フィクサー Season2全話ネタバレ・感想・キャスト一覧|法廷を舞台に繰り広げられる冤罪サスペンス

WOWOW「フィクサーseason2」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「フィクサー Season2」(全5話)についてまとめました。

フィクサー・設楽拳一の暗躍を描く、井上由美子オリジナル脚本のサスペンスドラマ第2弾。今回は法廷を舞台に、唐沢寿明さん演じる設楽と、鈴木保奈美さん演じる敏腕弁護士が“冤罪”と闘います。

Season1に登場した須崎や本郷も引き続き登場し、事件の裏で再び暗躍します。

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作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2023年7月9日(日)から毎週日曜22:00~ほか
  • 脚本:井上由美子
  • 監督:西浦正記/池辺安智
  • 音楽:得田真裕

あらすじ

次期東京都知事選挙が迫る中、再出馬を目指す現都知事・横宮三郎(石黒賢)に東京湾埋め立て事業に関する疑惑が浮上。そんな中、疑惑を追及する新聞記者・渡辺達哉(町田啓太)に、横宮から独自取材の機会が舞い込む。
だが、指定されたホテルの一室に入ると、横宮の妻・妃呂子(真飛聖)が頭から血を流して倒れており、達哉は殺人未遂容疑で逮捕・起訴される。事件を担当するのは、かつて設楽拳一(唐沢寿明)を刑務所に送った冷徹な検事・佐々木雪乃(江口のりこ)。拳一は達哉の弁護を、破格の報酬で敏腕弁護士・杉谷菜穂子(鈴木保奈美)に依頼する。
さらに、達哉を冤罪に追い込もうとする勢力の背後には、またしても政財界に影響力を持つ本郷吾一(西田敏行)の影と、拳一の右腕だったはずの丸岡慎之介(要潤)の動きが……。拳一の暗躍の先にある達哉の運命は――?

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

※Season1のネタバレを含みます

主要人物

設楽拳一(唐沢寿明)
謎のフィクサー。元ケンズファイナンスの社長。政治家にインサイダー情報を流した罪と公務執行妨害で2年8か月服役していたが、出所して再び暗躍する。彼がこれまでどんな人生を送ってきたのかを詳しく知る者はいない。渡辺達哉が逮捕されたことを知ると、杉谷弁護士を雇って代理戦争に乗り出す。

渡辺達哉(町田啓太)
毎朝新聞の政治部記者。シーズン1で殿村前総理の事故について書いたことが原因で都政班に異動になる。情報提供者「K」が設楽ではないかと考えており、母・響子と設楽の関係も気になっている。横宮都知事に呼び出されてホテルに出向き、室内で倒れていた彼の妻・妃呂子を発見、殺人未遂容疑で逮捕されてしまう。

沢村玲子(内田有紀)
報道番組の人気キャスター。設楽が服役したときに取材を申し込み、お互いに通じ合う面があると認め合うようになった。以来、互いに情報交換して利用し合っている。殿村前総理とは不倫関係にあった。今回、番組で知り合った杉谷弁護士を設楽に紹介するが、設楽から予想外な提案を持ちかけられて困惑する。

杉谷菜穂子(鈴木保奈美)
敏腕弁護士。理不尽な処分を受けて検察を辞めた過去を持つ。玲子のニュース番組に出たことをきっかけに、玲子から設楽を紹介され、破格の報酬で渡辺達哉の弁護を引き受ける。法廷では因縁の相手・佐々木雪乃と対峙することに。

佐々木雪乃(江口のりこ)
東京地検検事。過去に設楽が逮捕・起訴されたときの検察官。民自党がらみの事件を数多く担当している。かつて検事だった杉谷の後輩だが、あることがきっかけで犬猿の仲に。渡辺達哉の供述に耳を傾けず、横宮妃呂子殺人未遂で起訴する。密かに本郷や丸岡と繋がっている。

本郷吾一(西田敏行)
長年日本を牛耳ってきたフィクサー。須崎幹事長を掌握し、党の運営にも口を出す。須崎とともに東京湾埋立事業を水面下で進めており、そのために必要な人材である横宮都知事を再選させようと画策する。

丸岡慎之介(要潤)
設楽の秘書兼運転手。設楽とは刑務所内で知り合い、深い信頼関係で結ばれている。義理堅く、受けた恩は決して忘れない。設楽に従う一方で、本郷とも密かに繋がっている。

警察

板倉晃司(小泉孝太郎)
警視庁捜査一課の刑事。ルールにとらわれることを嫌うアウトロー。達哉とは前回の事件で意気投合し、信頼関係を築いていた。達哉が巻き込まれた事件に不審な点を見いだし、捜査に加わることに。

中条真(久世星佳)
警視庁捜査一課刑事。渡辺の事件を担当する。板倉が事件に興味を持っていることを知り、捜査に協力させる。

佐伯(猪野学)
警視庁捜査一課の係長。板倉の上司。

政治家

横宮三郎(石黒賢)
東京都知事。元参議院議員だったが、須崎に都知事選に送り込まれ当選。浜潮建設から不正献金を受け、見返りに東京湾の埋立事業を発注したという疑惑が報じられる中、妻・妃呂子がホテルで何者かに襲われる。

須崎一郎(小林薫)
幹事長。一見物腰は柔らかく、政党内でも強い発言権を持つが、本音では話さない怖さを持ち合わせた得体のしれない人物。本郷と繋がっており、密かに東京湾埋立事業を進めている。

新田さゆり(富田靖子)
総理大臣。設楽の協力で総裁選を勝ち抜き、初の女性総理となったものの、須崎幹事長に人事権を握られ口出しできない。須崎が東京湾埋立事業に関する不正に関わっているのではないかと疑い、再び設楽に協力を求める。

そのほか

渡辺響子(斉藤由貴)
達哉の母。都内の総合病院に務める新人看護師だった頃、ある男と出会い、達哉を身ごもった。一人で子供を産み、看護師をしながら息子を育て上げた。現在は私立病院の女性師長として、患者や後輩に慕われる存在。なぜか設楽に関する記事の切り抜きを集めている。容疑者となった達哉を設楽が支援することに戸惑いを見せる。

横宮妃呂子(真飛聖)
横宮都知事の妻。元ミス日本で、現在は料理研究家。夫婦でホテルに滞在中、部屋で何者かに襲われ意識不明の重体となる。のちに意識を取り戻し、渡辺達哉に殴られたと供述する。

リュウ(林勇輝)
本郷の付き人。元半グレ。横宮妃呂子が襲われた日、ホテルの防犯カメラに映っていた。

氏原巧巳(加藤雅也)
浜潮建設の社長。東京湾埋立事業において、横宮都知事に不正献金をした疑惑が報じられている。

謎の女(秋吉久美子)
設楽が通う画廊の店主。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

東京都知事の横宮三郎(石黒賢)に、東京湾の埋め立て事業に関する不正疑惑が浮上する。マスコミ宛てに送られた「横宮都知事は秘密裏に東京湾埋立事業を進めている。浜潮建設から不正献金を受け、見返りに発注した」というメールが発端だった。
記者の渡辺達哉(町田啓太)に疑惑を追及された横宮は、乱闘騒ぎを起こして釈明会見をする羽目に。総理の新田さゆり(富田靖子)は次期都知事選における横宮の再選を懸念するが、横宮と深い繋がりを持つ須崎幹事長(小林薫)は「そのうち鎮火する」と楽観する。
ある夜、渡辺は横宮から電話で呼び出され、彼が滞在しているホテルを訪れる。だが部屋の中に横宮の姿はなく、彼の妻・妃呂子(真飛聖)が頭から血を流して倒れていた。助けようとした渡辺の前に横宮が現れ、渡辺は殺人未遂で任意同行を求められる。
警察の取り調べに対し、渡辺は横宮からインタビューに答えたいという電話をもらったと説明するが、横宮は電話で二度と取材には答えないと告げたと言い、両者の供述が食い違う。
渡辺達哉が起訴されたことを知った設楽拳一(唐沢寿明)は、キャスターの沢村玲子(内田有紀)を介して元検事の敏腕弁護士・杉谷菜穂子(鈴木保奈美)を破格の報酬で雇う。なぜ渡辺を助けるのかという菜穂子の問いに、設楽は担当検事が佐々木雪乃(江口のりこ)だからだと答える。雪乃はかつて拳一を刑務所に送った検察官だった。
その頃、本郷吾一(西田敏行)の邸宅では、本郷と須崎、そして浜潮建設社長・氏原巧巳(加藤雅也)らが東京湾の埋立工事に関する計画を話し合っていた。横宮都知事が再選しなければ計画は白紙になるのでは、と懸念する氏原に、本郷は「私は何も心配してない」と豪語する。本郷は検事の雪乃に電話し、「しっかり追及してくれ」と頼む。
渡辺は必死に無実を訴えるが、雪乃は聞く耳を持たない。渡辺の逮捕に納得がいかない刑事の板倉(小泉孝太郎)は、担当刑事の中条真(久世星佳)に協力を求められ、捜査に加わることに。
渡辺達哉の母・響子(斉藤由貴)は、設楽が滞在するホテルを訪ねて面会する。そして同情ならば結構です、と援助を拒む。設楽は同情ではなく、見どころがある達哉を失うのは惜しいからだと説明する。
意識不明の重体だった妃呂子が意識を取り戻す。雪乃はすぐさま病院に駆けつけ、事情聴取を行うことに。妃呂子は夫である横宮の顔色を伺いながら、渡辺に殴られたと供述する。

横宮妃呂子の証言により、渡辺達哉は殺人未遂で起訴される。妃呂子が入院する病院で働く達哉の母・響子は、裁判が終わるまで休暇を取るよう院長から通告される。
設楽は新田総理と密会し、都知事選に新田の顔を立てる最適な候補者を立てると約束する。その候補者とは、キャスターの沢村玲子だった。設楽に呼び出され、突然「都知事選に立候補しないか」と持ちかけられた玲子は困惑する。
設楽は渡辺と面会し、自分が情報提供者「K」であることを明かす。そして都知事が絡む事件の冤罪を晴らすことは、自分にとって大きなリターンがあると告げる。諦めかけていた渡辺は、設楽との面会で戦う気持ちを取り戻す。
弁護士の杉谷菜穂子は、かつて検事の佐々木雪乃と同じ東京地検刑事部に所属していた。後輩である雪乃の強引な捜査を見かねて注意したところ、上司から干渉するなと叱責され、処分を受けたという。菜穂子はそんな組織に嫌気がさして検察を辞めたのだった。
設楽は雪乃が民自党がらみの事件を多く担当していることから、今回の渡辺の事件を彼女が担当することは偶然ではないと考えていた。そこで秘書の丸岡慎之介(要潤)に雪乃の素性を調べるよう命じるが、彼は表面的な調査しかしない。
丸岡を怪しんだ菜穂子は、設楽に忠告する。設楽は丸岡を試すために「渡辺は誰にも明かしてない証拠を握っている」という偽情報を与えて相手の出方を見ることに。
丸岡は本郷が送り込んだスパイだった。丸岡から報告を受けた本郷は、須崎や雪乃と情報を共有する。雪乃は本郷の娘であり、丸岡とは家族同然の関係だった。
刑事の板倉は、事件現場となったホテルの防犯カメラを調べ、事件当日に見覚えのある男がホテルにいたことを突き止める。その男は以前暴力団にいた半グレで、現在は本郷のもとで働いていた。
渡辺達哉の初公判当日。玲子は裁判の行方よりも視聴率を重視する報道番組にうんざりし、次期都知事選に立候補する考えを強めていく。設楽はこの裁判が都知事選の代理戦争になることを彼女に告げる。
渡辺は法廷で起訴内容を全面否定する。そしてこの事件には裏があり、横宮都知事が関係していると暴露する。雪乃は次回の公判に横宮都知事の出廷を申請する。

次回公判の証人として横宮都知事の出廷が決まる。どんな証人が来ようと無実を訴える方針に変更はないと断言する菜穂子に、渡辺は「真実を暴いて俺を信じなかった世間を見返してやる」と息巻く。響子は設楽の影響を受けて傲慢になった息子を案じ、設楽の支援には何か別の理由があるのかもしれない、と菜穂子に伝える。
板倉は本郷邸を監視し、事件現場の防犯カメラに映っていた男が本郷の使用人リュウであることを突き止める。さらに検事の佐々木雪乃が本郷と養子縁組をしていることを知り、設楽に報告する。本郷は養護施設に寄付をする一方で、優秀な子供を見つけては養子縁組をし、教育を受けさせて各界に送り込んでいるのだった。
少年院あがりの丸岡も、本郷に身元を引き受けてもらったのだろうと推測する設楽。丸岡が自分を監視するために送り込まれたスパイだと気づいた設楽は、このまま騙されたふりを続け、先方の動きを操ることに。
設楽から次期都知事選の候補者として沢村玲子を紹介された新田総理は、須崎幹事長を呼び出し、自分が都知事選の候補を立てると宣言する。彼女の後ろに設楽の影を感じた須崎は、設楽に連絡して探りを入れる。設楽は須崎の弱みである佐久田薬品との密約の音声データをちらつかせ、データを引き渡す条件として立会人に本郷を指名する。
渡辺達哉の第2回公判当日。本郷邸に呼ばれた設楽は、須崎と本郷の前で持参した音声データを再生する。データは間違いなく本物だった。設楽はデータを渡す代わりに横宮妃呂子を襲った凶器を返してほしいと持ちかける。本郷は事件への関与を否定し、交渉は決裂するが、「もし凶器が私の元にあれば渡す」と告げる。
検察側の証人として、横宮都知事が出廷する。横宮は「妻の悲鳴を聞いて部屋に駆け込んだら、妻が倒れ、被告人がそばにいた」と証言する。雪乃は次回の公判で新たに見つかった証拠を提出したいと発言。それは渡辺の指紋がついた凶器だという。
板倉は事件現場に居合わせたホテルの従業員と会い、本当に横宮妃呂子の悲鳴を聞いたのかと問い詰める。その様子を、リュウが離れた場所からうかがっていた。
設楽は本郷がこういう形で凶器を返してきたことに触れ、「向こうも後がないということだ」と丸岡に告げる。そして幼い頃、「ヒーローになりたいなら政治家になれ。日本を乗りこなすんだ」と本郷に言われたことを話す。

凶器に使われたワインオープナーが、事件現場の真下に位置する貯水タンクの下から発見された。凶器を包んでいたナプキンからは渡辺の指紋が検出され、被害者の横宮妃呂子も「ワインオープナーで殴られた」と証言する。
絶望的な状況に追い込まれた渡辺は、自暴自棄になり罪を認めようとする。菜穂子は渡辺を奮い立たせるため、殿村元総理の事件で父親の無実を訴え続けた沼田由里(吉川愛)と会わせることに。由里の言葉に励まされた渡辺は、再び戦意を取り戻す。
新田総理は次期都知事選にキャスターの沢村玲子を立てると宣言。それを聞いた須崎は予想外な人選に焦るが、本郷から玲子がかつて殿村の愛人だったことを知らされ、新田にその事実を伝えて困惑させる。
刑事の板倉は、横宮妃呂子を襲った真犯人は横宮都知事だと考えていた。設楽はウソをついている横宮妃呂子とホテルの従業員の両方に揺さぶりをかけることを提案。板倉はホテルの従業員に会い、「横宮妃呂子が真実を話せば、あなたは偽証罪に問われる」と話す。
設楽は横宮妃呂子に会うため、彼女の信頼を得ている玲子に仲介を頼む。玲子と面会した妃呂子は、設楽が真犯人を知っていると聞いて動揺する。
事件当日、妃呂子は夫と口論になったことを思い出す。発端は、妃呂子がマスコミ宛に例の怪文書を送ったことを打ち明けたことだった。「あなたに都知事の資格はない。須崎幹事長の人形にすぎない」と妃呂子に罵倒された横宮はカッとなり、妃呂子ともみ合いになった末、ワインオープナーで殴ったのだった。
第3回公判が開かれ、渡辺は凶器を包んでいたナプキンに触れたことを証言する。止血するために、とっさに妃呂子の傷口にナプキンをあてたのだ。それは母・響子から何度も教わった救命措置のひとつだった。
渡辺はあらためて無実を主張し、「この事件には何者かの思惑が働き、検察はそれに手を貸している」と発言する。
雪乃は自分が信じる真実が間違っているのではないかと疑い始め、養父である本郷を問い詰める。本郷は事件の真犯人が別にいることを明かしたうえで、「その犯人を捕まえればこの国にとって大きな損失が生まれる」と告げる。
妃呂子は設楽と会うことを決意する。設楽は病院へ向かう前、丸岡に「俺が横宮妃呂子に会うのを本郷に報告するのは少し待ってくれ」と頼む。
設楽が妃呂子の病室を訪れるよりも先に、本郷の使用人リュウが彼女の前に姿を現す。身の危険を感じて逃げようとする妃呂子だったが、そこへ丸岡が現れ…。

設楽は横宮妃呂子の病室を訪れ、丸岡がリュウを連れ去り妃呂子を助けたことを知る。彼女を守るため、設楽は妃呂子を病院から連れ出してホテルに匿う。妃呂子は夫である横宮都知事との離婚を決心し、菜穂子に事件の真相を語る。
妃呂子が病院から姿を消したことを知った須崎は、横宮を見限り、辞表を提出するよう命じる。横宮は自殺を試みるが実行できず、途方にくれる。妃呂子を殴ったとき、横宮は彼女が死んだと思い込み、須崎に連絡して指示を仰いだのだった。
玲子と殿村の関係を知った新田総理は激怒し、「もう都知事選には口を挟めない」と設楽に告げる。玲子は出馬を諦め、この裁判を最後に番組を降りる決意をする。
雪乃は本郷から渡辺を陥れた理由を知らされ、罪悪感に苦しむ。進むべき道に悩む彼女に、設楽は「あなたがやるべきことは一つ。自分の正義を見つけることです」と助言する。
渡辺の4回目の公判が開かれる。雪乃は論告で渡辺の無罪を告げ、事件の再捜査をすべきだと結論づける。そして自らの責務を果たすため、事件に関与した人物や組織を公正かつ真摯な捜査で究明すると誓う。
丸岡は設楽のもとを去るが、本郷から設楽を始末するよう拳銃を渡され、設楽を呼び出す。丸岡の意図に気づいた設楽は「お前に殺されても仕方ない」と覚悟を決めるが、丸岡は引き金を引くことができなかった。
設楽は本郷の屋敷を訪ね、丸岡はもう戻らないと告げて銃を返す。検察の捜査に応じるよう勧める設楽だったが、本郷は「坊主、日本を乗りこなせ」と設楽に告げて目の前で拳銃自殺を図る。
本郷の遺体を確認し、自分が殺したのではないかと自問する雪乃。だが検察を辞めるのかと聞く菜穂子に、「本郷のやってきたことを徹底的に追及したい。それが父への恩返しだと思ってる」と決意を語る。満足気に立ち去る菜穂子に、深々と頭を下げる雪乃。
釈放された渡辺は、画廊を訪れて設楽に礼を言う。30歳になった渡辺に、設楽は都知事選に出馬しないかと持ちかける。
帰宅した渡辺は、母・響子から設楽が実の父親であることを打ち明けられる。響子が設楽のもとを去ったのは、達哉が設楽の影響を受けて危険な目に遭うことを恐れたためだった。だが達哉を育てるうちに、息子もまた何かを変えようとせずにはいられない人間なのだと気づいたのだった。
真実を知った渡辺は設楽の部屋を訪れる。だがそこで待っていたのは、須崎幹事長だった。設楽は須崎を次期総理の座に就かせる代わりに、都知事選に協力する約束を取り付けたのだ。困惑する渡辺だったが、設楽にうながされ、迷いつつも須崎と握手する。

感想(ネタバレ有)

ますます面白くなってきました。

今回は鈴木保奈美さん演じる杉谷弁護士と、江口のりこさん演じる佐々木検事の存在が光っていました。この2人がそれぞれの正義を掲げて戦う(と見せかけて、実は杉谷が佐々木を救う)ところが面白かった。

設楽は相変わらず何を考えているのかわかりません。最終話でまさか、こういう展開になるとは…。Season3の予告編が最終話放送前に公開されていたみたいですが、先に見なくてよかったです(がっつりネタバレしてた)。

ひとつ気になったのは、設楽が沢村玲子を都知事選に立候補させようとした目的です。

結局、殿村との不倫が新田総理にバレて出馬は見送られましたが、設楽は玲子が殿村と不倫関係にあったことを知っていたのだから、こうなることは予測できたはず。なぜ設楽が何の対策もせず、この爆弾をスルーしたのかが謎でした。

ひょっとして設楽は最初から玲子を出馬させるつもりはなかったのでしょうか? 玲子を餌に新田総理と手を組んで、横宮都知事の背後にいる須崎や本郷を揺さぶり、横宮再選を阻むことが目的だった?

あるいは、渡辺が無罪を勝ち取るまでの時間稼ぎだった?(玲子も利用されるのを承知の上で計画に乗った可能性もある) おそろしいな、設楽拳一。

* * *

さて、ここからはSeason1を見終わったときに上げた「残された疑問点」の答え合わせをしたいと思います。

1.密約時の音声データの行方

これはSeason1で佐久田社長が死ぬ前に郵送し、設楽の手に渡っていました。で、今回、設楽はこのデータを使って本郷に取引を持ちかけました。事件現場から持ち去った凶器と交換したいと。

ですが本郷はこれを断ったので、データは今も設楽の手中にあります。このデータは須崎にとっての弱点でもあるので、Season3でまた使われる可能性がありますね。

2.設楽が須崎を幹事長にした目的

設楽本人が「表舞台に立ってもらったほうが、引きずり降ろしやすい」などと語っていました。Season2の段階では須崎との決着はついていないので、おそらくSeason3でその答えが出るのではと思っています。

3.丸岡の正体と目的

丸岡は本郷の使用人で、彼のために人を殺め、服役していたことがわかりました。刑務所内で設楽に接触したのも本郷の指示で、設楽を監視するために送り込まれたスパイでした。

丸岡もそうなんですけど、本郷が佐々木検事を丸め込んだ手口も相当に狡猾で、卑劣きわまりないと感じました。

丸岡の場合は父親から暴力を受け、高校時代にグレて少年院に入り、本郷に引き取られて用心棒として雇われた。佐々木検事の場合は幼少期に養護施設から引き取られていました。

親のいない子どもに住む場所や食事を与えて恩を売り、手なづけて自分の思い通りになる人間に育てるというやり方が、本当に非人道的で汚い。

4.板倉の過去

こちらは一切出てきませんでしたね。今回、ちょっと板倉さんの出番少なめ。彼の過去についてはこのままスルーなのかな。

5.渡辺の母・響子と設楽の関係

これは予想どおりでした。響子が新人看護師時代に出会った男というのが設楽で、渡辺は設楽の実の息子だったことが明らかになりました。Season1の第1話で、設楽が数多くの記者の中から渡辺を選んだ時点で、予想はついていましたが。

今回の設楽の動き、本人は代理戦争だとか言ってたけど、一番の優先事項は渡辺を救うことですよね。

6.美術館の女性の正体

こちらも未だ正体不明。設楽とどういう関係なんでしょうね、あの方。

7.本郷と設楽の関係

最終話で、設楽が自らの過去を語るシーンがありました。彼の父親は京都の旅館を継いだものの経営の才がなく、借金を作って死んだのだと。亡くなる前、父親は密談の場所として、暴力団や総会屋に旅館を使わせていました。

おそらく本郷は、その密談の関係者だったのだと思われます。そして本郷は、少年だった設楽に「ヒーローになりたいなら政治家になれ。日本を乗りこなすんだ」と言ったことを覚えていました。

本郷との最終対決はSeason3に持ち越されるものとばかり思っていたので、彼の自殺は予想外でした。西田敏行さんが演じる“怪物”をもっと見たかった。

8.設楽の最終目的

本郷との会話の中で設楽が語っていた「世の中を変えること」が正解かな。渡辺の母・響子も、渡辺のことを「何かを変えようとせずにはいられない人間」だと言っていましたから(父親譲りの資質ですね)。

Season3では渡辺が都知事選に立候補して政界に乗り込むようだし、親子で「世の中を変える」のかもしれません。

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