「闇の伴走者~編集長の条件」第3話|画稿のヒントは手塚治虫「奇子」

闇の伴走者~編集長の条件

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どうも、夏蜜柑です。
連続ドラマW「闇の伴走者~編集長の条件」第3話。

ついに謎の漫画家に辿り着きました。面白いね~。

下山事件を描いた絵、手塚治虫「奇子」の中にヒントがあったとは。全く気づけなかったわ、悔しい。「奇子」読んでたのに。

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第3話「迷宮」あらすじ

  • 醍醐(古田新太)と優希(松下奈緒)は、おとり捜査で綿貫(今野浩喜)を呼び出し、綿貫が闇取引専門の会社「コミックスープレックス」を作って闇ビジネスに手を染めていたことを知る。しかもそれは、想起社の専務・小城(阿部翔平)公認のものだった。
  • 南部(岩松了)が綿貫の不正を知ったのは、亡くなる1週間前だった。南部は綿貫が持っている画稿を買い取って権利者に返却しようとしており、その最初の画稿が阿島文哉の「紅忍者」だった。しかし、南部は綿貫の不法取引を見逃し、綿貫もまた南部を「殺していない」と言う。
  • 醍醐は、南部が所持していた線路の絵が、手塚治虫の漫画「奇子」の中の一コマにそっくりだと気づく。それは、戦後最大の怪事件「下山事件」を描いた一コマだった。醍醐は、線路の絵が「下山事件」を描いたものだと考える。
  • 醍醐は綿貫と共に、画稿が保存されている「コミックスープレックス」の事務所を訪ねる。線路の絵は、南部が事務所から持ち出したものだと言う。綿貫の話を聞いて、醍醐はそれが「紙芝居」の画稿だと気づく。綿貫の祖父が社長をしていた関東オール社の前身は、紙芝居の絵元だった。
  • 優希と伊東(白石隼也)は、紙芝居研究家の羽生浩太に会いに行く。優希が持参した下山事件の画稿を見た羽生は、当時不気味な事件ばかり描いていた紙芝居作家・校条啓蔵の名前を告げる。帰宅途中、伊東は何者かに階段から突き落とされ、優希の部屋のドアには「もう手を引け」というメモが挟まれていた。

登場人物はこちら
闇の伴走者~編集長の条件 「闇の伴走者~編集長の条件」全話あらすじ感想・登場人物(キャスト)

第3話「迷宮」感想

このドラマは、毎回わたしのツボを揺さぶってくるなぁ~。

物語と直接関係ない(と思われる)手塚治虫さんの困ったちゃんエピソードとか、楽しくてしょうがないです(手塚治虫さんは、おもしろエピソードの宝庫だよね)

戦後漫画のルーツを辿る過程も面白い。
「紙芝居」から多くの漫画家が生まれたという話は、「ゲゲゲの女房」だった松下奈緒さんのほうがお詳しいのでは(笑)

そしてようやく、線路の絵の作者に辿り着きました。
同時に犯人にも近づいてきた様子で、不気味です。

綿貫とコミックスープレックスの関係

今野浩喜さん演じる綿貫が、秘密を白状しましたね。
ざっとまとめてみました。

  • 漫画編集者になるのが夢で、コネを使ってこの業界に入った
  • 自分が太刀打ちできない才能の世界だとわかった
  • 才能がない=仕事がない、ヒマで居場所がなかった
  • 会社の金を使い込んでいた想起社の専務・小城にサイドビジネス(闇取引)を提案
  • 闇取引会社コミックスープレックスを立ち上げる
  • 関東オール社の見返却の画稿(祖父の家にあった)を売り物にする
  • 経費はブレイブ編集部から移動させ、私腹を肥やしていた

綿貫、謎めいた前振りで何者やねんと思ったけど、フタを開けてみると意外と小者。
今野さんのちょっと情けない演技もハマってて、よかったです。

漫画編集者の仕事がどういうものか、リアルに伝わってきて、すごく面白い。
綿貫もだけど、ブレイブ編集部の人たちが最後にいい方向に落ち着くといいなぁ。

手塚治虫の「奇子」がヒントだった!

南部のマンションで見つかった不気味な線路の絵。
ヒントは手塚治虫さんの漫画「奇子(あやこ)」の中にありました。

「奇子」は、1972年~1973年に雑誌「ビッグコミック」に連載された漫画。
昭和24年の地方旧家・天外家を舞台に、戦後史の裏面を描いた問題作と言われています。

わたしが読んだのはずいぶん前(実家の父が所持)で、かなりうろ覚えなのですが、内容が強烈で衝撃的だったことはよく覚えています。

遺産争いや近親相姦、幽閉、殺人に加え、共産主義やGHQスパイなども絡んできて、醍醐の言うとおり「かなりエグくてドロドロした物語」でした。

その中に「下山事件」も含まれていたみたいだけど、全く覚えてないわ……。
でも確かに、あの絵の構図は手塚治虫っぽいですね。言われてみればだけど。

線路の絵は、漫画ではなく「紙芝居」

南部が持っていた不気味な線路の絵には、ほかにも不明な点があって。

紙のサイズが「B4より大きいがA3ではない」中途半端なサイズだったこと。
四隅が少し丸くなっていたこと。
そして画稿を実際に見た綿貫によれば、分厚い紙で油絵みたいだった、と。

それらの要素から、醍醐は、画稿が漫画ではなく「紙芝居」だと見抜きます。

日本の漫画誕生に欠かせない文化だった「紙芝居」。

「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家・水木しげるさんも、戦後は紙芝居作家をして生計を立てていて、その後貸本漫画家としてデビューされたんですよね、確か。

線路の絵は、校条(めんじょう)啓蔵が「下山事件」を描いた紙芝居だったことが、判明しました。
南部さんがアイデアノートに書いていた「幻のマンガ家発見!!」は、校条のことだと思われます。

下山事件については、▼第1話の感想で書いています。

闇の伴走者~編集長の条件 「闇の伴走者~編集長の条件」第1話|下山事件とは?

動き出した犯人

幻の漫画家に辿り着いたのはいいけれど、犯人も動き出しました。

捜査を手伝ってくれていた伊東くんが、階段から突き落とされてしまい……。
でも、突き落としたと思われる男の靴のかかと、すり減っていないように見えたなぁ。

犯人はまだわからないけど、わたしは想起社の社長(平泉成さん)宣伝部長の堀尾(津田寛治さん)正社員の武井(金井勇太さん)あたりがまだ何か隠してるんじゃないかと疑っています。

次回は醍醐と優希が校条に会いに行くみたいなので、下山事件にまつわる話が聞けるかも。
続きを楽しみに待ちたいと思います。