WOWOWの連続ドラマ「闇の伴走者~編集長の条件」第1話のあらすじと感想です。
やっぱり最高です、この2人!
醍醐さんのウンチクを聞いてるだけでも充分面白いんだけど、ストーリーも前作同様謎めいていて、しかも歴史的要素も絡んできそうなので、かなり期待できそうです。めちゃくちゃわたし好み♡
水野さんの「なるほど」が久々に聞けてうれしい。
Contents
第1話「転落」あらすじ
元警察官の調査員・水野優希(松下奈緒)は、アジマプロ社長・阿島淑子(真野響子)から伝説の漫画誌編集長・南部正春(岩松了)の死について調べて欲しいと依頼を受ける。
南部は死の直前、淑子の夫で漫画界の巨匠、故・阿島文哉(ベンガル)の幻の画稿を返却してきたという。淑子は、南部の死には画稿が関わっているのではと疑っていた。
醍醐真司(古田新太)は、南部の後任の編集長として、想起社「漫画ブレイブ」の編集長を引き受けることに。南部は死ぬ直前に「大人向け漫画誌のノウハウを見つけた。ただしこれをすれば恨みを買って消されるかも」と社長の小城利勝(平泉成)に話していたという。
醍醐と再会した優希は、南部の妻・加代子(八木亜希子)に会いに行く。加世子は10年前から別居していたと言い、優希に南部が住んでいたマンションの鍵と手帳を預ける。優希は南部の部屋から謎めいた1枚の絵とアイデアノートを見つけ、醍醐に託す。
醍醐は編集部員の綿貫(今野浩喜)が出した領収書に不審を抱く。綿貫が担当する漫画「パニック同盟」には、南部の死と酷似した場面が描かれていた。
第1話「転落」感想
登場人物がだいたい出揃った感じですね。前回も多かったけど、今回もかなり多い。しかも味のある人ばかり。
依頼主は、今回もまた真野響子さん演じるアジマプロの社長。アジマプロは前回で終わったと思っていたので、再登場は素直に嬉しいです。阿島文哉の「紅忍者」、今回の事件にも深く絡んでくるのかなぁ?
初回から怪しい要素がバンバン出てきたので、少し整理したいと思います。
謎の死を遂げた伝説の編集長・南部正春
まず、岩松了さん演じる南部正春から。
- 鳳凰社の漫画雑誌でヒット作を連発した、伝説の編集長
- 昔、漫画界の巨匠・阿島文哉を担当していた
- 定年退職から10年後、想起社「漫画ブレイブ」の編集長になる
- 大半の連載漫画を終わらせ、サラリーマンものをやろうとしていた
- 連載作品の悪口を言いまくり、編集部員から嫌われていた
- 伊東に「コミックスープレックス」という会社について訊いた後、口止めする
- 大人向け漫画誌は「水色にしなければ勝てない」と言っていた
- 行方不明になっていた「紅忍者」第31話の画稿をアジマプロに返却
- その直後、謎の転落死を遂げる
- 部屋には漫画が一冊もなく、デスクの上には1枚の絵が置いてあった
謎だらけですね、この人。「水色」が鍵を握ってそうなんですけど、何のことだかさっぱり。あと、優希がマンションから見つけてきた線路の絵(ちょっとブキミ)も、気になります。
醍醐が言うには、「タッチは白土三平に近い」「サイズはB4より大きいけどA3じゃない」「なぜか四隅が少し丸い」とのこと。怪しさ満点ですね。ちなみに白土三平さんは「サスケ」「カムイ伝」などを描いた人です。
ラストシーンで、醍醐は「コミックスープレックス」という社名から何かに思いあたったようだったけど、そこから綿貫が担当していた「パニック同盟」が出てきた理由がわからない。
しかもこの「パニック同盟」という漫画には、南部の死と似たような転落死の場面が描かれていました。綿貫が南部を殺したのでしょうか…?
「漫画ブレイブ」編集部員も怪しい?
いちばん怪しいのは、今野浩喜さん演じる綿貫です。
- 想起社の正社員で、「漫画ブレイブ」編集者
- 連載「オシメ替えたか」「パニック同盟」担当
- 社長の恩人の孫らしいが、やる気がなく冷めている
- 悪い噂があり、編集部員から嫌われている
- 会社の経費を使って遊んでいる
- コミックスープレックス社の領収書を提出していた
この編集部で正社員なのは、綿貫と武井(金井勇太さん)だけらしい。あとは契約社員とバイトなんですね。
わたしは見るからに悪そうな綿貫よりも、一見いい人そうな前編集長の堀尾(津田寛治さん)のほうが気になるかな。醍醐には協力的な様子だったけど、南部のこと恨んでそうだし、何か隠してそう。
醍醐が、編集部員ひとりひとりに的確なダメ出しをしたり、アドバイスしたりする場面も興味深くて面白かったです。「パシリ刑事」には笑った。絵が「ドーベルマン刑事」の平松伸二さんそっくりだなぁと思ったら、ホントに平松さんが描いてた(笑)
漫画制作の裏側が覗けるのも、このドラマの楽しみのひとつ。
冒頭シーンは下山事件か
順序が逆になりましたが、ここで冒頭シーンを振り返りたいと思います。
夜、線路に横たわっている男(生死は不明)。その男を置き去りにして、帽子を被った男が足をひきずるような歩き方で線路を歩いていきます。その後、鉄道職員らしき2人が轢断された遺体を発見し、「まさか、この人は」と呟く…というシーンでした。
これは、下山事件の描写でしょうね。
下山事件は、昭和24年に旧国鉄の下山定則総裁が轢死体として発見された未解決事件です。
1949年(昭和24)7月、国鉄総裁下山定則が常磐線綾瀬駅付近で轢れき死体となって発見された事件。当時、国鉄は大量人員整理を発表し、労働組合が反対闘争を組もうとした矢先であり、左翼勢力による他殺説が流された。このため、三鷹事件・松川事件とともに労働運動に大きな打撃となった。事件は他殺説・自殺説ともに決め手のないまま迷宮入りとなった。
大辞林 第三版より
占領期最大のミステリーと言われるこの事件は、手塚治虫の「奇子(あやこ)」(1972年)、松本清張の「日本の黒い霧」(1960年)などでも描かれていますが、真相はいまもって謎(1964年に時効が成立)。
この下山事件が、ドラマのストーリーにどう絡んでくるのか。
ここで南部の部屋にあったブキミな線路の絵を思い出して下さい。これは、おそらく下山事件を描いたもの。サイズが現在の規定と合わないところが謎のひとつです。
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