英国ドラマ「アントワーヌとマリーヌ~プロヴァンスの事件簿」(全3話)についてまとめました。
南仏プロヴァンスを舞台に、法曹に携わるアントワーヌと犯罪心理学者マリーヌのカップルが殺人事件の捜査に乗り出すミステリードラマ。IMDbの評価は7.4。
「ダウントン・アビー」の脚本家が脚本を手掛け、「女王ヴィクトリア 愛に生きる」の監督が演出を担当。さらに、「刑事モース〜オックスフォード事件簿〜」のサーズデイ役で知られるロジャー・アラムと、「ブラウン神父」「ザ・クラウン」出演のナンシー・キャロルが主演を務めます。
※この記事は随時更新中です。各話視聴後、加筆修正します
Contents
作品概要
- 放送局:AXNミステリー
- 放送時間:2022年6月26日 (日) 16:00~一挙放送
- 製作国:イギリス(2022年)
- 原題:Murder In Provence
- 原作:M・L・ロングワース
- 脚本:シェラ・スティーヴンソン
- 監督:クロエ・トーマス/スティーブ・バロン
あらすじ
プロヴァンスに住む捜査判事のアントワーヌは、恋人マリーヌと週末のヴァカンスに出かけようとしていた。ところが地元の大学で中世史の教授が殺害される事件が発生し、直前で足止めを食らってしまう。すぐさま警視副総監のエレーヌと共に、怨恨の線で何人もの職員や学生に事情聴取を始めたが、怪しい人物は浮上するものの、犯人の手がかりは一向につかめない。事件を深く追うほど、犯罪が次々と明るみに出る。
AXNミステリー公式サイトより
予告動画
登場人物(キャスト)
主要人物
アントワーヌ・ヴェルラーク(ロジャー・アラム)
几帳面な捜査判事。プロヴァンスに住んでいる。22年前にアルコール依存症だった妻セシルが自殺し、彼女を救えなかったことが今も心の傷として残っている。
マリーヌ(ナンシー・キャロル)
アントワーヌの恋人。犯罪心理学が専門で、大学で教えながら警察の仕事も手伝うことに。
エレーヌ・ポリーク(キアラ・セトル)
警視副総監。
フロランス(パトリシア・ホッジ)
マリーヌの母。元大学教授で共産主義者。マリーヌとアントワーヌが結婚することを望んでいる。
第1話
ジョルジュ・ムート(ジェレミー・クライド)
大学教授。中世史学科長。退職する予定だったが、金曜のパーティーで突然撤回すると発表。その夜、研究室で何者かに撲殺される。骨董ガラスをコレクションしていた。
ベルナール・ロディエ(ポール・バゼリー)
准教授。ムートの後任として教授に昇格する予定だったが、パーティー会場で突然撤回されて腹を立てる。
アニー・レオネッティ(ジャスミン・ハイド)
准教授。ロディエと同じく後任候補だったため、ムートの退職撤回に憤る。
ジュゼッペ・ロキア(ベン・ジョーンズ)
准教授。中世の教会をテーマにした人気番組の出演者。イタリアに住んでおり、金曜のパーティーは欠席している。
オードリー・ザカリ(レイラ・ミマック)
ムートの秘書。貧しいながらも勉強し、博物館勤務を夢見ている。
クロード(スコット・チェンバース)
大学生。ロディアを慕っており、ムートの仕打ちに怒りを覚える。金曜のパーティーに出席するも、途中で帰宅した。
ティエリ(シャドラク・アゴジーノ)
大学生。奨学生に選ばれることを望んでいる。金曜のパーティーに出席していた。
ヤン(ベネディクト・クラーク)
大学生。奨学生に選ばれることを望んでいる。金曜のパーティーに出席していた。不法侵入の前科がある。
ガリグ(ヤスミン・タヘリ)
大学生。金曜の夜、レオネッティとともに遅くまで会場に残っていた。
シルヴィ(カースティ・ブッシェル)
マリーヌの友人。カメラマン。過去にムートと関係を持っていた。
ルモワン
小児性愛者。性犯罪で膝を撃たれ、車椅子生活を送っている。なぜか事件現場に出没する。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
プロヴァンスに住む捜査判事のアントワーヌは、恋人のマリーヌと週末旅行に出かける準備をしていた。ところが土曜日の朝、地元の大学で中世史学科長を務めるジョルジュ・ムート教授の遺体が研究室で発見され、旅行は直前でキャンセルすることに。
警視副総監のエレーヌと共に職員や学生たちから話を聞くと、ムートは金曜の夜に自宅でパーティーを開き、突然退職を撤回すると発表。後任に指名されていた准教授のベルナール・ロディエと口論になったという。また、奨学生に選ばれることを期待してパーティーに参加した大学生のクロード、ティエリ、ヤンの3人もアリバイがなく、秘書のオードリーも怪しい行動を取っていた。
一方、マリーヌは友人でカメラマンのシルヴィと会い、彼女が殺されたムートと関係を持っていたことを知る。シルヴィによると、ムートは美術館や画廊の関係者とよく打ち合わせをしていたという。ムートの元同僚だったマリーヌの母フロランスは、「掴みどころがなく謎めいた人だった」と証言する。
ティエリとヤンが事件の夜に研究室に忍び込んでいたことが判明するが、ムートは既に死んでいたと犯行を否定する。凶器は木製の鈍器で、700年前の樹脂や絵の具の成分が検出されていた。
学科は60年前に多額の寄付を受けており、それは奨学金の名目で学生のために保管されていたが、この18か月で預金が引き出されていることが判明。ムートから共同権限を与えられた秘書のオードリーが、学科の預金を横領していたことがわかる。エレーヌは姿をくらましたオードリーを捜すが、彼女はひき逃げ事故に遭い死んでしまう。
オードリーは小児性愛者で犯罪歴のあるルモワンのいとこだった。彼らは学生のクロードと会っているところを何度も目撃されていた。パーティーに参加していた女子学生のガリグは、ムートの家を出るときにクロードの手巻きタバコの吸い殻が落ちているのを見たと証言する。
ロディエが出頭し、同僚のジュゼッペ・ロキアに頼まれてイタリアから彫刻のレプリカを運んだことを明かす。だがそれはレプリカではなく本物で、ロディエは知らないうちに密輸の片棒を担がされていたのだった。
アントワーヌとマリーヌは、ムートがよく通っていたという画廊へ行き、彼が美術品詐欺の専門家として仕事を依頼されていたことを知る。彼はロキアが盗んだ14世紀の聖フランチェスコ像について、相談を受けていたのだ。
クロードの自宅を捜索すると、凶器に使われた聖フランチェスコ像が見つかる。大学の建物の屋根から飛び降り自殺を図ろうとするクロードを、アントワーヌが説得する。彼はムートを殺害する現場をルモワンに目撃され、彼とオードリーにしつこく脅迫されていたと明かす。
金曜の夜、ロディエに頼まれて彼の荷物をムートの研究室へ運んだクロードは、そこでムートから荷物の中の彫像が盗品だと指摘された。さらにムートが退職を撤回したことで、敬愛するロディエが教授に昇格するチャンスを奪われたと知って怒りを覚え、ロディエへの恋心を揶揄したムートを持っていた彫像で衝動的に殴り、殺害したのだった。
クロードは自殺を思いとどまり、警察に逮捕される。ムートのデスクには書き置きが残されており、彼の後任にはアニー・レオネッティ、奨学生にはガリグが選ばれていた。
マリーヌは危険を顧みずクロードを助けようとしたアントワーヌに、「自殺志願者を全員は救えない」と告げる。アントワーヌは22年前、アルコール依存症で苦しむ妻セシルを自殺で失っていた。彼は今も彼女を助けられなかったことを後悔していた。