「埋もれる殺意」シーズン5全話ネタバレ・感想・キャスト・予告動画

英国ドラマ「埋もれる殺意」あらすじキャスト

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英国ドラマ「埋もれる殺意~6年の封印~」についてまとめました。

英国アカデミー賞TV部門などで高い評価を受けた「埋もれる殺意」シリーズの第5弾。今回もロンドン北部を舞台に、ビショップ署の捜査班が未解決事件に挑みます。

キャシーの後任としてやってきたのは、シニード・キーナン演じるジェシカ・ジェームズ警部。キャシーと違い、彼女は未解決事件の捜査には消極的なようで…。

キャシーのいない「埋もれる殺意」をこれまでと同じように楽しめるのか…個人的には少し不安な気持ちです。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2023年9月23日(土)15:00~ ※全6話一挙放送
  • 製作国:英国(2023年)
  • 原題:Unforgotten
  • 脚本:クリス・ラング
  • 監督:アンディ・ウィルソン
  • 製作総指揮:ガイ・デ・グランヴィル/アンディ・ウィルソンほか

あらすじ

空き家だった一軒家の暖炉からミイラ化した女性の遺体が見つかる。相棒の警部キャシーを失ったサニーら、ビショップ署の捜査班は、新たに警部ジェシカをリーダーに迎えるが、キャシーと異なり未解決事件を重視しないジェシカに苦慮する。そんなジェシカは私生活で夫の浮気に悩んでいた。サニーら捜査班はかなり古いものに見える遺体が一軒家に隠された時期を特定しようと挑む。
一方、小さなレストランを営むデイヴとエベレは事業を拡大しようとする。青年ジェイはドラッグに溺れている。パリでは英国育ちのポーランド人カロルが忙しく働く。老貴族トニーは医師から重い病の可能性を告げられてショックを受ける。これら一見ばらばらな面々と見つかった遺体には関係が……?

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト/吹き替え)

警察

ジェス・ジェームズ(シニード・キーナン/声:佐古真弓)
キャシーの後任として着任した警部。優秀だが勝ち気で気性が荒い。未解決事件を重視せず、それよりも今起きている殺人事件の捜査を優先させたいと考えている。私生活では2人の息子の母親。着任当日、夫のスティーヴから突然浮気を告白されて打ちのめされる。

サニル・“サニー”・カーン(サンジーヴ・バスカー/声:目黒光祐)
ビショップ署に勤務する警部補。シングルファーザーで年頃の娘が2人いる。現在は婚約者のサルと一緒に暮らしているが、前の上司キャシーの死から立ち直れず、サルとの間にすれ違いが生じてしまう。ジェスのことを嫌い、辞職を考える。

マーレイ・ボールティング(ジョーダン・ロング/声:北田理道)
ビショップ署の捜査班のメンバー。

フラン・リングリー(カロリーナ・メイン/声:尾身美詞)
ビショップ署の捜査班のメンバー。

カズ・ウィレッツ(ピッパ・ニクソン/声:金田愛)
ビショップ署の捜査班のメンバー。

リアン・バルコム(ジョージア・マッケンジー/声:金田愛)
科学捜査ラボの病理学者。暖炉で見つかった遺体を解剖する。キャシーの死から立ち直れないサニーに寄り添う。

事件の関係者と周辺人物

プレシャス・ファラデ
被害者。改築中の民家の暖炉からミイラ化した遺体で発見された。母親のエベレとは仲が悪く、喧嘩が絶えなかった。

エベレ・ファラデ(マルティナ・レアード/声:反町有里)
プレシャスの母親。現在は夫のデイヴとともに小さなレストランを経営している。過去に深刻なアルコール依存に苦しみ、何度も逮捕されている。

デイヴ・アダムス(マーク・フロスト)
エベレの夫。レストランのコック。かつてはテント暮らしをしていたが、エベレの援助を受けてレストランを始めた。

ジョゼフ・“ジェイ”・ベル(リース・イエーツ/声:中村源太)
プレシャスの息子。薬物依存症の恋人シェリルにドラッグを買い与えるため、盗みを繰り返す。

トニー・ヒューム(イアン・マッケルヒニー/声:相馬康一)
老貴族。保守党の大物政治家。医師から余命宣告を受け、ショックを受ける。青少年クラブの理事をやっている。

エマ・ヒューム(ヘイリー・ミルズ/声:所河ひとみ)
トニーの妻。夫のことを自慢に思っている。

カロル・ヴォイスキ(マックス・ライハート/声:宮崎遊)
英国育ちのポーランド人。パリの空港で働いている。2人の娘を持つエリーズとの新生活に向けて、必死に働いて金を稼いでいるが…。

エリーズ(クレア・ガナイエ)
カロルの恋人。2人の娘の母親。元夫から子どもの共同親権を要求され、闘う決意をする。

デヴィッド・ベル
カルト教団「恵みの光教団」のリーダー。ジョゼフの父親。

そのほか

サル(ミシェル・ボナール)
サニーの婚約者。キャシーの死から立ち直れず、心を閉ざすサニーを見て辛い日々を送っている。サニーの子供を妊娠するが、彼が動揺するのを見て傷つく。

スティーヴ・ジェームズ(アンドリュー・ランセル)
ジェスの夫。建設業者。多忙なジェスとすれ違いが続き、満たされない心を埋めるために浮気をしてしまう。

ケイト(ケイト・ロビンス)
ジェスの母。夫の浮気を知って悩むジェスの相談に乗る。

デビー(Grainne Keenan)
ケイトの妹。情緒不安定。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ビショップ署の捜査班は、死亡したキャシーの後任としてジェシカ(ジェス)・ジェームズ警部を迎えることになった。だが着任当日、ジェスは夫のスティーヴから突然「浮気をした」と告白され、最悪な気分で出勤することに。
リフォーム中の民家の煙突からミイラ化した遺体が発見され、サニーは現場へ向かう。家の持ち主によると2か月前に購入したばかりで、5年ほど空き家だったらしい。
現場を訪れたジェスは、「私はキャシーとは違う」とサニーに告げ、古い未解決事件には深入りせず、いま起きている殺人事件に集中したいと話す。サニーは両方こなせると主張するが、ジェスは聞く耳を持たなかった。
サニーたちは遺体が見つかった家の歴史を調べ始めるが、ジェスに見つかって咎められる。ジェスは暖炉を覆っていた石膏ボードの製造年を調べ、50年以上経っているとわかると、一方的に捜査を終了すると宣言する。
キャシーの死から立ち直れずにいたサニーは、ジェスの横暴さに嫌気がさし、辞職を考え始める。だが捜査員のフランが遺体の服を調べ、2016年の6月に古着ショップで売られたものと判明。サニーはジェスに捜査の続行を願い出る。
サマセット州で小さなレストランを営むデイヴとエベレは、事業を拡大しようとしていた。だが乗り気ではないデイヴはプレゼンの場で消極的な発言をしてしまい、カッとなったエベレは帰り道で彼を殴ってしまう。
英国育ちのポーランド人カロルは、パリの空港で忙しく働いていた。青年ジェイは恋人のシェリルとともにドラッグに溺れ、盗みを働いて金を作っていた。ウェストミンスターで暮らす保守党貴族のトニーは、医師から病気の再発を告げられてショックを受ける。

暖炉で見つかった女性の遺体に銃創があったことから、他殺と確定する。また麻薬常用者だったらしく、たくさんの注射痕も見受けられた。やる気のないジェスを横目に、サニーたちは被害者があの家で殺されたと見て、血痕や銃弾を探す。
ジェスはようやくスティーブと話し合う。スティーブはただのルームメイトのような夫婦関係に不満を抱いていたと明かし、浮気はただの遊びでもう終わったと話す。だが夫の浮気を許せないジェスは彼を家から追い出す。
サニーは同居している婚約者のサルから妊娠を告げられる。出産を望むサルだったが、サニーはすぐには答えられないと動揺をあらわにする。サルが傷ついていることを知りながら、どうすることもできないサニー。
遺体の女性は、盗んだクレジットカードを使って古着を購入していたことがわかる。カードの持ち主マギーは6年前に警察に被害届を出していたが、ろくに捜査されなかったと語る。サニーたちはマギーが提出した防犯ビデオ映像で、被害者の生前の姿を初めて見る。
被害女性はプレシャス・ファラデと判明。生まれはロンドンだが成人後はウェールズに居住し、ドラッグ関係、売春、窃盗などかなりの犯罪歴があった。捜査班はプレシャスを担当したケースワーカーから母親の住所を聞き出す。
サニーとジェスはデイヴとエベレのレストランを訪れ、プレシャスの死を伝える。プレシャスはエベレの娘だった。エベレは泣き崩れ、娘とは7年以上会っていないと話す。
エベレによると、プレシャスは10代で息子のジョゼフを出産していた。エベレ自身はジョゼフと連絡を取っておらず、居場所も知らないという。プレシャスの遺体が見つかった家についても覚えがないというエベレだったが、サニーは彼女が嘘をついていると見抜く。
パリに住むカロルは、恋人のエリーズと彼女の2人の娘たちと同居していた。そこへエリーズの元夫セルジュが現れ、共同親権を要求すると言い放つ。エリーズは彼に親権を渡したくないと言い、闘う決意をするが、カロルは弁護士費用を懸念する。ジェイは強盗と重傷害で逮捕される。

捜査班はプレシャスの母親エベレを調べ、彼女がかつて深刻なアルコール依存に苦しみ、何度も逮捕されていたことを知る。1986年には証券会社のドアマンに対する暴行罪で逮捕されており、その際、銃を所持していたことがわかる。プレシャスの息子ジョゼフにも数々の犯罪歴があり、少年院にいたことが明らかに。
サニーは暖炉を覆っていた石膏ボードを再度調べ、リサイクルされていたことを突き止める。ボードの詰め物に使われていた新聞紙の日付は、2016年7月12日だった。家の床板からは大量の血痕が見つかる。
遺体安置所で娘と対面したエベレは、「あいつらのせいだ」と吐き出す。問題行動の多かったプレシャスは15歳でカルト集団に洗脳され、教団のリーダーだったデヴィッド・ベルの子どもを妊娠してウェールズに移っていた。その後はウェールズとロンドンを行ったり来たりし、息子のジョゼフのことはカルト集団と養護施設に丸投げだったという。
フランはプレシャスを担当した福祉局のケースワーカーと会い、プレシャスが胎児性アルコール・スペクトラム障害と診断されていたことを知る。エベレが妊娠中に飲酒して娘の人生を狂わせたのだ。エベレとの親子関係は最悪で、殴られることもあったという。
プレシャスとの最後の面談は2016年6月26日で、そのときの担当者はカロルだった。カロルは面談の翌日に福祉局を辞め、その2週間後に国を離れていた。
ジェスは「仕事が遅い」とチームに苛立ちをぶつける。我慢の限界に達したサニーは、アンドルース署長に不満を訴えるが、「そのうち馴染む」と受け流される。ジェスは電話でサニーに謝り、カロルに会いにパリへ行ってほしいと頼む。
急いでパリへ向かうサニーだったが、列車で移動中、サルから「流産になりそう」という電話を受ける。
遺体発見現場の家について調べた結果、保守党の大物政治家トニー・ヒュームの義姉ヘイゼルの持ち物だったことが判明する。2016年に家の鍵を取り替えたのはトニーだった。
ジェスはトニーの自宅を訪ね、家の暖炉から遺体が見つかったことを伝える。すると、トニーは2016年の5月頃に見知らぬ男女が空き家に住み着いていたことを話し、彼らなら殺しかねないと話す。だが隣人の話では彼らの印象は良く、ジェスはトニーの話に違和感を覚える。
逮捕されたジェイは、拘置所からある人物に電話をかけ、「あの夜、あそこにいて何もかも見た」と告げる。

被害者のプレシャスはほとんど生活保護で暮らしていたが、定期的にまとまった収入を得ていた形跡があり、捜査班はその収入源を探り始める。
サニーはパリにいるカロルのもとを訪れ、プレシャスが死んだことを伝える。カロルはプレシャスの面談の直後に福祉局を辞めていたが、辞めた理由は仕事が嫌になったからで、プレシャスとは無関係だと話す。ロンドンに戻ろうとしたサニーのもとに、「流産した」というサルからのメッセージが届く。
帰国したサニーはジェスとともに拘置所を訪れ、プレシャスの息子ジョゼフ(ジェイ)と接見する。彼は母との悲惨な過去を語り、母を殺したのは長年彼女を苦しめていたカルト集団のリーダーだろうと主張する。
ジェイはトニーが派遣した弁護士によって保釈され、トニーの家に案内される。トニーに問い詰められたジェイは「あの夜あそこにいて、何もかも見た」と言い、トニーを殴りつける。
捜査班は遺体が見つかったハマースミスの家の通報記録を調べる。すると2016年6月14日、家の前で2人の女性が殴り合いの喧嘩をしていたことがわかる。そのうちの1人が「ママ大嫌い」と言っていたことから、プレシャスとエベレが会っていたのではないかと推測する。
帰宅したサニーは婚約者のサルと話し合う。サルはサニーが子どもを望んでいないばかりか、結婚式の予定すら話し合おうとしなかったことに深く傷ついていた。そして今もサニーの心を占めているキャシーに嫉妬していると打ち明ける。
ジェスは夫の浮気相手が妹のデビーだったことを知らされ、激高する。翌朝、サニーとの約束を忘れてしまい、サニーから「これじゃ組んでいるとは言えない」と言われてしまうジェス。サニーとジェスはそれぞれが抱える個人的な問題を打ち明け、互いに歩み寄ろうとする。
遺体発見現場で発見された銃弾の線状痕が、2015年の強盗事件で使用された銃と一致する。強盗事件の逮捕者エルトン・ポール・キングは、ジョゼフのギャング仲間だった。

捜査員マーレイはウェールズの農場を訪ね、カルト集団のリーダー、デヴィッド・ベルが2016年4月に病死していたことを知る。集団の関係者によると、プレシャスは農場を去るときパトロンの話をしていたという。そのパトロンとはトニーのことだった。
サルはしばらく距離を置きたいと言って家を出ていき、サニーは落ち込む。ジェスは話し合おうとせず逃げ回る夫スティーヴに失望する。仲間意識が芽生えた2人は、捜査に打ち込んで気を紛らわせようと意気投合する。
サニーとジェスは再びエベレを呼んで聴取する。証拠を提示されて問い詰められたエベレは、2016年6月14日にあの家の前でプレシャスと会い、言い争ったことを認める。だがプレシャスに対して暴力を振るったことは一度もない、殺してもいないと泣いて主張する。
精神的に追い詰められたエベレは事業拡大を諦め、夫のデイヴに辛い過去を打ち明ける。エベレがプレシャスを身ごもったのは17歳のときだった。祖母は牧師を呼んで悪魔祓いをし、祖父はエベレを縛り付けて無理やり酒を飲ませ、流産させようとしたという。
サニーとジェスは再びジョゼフを拘束し、プレシャスが亡くなった夜、現場近くにいたのではないかと問う。すると彼は「俺はジョゼフじゃない」と言い、ジョゼフの異父弟ジェイ・ロイスだと打ち明ける。
ジェイは出生届を出されておらず、10代前半に両親を亡くし、16歳から兄になりすまして生きてきたという。そして事件を目撃したせいで、命を狙われていると話す。
カロルはパリの空港で高級時計を盗み、時計を売って得た金をエリーズに手渡す。だがエリーズは、カロルに会いに来た刑事が殺人事件の捜査をしていると知り、カロルを追い出す。
捜査班はカロルが福祉局を辞めた理由を探り、彼が盗撮を疑われていたという情報を得る。さらに、プレシャスが死んだ2016年6月26日に、彼女から「パソコンの中身を見た。ボスに知られたくなかったら金を持ってきて」という内容のメールを受け取っていたことも判明する。
ジェイの家で押収されたパソコンは、プレシャスのものだった。そこには、カロルのパソコンから移したと思われる盗撮写真の数々が保存されていた。
捜査班はトニーの経歴を調べ、彼が最初に勤めたモーガン・ラヴェル証券が、1986年にエベレが銃を持って乗り込んだ会社だったことを突き止める。エベレに襲われたドアマンを捜し出すと、彼は当時役員だったトニーの父親から、証言を変えるよう脅されたと明かす。そして、エベレが「パパに会わせて」とトニーを呼んでいたことを話す。
警察署に、「ジョゼフの遺体が庭に埋まっている」という匿名の人物からの通報が入る。

ジェスが帰宅すると、夫のスティーヴが家に戻っていた。デビーとは一度キスをしただけで、体の関係はないと話すスティーヴ。だがジェスはすぐには信じることができない。
民家の庭で発見された白骨死体は、プレシャスの長男ジョゼフと判明する。頭骨に2発の銃弾の痕があり、死亡時期は6年前に殺されたプレシャスとほぼ同じだった。そして当時その家を借りていたのはエベレだった。
エリーズと別れてロンドンに戻ってきたカロルは、警察の聴取を受ける。盗撮を繰り返した理由について、仕事に疲れ、差別に苦しみ、精神的に追い込まれていたと話すカロル。6年前、プレシャスに知られて金を要求されたが、約束の6月27日にカロルが家を訪れたときには彼女は不在で、70歳前後の男が家の中にいたという。
スイスへ向かおうとしていたトニーは、空港で拘束される。取り調べに対し、トニーはエベレが自分の娘であることを認め、彼女を経済的に援助していたと明かす。そして宿なしだった彼女の娘プレシャスに、空き家になっていたハマースミスの家の鍵を渡したという。
事件の夜、トニーがプレシャスの息子ジョゼフに呼び出されて家へ行くと、彼は銃を向けてきた。プレシャスが止めようとしたとき銃が暴発し、ジョゼフの頭に弾が当たった。プレシャスは自殺を図り、2人は死んだ。そのあとエベレがやってきて、ジョゼフの遺体はトニーが、プレシャスの遺体はエベレが隠したという。
逮捕されたエベレは、母がトニーにレイプされて妊娠し、自分を出産した数週間後に自殺を図ったことを打ち明ける。トニーと彼の父親は、エベレたち家族に口をつぐむよう脅してきたが、成人したエベレはDNAの鑑定結果をトニーに突きつけ、言いなりにさせたという。
事件の夜、エベレが家に着いたときには、プレシャスはもう死んでいた。トニーはプレシャスがジョゼフを撃って自殺したと言い、そのときは彼の言葉を信じたが、今は信じないと話す。
サニーとジェスは、プレシャスの次男ジェイを説得し、もう一度聴取する。ジェイは事件当夜あの家にいて、一部始終を目撃していた。ジョゼフはドラッグで気が荒くなり、トニーを呼びつけて罵った。銃を取り出したジョゼフを見てプレシャスが止めに入り、もみ合いの末、プレシャスは銃弾を受けて即死。トニーはジョゼフから銃を取り上げ、彼の頭を撃ち抜いたという。
トニーはジョゼフを殺したことを認め、「悔やんでも悔やみきれない」と後悔を口にする。それを聞いたジェスはトニーの本心ではないと悟り、怒りをあらわにして罵倒する。
エベレは存在を知らされていなかったもう一人の孫、ジェイに会いに行く。エベレに抱きしめられたジェイは、聴取で嘘をついたことを明かす。本当はプレシャスが誤ってジョゼフを撃ち、自殺したのだった。ジェイは「悪いのはあいつだ、だから嘘をついた」と告げる。

感想(ネタバレ有)

あまりにも悲しすぎるシーズン4のラストを、私は未だに受け入れることができません。

残されたサニーが何度も訴える心の痛みと、新任のジェスに投影されたキャシーの影は、そんな視聴者の思いを汲んだ制作スタッフの精一杯の心遣いなのだと感じます。

ジェスはキャシーとは似ても似つかず、ことあるごとに「私はキャシーとは違う」と主張します。それがかえってキャシーを思い出させ、違うとわかってはいるけれど、心の中で比較してしまうサニー(と私)。

勝ち気で闘争心にあふれ、いつも不機嫌で、鋭い眼光で他人を睨みつけるジェス。誰にも頼らず、なにごとも自力で解決してきたジェスには、弱音を吐いたり逃げたりする人の気持ちが理解できない。

そんなジェスを見て、サニーと同じように落胆し、ため息をつくしかなかった。サニーとジェスは終盤で意気投合し、協力し合うようになるけれど、私は最後までジェスを好きにはなれませんでした。

キャシーがいなくなり、もう誰も被害者や遺族を思いやったり、悲しみに寄り添ったり、心を痛めたりしない。その一点だけで、私にとってこのドラマは別物になってしまったと感じる。

サニーが私生活で恋人のサルにひどい態度を取ったことも、理解できなかった。サニーとジェスが意気投合する要因を作るため、ジェスとのバランスを取るために、サルを犠牲にして、サニーをひどい男に仕立て上げたとしか思えない(サニーの2人の娘たちがこつ然と消えたのもおかしい)。とても作為的で、悲しい。

そして何よりも受け入れがたいのは、彼らが冤罪を生んでしまったこと。事件を目撃したジェイはトニーがジョゼフを殺したと嘘をつき、トニーはそれを否定せず罪を受け入れた。ジェスもサニーも、捜査チームも、誰も冤罪を生んだことに気づいていない。

トニーがあっさりと冤罪を受け入れたのも解せない。もし彼が贖罪のつもりで、残りわずかな命を刑務所の中で終えようと決意したのなら、その直前のジェスの怒りが何の意味も持たなくなってしまう。

「でもあなた、本当は償いたいなんて思っちゃいないでしょう? 惨めなプレシャス達を見て、弱者を切り捨て続けた政治家として後世にまで名が残ってしまうことを悟って、汚名を返上したかっただけ。そうでしょう? 見え見えよ。言っておくわ。後世の人はあなたをこう呼ぶ。女性をレイプし、ひ孫を殺した犯罪者。永遠に消えない汚名よ。オリで死ねばいい」

ジェスはジェイの嘘を見抜けず、トニーの真意にも気づかず、独りよがりな怒りをぶつけて無実の人間を刑務所に送ったことになる。なんて残念な主人公。「あなたも完璧じゃない」という母親のセリフをこんな形で回収しないでほしかった。

ビショップ署のメンバーたちは、今までどおり労力を惜しまず、時間をかけて点と点をつなぎ、事件の背景や複雑な人間関係を丁寧にひも解いてきました。でも、冤罪を生んでしまっては、すべて無意味です。

今さら言ってもしょうがないけど、なぜキャシーを生かしておいてくれなかったんだろう。せめて生きていてくれれば、いつか帰ってくるかもしれないという一縷の望みを持つことができたのに。

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