Netflixで配信中の英国ドラマ「自由研究には向かない殺人」全6話のあらすじ(ネタバレ有)をまとめました。
架空の町リトル・キルトンを舞台に、聡明な高校生ピップが5年前の殺人事件の調査に乗り出すミステリードラマ。
事件の謎解きに挑む高校生ピップの揺れ動く心情を、22歳のエマ・マイヤーズがリアルに演じ切り、全体的に好感が持てるドラマでした。
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Contents
各話のあらすじ(ネタバレ有)
大学進学を控えた高校生ピップは、地元で5年前に起きた殺人事件を自由研究のテーマに選び、独自の調査を始める。親友カーラは「もう解決済み」と言うが、ピップは真犯人が別にいると疑っていた。
事件は2019年4月19日、17歳のアンディ・ベルが夜10時半に車で家を出たまま失踪。その数日後、恋人だったサリル(サル)・シンが森で遺体となって発見される。彼の携帯には「ぼくがやった。ごめんなさい」というメッセージが残されており、警察はアンディを殺して自殺したと判断。しかし、アンディの遺体は見つかっていない。
ピップはまずサルの弟ラヴィに接触を試みるが、事件以来誹謗中傷を受けてきたラヴィは警戒して拒絶。代わりにカーラの姉ナオミに話を聞く。ナオミは事件当夜、サルとマックスの家で一緒にいたと証言する。
ピップはカーラとともにマックスの家のパーティーに“バイト”として潜入し、当時の状況を探る。マックスは「サルは10時半に帰った」と言うが、後に「警察には0時15分に帰ったと証言してほしい」とサルに頼まれていたことを明かす。つまり、アリバイの偽証があった可能性が浮上する。
そのパーティーでピップは見知らぬ若い男から「気をつけたほうがいい」と警告される。カーラはナオミたちがサルに頼まれて嘘をついたことを知っており、「もう終わったことを掘り返さないで」と怒る。
ピップは5年前、学校で泣いていたアンディと、それを追うサルの姿を見ていた。アンディの居場所を教えたのは幼い頃の自分だった。もしサルが犯人なら、自分も間接的に関与していたことになる。しかし、ピップはサルが優しく誠実な人物だったことを覚えていた。
再びラヴィの家を訪ねたピップは、「サルの無実を証明したい」と訴える。ラヴィが見せてくれたサルの携帯には、完璧な文章で「ぼくがやった。ごめんなさい」と書かれていたが、他のメッセージは誤字だらけだった。ピップはこの違和感に気づき、「この最後のメッセージはサルのものではない」と確信する。
さらに、サルが「やめるまで君とわ話さない」というメッセージをアンディに送っていたことがわかり、2人が喧嘩していた可能性が浮上。ピップとラヴィは、事件の真相を突き止めるため、手を組むことを決意する。
ピップは、殺人事件の真相を探るため、被害者アンディの親友エマに話を聞く。しかしエマは「アンディとサルは仲が良かった」と言い張り、ピップの質問に怒って連絡を絶つ。
その後、ピップはラヴィから、もう一人の親友ナットについて聞く。ナットはかつて裸の写真が流出し、学校で話題になった人物だった。ピップはナットにも接触し、アンディとサルの関係について尋ねる。ナットは、アンディには別の男がいたことをほのめかし、「これ以上調べるのは危険」と警告する。
ピップは友人カーラの誕生日キャンプに参加するが、夜の森で不審な人影を見かける。追いかけるも見失い、テントに戻ると寝袋の中に「掘り起こすな ピッパ」と書かれた脅迫メモが入っていた。
不安を抱えながらも調査を続けるピップは、5年前の警察会見の写真に目を留める。そこには、以前パーティーでピップに忠告してきた男が写っていた。彼はナットの兄・ダンで、事件当時の担当警官だった。
ラヴィはSNSの過去写真から、アンディ失踪の2週間前にナットが仲間外れにされていたことに気づく。ピップは、ナットの写真流出はアンディの仕業ではないかと疑う。
2人はエマの名前を使ってナットを呼び出し、アンディとの関係を問い詰める。ナットはアンディと喧嘩していたことを認め、アンディがマックスと付き合っていたこと、そして精神的に不安定だったことを語る。
ピップはマックスの家を訪ね、彼の部屋でアンディの下着姿の写真を発見。マックスは「教室で拾っただけ」と言い、関係を否定するが、ピップの追及により、アンディからドラッグを買っていたことを告白。サルとアンディの喧嘩は、このドラッグ絡みだった可能性が浮上する。
ピップは、アンディが関わっていたドラッグの闇を探るため、友人たちと共に“カラミティパーティー”へ潜入する。会場は森の奥の洞窟で、若者たちが集まる秘密のパーティーだった。
そこでピップは、売人ハウィーに接触。アンディがマリファナやケタミン、そして性的暴行に悪用されるロヒプノールまで扱っていたことを知る。アンディは単なる使用者ではなく、売人として活動していた可能性が浮上する。
パーティーの最中、ピップは薬物でハイになった男子に襲われそうになるが、偶然居合わせたジェシーに助けられ、なんとか逃げ出す。帰宅後、ピップの携帯には「手を引くなら今のうちだ」という脅迫メールが届く。
アンディの妹ベッカは、ピップの行動に疑問を抱き、「姉のためじゃなく、自分のためにやってるんじゃない?」と鋭く指摘。ピップは動揺するが、真相への執念は揺るがない。
母リアンも心配し、ラヴィとの接触をやめるよう忠告し、自由研究のテーマ変更を促す。しかしピップは調査を続行。ラヴィに見張りを頼み、アンディの家に忍び込む。
ベッカに見つかりそうになりながらも、ピップはウサギのぬいぐるみの中に隠されていたドラッグを発見する。
アンディの部屋から持ち出したぬいぐるみの中には、彼女が書いたメモが隠されていた。そこにはドラッグの買い手を示すイニシャルが並んでいたが、誰を指しているのかは不明だった。
ピップはケンブリッジ大学の模擬面接を受ける。英語教師でカーラとナオミの父でもあるエリオットには、「自由研究のテーマを変えた」と嘘をつき、事件の調査を隠す。
アンディのメモが〈アイヴィー・ハウス・ホテル〉の用紙であることに気づいたピップは、ラヴィとともにホテルへ向かう。ホテルの部屋に忍び込んだピップは、マックスが隠し持っていたアンディの写真が、このホテルのバスルームで撮られたものだと気づく。
宿泊名簿にアンディの名前はなかったが、失踪直前の4月17日に宿泊していたペアの筆跡から、アンディが偽名を使っていたことがわかる。さらに、同じ日付にピップの父ヴィクターの名前を見つけ、ピップは衝撃を受ける。ヴィクターはその日、ナイジェリアに帰省していたはずだった。
その後、警官のダンに呼び止められたピップは、「調査をやめろ」と忠告される。ダンはアンディの父ジェイソンに恩があり、家族をこれ以上傷つけたくないという。彼はピップに、サルが取り調べを受けた際の映像を見せる。アリバイ工作を指摘されて激怒するサルの姿に、ピップは動揺する。
ピップの母リアンは、ヴィクターがホテルに泊まった理由を説明する。彼は当時ストレスを抱えており、家族から離れて休息が必要だったという。しかしピップはその説明を信じきれず、ヴィクターに冷たく接してしまう。
ピップはラヴィに、5年前に学校でアンディとサルを見たことを打ち明ける。自分がサルにアンディの居場所を教えたせいで、彼女は殺されたのではないか、と悩むピップ。ラヴィは「君だけは違うと思ってた」と言い残し、怒って去ってしまう。
傷ついたピップはカーラの家を訪ね、ナオミに「サルが犯人だった」と弱音を吐く。ナオミは自分のパソコンを貸し、2019年の映画「タンゴ・ティッツ」を見るよう勧める。
ピップはそのタイトルが、マックスの裏アカウント名であることに気づき、SNSを検索。2019年4月19日12時06分に、マックス、ナオミ、ジェイクが写った写真を発見し、それを撮影したのがサルだったと判明する。
ピップは同窓会に向かったナオミを追い、学校で問い詰める。ナオミはついに「サルは無実だった」と告白。サルがマックスの家を出たのは、証言通りの0時15分であり、ナオミは「自分たちの罪がバレるのを恐れて嘘をついた」と語る。
2019年1月1日の未明、ナオミ、マックス、ジェイクの3人は夜遊びの帰りに事故を起こす。車を運転していたマックスは誰かにもみ消しを頼み、3人は重傷を負った相手を放置して逃走した。
その数か月後、アンディが失踪。マックスの家には「サルは夜10時半に帰ったと警察に嘘をつけ。従わなければひき逃げのことを世間に公表する」という脅迫状が届いたのだった。
ピップは、サルに罪を着せたナオミとマックスを責め、何も知らなかったカーラに真実を告げる。カーラの家族を守るため、ピップは事故の件を公にせず、別の方法でサルの無実を証明すると約束する。
帰宅後、ピップの携帯に「なぜ警告を無視した?」というメッセージが届く。彼女は「明日、真実を明かす」と宣言する動画を撮影し、SNSに投稿。動画を見たラヴィがピップの家に現れ、サルの無実が証明されたことを知る。ピップは、真犯人をおびき出すために動画を投稿したと説明。ラヴィはピップの安全を心配し、朝まで寄り添う。
翌朝、脅迫者から「後悔させてやる」というメッセージが届き、アモビ家の愛犬バーニーが遺体で発見される。ピップは警察へ向かい、警官のダンにひき逃げ事故の真相を問い詰める。ダンは、マックスの命令で事故を隠蔽したこと、そしてアンディと不適切な関係を持っていたことを告白。マックスはその事実を盾にダンを脅していた。
ピップはケンブリッジ大学の入試を受けた後、ナオミから連絡を受けるが、その番号はアンディのホテル宿泊記録に記されていた番号と一致していた。ナオミは父親の古い携帯を使っていたと説明し、ピップはエリオット(ナオミの父)への疑念を深める。
ピップはエリオットの車に自分の携帯を隠し、位置追跡で彼の動きを探る。カーラの家でエリオットのプリンター履歴を調べると、「掘り返すな ピッパ」という脅迫文が印刷されていた。
エリオットが犯人だと確信したピップは、彼の旧宅へ向かう。証拠を突きつけられたエリオットは観念し、アンディとの交際を認める。関係はサルとの交際開始で終わったが、アンディは失踪直前に金を要求してきたという。
エリオットが拒否すると、アンディは脅迫。再び拒否されたアンディは暴れ、エリオットが突き飛ばした拍子に頭を打って負傷。救急車を呼ぼうとした隙に、彼女は姿を消したという。
ピップは屋根裏から物音を聞き、調べに行く。そこには、アンディではない別の女性が監禁されていた。
ピップは監禁されていた女性アイラとともに、屋根裏に閉じ込められてしまう。アイラは家出中にエリオットと出会い、彼の殺人告白を聞いたことで口封じのために監禁されていた。
サルに罪を着せて殺害したのはエリオットだった。サルは信頼していた教師に殺されたのだ。その後、警察が駆けつけ、エリオットは逮捕。ピップとアイラは無事救出され、サルの無実も正式に証明される。
しかし、ピップは事件がまだ終わっていないことに気づく。バーニーが殺された日、エリオットは町にいなかった。そして彼はアンディ殺害を否定している。ピップは面会でエリオットの話を聞き、彼がアンディを殺していないと確信する。
エリオットによれば、アンディは支配的な父ジェイソンから逃げようとしていた。失踪当夜、ジェイソンの車が森の近くを通るのを目撃したという。エリオットはアンディが遺体で発見されることを恐れ、サルを殺して犯人に仕立て上げる計画を立てたことをピップに明かす。そのとき利用したのが、ナオミの日記に書かれていたひき逃げ事故だった。
ピップはジェイソンを疑い、彼の経営する廃車場へ向かう。青いワゴン車を見つけるも、決定的な証拠は得られない。そこへ現れたベッカの友人ジェシーが、ジェイソンが森の近くを通った理由は事務所の警報を止めるためだったと説明する。
さらにジェシーは、2019年のカラミティパーティーでベッカがロヒプノールを盛られ、性的暴行を受けたことを明かす。ベッカには記憶がなく、犯人も不明だった。
ピップはアンディのメモにあった「TT」がマックスの裏アカウント「タンゴ・ティッツ」のイニシャルだと気づき、マックスを問い詰める。マックスは「合意だった」と言い張るが、ピップは真相を探るためベッカに会いに行く。
2019年4月19日の夜、ベッカは帰宅したアンディに性的暴行の件を打ち明け、警察に付き添ってもらおうとした。だがアンディは自分が売ったドラッグだという理由で同行を拒み、翌日家を出ると言い出した。口論の末、すでに負傷していたアンディをベッカが突き飛ばし、アンディは家具に頭をぶつけて転倒。吐いたものを詰まらせ、窒息死してしまったという。
ベッカは遺体を隠した場所へピップを案内するが、飲み物にロヒプノールを仕込んでいた。ピップは意識を失いかけるが、携帯の位置情報を頼りにラヴィとカーラが駆けつけ、浄化槽に落とされる寸前で救出。ベッカは逃げるも、警官に逮捕される。
事件当夜、サルは泣いていたアンディを慰め、家出を手助けしようとしていた。2人は翌朝、駅で再会する約束をしていたのだった。
最後にピップはマックスを呼び出し、彼の罪を暴くと宣言。そして森でラヴィと再会し、互いの気持ちを確かめ合う。
感想(ネタバレ無し)
ロケーションが文句なしにすばらしくて、見ているだけでワクワクしました。歴史を感じさせる美しい町並み、印象的な教会、可愛らしいピップの家。どこを見ても犯罪とは無縁に思える町。
そこにドラッグや性犯罪、誘拐や殺人といった社会の闇が浮かび上がってくるという、映像ならではの仕掛け。「二面性」というテーマを、うまくあてはめていました。
これは登場人物についても言えますね。原作よりも「二面性」を強く意識した設定になっていました。主人公のピップに関してはほぼ原作通りのイメージで、違和感はありませんでした。エマ・マイヤーズは完璧に近い演技だったと思います。
ラヴィは原作よりも大人っぽくて、2人の雰囲気にドキドキしました。原作のピップとラヴィはもっと無邪気だったので。これは好みが分かれるところかもしれません。
ストーリーはかなり駆け足で、原作に比べて偶然や推理の飛躍が多く見られました。人物描写が不完全だったり、重要ではないミスリードが随所にばらまかれていたり、ストーリー展開がちぐはぐに感じる部分もありました。
原作を読んでいないとわからない部分も多かったと思います。わたしは先に読んでいたので、映像の雰囲気を思う存分楽しめました。そのあたりの詳しい感想は、次回のネタバレ解説で書きたいと思っています。
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