ネタバレ有「オルデンハイム~12の悲劇~」最終話あらすじ感想|主人公のトラウマと犯人が語った真相

「オルデンハイム~12の悲劇~」

記事内に広告を含みます

海外ドラマ「オルデンハイム~12の悲劇~」(全12話)の感想です。

雰囲気抜群のミステリードラマで見応えがありました。ただ幕引きがいまいちだったかな。もう少し深く感情を揺さぶるシーンがあったらよかったんですけども。主人公の言動にもツッコミどころが多かった。

オルデンハイムという町全体が犯罪に巻き込まれるため、登場人物がやたら多い。ただ特徴がハッキリしている人ばかりなので、覚えやすくはありました。

街並みの美しさにはただただ見とれるばかり。こんなオシャレなデザインの家が普通に建ってるのー?っていう驚き…。

最終話のあらすじ

オルデンハイムの町から人々が去り、ダマーニも捜査から外される。ペギーは温室で犯人の痕跡を見つけるが、誤ってダマーニを撃ってしまう。直後、ペギーは何者かに襲われ、拘束される。

犯人はフィクトールだった。フィクトールの母・ネールチェは、数年前フェーラと組んで町の人々に儲け話を持ちかけた。しかしフリッツの通報によってネールチェとフェーラは詐欺罪で逮捕され、ネールチェは懲役9か月、フェーラは懲役5か月の実刑判決を受けた。

町の人々は2人を許さず、刑期を終えて町に戻ってきた2人に冷たくあたり、除け者にした。フィクトールはネールチェを引き取ったが、妻はそれに反対し家を出て行った。妻よりも母が大事だった、と語るフィクトール。

だがフィクトールは母の忠告を聞かず、仕事のために町の人々との付き合いを続けた。失望したネールチェは何度も自殺をほのめかしたが、フィクトールは相手にしなかった。そして去年の8月19日、ネールチェはフィクトールの前で首を吊って自殺を試み、フィクトールは見殺しにした。

以来、フィクトールは母の亡霊を見るようになった。フィクトールは町の人々に復讐することを決意。まずはネールチェを通報したフリッツを苦しめるため、ネールチェの命日である8月19日にフリッツの娘・ニーネを拉致した。

失踪したまま二度と見つからないよう処理するつもりだったが、薬の量が少なすぎてニーネは死んでいなかった。殺そうとしたが殺せず、睡眠薬を飲ませてキャンピングカーに監禁した。ニーネを解放したのは、息子のリックのためだった。

ダニエレを拉致したのは、夫のアーレントに疑いを向けさせ捜査を攪乱するため。今度は薬の量を増やして打ち、即死させた。スースも、フェリックスも、アーレントも、マーフィンも、エルナスも、ヘルベンも、ルートも、フェーラも、エマも、殺されて温室に埋められていた。

ロブは温室で肩を撃たれて倒れているダマーニを見つけ出し、埋められていた遺体の数々も発見される。リックの自殺によって自責の念に駆られたフィクトールはペギーを逃そうとするが、母の亡霊に責め立てられる。自分を襲おうとするフィクトールに向かって、ペギーはためらわず銃弾を撃ち込む。

3週間後。リックは退院し、町を離れていたニーネと再会する。ペギーとダマーニは、平穏を取り戻したオルデンハイムの町を眺める。

登場人物はこちら

「オルデンハイム~12の悲劇~」 ネタバレ有「オルデンハイム~12の悲劇~」登場人物(キャスト)・あらすじ

感想(ネタバレ有)

ニーネ以外、全員殺されていました。欧州ドラマは容赦ないなぁ。

途中、意味ありげに「流星群と関係がある」とか「ミステリーサークル」とか出てきたので、オカルト方向へ走るのかと思ったら、まったく関係ありませんでしたね(ちょっとがっかり)。

主人公のペギーは言動が軽率すぎて、毎度ハラハラさせられました。ダマーニ刑事が怒るのも無理ないと思う。ペギーがもう少し賢くて、ダマーニと早い段階で「いいコンビ」になっていたら、もっと面白かったのに。

犯人はフィクトール

失踪事件の犯人は、セラピストのフィクトールでした。最大の驚きは、フィクトールの母・ネールチェが1年以上前に亡くなっていたこと。

画面に映っていたネールチェは、フィクトールにしか見えない亡霊だったんですね…。しかもネールチェの死は自殺で、フィクトールはその場にいながら見殺しにしていました。

フィクトールはかなりのマザコンだと思うのですが、同時に母親の束縛から逃れたいという気持ちもあったのかもしれません。

以来、母親の亡霊につきまとわれるようになったフィクトール。亡霊は、母の死(自らの罪)を受け入れられないフィクトールの弱い心が生んだ幻なのでしょう。

ニーネとフリッツはフィクトールの息子リックを受け入れたけれど、自分の家族を含む10人もの人間を殺した男の息子を、そう簡単に受け入れられるものでしょうか…?

もちろんリックに罪はないのですが、予定調和のハッピーエンドに違和感を感じてしまいました。

犯人はなぜ主人公に真相を語るのか?

フィクトールがペギーを殺さなかったのは、彼女が〝復讐対象〟ではなかったからかな?

ネールチェが逮捕されたときも、刑期を終えて町に戻ってきたときも、ペギーは町にいなかったから、彼女は「ネールチェを自殺に追い込んだ人々」の中に含まれていないんですよね。

とはいえ、主人公の前で犯人が自らの犯行のあらましをぺらぺら喋るという展開には、白けてしまいました。しかも失踪した人間が12人もいるので、話が長い!

逮捕されてから自白するのが自然だと思うけど、あえてそうしなかったのは、やはりペギーが過去のトラウマを克服するシーンが最大の見せ場だったからでしょうね。

そのシーンを見せるために用意されたシチュエーションとしか思えないんですよね。それを容易に想像できてしまうところも、白けてしまった理由のひとつ。

主人公のトラウマ

ペギーのトラウマは、イラクで遭遇した自爆テロ。故郷に戻ってきてからもPTSDによるフラッシュバックに苦しんでいました。

爆弾を持った男に銃を向けながら、引き金を引くことができなかったペギー。そのせいで、現地の幼い子どもや罪のない人々が爆発に巻き込まれ、命を落としました。

彼女がオルデンハイムに帰ってきたのは、疎遠になっている家族と会い、静かな町でゆっくりと心の傷を癒やしたかったからだと思うのですが、それがまさかこんなことになるとは…。

フィクトールに向かってためらうことなく銃弾を撃ち込んだペギー。過去のトラウマを克服し、父ルートと妹スースの復讐は果たせたけれど、こんな悲惨な事件に巻き込まれて日常に戻れるのかと心配ではありますね。

そもそも、ペギーはどうして誰にも言わずにオルデンハイムを出ていったのか。そこにも秘密があると思っていたのですが、結局、特別な理由はなかったようです。

あえて語るとしたら、「オルデンハイムは小さすぎた」。ペギーの母親が夢を叶えるために町を出ていったのと、同じ理由だったのかもしれません。

追記

続編にあたる「スハウエンダム~12の疑惑~」が放送されます。舞台も登場人物もまったく異なる新たなストーリー。詳しくは別記事をどうぞ。

「スハウエンダム~12の疑惑~」あらすじキャスト ネタバレ有「スハウエンダム~12の疑惑~」全話あらすじ・感想・キャスト