WOWOWの連続ドラマ「名刺ゲーム」最終話のあらすじと感想です。
あんまりスカッとしないラストでした。
途中までは、胸クソ面白かったんだけどな。
片山さんに騙されたのが悔しい!
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最終話「オヤコ?」のあらすじ
神田(堤真一)は3人の命と引き換えに美奈の命を救う。美奈(大友花恋)は「私の名刺は見つけられる?」と神田に問い掛ける。
美奈は子どもの頃から父が大好きだった。母の浮気を知って離婚を勧めたのも美奈だった。制作部に移った神田は多忙を極め、美奈は淋しさを募らせる。
付き合っていた先輩に捨てられ、ネットで神田が叩かれていることを知って落ち込む美奈。そんな時、美奈の前に中学時代の教師・薄井(岡田将生)が現れる。
教師を辞めて念願のクイズ作家になった薄井は、神田の逆鱗に触れて業界にいられなくなったことを美奈に話す。2人は神田に「名刺ゲーム」を仕掛けることを思いつく。
自分の正体を明かしゲーム終了を呼びかける薄井だが、タイマーは止まらず、何者かに撃たれてしまう。神田は美奈の命を救うために自らの死を選ぶ。
その瞬間、ボイラー室の壁が倒れ、観客が現れる。爆死したはずの3人と、撃たれたはずの薄井が笑いながら登場し、片山(田口トモロヲ)が「ドッキリ大成功」のプラカードを掲げる。すべてはネット配信番組のために仕組まれたドッキリ企画だった。
最終話の感想
えげつない内容でした。ドラマとしては、すごく面白かった。
木村ひさし監督が「胸くそ面白いドラマ」と表現してますね。それピッタリ。
今回も回想シーンが見応えありました。
神田の娘・美奈の妊娠(と中絶?)は、かなりショッキングでした。
この子はファザコンなのかな。浮気した母親を許せずに「お父さんと別れてください」って言ったり、神田のために嬉々として料理を作ったり身の回りの世話を焼いたりと、まるで妻のよう。
神田の愛情が自分以外の女に向けられると、嫉妬に駆られて自分も恋人を作り(軽はずみにセックスに応じ)、家の中はたちまち荒んでしまう。
1話だったか2話だったかで「あれっ?なんで突然部屋がこんな酷い有様になってんの?」って思う場面があったんだけど、そこでは何の説明もなかったんですよね。その理由がようやくわかりました。
そして、謎の男Xの正体。意外と普通で、ちょっと拍子抜けでした。彼は美奈の中学時代の教師で、その後、夢を叶えてクイズ作家になった…という設定。かなり無理やり感あるなと思ったら、原作では別々の人らしいです。
「ミステリー・スパイ」の会議が、毎回モヤッとして不愉快きわまりないですね。原作者の鈴木おさむ氏によると、この会議はかなりリアルに描いたそうです。鈴木さん自身、これまでに何度も悔しい思いをしてきたんでしょうね。
神田という人物は、おそらく鈴木さんがこれまでに出会った人たちをつなぎ合わせて創り上げられているはず(もしかして鈴木さん自身の要素も混ざってる?)。外から見ている側からすると嫌悪感しかないけど、業界内では案外普通なのかな。
でも、だからと言って、最後に神田を笑い者にした片山や薄井たちに共感することもできませんでした。面白ければ何をしてもいいという考え方には、どうしても共感できません。
神田はどうしようもないクズでダメ人間ですが、みんなでよってたかってイジメた挙げ句、さらし者にするという展開には、胸クソ悪くなりました。第一、美奈は何も悪くないのに、神田と一緒に罰を受ける必要あります?
「ドッキリなんだから笑って済ませろよ」って言う人もいるけど、人の心を弄ぶ笑いはダメですね。全然スカッとしません。
そういう部分も含めて、狙いでしょう。笑いに対して崇高な思想を持っているように思われた片山さんも、立場が変われば、やることは一緒。結局、みんな同じ穴のムジナってことです。
片山さんが「こんな企画、地上波のテレビじゃやれないからさぁ!」って言っていたのが怖い。ネット配信でこんな無茶苦茶なことやる人がどんどん増えていったら、本当になんでもアリになってしまう。ネット=何をやってもいい、わけじゃない。
神田にひどい目に遭わされた人たちが、スッキリした顔で前向きなコメントを残して去っていったのは救われた。でも、さんざん同情した自分がアホらしく思えるなー。
ラストシーンは、神田と美奈が伊豆の田舎に引っ越して、ふたりでご飯を食べるシーンでした。このシーン含め、この親子だけリアリティなかったです。
最後にもうひとり。
前回登場した謎の女の正体です。
あれ、ネット配信を見ている視聴者だったんですね。完全に騙された!
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