海外ドラマ「ダークネス:ゾウズ・フー・キル」(全8話)についてまとめました。
2011年にデンマークで製作された大ヒットサスペンスドラマ「ゾウズ・フー・キル 殺意の深層」のリブート版。
2011年版では女性刑事カトリーネと法医学精神科医トーマスのコンビが活躍する設定でしたが、今回は男女を入れ替え、男性刑事ヤンと女性のプロファイラー、ルイーセがタッグを結成。全8話を通して1つの連続凶悪犯罪の謎に迫ります。
Contents
作品概要
- 放送局:WOWOWプライム
- 放送時間:2020年3月14日(土)・21日(土)午後0:45~各4話ずつ放送
- 製作国:デンマーク(2019年)
- 原題:Den som dræber – Fanget af mørket
- 原作:エルセベート・エゴーム
- 製作:ヨナス・アレン/ピーター・ボーズ
あらすじ
刑事ヤンは半年前から行方不明の少女ユーリェの捜索を指揮していたが、有力な手掛かりを見つけられない。同じ地域で10年前にナテーシャという高校生が行方不明になっているのに気付いた彼は、独自捜査により、彼女の白骨遺体を湖から見つける。
WOWOW公式サイトより
ユーリェとナテーシャはいずれも当時17歳の少女で、消息を絶った状況に類似点も多いことから、ヤンは同一犯の犯行だとにらむ。そこでかつて警察でプロファイラーをしていたルイーセに意見を求めることに。現在はレイプ被害者のシェルターでカウンセラーをしているルイーセは当初、捜査への協力を拒むが、2つの事件の詳細を聞いて同一犯の犯行と断言。さらに第3の若い女性が行方不明となり……。
予告動画
登場人物(キャスト)
警察関係者
ヤン・ミゲルスン(ケネト・M・クリステンセン/声:高橋英則)
刑事。行方不明の少女ユーリェの捜索班を指揮している。ルイーセの能力を見込んで協力を依頼し、ともに捜査にあたる。半年前に妻アンマリーと別れたが、復縁を望んでいる。
ルイーセ・ベアウスタイン(ナタリー・マドゥエニョ/声:永宝千晶)
心理分析官。イギリスで数年プロファイラーを務めていたが、 帰国してからはある事情から警察と関わっていない。現在はレイプ被害者のシェルターでカウンセラーをしている。
ムラ・トムスン“MT”(ピーター・ミュウギン/声:森田順平)
ヤンの上司。かつてのルイーセをよく知る人物。犯人像を掴むため、ルイーセに捜査への協力を頼む。
カールスロン(Maibritt Saerens/声:阿部彬名)
ヤンの上司。事件が大きくなるにつれ、世間やマスコミから叩かれることを懸念する。
ギデ・ハーマンセン(Regitze Estrup/声:土井真理)
ユーリェ捜索班のメンバー。
デニス・ホイビュア(Uffe Rørbæk Madsen/声:内田紳一郎)
ユーリェ捜索班のメンバー。
被害者
ユーリェ・ヴィンディング(Alvilda Lyneborg Lassen)
17歳。半年前から行方不明になっている。母、兄と3人暮らし。
エマ・ホルスト(テッサ・ホーダー/声:杉山里穂)
空手教室に通う20歳の女性。職場へ行く途中で拉致され、姿を消した。外見がナテーシャと似ている。勝手に家を出たことで両親と喧嘩し、疎遠になっている。
ナテーシャ・マークヴァート・ギルホルム
グレーヴェ高校の女子生徒。2008年に高校のプロムの帰りに姿を消し、その後自殺と判断された。ヤンの捜査によって湖の底から白骨遺体となって発見される。行方不明時、黄色いドレスを着ていた。
イーリカ・ベアン
35歳の弁護士。スウェーデン人。3年半前にスウェーデンのマルメー南部の湖で遺体となって発見されたが、犯人は見つかっていない。薬指を切断され、顔をナイフで切られていた。
ローズ・ボジャーリ
ナイジェリア人の不法滞在者。売春婦。アーリンの農場の肥料タンクから遺体となって発見される。
サミラ・カーン
18歳。アフガニスタンから亡命するも認められず、逃亡して行方不明になっていた。アーリンの農場の肥料タンクから遺体となって発見される。
メデ・マークスン
売春婦。フェロー諸島出身で、この10年はコペンハーゲンにいた。教会の女性用シェルターで寝泊まりしていたが1年前から行方不明に。アーリンの農場の肥料タンクから遺体となって発見される。
容疑者
ピーダ・アルプ(Morten Brovn Jørgensen)
グレーヴェ高校の教師。前科がある。自宅のパソコンに2008年当時のナテーシャの写真が多数保存されていた。
ジョン・ポウルスン(Claus Gerving)
空手教室の教室長。スィセと協力して、エマを拉致した犯人をおびき出そうとする。離婚して自暴自棄になり、暴行罪で服役した過去がある。
アナス・ケルスン(マッツ・リーソム/声:西凜太朗)
レイプや強盗などの前科がある危険な男。幼いころ母親に虐待されていた。10年前にグレーヴェ高校で作業員をしており、ナテーシャ殺害事件の容疑者となる。
スティーネ・ヴェリン(シーネ・エゴーム・オールスン/声:浅野まゆみ)
アナスの共犯者。レンタカーショップ勤務。自宅の地下室にアナスが拉致した女性を監禁している。16歳の時に兄ミゲルにレイプされた過去があり、実家の家族とはうまくいっていない。
そのほか
ラスムス・ヴィンディング(ソニー・リンドバーグ)
ユーリェの兄。ヤンに信頼を寄せている。
ミゲル・ヴェリン(Peter Plaugborg)
スティーネの兄。妻のカミラ、娘のオリヴィアと3人暮らし。実家の両親からも信頼されている。19歳の時、両親の旅行中に妹のスティーネをレイプした。
スィセ(Malene Beltoft Olsen)
エマの友人。同じ空手教室に通っている。エマが失踪する直前に電話を受け、その後エマが姿を消したことから警察に相談する。
アーリン・ペテルセン(ヘンリック・ノエル・オルセン)
農場主。母親から虐待を受けていた少年時代のアナスを住まわせていた。
アンマリー(パーニル・アンダーセン)
ヤンの元妻。半年前に離婚し、現在はダニと付き合っている。復縁を迫るヤンに「私の考えは同じ」と告げる。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
グレーヴェ・ストランで17歳の少女ユーリェが行方不明になる。刑事のヤンは捜査班を指揮するが、半年経った今も有力な手がかりを見つけられずにいた。
ヤンは手がかりを求めて過去の資料を調べ、10年前の行方不明事件に注目する。グレーヴェ高校の生徒だったナテーシャは、高校のプロムの帰りに姿を消していた。ヤンは湖の底に沈んでいた白骨遺体を見つけ、歯型からナテーシャと判明する。
2つの事件に共通点が多いことから、ヤンは同一犯による犯行だと推測。元プロファイラーの心理分析官ルイーセが呼ばれる。ルイーセは、犯人はナテーシャをよく知る人物で、ユーリェが連れ去られたのはナテーシャに似ているからだと分析する。
まもなく、ナテーシャと外見が似ているエマという20歳の女性が姿を消す。ヤンはルイーセの家を訪ね、犯人の特定を手伝って欲しいと訴える。レイプ被害者のシェルターでカウンセラーをしているルイーセは、「手伝うのはこの事件だけ」という条件で協力することを承諾する。
その頃、拉致されたエマはある一室で目を覚ましていた。そばにはもう一人の被害女性もいた。
ヤンとルイーセは犯人を洗い出すため、10年前に殺されたナテーシャの高校関係者を調べる。ナテーシャが通っていたグレーヴェ高校で情報提供を呼び掛けると、ピーダ・アルプという教師が協力を申し出る。
アルプに前科があることを知った2人は、アルプの家を捜索。パソコンの中にナテーシャの写真が大量に保存されているのを見つける。だがアルプを聴取したルイーセは犯人ではないと断定。アリバイも証明される。
ルイーセは10年前の高校教職員の写真に、名簿に載っていない男が写っていることに気づく。男は学校に雇われた作業員アナス・ケルスンだった。アナスにはレイプや強盗の前科があり、刑務所を出たり入ったりしていた。2011年にはガソリンスタンドで女性をレイプ、ワゴンで誘拐しようとして捕まっていた。
ヤンとルイーセは刑務所でアナスを診ていた精神科医のローランドに話を聞く。ローランドは「彼のような人間は刑務所から出すべきじゃない」と言う。アナスを虐待していた母親ウーラから話を聞くため、実家を訪ねるヤンとルイーセ。だが家には誰も住んでおらず、2人は地下室で白骨化したウーラの遺体を発見する。
監禁されたエマは怯えきって口もきけないユーリェを労ろうとするが、そこへアナスが現れる。アナスは拉致したエマとユーリェを恋人スティーネの家の地下室に監禁していた。エマにナテーシャと同じ黄色いドレスを着せてレイプするアナス。地下室にはカメラが設置されており、スティーネは別室でその一部始終を見ていた。
地下室で見つかったウーラの白骨遺体は、死後1年経っていた。ロープの結び方がナテーシャのときと同じ“ふた結び”だったことから、ヤンとルイーセは一連の事件の犯人がアナスだと確信。ルイーセはアナスに余罪があると考え、未解決事件を洗うべきだと助言する。
ヤンとルイーセはスウェーデンを訪れ、3年半前にマルメー南部で起きた殺人事件について担当刑事のラセから話を聞く。殺された女性の顔はナイフで切られ、遺体は塩素で洗浄されていた。状況の違いから、ルイーセはアナスの犯行ではないと感じる。
スティーネはナテーシャの葬儀に参列し、携帯で撮影した動画をアナスに見せる。エマとユーリェは協力してアナスに襲いかかり、地下室からの脱出を試みるが失敗。ユーリェは階段から突き落とされ、エマもアナスに捕まって激しい暴行を受ける。
ヤンとルイーセは、幼いアナスが一時期だけ身を寄せていたアーリンの農場を訪ねる。アーリンによると、アナスは母親に無理やり連れ戻された時から暴力的になったという。
アーリンは1年前に肥料タンクのそばでアナスを見たと言い、肥料タンクを調べるヤン。やがてタンクの中から3人の女性の遺体が発見される。遺体はいずれも左手の薬指が欠損しており、遺棄されてから1年以上経っていた。
アナスは意識のないユーリェを運び出し、車で農場へ運ぼうとするが、警察が来ていることを知って引き返す。アナスの車に気づいたヤンは追いかけるが、森の中で見失ってしまう。
ヤンとルイーセは懸命に車を探すが見つからない。やがて採石場で車が発見され、トランクからユーリェの遺体が見つかる。検視の結果、ヤンが車を追っていた3時頃には、ユーリェはまだ生きていたことが判明。自分を責めたヤンは辞職を決意する。
ルイーセはユーリェがつけていたピアスを見て、エマがユーリェと同じ場所にいたことに気づく。肥料タンクで見つかった3人の遺体のうち、ひとりはアフガニスタンから亡命してきたサミラ・カーン、もうひとりはナイジェリア人の売春婦ローズ・ボジャーリと判明するが、アナスがターゲットとする女性の条件とは食い違っていた。
ヤンはルイーセとともに署に戻り、捜査会議に出席。ルイーセはアナスの陰に共犯者がいる可能性を見いだし、薬指を切るのはその人物のサインだと推測する。
その頃、エマはスティーネに助けを求め、彼女の協力を得て地下室から脱出。スティーネはエマを車のトランクに入れて外に運び出すが、逃げようとしたエマの前にアナスが現れる。泣きじゃくるエマに、スティーネは「まだ手放したくないの」と告げる。
ルイーセは「共犯者は計画的で頭のいい人物」と推測。メディアが騒げば次の犯行には及ばないと想定し、アナスを指名手配する。テレビで会見を見たスティーネは動揺する。
ヤンとルイーセは寄せられた情報をもとにアナスの潜伏先の古いボートを見つけ、中にあったナテーシャの黄色いドレスを押収する。その様子を見たアナスは苛立ち、スティーネの制止も聞かず夜の街へ飛び出す。アナスは衝動的に通りすがりの女性を拉致しようとするが、通行人に見つかって失敗する。
ルイーセはアナスの行動を予測できなかったことで自分を責め、指名手配は間違いだったと告げる。ヤンはエマの友人で空手教室に通うスィセを囮にして、アナスをおびき寄せることを提案する。
スティーネは世間体を気にする家族に懇願されて、兄ミゲルの誕生会に出席。スピーチで16歳の時にミゲルにレイプされたことを告白する。スティーネはエマに両親宛の手紙を書かせ、それをエマの目の前で燃やす。
警官たちが張り込む中、スィセは黄色いドレスを着て夜道を歩くが、アナスは現れなかった。ルイーセはイギリスにいた時、10歳の少女を暴行した16歳の少年を担当したことをヤンに話す。少年は両親に愛されており、初犯だったため保釈を許可したが、その翌日に両親を刺し殺して首を吊ったのだった。
スィセの前にアナスは現れず、囮捜査は失敗する。ルイーセはひとりでスィセの家を出るが、アナスに襲われ拉致される。アナスはルイーセに「電話してドレスを持って来させろ」と言うが、パトカーが来たためルイーセを置いて逃げる。
ヤンはMTからの電話でルイーセがアナスに襲われたことを知る。共犯者を見つければアナスとエマも見つかると考えたヤンたちは、アナスが服役中に出会ったと思われる受刑者を洗い出すことに。
ヤンは空手教室の教室長ジョン・ポウルスンを疑うが、ジョンにはアリバイがあり潔白だった。警察が押しかけたことで空手教室の生徒は激減し、ジョンを犯人だと思い込んだユーリェの兄ラスムスは彼に暴行を加える。
スティーネは警察が共犯者の存在に気付いているとアナスから聞き、エマを始末して家を出ようと計画する。アナスは薬を混入した水をエマに与える。
ルイーセはシェルターでのカウンセリング中に、共犯者は女性ではないかと気付く。肥料タンクから見つかった犠牲者メデ・マークスンの足取りを追ったヤンとルイーセは、彼女が寝泊まりしていた教会の女性用シェルターに辿り着く。
シェルターの利用者の中には、肥料タンクで遺体が見つかったローズ・ボジャーリとサミラ・カーンもいたことがわかり、メデとサミラを担当したボランティアの女性がスティーネであることを突き止める。
ヤンとルイーセはスティーネの自宅で彼女を取り押さえるが、地下室にエマの姿はなく、アナスも見つからなかった。
ヤンは取調室でスティーネを追及するが、「アナスに暴力で支配されていた」と主張して犯行を認めず、アナスとエマの居場所についても知らないと言う。
兄ミゲルの証言で、スティーネが4年前にスウェーデン人のマーティン・ペダソンと付き合っていたことを知るヤンとルイーセ。マーティンは殺されたイーリカ・ベアンの婚約者だった。スティーネはイーリカに心移りしたマーティンに復讐するため、イーリカを惨殺したと思われた。
尋問の様子を観察していたルイーセは、スティーネが本当のことを話すときだけ前を見る癖があることに気付く。ルイーセは彼女の過去に引き金になる出来事があったはずだと推測し、ヤンとともにスティーネの実家を訪ねる。
両親はスティーネについて「手に負えない子どもだった」と語り、心療科を受けさせずに全寮制の学校に入れたことを告げる。その夏、兄ミゲルは街で男に襲われて入院するほどの大怪我を負っていたが、襲った男がアナスだったことが判明する。
さらに、スティーネが兄ミゲルにレイプされたことを訴えるも、両親は彼女の言葉を信じず、今も信じていないことがわかる。ルイーセはスティーネに「私は信じる」と告げ、エマとアナスがニーヴォー・マリーナにいることを聞き出す。
ヤンたちは埠頭を捜索するが2人の姿は確認できず、スティーネは警官から銃とパトカーを奪って逃走する。尋問が裏目に出たと自分を責めるルイーセ。アナスはエマを逃がそうとするがスティーネに見つかり、銃殺されてしまう。
ルイーセは逃亡したスティーネが家族のもとへ向かうと予想し、両親と兄ミゲルを別荘に避難させる。カストロプ・マリーナでスティーネとエマを目撃したという情報が入り、ヤンとデニスはマリーナを捜索。アナスの遺体を発見する。
スティーネはエマを連れてミゲルの娘オリヴィアが通う学校へ行き、オリヴィアの携帯電話の位置情報でミゲルの居場所を突き止める。別荘に乗り込んだスティーネは警護していた警官2人を射殺し、家の中に侵入。両親の前でミゲルに真実を打ち明けさせ、ミゲルと父親を撃つ。
ヤンは応援を待たずに別荘に踏み込み、エマの代わりに人質になろうとするが、スティーネはエマを解放するふりをして彼女に銃を向ける。ヤンはエマを逃がそうとしてスティーネに撃たれるが、スティーネを殴って気絶させる。応援部隊が駆けつけ、エマは保護される。
病院に運ばれたエマが両親に会いたがらないと聞き、ルイーセはヤンとともにエマの病室を訪れる。ルイーセの説得で、両親と再会し抱き合うエマ。ヤンはルイーセに感謝の言葉を告げ、彼女を見送る。
ルイーセは収監されているスティーネのもとに通い、カウンセリングを行っていた。スティーネはルイーセに尋ねられ、全寮制の学校にいた頃ルームメイトだったマヤについて話しだす。
感想(ネタバレ有)
息をのむ本格サスペンス
怖いけど面白い!
さすがデンマーク発のドラマですね、よくできてます。
息をのむストーリー展開もよかったし、重厚で濃密な映像世界と北欧サスペンスらしい繊細な心理描写で最後まで飽きさせない内容でした。この暗さと静けさが癖になるのよね。
見終わる頃には、主人公のヤンとルイーセのコンビが大好きになっていました。
それぞれ心の傷を抱えながらも、被害者を助けたいという強い思いで犯人を追い続ける2人。2人とも多くを語りませんが、互いに相手を必要としていることが伝わってきます。
犯人に襲われた恐怖から眠れずにいたルイーセが、ヤンの眠るソファに並んで横になって目を瞑るシーンがありましたが、その短いシーンだけで2人の信頼関係がわかる。
シーズン2はあるのかな? この2人の活躍をまた見たいです。
説明できないスティーネの恐ろしさ
女性の拉致監禁事件といえば犯人はたいてい男と決まっていますが、今回の犯人は男性と女性の2人組。しかも主犯格は女のスティーネのほう。これには驚いた。
スティーネの残忍さに比べると、アナスが優しく見えてしまうから恐ろしい。本物のサディストって怖い。優しいふりをして希望を与え、突き落として絶望する顔を見て喜ぶスティーネ。残酷そのもの。
ルイーセは「生まれつきの人格障害」だと言っていたけど、引き金になったのは16歳の時に兄ミゲルにレイプされ、両親に訴えるも無視されたという過去の辛い体験でした。
家族が彼女の言葉を信じていたら、彼女の心の問題と向き合っていたら、犯罪化することを防ぐことができたんだろうか……わからない。
スティーネが銃を奪って逃亡したとき、「彼女をわかったつもりになっていた」と自分を責めていたルイーセ。MTのセリフが真実を突いているだけに、彼女にとっては痛い言葉だったと思う。
「スティーネ・ヴェリンは理解しがたい人間だ。説明するのは不可能。そのような人間もいると受け入れるしかないんだ。スティーネのような相手とも向き合えなきゃいけない。それが無理ならこの仕事は辞めろ」
刑務所でルイーセのカウンセリングを受けていたとき、スティーネは学生時代にルームメイトだったマヤの兄について語っていたけど、もしかして彼も殺してる? 調べたらまだまだ余罪がありそうですよね。
乗り越えられない苦しみ
アナスに拉致されて地下室に監禁されたエマがどんどん弱っていくのが、見ていて辛かったです。アナスに暴行され、スティーネに何度もいたぶられ、絶望に突き落とされるエマ。
最終的に助かって本当によかった。彼女がこれから味わう苦しみを想像すると辛くなりますが、それでも助かってよかったと思う。ユーリェも救ってあげたかったですね。
「エマは乗り越えられるか?」というヤンの問いに対し、ルイーセが答えたセリフが誠実で心に染みました。
「いいえ。乗り越えるなんて無理よ。それでも前を向いて生きていく」
これはルイーセ自身に向けられた言葉でもあるし、スティーネに対する言葉でもあるんだろうな。ヤンは自分のこととして受け止めたかもしれない。
見応えのあるドラマだったので、ぜひシリーズ化してほしい。続きを楽しみに待ちたいと思います。
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