海外ドラマ「ヴェルサイユ」シーズン1(全10話)についてまとめました。
ヴェルサイユ宮殿を建造したフランス国王ルイ14世の若き日々を、現代的かつ刺激的に描いた歴史ドラマ。シーズン3まで放送され、完結しました。IMDbの評価は7.9。
このドラマの面白さは、絶対君主として有名な国王ルイ14世を「普通の人間」として描いたところ。キレイな女性に弱かったり、弟と顔を合わせるたびにケンカしてたり、過去のトラウマから人間不信に陥ってたり。
裏切りと陰謀が横行する絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿の中で、ルイは本当に信じられる友や臣下、愛する者たちとともに、理想の王国を作り上げていきます。
撮影は実際のヴェルサイユ宮殿のほか、メゾン・ラフィット城、ピエールフォン城、ヴォー=ル=ヴィコント城などで行われています。劇中で徐々にできあがっていくヴェルサイユ宮殿に興奮しました(まだ完成してないけど)。
17世紀の宮殿を再現する荘厳なインテリアや華麗な衣装など、国際的スタッフによる細部へのこだわりにも注目。
Contents
作品概要
- 放送局:チャンネル銀河
- 放送時間:2021年4月12日(月)から毎週月-金曜深夜0:00~
- 動画配信:Netflix
- 製作国:フランス/カナダ(2015年)
- 原題:Versailles
- 脚本:デヴィッド・ウォルステンクロフト/サイモン・ミレン
- 監督:ジャリル・レスペール/トーマス・ヴィンセントほか
あらすじ
摂政だった母の死により、名実ともに為政者となったフランス国王ルイ14世。しかし、彼は常に命を狙われており、 その王座はいまだ盤石ではなかった。政敵を抑え込み、その権力を確固たるものにするため、ルイはパリ郊外の 小さな村であるヴェルサイユに宮殿を築くことを決める。王弟のオルレアン公・フィリップや周囲に反対されなが らも宮殿建設は進められ、続々とヴェルサイユ宮殿へと集められていく貴族たち。ルイの夢が実現し始めたかに 見えた中、マリー・テレーズ王妃が臨月を迎える。王たちが見守る中での出産が始まるが、生まれたのは何と黒 人の赤子であった……。 宮殿で巻き起こる政治闘争、王の寵愛をめぐる女たちの争い、周辺国から送り込まれるスパイの陰謀、そして弟 フィリップとの確執……。人々の欲望が渦巻く絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿で、ルイは自身の理想とする世界を 作ることができるのだろうか?
チャンネル銀河公式サイトより
予告動画
ノベライズ
このドラマはオリジナル作品なので、原作は存在しません。ただし、ドラマのシーズン1を小説化したノベライズが出版されています。
時代背景
この物語の舞台は17世紀のヴェルサイユ。シーズン1では1667年(ルイ14世28歳)からの3年間が描かれています。その少し前、1661年に宰相マザランが亡くなり、ルイ14世の親政が始まっています。
「太陽王」と呼ばれたルイ14世は、「朕は国家なり」という言葉のとおり、絶対王政の最盛期を実現しました。荘厳な宮殿をヴェルサイユに建造し、その宮廷には貴族や芸術家が集められました。宮廷生活は細部に至るまで儀式化され、それが国王の権威を高めたとされています。
また、彼は積極的な対外戦争を行う「戦争好き」な王でもありました。多額の戦費と宮廷費をまかなう税金は、国民に重くのしかかりました。さらにユグノー(カルヴァン派プロテスタント)の弾圧によって多くの商工業者が国外へ亡命し、晩年は財政難を招くことになります。
年代 | フランスの主な出来事 |
---|---|
1643年 | ルイ14世、4歳でフランス国王に即位 |
1648年 | フロンドの乱(~1653年) |
1660年 | ルイ14世、スペイン王フェリペ4世の王女マリー・テレーズと結婚 |
1661年 | 宰相マザランが死去、ルイ14世による親政が始まる ヴェルサイユ宮殿の造営を開始 |
1667年 | 南ネーデルラント継承戦争(~1668年) |
1668年 | ヴェルサイユで戦勝記念大祝宴が開かれる |
1670年 | ルイ14世、イングランド王チャールズ2世とドーバーの密約を結ぶ |
1672年 | オランダ戦争(~1678年) |
1682年 | ヴェルサイユに宮廷と政府機関を移転 |
1683年 | 王妃マリー・テレーズ、コルベール死去 ルイ14世、マントノンと秘密結婚 |
1685年 | ナント勅令を廃止、国内で反乱が起こる |
1688年 | アウクスブルク同盟戦争(~1697年) |
1701年 | スペイン継承戦争(~1714年) |
1710年 | ルイ15世誕生 |
1715年 | ルイ14世死去、ルイ15世即位 |
登場人物(キャスト)
主要人物
ルイ14世(ジョージ・ブラグデン)
フランスの国王。王室狩猟場のヴェルサイユを好み、王としての権力を示す象徴としてヴェルサイユ宮殿の建築を進める。マリー・テレーズとは政略結婚。弟の妻アンリエットなど、多くの女性を愛人にしている。
オルレアン公フィリップ1世(アレクサンダー・ヴラホス)
ルイの弟。偉大な兄の影で苦悩する。ルイの命令でアンリエッタと政略結婚したが、男色や女装を好み、愛人のシュヴァリエを寵愛している。活躍の場を求めて戦場へ行くことを志願する。
マリー・テレーズ王妃(エリサ・ラゾウスキ)
フランス王妃。スペイン王フェリペ4世の娘。夫であるルイの寵愛を得たいと願うもかなわず、孤独を抱える。黒い肌の赤ん坊を産み、ルイの信頼を失ってしまう。
アンリエット(ノエミ・シュミット)
フィリップの妻。イングランド王チャールズ2世の妹。政略結婚によりフィリップに嫁ぐが、夫との間に愛はなく、ルイの寵愛に全身で応える。
宮廷の臣下たち
ボンタン( スチュアート・ボウマン)
ルイが最も信頼を置いている臣下。穏やかで忍耐強く、実直な人柄。ルイを説得して殺されかかっていた赤ん坊を救い、修道院に預ける。
ファビアン(ルイ・タニャン)
護衛隊長。忠誠心が厚く、反逆者に対しては拷問も辞さない。宮廷内に潜む反逆者を見つけ出そうと捜査にあたるが、ベアトリスの罠にかかってしまう。ボンタンの友人でもあり、互いに信頼し合っている。
コルベール(スティーブ・カミン)
財務総監。ルイの育ての親でもある宰相マザランの腹心で、彼の遺言によりルイに仕えることとなった。職務に忠実で、何よりも仕事を優先する。
ルーヴォワ候(ジョー・シェリダン)
陸軍卿。父ル・テリエとともにフランス陸軍をヨーロッパ最大かつ最強の陸軍に育て上げた。何かとルイの意見に批判的で、ヴェルサイユ宮殿の建設にも反対している。
ローハン(アレクシス・ミシャリク)
ルイの幼なじみで親友。ルイのたっての願いで、王弟フィリップを守るため戦地に赴く。
ジャック(ギリー・ギルクリスト)
庭師。元兵士で、戦争で右腕を失っている。温かく懐の深い人物で、ルイからたびたび相談を持ちかけられる。
マッソン(Peter Hudson)
侍医。ルイの指名で王妃の出産に立ち合うも、その後の処置を誤り、ルイの信頼を失ってクロディーヌに立場を奪われてしまう。
クロディーヌ(リジー・ブロシュレ)
マッソンの娘。女性が医者になることは禁じられていたが、密かに解剖学を学ぶなど勉強熱心で、その知識と情熱は父親を上回る。王妃を救ったことでルイに認められ、男装して宮殿に出入りするようになる。
貴族たち
シュヴァリエ(エヴァン・ウィリアムズ)
フィリップの愛人。軽薄で虚栄心が強い。自由奔放な行動で周囲を振り回すが、根は小心者。嫉妬心からアンリエットに攻撃的な態度を取る。
ベアトリス・ド・クレルモン(アミラ・カザール)
シュバリエのいとこを名乗る貴族。ソフィーをルイの愛妾にする目的でベルサイユにやって来たが、実はプロテスタント。身分を偽り、一族の復讐のためルイの命を狙う。
ソフィー・ド・クレルモン(マディソン・ジャザニ)
母ベアトリスとともにヴェルサイユにやって来た純真無垢な娘。出自については知らされておらず、貴族だと信じている。母の意に反して、宮殿建築の作業員ベノワと恋に落ちる。
モンテスパン侯爵夫人(アンナ・ブリュースター)
名門貴族出身の知性と美貌をあわせ持つ女性。野心家で辛辣な物言いをする。巧みな話術でルイの心を射止め、愛人となる。
ルイーズ(サラ・ウィンター)
ルイの愛人。王妃の侍女でありながらルイの寵愛を受け、子供を宿したことに罪悪感を抱き続ける。信仰に身を捧げるため、修道院に入ることを望む。
モンコート(ジョー・シェリダン)
宮殿の建設に反対し陰謀を企てるが、ルイに貴族の資格を疑われ宮廷から追い出される。その後カッセル公爵に仕え、ヴェルサイユに向かう馬車を襲撃する。
カッセル公爵(ピップ・トレンズ)
フランス北東部の貴族を束ねる権力者。宮廷を追い出されたモンコートとともに、ルイをパリに追い返すべく妨害する。
そのほか
オラニエ公ウィレム(ジョージ・ウェブスター)
オランダ(ネーデルラント)の最有力貴族。オランダ総督オラニエ公ウィレム2世とイングランド王女メアリーの息子。ルイへの反乱を企てるプロテスタントたちを密かに支援する。
チャールズ2世(ダニエル・ラパイン)
イングランド王。アンリエットの兄。フランスとの同盟に応じる一方で、オランダのオラニエ公に姪メアリとの婚姻を持ちかける。