ネタバレ有「前科者」全話あらすじ・キャスト

WOWOW「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」(全6話)についてまとめました。

罪を犯した“前科者”たちと向き合い、奮闘する保護司の姿を描いた社会派ヒューマンドラマ。監督は、映画『あゝ、荒野』で国内の映画賞を総なめにした岸善幸。原作は香川まさひと・月島冬二による人気コミック。

連続ドラマ版から数年後の物語を描く劇場版は、2022年1月28日(金)に公開されます。

非常に重いテーマで気軽に見ることはできませんが、保護司という立場で人の罪と向き合う佳代の誠実な姿に胸を打たれます。それぞれの“前科者”たちが罪を犯した理由にも、深く考えさせられました。

作品概要

  • 放送局:WOWOWプライム
  • 放送時間:2021年11月20日(土)から毎週土曜22:30~ほか
  • 原作:香川まさひと・月島冬二「前科者」
  • 脚本:港岳彦
  • 監督・編集:岸善幸/岡下慶仁
  • 音楽:岩代太郎

あらすじ

阿川佳代(有村架純)はコンビニでアルバイトをして生計を立てながら、罪を犯した者の更生を助ける無給の国家公務員である保護司になることを決意する。研修会などを経て、保護司になったばかりの佳代は、経営していたアクセサリーショップの従業員に激しい暴力を振るい、恐喝および傷害罪で懲役2年を経て仮釈放となった斉藤みどり(石橋静河)、実の兄を殺害し6年の実刑判決を受けるが刑期を半年残して仮釈放となった石川二朗(大東駿介)、覚醒剤取締法違反で執行猶予となった田村多実子(古川琴音)を担当することに。
保護司として“前科者”の居場所を見つけるために奔走する佳代は、過去のある経験からトラウマを抱えていた。保護観察対象者である彼らはそんな彼女と過ごすことで犯した罪と向き合い、心を動かされる。そして佳代もまた、3人と接していくうちに成長をしていく。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、香川まさひと氏・月島冬二氏による漫画『前科者』です。

保護司の目を通して社会更生を考え、現代日本が抱える問題を掘り下げる本格ヒューマンドラマ。『ビッグコミックオリジナル』にて2018年1号より連載中。

2021年11月現在、第8巻まで刊行されています。

登場人物(キャスト)

阿川佳代(有村架純)
保護司。コンビニのアルバイトで生計を立てている。生真面目で頑固。使命感が強く、時に周りを驚かせるような行動に出る。学生時代にある事件に巻き込まれ、それがきっかけで保護司となった。

斉藤みどり(石橋静河)
佳代の初めての保護観察対象者。経営するアクセサリーショップの従業員に激しい暴力をふるい、恐喝・傷害罪で懲役2年。態度良好につき刑期を半年残して仮釈放となる。子供の頃、母親に育児放棄されていた。自由奔放な性格で、佳代を振り回す。

石川二朗(大東駿介)
佳代の2人目の対象者。農業を営んでいたがカフェを経営する実兄を殺害し、殺人罪で懲役6年の実刑判決を受けた。態度良好につき仮釈放となる。無口だが礼儀正しく、過去の罪とも誠実に向き合うかに見えたが…。

田村多実子(古川琴音)
佳代の3人目の対象者。覚せい剤取締法違反で執行猶予の判決を受ける。保護観察期間は3年間。恋人・佐藤翔の裏切りによって性風俗で働かされ、自信と希望を失っていたが、佳代と出会ったことで心を動かされる。

松山友樹(宇野祥平)
佳代がアルバイトするコンビニの店長。保護司の仕事を優先させ、バイトを休みがちな佳代に文句を言いつつも、温かく見守る。

高松直治(北村有起哉)
東京保護観察所の保護観察官。佳代を優しく、時に厳しく監督・指導する。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

阿川佳代(有村架純)はコンビニのアルバイトで生計を立てながら、罪を犯した者の更生を助ける保護司となる。初めての対象者は、佳代と年齢が近い斉藤みどり(石橋静河)。
みどりは経営していたアクセサリーショップの従業員に激しい暴力を振るい、恐喝と傷害罪で懲役2年となるも、服役中の態度良好につき刑期を半年残して仮釈放されることになっていた。
佳代はみどりの身元引受人である母親ユカリを訪ねるが、ユカリは引受人をやめると言い出し、迷惑げに佳代を追い返す。代わりに身元引受人になったのは、みどりが幼い頃から通っていたという教会の神父・福島シオン(鈴木卓爾)だった。
佳代は出所したみどりを温かく迎えようと張り切るが、訪ねてきたみどりは佳代に美容院の金を立て替えさせ、自由奔放に振る舞う。さらに、みどりが出勤初日に職場の介護施設で暴れていると連絡を受け、佳代は急いで駆けつける。

連絡を受けた佳代が介護施設に駆けつけると、みどりは既に職員たちと仲直りしていた。みどりは血まみれになって飛んできた佳代を見て心を許し、自分が起こした過去の事件について語り始める。
みどりが怪我を負わせた従業員は、店長と不倫しながら売上をくすねていたという。そして事件の日、2人が店のトイレでセックスしているのを見て逆上したことを明かす。みどりは体を売っている母親ユカリに複雑な思いを抱いており、金を盗んだことよりも店で淫らな行為をしたことが許せなかったという。
佳代が父・道之助と会っていると、介護施設からみどりが職場放棄したと連絡が入る。みどりは恋人に殴られて入院した友人エリに付き添っていた。エリの恋人カズを捜し出し、暴力でかたをつけようとするみどりを、佳代は必死に説得する。
佳代は学生時代、刑務所から出所したばかりの男に襲われ、佳代をかばった男性が亡くなってしまったことを明かす。保護司になったのは、自分のせいで人が死んだからだと話す佳代。そして「私の前では誰も死なせない」と告げる。
みどりはカズを警察に委ねることを承諾し、佳代とともに母親ユカリの家を訪ねる。なぜ身元引受人になってくれなかったのか問うみどり。恥ずかしい母親だと思ってるんだろ、と言うユカリに、みどりは「どんなことがあってもお母さんの味方だから」と言う。みどりはユカリに抱き締められ、泣きじゃくる。

佳代の2人目の対象者が石川二朗(大東駿介)に決まる。二朗は人気カフェを営む実兄・一朗を包丁で刺殺し、懲役6年の実刑判決を受けていた。初めての男性対象者で殺人罪ということもあり、恐怖を拭いきれないまま最初の面談に臨む佳代。しかし実際に会った二朗は礼儀正しく、とても殺人を犯したようには思えなかった。
二朗に頼まれ、佳代は一朗の墓参りに同行する。一朗の墓の前で新しい人生を歩むことを誓う二朗だったが、そこに一朗の妻・愛子(徳永えり)が現れ、夫を殺した二朗に憎しみをぶつける。さらに、愛子は二朗が兄を殺した本当の動機が“あおい”という少女に関わることで、二朗を釈放すればまた別の被害者が出ると話す。
二朗は夜中に自転車を走らせ、実家の薪置き場に隠していたある物を取りに行く。それは“あおい”の写真を大量に入れたファイルだった。

佳代は愛子から聞かされた二朗の殺害動機について保護観察官の高松に相談するが、「保護司は事件に立ち入るべきではない」と諭される。
佳代は実状を把握するため再び愛子に会い、二朗と今野あおい(瀧七海)の関係について尋ねる。あおいは当時8歳で、二朗の兄・一朗が経営するカフェの常連客だった。二朗が配達する野菜に興味を持ったあおいが畑を訪ね、二朗と2人きりで会うようになったという。
やがて二朗があおいの写真を撮ったり手紙を送ったりするようになり、一朗は距離を取るようたびたび注意していたが、二朗は一向に言うことを聞かなかったと話す。
今野家からの通報を受け、二朗とともに警察に呼び出される佳代。二朗があおいに会いに行ったと知った佳代は、「彼女の立場になって物事を考えて」と注意するが、二朗は「何も知らないくせに」と苛立ちを露わにする。
佳代は事件の夜に何があったのか聞き出す。二朗はあおいの写真を一朗に奪われ、店に取り返しに行ったという。二朗にとってあおいは、唯一の理解者だった。だが一朗は「ロリコン変態野郎」と罵倒し、カッとなった二朗はその場にあった包丁で彼を刺したのだった。
佳代はあおいと彼女の両親と話し合い、二朗と話したいというあおいの気持ちを尊重して2人を会わせることに。あおいは当時、血の繋がらない父親との関係に悩んでいたことを打ち明け、二朗と会うことで父親の気を引こうとしたと話す。
あおいに拒絶された二朗は、大切にしていたあおいとの思い出の写真を燃やし、泣き崩れる。高松は「過度の介入だ」と注意しつつも、佳代に新たな対象者を告げる。

佳代は3人目の対象者・田村多実子(古川琴音)を担当することに。多実子は覚せい剤取締法違反で逮捕されたが、執行猶予の判決を受けていた。保護観察期間は3年間となり、佳代は高松から多実子の交友関係に注意を払うよう忠告される。
多実子を迎え入れ、彼女がかつて保育士になることを夢見ていたと知った佳代は、彼女の新たな目標を応援する。だが多実子は勤務先のレストランで、客に求められるまま体を差し出してしまう。
多実子が薬物に依存するようになったのは、元恋人の佐藤翔がきっかけだった。翔は巧妙な芝居を打って多実子を騙し、風俗で働かせながら、彼女に薬物を与えていたのだった。佳代は卑屈になる多実子を励まし、一緒に戦うことを約束する。
佳代が保護司になって半年が過ぎ、最初に担当した斉藤みどりの保護観察期間が終了する。2人は佳代の行きつけの店でお祝いをするが、それを目撃した多実子はみどりに嫉妬してしまう。
そこへかつての恋人・翔が現れ、多実子に薬を差し出す。

多実子が2日連続で仕事を無断欠勤し、心配した佳代は彼女の様子を見に行く。多実子は元恋人で覚せい剤の売人でもある翔と再会したことを明かす。薬物には手を出さなかったものの、多実子は職場も家も彼に見張られていると怯えていた。
佳代は多実子の職場で待ち伏せしていた翔に、付きまとうのをやめるよう告げる。翔が佳代に追い返されるのを見て、多実子はますます佳代を頼りにする。
だが翔は仲間とともに多実子を拉致し、嫌がる彼女に再び薬物を与える。急に明るくなった多実子を見て違和感を覚えた佳代は、仕事帰りの多実子を尾行し、彼女が以前と同じようにデリヘルの仕事をしていることを知る。
佳代を心配したみどりは多実子について調べ、彼女が薬物を使用していることを佳代に教える。多実子を騙してホテルの一室に呼び出すと、カバンの中には白い粉が入っていた。「どうして」と問い詰める佳代に、多実子は「こうなるってわかってた。何にもできないなら最初から優しくしないでよ」と叫んで号泣する。
みどりは多実子に同情し、逃がそうとする。友情よりも職務を選ぶ、とみどりを止める佳代。多実子は警察へ行くことを決め、佳代は彼女の要望を受け入れて警察に連れて行く。
報告を受けた高松は、佳代が自分を通さずに直接多実子を警察に連れて行ったことを注意する。そして彼女のために、手紙のやりとりや環境調整で力になってほしいと告げる。
佳代は多実子を助けられなかった自分を責め、みどりの前で「保護司の資格なんてない」と泣きじゃくる。みどりは「どれだけ失敗しても、私があんたを許すから」と佳代を抱き締める。