WOWOWの連続ドラマ「闇の伴走者~編集長の条件」(全5話)についてまとめました。
2015年春に放送された「闇の伴走者」の続編。前作から3年後を舞台に、元警察官の調査員・優希と、変人漫画編集者・醍醐の凸凹コンビが複雑怪奇な事件の謎に迫ります。
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ネタバレ「闇の伴走者」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)Contents
作品概要
- 放送局:WOWOWプライム
- 放送時間:2018年3月31日(土)から毎週土曜夜10時~【全5話】
- 原作:長崎尚志『編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―』
- 監督:三木孝浩(「ホットロード」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」)
- 脚本:阿相クミコ(「マルモのおきて」「カインとアベル」)
- 漫画担当:森秀樹/田中圭一
- 漫画協力:平松伸二/土山しげる
- 音楽:グランドファンク
原作について
このドラマの原作は、長崎尚志氏の『編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―』(2018年1月発行)です。
長崎尚志さんは、「MASTERキートン」などを手がけた漫画原作者としても知られています。
続編となる本作は、伝説の漫画編集者・南部の不可解な死をめぐって、1949年に当時の国鉄総裁が轢死体で発見された戦後最大の怪事件「下山事件」や、謎めいた紙芝居とリンクしていくというサスペンスフルなストーリー。
前作同様、漫画原作者・長崎尚志さんならではの漫画ミステリです。
著者のコメント
『編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―』は、戦後漫画のルーツの探究とあの未解決事件の真相を軸に、昭和の漫画編集者の死にざま、そして平成の漫画編集者のリアルな実態を絡ませた人間ミステリーです。前作同様、三木孝浩監督、松下奈緒さん、古田新太さんによるドラマ化――このメンバーになんの不安もありません。にわか編集長となった醍醐の痛快な変人ぶりと、少し成長した優希の名推理を楽しんでいただければ幸いです。
あらすじ
かつて一世を風靡した伝説の漫画誌編集者が、中堅出版社の漫画雑誌の復興を依頼され、強い意欲を持って編集長に就任した。しかしその直後にビルの屋上から転落死。遺書も不審な点もないことから、警察は早々に「事故」として処理をした。だがその死には、不可解な謎が多く残されていた。あの人なら殺されても仕方がないと言う編集部員や周囲の人々。「他殺か、自殺か?」――出版関係専門の調査員・優希(松下奈緒)と、偶然にも後釜として編集長に就任した醍醐(古田新太)は、再びコンビを組み、伝説の編集長の死の解明に乗り出す。手がかりは故人が残した作者不明の古い漫画画稿。二人は調査を進め、やがて戦後最大の謎「下山事件」に辿りつく。その背後には、「下山事件」を実にリアルに描写した謎の漫画家の存在が! 戦後最大の謎の真相とは?伝説の編集長の死と「下山事件」、そして謎の漫画の関係は? 優希と醍醐が行き着いた驚愕の「真実」とは!?
登場人物(キャスト)
水野優希(松下奈緒)
出版関係がメインの調査会社・EKリサーチの契約調査員。仙台出身で、元・宮城警察の警察官。亡き父は捜査一課の管理官だった。真面目で正義感が強く、調査に夢中になると周りが見えなくなることもある。3年前、当時フリーランスだった漫画編集者・醍醐とともに、漫画家・阿島文哉のスタジオ(アジマプロ)に残されていた画稿の謎を解明した実績がある。
醍醐真治(古田新太)
フリーランスの漫画編集者。優希の調査の手助けをする。ヘソ曲がりでアクが強いが漫画のウンチクを語らせたら右に出る者はいない。ジャンクフードに詳しく、商店街フェチでもある。食欲旺盛。かつては大手出版社・英人社の社員で敏腕編集者だったが、独立。逡巡するも『漫画ブレイブ』の編集長の仕事を引き受ける。
伊東昇太(白石隼也)
『漫画ブレイブ』編集部の編集アシスタント。漫画が好きで編集者を目指しているが、就活に失敗し、想起社でアルバイトとして働いている。典型的な「ゆとり世代」の男子。漫画『ONE PIECE』をこよなく愛している。醍醐からの指示で、醍醐と優希の調査のサポートをすることに。
綿貫義正(今野浩喜)
『漫画ブレイブ』編集部の正社員。『オシメ替えたか』『パニック同盟』担当。社長の恩人の孫。編集者の仕事にやる気が感じられず、担当漫画についてもどこか他人事。醍醐に対しても挑戦的な態度を取る。
堀尾智(津田寛治)
『漫画ブレイブ』の二代前の編集長。部下想いで腰が低い。ヒット漫画『パシリ刑事』を興した。編集長の仕事に挑む醍醐の相談相手でもある。
南部正春(岩松了)
謎の転落死を遂げた編集者。大手出版社・鳳凰社の漫画雑誌でヒット作を連発し、伝説の編集長となる。定年退職から10年が経ち、想起社の『漫画ブレイブ』で再び編集長の座に。弁が立つ分、酔って相手をこき下ろし、人を不愉快にする天才。
南部加代子(八木亜希子)
南部の妻。南部の定年後に別居し、それ以降ほとんど会っていない。さばさばしているようで情に厚い。南部のことを「豪放磊落だけど小心者。誠実だけど嘘つき」だと語っている。
渡部治子(片岡礼子)
南部の愛人で、新宿の飲み屋のママ。病気を抱えている。南部が本音を語った数少ない人物。
小城利勝(平泉成)
想起社二代目社長。昔は超ワンマンだったが、今は息子の専務に気を遣っている。部数が激減している『漫画ブレイブ』の編集長に醍醐を誘う。
小城利則(阿部翔平)
想起社専務。利勝の息子で次期社長。育ちの良さと傲慢さを持つ。信賞必罰をモットーとする。
矢島友之(森本レオ)
優希の父の同僚で、元刑事。定年退職後、兄の経営するスーパーで取締役兼警備主任をつとめていたが、引退している。優希の良き相談相手で、事件に関する情報収集に協力する。
宮脇里香(吉沢梨絵)
優希の姉。優希が母の介護から逃げるために上京したと思い込んでいる。父の死因を巡っても意見が合わず、姉妹関係は悪化したままだ。
寺田幹男(野間口徹)
優希の元夫。優希と別れた後、税理士として独立、現在は再婚に向けて婚活中。実は3年前から醍醐にいいように使われている。
阿島淑子(真野響子)
アジマプロの社長で、巨匠の漫画家・阿島文哉の未亡人。3年ぶりに優希に調査を依頼することに。優希のことを「探偵」だと思い込んでいる。
竹内康介(前野朋哉)
アジマプロ社員。阿島のファンクラブ出身で昔の漫画にも造詣が深い。小心者で常にオドオドしている。
校条啓蔵(田中泯)
戦後姿を消した『幻の漫画家』。画力だけでなく、ストーリーテリングも超一流の力を持つ。波瀾万丈な半生で、南部の死の真相と深い関わりを持つ。
三浦太一(小宮浩信)
古書店店主。典型的なオタクで情報通。オタク界隈で有名人である優希に近づく機会が巡ってくる。
喫茶店マスター(温水洋一)
醍醐は店にスナック菓子をキープしているが、許可を出した覚えはない。醍醐と優希の会話に耳を傾け、時として調査のヒントとなる一言を放つことがある。