アガサとイシュタルの呪い|登場人物(キャスト)・あらすじ・感想・予告動画

海外ドラマ「アガサとイシュタルの呪い」あらすじキャスト

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海外ドラマ「アガサとイシュタルの呪い」(全1話)についてまとめました。

2019年に英国チャンネル5で放送された“アガサ”シリーズ第2弾。

アガサ・クリスティがイラクで遺跡発掘作業に参加したエピソードを下敷きにしたフィクションドラマで、2018年の「アガサと殺人の真相」の続編です。IMDbの評価は6.1。

アガサが発掘現場で出会い、のちに結婚した14歳年下の考古学者マックス・マローワンも登場します。

作品概要

  • 放送局:BS12
  • 放送時間:2021年1月22日(金)19:00~
  • 製作国:イギリス(2019年)
  • 原題:Agatha and the Curse of Ishtar
  • 脚本:トム・ダルトン
  • 監督:サム・イエーツ
  • 製作総指揮:エミリー・ダルトン/トム・ダルトンほか

予告動画

アガサ・クリスティと中東

1928年にアーチボルトと正式に離婚したアガサ・クリスティは、休養と次回作の構想を練るため、その年の秋に海外への一人旅を計画しました。

当初、行き先はジャマイカを予定していましたが、出発の2日前に「バグダッドの古代遺跡は素晴らしい」「現地へはオリエント急行で行ける」という話を、当地に駐留していた中佐夫妻から聞かされ、心を動かされます。

古代遺跡とオリエント急行に強く惹かれたクリスティは、翌朝ジャマイカ行きをキャンセルし、オリエント急行の鉄道切符を購入しました。

シンプロン=オリエント急行は、ベルギーの国際寝台車会社が運行する長距離夜行列車です。西ヨーロッパから東欧のバルカン半島を南下し、中東の入り口イスタンブールに至る、夢の国際観光列車でした。

のちにクリスティの代表作となる『オリエント急行殺人事件』の舞台にもなっていますね。

クリスティはフランスのカレーからこの豪華列車に乗ってバグダッドへ行き、ウルの発掘現場へ向かいました。

イラクの古代都市ウルに遺されている巨大な聖塔ジッグラト

このとき出会ったウルの発掘隊の人々は、1936年に発表された長編小説『メソポタミヤの殺人』に登場する調査隊のモデルになっています。

ちなみにクリスティが2番目の夫マックス・マローワンと出会うのは、このときの旅ではなく、2年後。1930年にウルを再訪したときです。

アガサ・クリスティ年譜

年代年齢出来事
1890年9月15日、イギリス・デヴォンシャーのトーキーにて誕生
1902年12歳詩や短編小説を雑誌に投稿し始める
1912年22歳英国航空隊所属のアーチボルト・クリスティと出会う
1914年24歳アーチボルトと結婚
第一次世界大戦始まる
1916年26歳処女作『スタイルズ荘の怪事件』を書く
1919年29歳娘ロザリンド誕生
1920年30歳『スタイルズ荘の殺人』刊行、作家デビュー
1926年36歳『アクロイド殺し』刊行、一躍有名に
謎の失踪事件を起こす
1928年38歳アーチボルトとの離婚成立
1930年40歳中東を旅行中、考古学者マックス・マローワンと出会う
9月11日、マックスと結婚
1934年44歳『オリエント急行の殺人』刊行
1937年47歳『ナイルに死す』刊行
1939年49歳『そして誰もいなくなった』刊行
第二次世界大戦始まる
1943年53歳ポアロ、マープルの最後の事件となる作品を執筆
1976年85歳1月12日、ロンドン近郊の自宅で死去

登場人物(キャスト)

アガサ・クリスティ(リンゼイ・マーシャル)
英国人推理作家。恋愛小説を書いて新境地を開きたいと考えているが、出版社からはポアロの新作を要求される。恋愛小説を完成させるため、ロマンスを求めてイラクへ旅立つ。

マックス・マローワン(ジョナ・ハウアー=キング)
英国人考古学者。遺跡発掘現場で殺されたパトリックの死について調査する中で、何者かに命を狙われ、アガサに助けられる。読書の習慣はなく、アガサの名前も知らない。

パトリック・マルホランド(James Staddon)
考古学者。マックスとともに未発掘の墓を調査中、何者かに殺害される。息を引き取る直前、“イシュタルの呪い”と呼ばれる石板をマックスに渡す。

レナード・ウーリー(ジャック・ディーム)
考古学者。遺跡の研究をしている。夕食会で出会ったアガサにイラクへの旅を勧める。

キャサリン・ウーリー(キャサリン・キングスレー)
レナードの妻。夕食会でアガサと出会い、イラクへの旅を勧める。

マーマデューク(ロリー・フレック・バーンズ)
遺跡の所有者。発掘品を大英博物館に売って富を得ている。

コンスタンス・バーナード(スタンリー・タウンゼント)
ウルに派遣された英国大使。殺されたパトリックとは幼なじみ。若い妻ルーシーの浮気に心を痛めている。

ルーシー・バーナード(ブロナー・ワウ)
コンスタンスの妻。若い男性と不倫中。アガサに忠告されるも聞く耳を持たない。

パール(クリスタル・クラーク)
医学の博士号を持つ24歳の黒人女性。キャサリンのお供で盗掘品の記録を手伝うはずだったが、雑用係になって不満を募らせている。

あらすじ

1928年。夫と離婚したアガサは、恋愛小説を書いて新境地を開きたいと考えていたが、出版社からはポアロの続編を求められてしまう。

夕食会で出会ったウーリー夫妻にイラクへの旅を勧められたアガサは、ロマンスの研究のためイラク旅行を決行。遺跡の発掘現場で年下の考古学者マックス・マローワンと出会う。

マックスは発掘現場で殺された友人パトリックの死を調べている途中、何者かに命を狙われ、アガサに助けられる。

2人がウーリー夫妻のもとへ向かうと、妻キャサリンが飼っていた猿が殺され、警察が駆けつける騒ぎになっていた。猿はストリキニーネによる中毒死で、犯人が誰かを殺すために用意した毒を誤って口にしたものと思われた。

パトリックを殺した犯人が屋敷の中にいることを知ったアガサとマックスは、彼の遺体を調べようとするが既に火葬に出されていた。やがて大使の妻ルーシーが遺体で発見され、領主マーマデュークは遺跡の閉鎖を決断する。

アガサはルーシーが発掘品を盗み、不倫相手のマーマデュークが闇市場で売っていたことを突き止め、マーマデュークを追及しようとするが、彼もまた発掘現場で殺されてしまう。

遺跡の所有権はイラクの石油会社に移り、発掘現場は石油の採掘基地になることが決定する。パトリックが死んだ時に手にしていた“イシュタルの呪い”は「裏切り」を示しており、犯人は大使のコンスタンス・バーナードだとわかる。

バーナードは領主マーマデュークを抱き込んで発掘品を闇市場へ流し、妻のルーシーに書類を偽造させて利益を得ていた。

そして石油の利権が降って湧くと、邪魔なパトリックを殺害したのだった。アガサによって罪を暴かれたバーナードは、自ら毒を含んで死を選ぶ。

帰国したアガサは約束どおりポアロの新作を書き、出版社に渡す。完成した恋愛小説のほうは、“メアリ・ウェストマコット”というペンネームで刊行することに。

互いに惹かれ合ったアガサとマックスは1930年9月11日に結婚する。

感想と解説(ネタバレ有)

オリエント急行で中東へ

前回同様、ミステリーとしてはさほど面白みがないのですが、ところどころ事実が混在しているので興味深く見てました。

ウルで英国の発掘隊を率いていたレナード・ウーリーは実在の人物。

ドラマではアガサが夕食会に招かれて直接ウーリー夫妻と知り合う設定になっていましたが、実際は夕食会で知り合った海軍中佐夫妻が、現地のウーリー夫妻に紹介の手紙を書いてくれて、現地で友達になりました。

ドラマの中で、アガサが乗ったオリエント急行が線路の水没で停止してしまうシーンがありました。これも実際のエピソード。ただし、史実はロンドンへ戻る途中で、時期も1931年と異なります。

このときの体験が、のちに発表される『オリエント急行殺人事件』の下敷きになり、登場人物もこのとき出会った乗客たちがモデルになっています。

憧れの異国の地でロマンスを

アガサの再婚相手となるマックス・マローワンとの出会いは、上に書いたとおり、実際は2度目のイラク旅行のとき。

マックスはアガサより14歳年下の26歳でした。マックスを可愛がっていた発掘隊の隊長夫人は、結婚まで2年の冷却期間を置くようマックスに命じたとか…。

時代背景としては世界恐慌の1年前で、バブル景気の絶頂期。第一次世界大戦に勝利して委任統治領という形で手に入れた中東(オスマン帝国の領土だったイラクとパレスチナ)は、当時の英国の人々にとって憧れの観光地でした。

上流階級の人々しか乗れなかった豪華寝台列車オリエント急行も、このころには中産階級にまで広がり、さまざまな国籍と階層の人々が乗客として乗り合わせていました。

ドラマの中では、アガサは“ロマンスの研究”をするべく異国の地に足を運び、「運命の人」と出会うことになります。

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