では、今回の事件はまだ殺人の理由に同情できる部分があったので、前作よりは救いがあった。でもディーンの最後のセリフは、けっこう胸に刺さりましたね…。

「名前を変えることはできる。家族と縁を切ることもできる。マシな人間になろうと努力もできる。でも結局、根っこは変わらないものなんだな」

最終話のラストシーン。ショックが大きすぎて、サニーの素晴らしい弔辞が全然頭に入ってこなかった。もうこの2人のコンビを見ることはできないんだなぁ。刑事ドラマには珍しく、2人とも物静かで理知的で、本当に大好きなコンビだったのに。

シーズン5はどうなるんだろう。サニーが昇進して指揮官になるのかな。新しい人が入るにしても、ビショップ署のメンバーはそのまま変わらないでほしい。

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