北欧ドラマ「捜査官カタリーナ・フス」(全5話)についてまとめました。
新人ながら優秀で物怖じしないカタリーナ。彼女がさまざまな事件を通して挫折や葛藤を経験し成長する姿を描く。正義とは何かを問う、スウェーデン発の骨太な警察ドラマ。
WOWOW公式サイトより
スウェーデンの作家ヘレネ・トゥルステンの人気小説をドラマ化した「捜査官イレーヌ・フス」(2007年 / 2011年)のその後を描いたドラマ。本作ではイレーネの娘カタリーナが主人公となり、新たな物語に。IMDbの評価は6.6。
映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の制作会社が手掛け、北欧ドラマらしいクールでスタイリッシュな映像とともに、高いテンションやスピード感も楽しめる作品。1話あたり約90分という長尺で、スウェーデンの制服警官たちの「リアル」を描き出します。
Contents
作品概要
- 放送局:WOWOW
- 放送時間:2023年1月1日(日)13:00~全5話一挙放送
- 製作国:スウェーデン(2021年)
- 原題:Huss
- 原案:ヘレネ・トゥルステン
- 監督:ヨルゲン・べリマルク/アニカ・アッペリン
あらすじ
新人警察官カタリーナ・フスは、ある日、サッカーの試合会場で起きたケンカの仲裁中、銃を所持したオメルとハリス、少年セナドを見掛ける。折しも警察署では、銃の密輸ルートの解明が課題となっていた。後日、オメルとハリス、セナドを偶然見掛けたカタリーナだが、そこでハリスが何者かに銃撃される。ハリス殺しの捜査を手伝いたいカタリーナは刑事ダリウスにセナドが落としたケータイを渡し、自分を捜査官としてチームに加えてほしいと頼む……。
WOWOW公式サイトより
その後もカタリーナは、麻薬取引の潜入捜査、高級住宅街で住人たちを人質に取った強盗事件などに挑んでいく。
予告動画
イェーテボリについて
物語の舞台は、スウェーデン南西部のイョータ川の河口に位置する港湾都市、イェーテボリ(Göteborg)です。
※日本語ではヨーテボリ、イエテボリ、エーテボリなどとも呼ばれます
スウェーデン第2の都市で、町の名前は「ゴートの都市」を意味します。17世紀、グスタフ2世アドルフの命によってオランダの建築家たちが設計したと言われています。
同国最大の海港でもあり、造船・自動車工業が盛ん。世界的に有名な自動車メーカーVOLVO(ボルボ)の本拠地であることでも知られています。
登場人物(キャスト)
カタリーナ・フス(カーリン・フランツ・ケーロフ/声:沢城みゆき)
新人警察官。警察学校を卒業し、研修生として地方警察に配属される。母親が警察幹部で、優秀であるがゆえに少し生意気で恐れ知らずでもある。
ダリウス(カルド・ラザーディ/声:諏訪部順一)
殺人課の刑事。半年前、ヴェクショーから移ってきた。カタリーナからの直談判を受けて、捜査の手伝いをさせることに。以降、彼女とともにさまざまな事件を捜査する。別居中の妻と娘がいる。
ヨハン・ヤンソン(アンデッシュ・ベルイ/声:前田一世)
カタリーナの上司。「危険な男」として上層部から疎んじられている、いわくつきの警察官。常にチームワークを重視し、単独行動に走りがちなカタリーナを監視する。
ロバート(フィリップ・ベルイ/声:奥田寛章)
ヨハンの相棒。研修生に厳しくあたる一方で、あるトラウマを抱えて苦しんでいる。EUサミットの暴動に関する“秘密”をヨハンと共有している。
ポール(ヴィクトル・ストール・セーゲルハーゲン/声:亀山雄慈)
新人警察官。カタリーナと同じくヨハンのチームに配属される。事なかれ主義で、チームに馴染むことを何よりも優先する。妻と2人の子供がいる。
イレーヌ・フス(カイサ・エルンスト/声:小宮和枝)
カタリーナの母。地方警察の副署長。カタリーナが警察官になることに反対している。娘がヨハンのチームに配属されたと聞き、密かに心配する。
トーマス(声:松川裕輝)
刑事部長。ヨハンのチームが問題だらけだと知りながら、黙認している。イレーヌから頼まれて、カタリーナを捜査に参加させる。
ギュスタブ(Krister Kern/声:大泊貴揮)
殺人課の刑事。
カール・クロンヴァル(Markus Hällstrand)
ヨハンのチームにいた警察官。EUサミットの暴動で頭部に重傷を負い、現在も昏睡状態で集中治療室にいる。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
研修生として地方警察署に配属されたカタリーナ・フスは、同じ研修生のラナやロバートとともに、いわくつきの警察官ヨハン・ヤンソンのチームに入る。
喧嘩の仲裁のためサッカーの試合会場に駆けつけたカタリーナは、銃を所持したオメルとハリスが自転車に乗った12歳の少年セナドと言い争っているのを見かける。折しも警察署では、銃の密輸ルートの解明が課題となっていた。
後日、カタリーナはショッピングモールで偶然オメルとハリスを見かけ、ヨハンから2人の監視を命じられる。だが尾行中にセナドを見つけたカタリーナは、2人の監視よりもセナドの追跡を優先し、その間にハリスが何者かに銃撃されてしまう。
カタリーナはセナドが落としていった携帯を刑事課のダリウスに渡し、自分を捜査に加えてほしいと頼む。捜査への参加が正式に認められ、喜ぶカタリーナ。だがそれは副署長である母イレーヌが手を回したおかげだった。それを知ったロバートは、カタリーナを目の敵にする。
ヨハンは自分のミスを隠すため、カタリーナの報告書を改ざんして提出する。そのことに気づかず、自分をかばってくれたと勘違いするカタリーナ。ラナはヨハンの無謀な命令に従って負傷し、自らチームを離れる。
セナドの携帯から、オメルに送ったメールが見つかる。取り調べに応じたオメルは、ハリスがセナドから銃を買っていたことを明かす。だが借金まみれのハリスは代金を払わず、踏み倒していたという。
セナドから詳しい話を聞き出そうとするダリウスだったが、セナドは「携帯は盗んだもの」だと言い張り、ハリスのことも知らないと言う。
カタリーナは携帯から送信されたメールと銃が使用された場所の関連性を調べ、銃の仕入先がセナドの家の近くにあると確信する。ダリウスとともに近所の自動車修理店を調べると、コンテナから大量の銃が見つかる。
ハリスを殺害したのは、修理店で働くマルクス・ウェイマルだった。彼は店の経営者ブラッドの部下で、セナドを使って密輸した銃を売りさばいていたのだった。
カタリーナはダリウスやヨハン、母親のイレーヌから手柄を褒められるが、セナドが遺体で発見されたという知らせを受けて心を痛める。
近隣住人からの通報で出動したカタリーナたちは、会社を経営する夫ウルフに暴力を振るわれたイェニーを浴室で発見する。カタリーナは「自分で転んだ」と言い張るイェニーを説得し、自宅に連れ帰ることに。彼女の告訴により、ウルフは逮捕される。
だが翌日、イェニーは告訴を取り下げ、迎えに来たウルフとともに帰宅する。そして再びウルフから暴力を受けると、彼女は自ら通報して救急車で搬送される。ウルフは従業員と一緒に酒を飲んでいたとアリバイを主張し、共同経営者のペーテルもウルフをかばう。
ウルフのDVは明らかだったが逮捕はできず、苛立つカタリーナ。するとヨハンは「正しいことをすればいい」と言い、ロバートたちを招集して“懲罰”を実行する。ウルフを拉致して森の中へ連れていき、暴行を加えて「イェニーに手を出すな」と脅したのだ。
後日、ウルフは森の中の湖で遺体となって発見される。刑事のダリウスに協力を求められ、再び捜査に参加するカタリーナ。ウルフはヨハンたちに森で殴られた後、何者かに撲殺されたと思われた。自分たちの行為が露呈するのを恐れたヨハンは、カタリーナに捜査状況を知らせるよう命じる。
捜査を通じてダリウスとの距離が縮まり、性的な関係を結ぶカタリーナ。2人の関係に気づいたヨハンは、ダリウスに利用されているだけだとカタリーナに忠告する。
イェニーが元恋人のアンドレと会っていたことがわかり、ダリウスはアンドレを逮捕する。遺体発見現場で見つかった手袋からは、アンドレのDNAが検出される。しかしカタリーナは、その手袋がヨハンのものではないかと疑い始める。
アンドレが住むトレーラーハウスから凶器のハンマーが発見されるが、アンドレは見覚えがないと言う。彼はイェニーに金で雇われ、ウルフの足を折るよう頼まれたことを明かす。だがウルフが帰ってこなかったため、計画は実行しなかったという。
ダリウスはヨハンたちがウルフを森に連れていったことを知り、黙っていたカタリーナを責める。捜査から外されたカタリーナは巡回中に現場を訪れ、ウルフが使ったと思われるホームレスの携帯電話を見つけるが、ヨハンに取り上げられてしまう。
ヨハンがウルフを殺したのではないかと、疑念を募らせるカタリーナ。ヨハンは自分の手袋を見せて疑惑を晴らし、カタリーナに「俺のことを信じてくれ」と告げる。
ウルフを殺害したのは共同経営者のペーテルだった。森でヨハンたちに殴られた後、ウルフはペーテルに電話して迎えに来させていた。ウルフに怒鳴られてカッとなったペーテルは、衝動的にハンマーで彼を殴り殺したのだった。
水曜日、カタリーナはヨハンに誘われ、チームのみんなと一緒にカールの見舞いに行く。帰り道、ダリウスの家に立ち寄るが、出てきたのはカティアと名乗る小さな女の子だった。
ロバートの様子が気になったカタリーナは、ヨハンからEUサミットの暴動で何があったか聞く。ヨハンは突然の出来事で装備が間に合わなかったこと、カールが頭に石をぶつけられ、応援が来るまで全力で彼を守ったことを話す。
管轄地域の高級住宅街で、2人組の強盗犯による強盗事件が多発していた。カタリーナとロバートはパトロール中にブルンネル家を訪問するが、応対に出てきたクラリーは「何も問題はない」と2人を追い返す。
だが実際は強盗が押し入り、クラリーと夫のヒューゴ、娘のハンナと恋人のプリアムが人質になっていた。強盗犯の狙いはヒューゴの高級時計のコレクションだったが、ヒューゴはその隠し場所を教えようとせず、犯人から暴行を受けていた。
家の周辺を見回っていたカタリーナとロバートも捕まり、人質に取られてしまう。ヨハンとポールは現場に駆けつけ、逃げようとした犯人を再び家の中に戻す結果に。自分のミスを隠すため、ポールと口裏を合わせるヨハンだったが、ダリウスに見抜かれてしまう。
警察に包囲された強盗犯は、200万クローナを用意するよう要求する。カタリーナは犯人の代わりに警察との交渉を進める一方で、クラリーたちからこの地域を担当していた警備会社について聞き出す。ダリウスとヨハンが警備会社を調べると、リンダという警備員が浮上する。リンダにはケヴィンという出所したばかりのいとこがいて、彼が出所した直後から強盗が多発していた。
ロバートは情緒不安定になり、「もうどうでもいい」とつぶやく。EUサミットの暴動鎮圧について、ヨハンは嘘をつき続けていると明かすロバート。「俺を撃て」と犯人を挑発するロバートを、カタリーナは必死に守る。
クラリーは人質の命を救うため、寝室の金庫の暗証番号を犯人に教える。高級時計を手に入れた強盗は、カタリーナとロバートを人質にとって車で脱出。街の真ん中で車をおりた2人は、あるホテルの駐車場へ向かう。
ダリウスとヨハンは、リンダの自供をもとにホテルの駐車場へ向かい、強盗犯と遭遇する。銃撃戦になるも特殊部隊が駆けつけ、2人を逮捕する。
カタリーナはEUサミットの暴動で本当は何があったのか、ヨハンが嘘をついたとはどういうことなのか、ロバートを問い詰めて聞き出そうとするが、彼は「そんなこと言った覚えはない」と否定する。
カタリーナはすぐにキレるロバートを心配してヨハンに意見するが、冷たくあしらわれ、チーム内で疎外される。誰かが報告すべきだと主張するカタリーナに、イレーヌは「それをやったらおしまいになる」と警告する。
そんな中、イェーテボリでコカインを売りさばく若者グループの情報が入り、カタリーナは潜入捜査官に立候補する。捜査の指揮を執るミアは、カタリーナを潜入させることを決める。
“マヤ”という偽名でクラブに潜り込んだカタリーナは、売人のエラに接触。エラと仲良くなり、麻薬の密輸を手伝うことになる。その道中、エラに勧められて断りきれず、ハードドラッグに手を出してしまう。
エラは稼いだ金で病気の母親とタイに移住する計画を立てていた。カタリーナは母親との関係で悩んでいることをエラに打ち明ける。盗聴器で2人の会話を聞いたイレーヌは心を痛める。
エラの幼なじみで売人のヨヨが遺体で発見され、エラは次の仕事を最後に売人を辞めることを決意する。カタリーナは彼女に同行し、ヨヨの相棒アレックスに案内されて黒幕のイェンスがいる牧場を訪れるが、アレックスに正体がバレてしまう。
アレックスとイェンスがヨヨを殺したことに気づき、エラを連れて逃げるカタリーナ。アレックスに追われるが、駆けつけたヨハンたちに救われる。カタリーナはとっさにエラを逃がそうとするも、彼女はヨハンに逮捕される。
ダリウスは殺人課を離れ、内部調査へ異動になる。カタリーナは勤務中にドラッグを使用したことで指揮官ミアの期待を裏切る結果に。チーム内でも孤立するカタリーナを、イレーヌは日曜の夕食に招く。
カタリーナとポールは巡回中、路上で暴力を振るわれている売春婦を見つける。殴っていた男ピョートルは彼女の雇い主だったが、ポールにスプレーをかけて逃亡。カタリーナとロバートは売春宿として使われていたアパートを調べ、ピョートルが殺した男の遺体を発見する。
昏睡状態だったカールが亡くなり、ロバートの言動がおかしくなる。カールはヨハンのチームの一員で、EUサミットの暴動を鎮圧するためヴァルデマーロードに出動した際、デモ隊が投げた石を頭部に受けて重傷を負っていた。EUサミットの暴動に関しては大がかりな再捜査が行われていたが、それも打ち切りとなり、石をぶつけた犯人は特定されないまま終了する。
カールの葬儀にかつての同僚トミーが現れ、彼を見たロバートは「卑怯者!」と激高する。チームが機能していないことを懸念したカタリーナは母イレーヌに相談するが、「私の権限ではどうしようもない」と言われてしまう。
ある夜、ロバートは「人に会いに行く」と言い、カタリーナの車に同乗してマイヨナへ向かう。だが車を降りた直後にひき逃げ事故に遭い、意識不明の重体となる。事故を目撃したカタリーナは誰かが故意に轢いたと推測し、そのことをダリウスに話す。
研修期間を終えたカタリーナは、ヨハンのチームを離れて刑事となる。ダリウスに頼まれ、ロバートとトミーの関係を調べ始めるが、トミーは頑なに口を閉ざす。
監視カメラの映像により、ロバートを轢いたのはピョートルと判明する。売春婦のひとりに聞き取りを行うと、ある警察官がピョートルと協力関係にあり、売春婦を抱く代わりに彼のビジネスを助けていたという。
カタリーナとダリウスは空港近くのホテルに宿泊していたピョートルを見つけるが、逃亡したピョートルをヨハンが駐車場で射殺してしまう。ピョートルは大金を所持しており、その金は警察の証拠品から盗まれたものだった。
売春婦の証言で、ピョートルと協力していた警察官がヨハンであることが判明する。ヨハンはロバートの入館証を使って金を盗み出し、その金をピョートルに渡してロバートを轢かせたのだった。
駐車場のドライブレコーダーには、彼がピョートルを殺害し、正当防衛に見せかけようと工作をする一部始終が映っていた。カタリーナに証拠を突きつけられたヨハンは、署に連行される前に拳銃自殺を図り、自ら命を絶つ。
ヨハンがそこまでして隠したかったこととは何なのか。ロバートの通話記録を調べると、彼がカールの葬儀の前、「リディアに話すべきだ」というメールをトミーに送っていたことがわかる。トミーはダリウスとカタリーナに、EUサミットの暴動の際、ヴァルデマーロードで何があったのか真実を告白する。
現場に到着したヨハンたち4人は劣勢を強いられたが、ヨハンは退却を拒んでデモ隊に反撃。ロバート、カール、トミーの4人もそれに続いた。そしてロバートがデモ隊に向かって投げた石が、カールの頭に当たったのだ。ヨハンとロバートはその事実を隠蔽するため、トミーをその場にいなかったことにして、口を封じたのだった。
カタリーナはトミーの証言を録音した音声を母イレーヌに聞かせ、世間に公表すべきだと訴える。だがイレーヌは「昏睡状態の同僚を過失致死で告発したら、もう警官ではいられなくなる」とカタリーナに告げる。
ダリウスは重大犯罪課の課長に昇進し、カタリーナも同じ重大犯罪課に引き抜かれる。
ロバートの病室でカールの妻リディアに会ったカタリーナは、彼女が何も知らずにロバートを“夫の友人”として見舞っていることに心を痛め、真実を公表しないことを決める。
だが、昏睡状態だったロバートが目を覚まし…。
感想(ネタバレ有)
新人警官が主人公なので、気楽に見られるかと思ったら大間違いでした。
武器密輸、DV、強盗、ドラッグ、売春、汚職と、カタリーナが遭遇する事件はいずれも重大犯罪ばかり。しかも研修生なのに刑事の助手として捜査に参加することに。
ちょっと新人警官には荷が重すぎるのでは?と思いましたが、彼女は類まれなる度胸と捜査能力で事件を解決に導き、あっという間に昇進していきます(このあたりは現実味に欠けますね)。
全編が主人公カタリーナの視点になっていて、視聴者は彼女の目線でさまざまな事件を目撃し、その都度、難しい選択を強いられることになります。守るべきはチームなのか。組織なのか。友人なのか。自分自身なのか。どんな選択をしても、結末は残酷です。
新人警官のカタリーナが信じるのは、白と黒しかない世界。しかしそこに酸いも甘いも噛み分けたヨハンやイレーヌらが立ちふさがり、彼らと戦うことでグレーの世界を知ることになる。
一話完結でありながら、EUサミットの暴動(実際に起きた2001年のイェーテボリEUサミットの暴動に着想を得ている)にまつわる謎がシリーズを通して描かれ、最後に深刻な問いを投げかけます。
その暴動の最中に起きた、同僚が負傷するという悲劇。ヨハンは「仲間のため」「警察のため」に真実を隠し続けますが、彼の相棒ロバートはその真実の重みに耐えかね、徐々に自分を見失っていく。
ヨハンが守ろうとしたものは何だったのか。誤って同僚のカールに石をぶつけ、結果的に殺してしまった相棒ロバートなのか。だけど彼は最終話でそのロバートを殺そうとするのです。
警察のため? カールの妻リディアのため? 結局は自分のためだったのではないか…と考えてしまいます。
ことあるごとに「仲間」の大切さを口にするヨハンが、裏では「仲間」を裏切り、利用し、抹殺していたという事実。彼に裏切られたトミーが「警官は組織には忠実だが、仲間にはそうじゃない」と言っていたのが恐ろしかった。
最終話のラストシーンで、カタリーナは保身に走り、組織ぐるみの隠蔽に加担する選択をします。しかし、その当事者であるロバートが昏睡状態から目覚める…そこで物語は終わります。
シーズン2がありそうな終わり方ですが、ここからどういう展開になるのか想像もつきません。
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