答え合わせ
ビクトリア・クラブのホステス、殷紅です。彼女は太客だった盧文仲に協力し、沈墨を罠にはめて強姦させました。そのことで沈墨の怒りを買い、ビデオ館で彼女に殺害されました。その後、沈墨は殷紅の遺体を切断して複数の袋に詰め、弟の傅衛軍が工場の用水路(一部はゴミ箱)に捨てました。
沈墨は自分の小指(珍しく指関節のしわが4本ある)を遺体に紛れ込ませたため、警察はバラバラ遺体を沈墨と勘違いしたのです。遺体の確認に来た沈墨の伯父・沈棟梁は遺体が沈墨ではないことに気づいていたようですが、そのことを言いませんでした。
ビクトリア・クラブの常連客だった盧文仲です。香港人というのもウソで、実際は広東省の人間。彼は工場長の宋玉坤から賄賂と思われる80万元の手形を受け取っていましたが、沈墨に殺され、手形を奪われました。手形はその後、傅衛軍が換金しようとして逮捕されています。
盧の遺体は王陽によって溶鉱炉に遺棄されたため見つかることはなく、失踪という形に。そのため樺林鋼鉄への原料供給がストップし、一部の現場では操業停止に追い込まれ、結果的に社員をリストラする状況に陥りました。
王陽は1998年に川に身投げした沈墨を助けて亡くなりました。しかし沈墨が逃走したため、真実は闇の中に。王陽は公安局で事情聴取を受けていたため、殺人事件への関与が疑われたままで、自殺と判断されました。
実際には王陽は盧文仲の死体を溶鉱炉に遺棄しただけで、殺してはいません(ただこの時、社員に防護服姿を見られています)。さらに沈墨が殷紅を殺したことも知らなかったので、沈墨から聞くまでは、バラバラ遺体が誰なのかも知りませんでした。
羅美素は1998年に息子の王陽が死んだ直後、後を追うように自宅で首を吊って亡くなりました。王響の「必ず連れて帰る」という言葉を信じていたため、最後まで夫を許しませんでした。
王響と龔彪は1998年に工場長の宋玉坤に暴行を加えたため(龔彪は未遂)、解雇されました。2人とも、一時帰休(リストラ)名簿には載っていませんでした。
2人が宋玉坤を襲った理由は、彼が長いあいだ看護師の麗茹と不倫関係を続け、彼女を妊娠させたことがわかったからです。麗茹はこのときの騒動で流産し、龔彪と結婚しました。
馬徳勝は1998年に沈墨の伯父・沈棟梁に暴力をふるい、殺人事件の捜査から外されて謹慎を命じられました。朱局長は、殺人事件よりも樺林鋼鉄で起きた騒動の原因(香港人の失踪)を調べるほうに注力していて、命令に背いて殺人事件を追い続ける馬徳勝をよく思っていなかったこともあり、「それでも刑事か!」と罵倒しました。
馬徳勝はその場で制服を脱ぎ、辞職しました。王陽を死なせたことへの自責の念もあったと思います。
偽造ナンバー車を運転していたのは、沈墨の伯父・沈棟梁です。車の持ち主は、沈棟梁の息子・沈輝でした(沈輝がたまたまタクシー運転手だったというのは偶然が過ぎる気もしますが)。
つまり沈棟梁は息子の車を使って沈墨を殺そうとした、ということですね。身元を特定されないよう偽造ナンバーにつけかえ、沈墨を樺林におびき寄せて車でひき、逃走したのです。彼が買った偽造ナンバーが、たまたま龔彪が購入した車のナンバーと同じだったということ。
龔彪の友人・胡雪露を襲って重傷を負わせたのは沈墨です。沈棟梁が運転する車にはねられた沈墨は、病院から逃げ出し、胡雪露の店で薬を買いました。しかし胡雪露が彼女の後ろ姿を撮影し、王響がその写真を見て「20年前に線路で会ったあいつだ」と気づいたため、彼らの追跡を受けることに。
胡雪露が2人に協力して沈墨を呼び出し、正体を突き止めようとしたため、口封じのために襲ったと思われます。のちに意識を取り戻した胡雪露は、「犯人は女性だった」と警察に証言しています。
王北は、1998年に王響が妻と息子を亡くした直後に拾った子どもでした。そのとき王響は生きる希望を失って自ら命を絶とうとしていましたが、赤ん坊の泣き声を耳にして思いとどまり、線路に捨てられていた赤ん坊を見つけたのです。王北の成長を見守ることが、王響の生きる支えになっていたと思います。
王北が北京の美大を受験するとき、王響は一緒に北京を観光しようと言っていました。結局行けませんでしたが、北京旅行は亡くなった王陽との約束でもありました。
時系列(ネタバレ有)
1997年~1998年
- 沈墨が医大に入学、樺林にやってきて王陽と出会う
- 沈墨と王陽が〈ビクトリア・クラブ〉でバイトを始め、親しくなる
- 王響が邢建春の不正に気づき、咎めたことで2人の関係がこじれる
- 沈墨の伯父夫婦が樺林にやってくる
- 王響が王陽のバイトに気づき、猛反対する
- 傅衛軍と隋東が樺林の不良グループとケンカする
- 傅衛軍と隋東が樺林でビデオ館を始める
- 王陽が王響に赤いセーターをプレゼントする
- 沈棟梁が沈墨のバイトを強引に辞めさせる
- 王陽が沈墨に告白し、振られて川に飛び込む
- 王響が工場長の宋玉坤の浮気現場を目撃
- 王陽が工場を訪れ、邢建春にはめられて窃盗の罪を着せられる
- 傅衛軍と隋東が松河へ行き、伯父夫婦の息子・沈輝の腕をへし折る
- 沈墨が沈棟梁を脅し、沈棟梁が「いつか殺してやる」と告げて樺林を去る
- 沈墨が王陽をビデオ館に連れていき、傅衛軍を紹介する
- 宋玉坤が盧文仲に80万元の手形を用意する
- 沈墨がバイトを再開し、盧文仲に気に入られる
- 沈墨がバイト帰りに泥酔した殷紅と出会い、ビデオ館に連れて行く
- 殷紅が盧文仲と関係を持ち、沈墨の件で協力を頼まれる
- 沈墨の大学に告発文と写真が張り出される
- 沈墨が殷紅にだまされて盧文仲に強姦される
- ビデオ館に不良グループが押しかけ、傅衛軍と隋東が襲われる
- 沈墨が盧文仲と殷紅への復讐を決意する
- 沈墨がビデオ館で盧文仲を殺害、王陽が防護服を着て工場の溶鉱炉に遺体を遺棄する
- 傅衛軍と王陽が盧文仲から奪った80万元の手形を換金しようとして怪しまれる
- 沈墨が身を隠すことを決め、王陽を家に帰す
- 沈墨がビデオ館に来た殷紅を殺害、遺体を切断して複数の袋に詰める(自分の小指を切断して遺体に紛れ込ませる)
- 傅衛軍が工場の用水路に殷紅の遺体を捨てる
- 樺林鋼鉄の工場が操業停止になり、従業員が抗議して騒動になる(原料供給元の香港人が失踪)
- 傅衛軍がゴミ箱に隠した殷紅の一部の遺体を孫貴蘭が持ち帰り、事件が発覚する
- 王響が孫貴蘭の家で捜査中の馬徳勝と出会う
- 龔彪が救急車の中で麗茹と出会い、一目惚れする
- 龔彪が一時帰休名簿の中に王響の名前があることを知り、王響に伝える
- 部屋に閉じこもっている王陽を心配し、母の羅美素が霊媒師を呼ぶ
- 冷麺店や小涼河などで遺体の入った袋がつぎつぎと発見される
- 馬徳勝が王響に捜査への協力を求める
- 王陽が公安局で事情聴取を受け、その帰り道に逃走する
- 公安局が遺体の身元を沈墨と推測、沈棟梁夫妻が遺体を確認する
- 王響が王陽の部屋から血のついた防護服を見つける
- 王陽がビデオ館で隋東と会い、傅衛軍からの伝言を受け取る
- 王響がビデオ館へ行き、王陽を連れ戻す
- 王響が自宅に王陽を閉じ込め、ビデオ館へ行って遺体が入っていたのと同じ袋を見つける
- 馬徳勝は松河へ行き、沈棟梁が沈墨を虐待していたことを知って沈棟梁に暴行を加える
- 傅衛軍は銀行で手形を換金しようとして、待ち伏せていた李群たちに捕まる
- 王陽が自宅から逃げ出したと知り、王響が線路へ向かう
- 線路にいた沈墨は王響を襲って逃げ、橋の上で王陽と再会する
- 沈墨が橋の上から飛び降り、王陽が彼女を助けて命を落とす
- 樺林鋼鉄の従業員総会が開かれ、龔彪と王響が麗茹と不倫関係にあった宋玉坤を殴って解雇される
- 宋玉坤が公金横領で告発される
- 王陽の遺体が河原で発見され、自殺と判断される
- 王響の妻・羅美素が自殺する
- 馬徳勝が朱局長から謹慎を命じられ、辞職する
2016年
- 傅衛軍が刑務所で亡くなる
- 沈棟梁が傅衛軍の遺骨を引き取りに行き、手紙で沈墨が殷紅になりすましていることを知る
- 沈棟梁が沈墨を樺林に呼び出し、偽造ナンバーに交換した息子の車で沈墨をひいて逃走
- 龔彪がタクシーと乗務員資格証を購入するが、同じナンバーの車がひき逃げ事故を起こしたことで没収される
- 偽造ナンバー車にはねられた沈墨が病院から姿を消す
- 王響と龔彪が修理工場で偽造ナンバー車を発見するが、逃げられる
- 沈墨が胡雪露の店で薬を買い、胡雪露に後ろ姿を写真に撮られる
- 胡雪露が撮った写真を見た王響が、20年前に線路で会った人物だと確信する
- 王響と龔彪に協力して犯人を突き止めようとした胡雪露が沈墨に襲われて重傷を負う
- 王響と龔彪が馬徳勝と再会し、馬徳勝の部下だった崔国棟から情報を得る
- 王響、龔彪、馬徳勝が運輸管理局で偽造ナンバーを売っていた邢建春を捕まえる
- 馬徳勝は偽造ナンバー車の持ち主が沈棟梁の息子・沈輝だと知る
- 3人は葬儀場へ行き、沈棟梁が傅衛軍の遺骨を引き取ったことを知る
- 沈墨が沈棟梁を殺害し、傅衛軍の遺骨を奪う
- 龔彪が交通事故を起こして亡くなる
- 馬徳勝が脳梗塞で入院し、記憶の一部を失う
- 公安局が沈棟梁殺害の犯人を沈墨と特定
- 沈墨が入院中の沈棟梁の妻・趙静を殺害する
- 王響が沈墨をタクシーに乗せ、王陽の死の真相を聞き出す
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