Netflixで2020年8月28日から配信されている海外ドラマ「コブラ会」シーズン1(全10話)についてまとめました。
80年代の大ヒット映画「ベスト・キッド」の悪役ジョニーと、“宿敵”ダニエルの34年後を描いたドラマ。タイトルはダサいけど面白いですよ!
人生ドン底のジョニーと、成功して金持ち組になったダニエルの人生がある事件をきっかけに交差し、それぞれの子供や弟子を巻き込んで因縁の対決へと導かれていきます。
映画ではイジメ役だったジョニーが、アンチヒーローのように描かれているのが面白い。回想シーンで映画のカット(未公開映像含む)がふんだんに使われていたり、オマージュシーンが盛り込まれていたりと、遊び心もたっぷり。
映画と同様、ジョニー役にはウィリアム・ザブカが、ダニエル役にはラルフ・マッチオがキャスティングされています。リアルタイム世代にとってはもうそれだけでシビれる!
もともとYouTubeオリジナル作品としてシーズン2まで製作・配信されていましたが、2020年にNetflixに引き継がれました。シーズン3は2021年に配信予定。
Contents
作品概要
- 製作国:アメリカ(2018年)
- 原題:Cobra Kai
- 原作:ロバート・マーク・ケイメン『ベスト・キッド』
- 脚本・製作総指揮:ジョッシュ・ヒールド/ジョン・ハーウィッツ/ヘイデン・シュロスバーグほか
あらすじ
1984年のカラテ選手権大会から30年。ジョニー・ロレンスは問題だらけの生活にもがきながら、常につきまとう暗い過去を忘れようとしていた。しかし、ダニエルへのライバル心が再燃し、悪名高いカラテ道場「コブラ会」を再開して巻き返しを図ることに。かくして、ジョニーとダニエルの人生が交差し、新世代の「ベスト・キッド」が始まる。
YouTube公式チャンネルより
予告動画
映画「ベスト・キッド」について
主人公の少年ダニエルが日系人のミヤギと出会い、彼から教わる空手を通して成長していく姿を描いた映画。
1984年に第1作が公開されて大ヒットし、1986年に第2作が、1989年に第3作が公開されました。第4作とリメイク版は主人公が変わっています。
ドラマは映画を見てなくてもわかるように作られているけど、できれば1作目だけでも見て。100倍面白くなります。
第1作「ベスト・キッド」あらすじ(ネタバレ有)
ニュージャージーからカリフォルニアに引っ越してきたダニエルは、母親と2人暮らし。誘われたパーティーでお金持ちの少女アリと意気投合したことから、アリの元彼で乱暴者のジョニーに目を付けられてしまう。
ジョニーは〈コブラ会〉という空手道場に所属する少年空手選手権のチャンピオンで、不良グループのリーダー格だった。ある日、ジョニーたちからリンチを受けていたダニエルは、アパートの管理人で空手の達人ミヤギに助けられる。
ミヤギは〈コブラ会〉の指導者と話をつけ、2か月後に開催される少年空手選手権で決着をつけることとなる。ミヤギから空手を教わるダニエルだったが、なぜかワックスがけやペンキ塗りといった雑用ばかり押しつけられる。しかし、それらはすべて空手の動きをマスターする訓練で、知らず知らずダニエルは空手の基本を身につけていく。
試合当日まで自分の強さに自信が持てないダニエルだったが、試合ではつぎつぎと相手を倒し、準決勝に勝ち進む。準決勝の相手となった〈コブラ会〉の選手は、反則技でダニエルの足を痛めつけ、棄権させようともくろむ。だがダニエルはミヤギの手当でなんとか決勝の舞台に立ち、最後は“鶴の技”でジョニーを倒して優勝する。
登場人物(キャスト)
ジョニー・ロレンス(ウィリアム・ザブカ)
元少年空手選手権チャンピオン。34年前、高校3年の時に決勝でダニエルに敗れた。現在は家族と職を失い、すさんだ生活を送っている。不良グループからミゲルを助けたことや、ダニエルに再会したことがきっかけで、かつて所属していた空手道場〈コブラ会〉を再興する。
ダニエル・ラルーソ(ラルフ・マッチオ)
元少年空手選手権チャンピオン。初めて出場した大会でジョニーを倒して優勝した。現在はカーディーラー〈ラルーソ・オート〉の経営者。ビジネスで成功し、家族にも恵まれ、充実した毎日を送っていたが、宿敵ジョニーが〈コブラ会〉を再興したことを知って胸騒ぎを覚える。
ミゲル・ディアス(ショロ・マリデュエナ)
ウエストバレー高校に通う少年。不良グループに襲われていた所をジョニーに助けられ、「空手を教えてほしい」と頼み込んで弟子入りする。母親と祖母の3人暮らしで、父親と会ったことはない。
サマンサ・ラルーソ(メアリー・モーサ)
ダニエルの娘。ウエストバレー高校に通っている。幼い頃に父ダニエルから空手を教わっていたが、現在はやっていない。カイラーやヤスミンたちと付き合うようになり、ダニエルを心配させる。
アマンダ・ラルーソ(コートニー・ヘンゲラー)
ダニエルの妻で、〈ラルーソ・オート〉のCEO。ダニエルが〈コブラ会〉に執着することを心配する。
ロビー・キーン(タナー・ブキャナン)
ジョニーの息子。ノースヒルズ高校に通う問題児。父ジョニーへの反発から、ダニエルの会社に就職する。身元を隠したまま、ダニエルから空手を教わるようになる。
アイシャ(ニコール・ブラウン)
サマンサの幼なじみ。サマンサがヤスミンたちと付き合うようになってからは疎遠になっている。学校やネットでイジメを受け、〈コブラ会〉に入門する。
ディミトリ(Gianni Decenzo)
ミゲルの友達。神経質で口達者なオタク。学校ではミゲルやイーライとともに不良グループにいじめられている。ミゲルにつられて〈コブラ会〉に入門するが、ジョニーの指導についていけず初日で辞めてしまう。
イーライ(ジェイコブ・バートランド)
ミゲルの友達。学校ではミゲルやディミトリとともに不良グループにいじめられている。ミゲルにつられて〈コブラ会〉に入会し、変貌を遂げる。
カイラー(Joe Seo)
ミゲルたちをいじめている不良グループのリーダー。サマンサと付き合い始める。
ヤスミン(アナリサ・コクラン)
サマンサの友達。“金持ち組”のひとりで、ミゲルたちを“負け犬”と呼んで見下す。アイシャを侮辱する動画を拡散して笑いものにする。
ムーン(Hannah Kepple)
ヤスミンと行動をともにする“金持ち組”のひとり。
ルシール・ラルーソ(ランディ・ヘラー)
ダニエルの母。ダニエルの妻アマンダとは折り合いが悪く、しょっちゅう喧嘩する。
ジョン・クリーズ(マーティン・コーヴ)
旧コブラ会の道場主で、創始者。ジョニーに空手を教えた“先生”。反則も厭わない攻撃的な空手を教え、大会でダニエルに負けて2位になったジョニーを破門にした。
宮城成義(ノリユキ・パット・モリタ)※回想シーンのみの出演
故人。ダニエルに空手を教えた師であり友人。盆栽づくりが趣味。沖縄出身で、父親が危篤に陥った際、ダニエルを沖縄に連れて行ったことがある。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
1984年のオールバレー空手選手権大会決勝戦でダニエルに敗れてから30年。妻と別れ、すさんだ生活を送っていたジョニーは、客に悪態をついたことで会社をクビになってしまう。ある日、同じアパートに住む少年ミゲルが不良グループに襲われているのを見たジョニーは、空手を使ってミゲルを助けるが、警察に逮捕される。
ジョニーの保釈金を払ったのは、裕福な継父シドだった。ジョニーはシドから“手切れ金”として小切手を渡されるが、目の前で破り捨てる。
かつて大会が行われた会場に立ち寄り、当時の記憶を蘇らせるジョニー。すると停めてあったジョニーの愛車に通りがかりの車が衝突し、運転していた少女たちはそのまま逃走。愛車は修理のためにダニエルが経営するカーディーラー〈ラルーソ・オート〉へと運ばれる。
ジョニーは車を引き取って別の会社に修理を依頼しようと〈ラルーソ・オート〉を訪ね、不本意ながらもダニエルと再会。ダニエルの娘サマンサが当て逃げした女の子のうちのひとりだと気付く。ビジネスで大成功をおさめたダニエルは気持ちよく再会を喜び、修理代をタダにすると請け合う。
プライドを傷つけられ発奮したジョニーは、かつて所属した空手道場〈コブラ会〉を再興しようと決意。破り捨てたシドの小切手を拾って再興資金にあてる。
ビジネスで成功をおさめ、家族にも恵まれて充実した日々を送るダニエル。ある日、偶然「コブラ会」の看板を見つけて動揺する。
ジョニーはミゲルに「先生」と呼ばせ、空手を教え始める。ミゲルは喘息持ちで、シングルマザーの母親が暴力に反対しているため「討論会へ行く」と嘘をついて道場に通っていた。ジョニーは稽古と称してミゲルに道場の掃除や修理を押しつける。
ミゲルは学校で冴えない2人組デメトリとイーライに出会う。〈コブラ会〉の教えである「先に打つ」を実践し、金持ちグループのサマンサに声をかけようとするが、不良グループのカイラーが彼女に声をかけるのを見て思いとどまる。
ダニエルは娘のサマンサがカイラーに好意を持っていることを知り、彼を家族ディナーに招待する。カイラーは顔の痣について「空手の使い手に襲われた」と話し、ダニエルは〈コブラ会〉を訪ねてジョニーを問い詰める。
ジョニーはカイラーが弱い者いじめをしていたことを明かし、「娘にも問題があるかも」と指摘する。ダニエルは「いずれカタをつける」と告げて立ち去る。
娘のサマンサの交友関係が気になるダニエルは、高校のハロウィーンパーティーの監視役を引き受ける。ジョニーは弟子を増やそうと勧誘するがうまくいかず、それを知ったミゲルは〈コブラ会〉のサイトを立ち上げる。
ミゲルはかつてジョニーが扮した骸骨の仮装をしてパーティーに参加。ジョニーは道場のチラシを作り、高校のロッカーに貼って回る。ダニエルはサマンサとカイラーが隠れてよからぬことをしていると誤解し、サマンサを怒らせてしまう。
ヤスミンが投稿したアイシャを馬鹿にする動画が拡散され、アイシャはみんなに笑われる。ミゲルはトイレでカイラーたちがサマンサを落とすための作戦を語っているのを聞き、道場で教わった“蹴り”を使ってカイラーい立ち向かうが、すぐに反撃される。ジョニーは打ちのめされて倒れていたミゲルを見つける。
ジョニーは負傷したミゲルを家に送り届け、二度と関わらないよう母親のカルメンに警告される。ミゲルは空手を続けたいと訴えるが、ジョニーは道場を閉鎖することを決める。
サマンサと仲違い中のダニエルは、自身の顔が描かれた看板に卑猥な落書きがされているのを発見し、ますます落ち込む。ライバル会社のコールによる仕業と推測したダニエルは、コールに会いにいく。だが空手や盆栽をバカにされ、思わず回し蹴りでボバ茶を蹴り飛ばす。
カイラーがミゲルたちをいじめているのを知ったサマンサは、映画館でカイラーに体を触られて思わず払いのける。サマンサはカイラーと別れることを決め、ダニエルと仲直りする。
ジョニーは息子のロビーが1か月近くも学校を休んでいることを知り、ロビーに会って説得を試みるが、まともに話ができず追い返されてしまう。妻にロビーを引き取りたいと申し出るも、「初日で捨てたくせに」と言い返される。
ジョニーはミゲルの家を訪ね、カルメンに「彼を見捨てたくない」と伝える。ミゲルの祖母はジョニーを気に入り、ミゲルは道場に通うことを許可される。
ダニエルは落書きされた看板の下に〈コブラ会〉のチラシが落ちていたことを知り、落書き犯がジョニーだと気付く。
ミゲルはジョニーの厳しい稽古に耐え続け、次第に強くなっていく。学校やネットでいじめを受けているアイシャは、〈コブラ会〉に入門する。
ダニエルはジョニーに仕返しするため、モールの所有者に「土地を買う」と働きかけて賃料を値上げさせる。その話を聞いた妻アマンダは、「あなたの行動は病的よ」と非難する。
サマンサはヤスミンたちに無視され、カイラーが言いふらした性的なデマで噂の的となり、学校で孤立する。ミゲルはカイラーを止めようと立ち向かい、ひとりで不良グループ全員を叩きのめして拍手喝采を浴びる。ミゲルから報告を受けたジョニーは喜び、かつて自分が着ていた練習着をミゲルに手渡す。
ジョニーが自分を引き取りたいと言っていたことや、〈コブラ会〉を始めたことを知ったロビーは、ジョニーに会うため道場を訪ね、ミゲルとジョニーが抱き合っている様子を見てショックを受ける。
ダニエルはミヤギの墓参りをし、「道が見えない」と悩みを漏らす。帰り際、「人生すべてバランスだ」と語ったミヤギの声が聞こえてくる。ダニエルは物置になっていた自宅の空手道場を片付け、再び空手を始める決意をする。
ミゲルが不良グループを撃退した動画が拡散され、〈コブラ会〉への入門者が殺到する。ロビーは父に復讐するため、ダニエルの会社〈ラルーソ・オート〉の面接を受ける。
ジョニーの道場に集まったのは、オタクや変人など“はみ出し者”ばかりだった。ジョニーは唇に傷があるイーライを「変な唇のお前」と呼び、ディミトリはジョニーに抗議して痛めつけられ、たった1日で道場を辞めてしまう。
ロビーはダニエルの会社〈ラルーソ・オート〉で真面目に働き始めるが、上司のルイに騙されてダニエルに怒られ、カッとなって辞めようとする。ダニエルはロビーを引き留め、自分も貧しい町の出身だと語る。
夜、売上報告をするためにダニエルの家を訪ねたロビーは、道場で型の練習をしているダニエルを見つける。興味を持ったロビーに、ダニエルは空手を教えようかと持ちかける。
ジョニーの傲慢で乱暴な指導方針に耐えられず、〈コブラ会〉の生徒は減っていく。ジョニーに「唇」と呼ばれることを嫌がったイーライは、「そう呼ばれるのが嫌なら陽動作戦をとれ」と反論されて道場を出ていく。
ミゲルは生徒たちに厳しすぎるジョニーに、「先生はつらさを知らない」と告げる。幼い頃、友達ができず、何をしても続かず、継父シドに毎日のように罵倒されていた日々を思い出すジョニー。その辛さから救ってくれたのが〈コブラ会〉だった。
ジョニーは残った弟子たちに、自分もかつてはカッコ悪く、友達もいない変人だったと明かす。そこへ、頭をモヒカン刈りにしたイーライが現れる。ジョニーはイーライに「ホーク」という新しいニックネームをつける。
「負け犬、オタク、変人でもいい。重要なのはカッコいいかどうかだ」と弟子たちを鼓舞するジョニー。
ダニエルはかつてミヤギから教わったように、ワックスがけや窓掃除などを利用した型破りな方法でロビーに空手を教え始める。「空手じゃなくて雑用ばかりだ」と文句を言いつつも従うロビーを見て、楽しむダニエル。
ロビーは不良仲間から盗みの計画を持ちかけられ、会社の暗証番号を教えるよう脅される。当日、不良仲間を待ち構え、空手で立ち向かうロビー。彼らを防犯カメラに映る場所へ誘導し、撃退することに成功する。
ジョニーはオールバレー空手大会に申請しようとするが、〈コブラ会〉は永久追放になっていた。ミゲルに励まされ、大会委員会に掛け合うため慣れないスーツを着て出かけるジョニー。だが委員の1人はダニエルだった。〈コブラ会〉に恨みを持つダニエルは、「復帰させるのは競技への冒涜だ」と主張する。
ジョニーはかつてのコブラ会とは違い、生徒たちが強くなり自信を身につける場所だと説明し、委員たちによる投票の結果、出場する権利を勝ち取る。
ミゲルはサマンサをデートに誘い、ジョニーのアドバイスで〈ゴルフン・スタッフ〉へ行き、楽しい時間を過ごす。サマンサとキスをして有頂天になるミゲル。ジョニーとミゲルは互いの成功を喜び合い、お酒で乾杯する。
空手大会に向けて、廃品工場で特訓を始めるジョニー。ミゲルの恋人がダニエルの娘サマンサだと知ったジョニーは、ダニエルがかつての恋人アリを奪い、空手大会の決勝で戦って負けた因縁の相手であることをミゲルに話して聞かせる。
ミゲルの母カルメンに誘われ、夕食を共にしたジョニーは、カルメンがエクアドル出身で、悪党の夫から逃げてきたことを知る。帰宅したジョニーは散らかり放題の家を片付け、酒をやめて人生をやり直そうと決意。継父シドに会いに行き、金を全額返して「もう二度と来ない」と別れを告げる。
特訓のため、ロビーを湖へ連れていくダニエル。ミヤギから教わった「人生のバランス」について説き、森の木の上でバランスを習得させる。ロビーは自分がジョニーの息子であることを打ち明けようとするが、言い出せない。
ダニエルがジョニーと〈コブラ会〉を敵視していることを知るサマンサは、ミゲルが恋人であることを打ち明けることができない。ミゲルは無断で家に押しかけて挨拶しようとし、サマンサがロビーと楽しそうに話しているのを見てショックを受ける。
ダニエルの部下でいとこのルイがジョニーの車を壊し、炎上させる。激怒したジョニーは男たちを叩きのめし、ダニエルの家へ向かう。
ジョニーはダニエルの家に押しかけ、2人は一触即発の雰囲気に。アマンダは「テーブルで話し合ったら」となだめ、ジョニーを朝食の席に招く。車を弁償しろと要求するジョニーに対し、ダニエルは納得がいかないものの、アマンダは「車をあげて縁を切ればいい」と助言する。
車を試乗中、かつてダニエルが住んでいたアパートに立ち寄る2人。ジョニーはダニエルを誘ってバーへ行き、2人は思い出話に花を咲かせる。継父のいびりで辛い少年時代を送ったジョニーは、〈コブラ会〉のクリーズが父親のような存在だったと語る。同様にダニエルも、ミヤギが父親代わりだったと語る。
ミゲルたち〈コブラ会〉の面々は、ヤスミンが峡谷で誕生日パーティーを開くことを知り、先に峡谷へ行って場所を乗っ取ることを思いつく。ミゲルはサマンサがロビーを連れて来たことに嫉妬し、ロビーを突き飛ばしてサマンサを怒らせてしまう。
ジョニーはダニエルを家に送り、道場でロビーと鉢合わせる。ロビーがダニエルの弟子だと知り、動揺したジョニーはダニエルを攻撃するが、ロビーが立ちはだかる。ショックを受けたジョニーは立ち去り、ダニエルは嘘をついていたロビーに失望して彼を追い出す。
オールバレー空手大会当日。ジョニーは弟子たちに〈コブラ会〉の3つめの掟“情け無用”を教える。ダニエルとサマンサは気が進まないものの大会会場へ行き、ロビーが無所属で大会に出場していることを知る。
ミゲルは初戦、かつてダニエルがジョニーに仕掛けた“鶴の技”を使って勝利する。アイシャは敗れ、ほかにも女子がいたらいいのにとサマンサに漏らす。
ミゲル、ロビー、ザンダー、ホークは準決勝に進み、ミゲルは前回優勝者のザンダーを倒す。ロビーはホークと戦い、卑怯な蹴りを入れられて左肩を負傷してしまう。ホークは失格となり、ロビーは決勝に進出する。
ダニエルはロビーと話し合い、父親への怒りを手放し、彼とは違う道を行けと助言する。決勝戦でロビーはダニエルの教え子と紹介され、正式にミヤギ道空手の選手として出場する。ジョニーはダニエルへの敵意を募らせる。
執拗にロビーの左肩を攻撃するミゲルを見て、かつての自分をだぶらせるジョニー。「勝ちたいだろうが正しく勝て。汚く戦うな」とミゲルに注意するが、ミゲルは「何をしても勝てと教わった」と攻撃をやめようとしない。
ミゲルはロビーの左肩を蹴ってポイントを取り、優勝を手にする。喜び合う〈コブラ会〉の仲間たちの中でジョニーだけが素直に喜べず、ロビーに謝りに行く。
試合からの帰り、ダニエルはロビーをミヤギの家に連れていく。ダニエルは〈コブラ会〉を止めるために、弟子を増やすと告げる。
優勝トロフィーを前にして、複雑な思いで祝杯をあげるジョニー。そこへかつての師クリーズが現れる。
感想(ネタバレ有)
史上最高の続編
こんなに最高な続編ってあります…?
「ベスト・キッド」のダニエルとジョニーが生きていて、彼らの世界ではずっと時間が流れていて、現在進行形の彼らの人生をそのまま見せられているような感覚になりました。
何よりオリジナルへの愛と敬意に溢れたシリーズだった。ただ旧作を懐かしむだけでなく、現代の若者たちと繋げているところもいい。古さと新しさのバランス感覚が抜群。ミヤギさんが言うとおり、何事も「バランスが大事」ですね。
最初は久しぶりに見るダニエルとジョニーの老けっぷりにちょっと戸惑いましたが、だんだん(ストーリーの進行とともに)カッコよく見えてきて、途中からは「今のほうがイケてる!」と思うようになりました。
↓カッコよすぎませんか…?
私はリアルタイム世代なのでどうしても懐かしさを感じてしまうけど、現代のドラマとして映画を知らない人が見ても充分面白いドラマになっていると思います。
不惑の境地はほど遠く…
かつて空手少年だったジョニーとダニエルは50代になり、それぞれ10代の子供を持つ親に。34年前のクリーズやミヤギさんと同じ立場になった彼らは、自分が教わった空手を、信じる道を、子供たちに教えることになります。
ジョニーは「先に打て」「強く打て」「情け無用」というクリーズの教えを受け継ぎ、傲慢かつ乱暴なやり方で生徒たちを鍛え上げていきますが、同じアパートに住むミゲルとの師弟関係は、かつてのミヤギさんとダニエルの関係を彷彿とさせます。
一方ダニエルは、ジョニーの息子とは知らずにロビーを弟子にし、ミヤギさんから教わった例のやり方で空手の動きを身につけさせます。かつて自分が通った道を思い返しながら、子供たちと向き合う2人。
わたしも彼らと同様に年を取ったので、「なんだよ、40を過ぎても不惑の境地になんかなれないじゃん」という気持ちが身に染みてわかる。悩むし迷うし間違えるし、時代の変化についていくのに必死。
でも、だからといって若い人たちに対して無責任であっていいとは思っていない。ジョニーとダニエルは子供たちの助けになろうとし、自分が信じる方法で可能性を広げようとしています。
悲劇は繰り返される
いじめられっ子だったミゲルは、ジョニーに鍛えられて目覚ましい成長を遂げ、やがてジョニーのようなワルになっていく。恋人のサマンサと喧嘩し、急に現れたロビーにサマンサを奪われてしまうミゲル。
まるでかつてのジョニーが通った道を、そのままなぞっているかのよう。ジョニーの側から見れば、34年前の出来事も「突然現れたダニエルに恋人を奪われた」ってことになるのよね。
空手大会の決勝戦ではロビーの怪我をした肩を執拗に狙い、ミゲルは反則すれすれの姑息なやり方で優勝します。これまで「どんな手段を使ってでも勝て」と教えてきたはずなのに、ちっとも喜べないジョニー。
やられる相手が自分の息子になってみて、初めてその汚さに気付いたのかもしれない。そして自分が“負け犬”になったのも、34年前の決勝戦でダニエルの怪我を狙ったからだと、ようやくわかったのかもしれない。
恐怖の師・クリーズ登場
ジョニーとダニエルの対立関係も単純なものではなくなって、どちらも正義になりうるし、どちらも悪になりうる微妙な関係。このバランス感覚も見事。
第9話で、2人がREOスピードワゴンの「Take It on the Run」を一緒に口ずさんだり、空手の師匠が父親代わりだったことを語り合ったり、Facebookでアリの夫の写真を見て「マヌケ面」「アホだ」とこき下ろすシーンにはにやにやしてしまいました。ライバルであり、似た者同士。
子供たちとともに変わっていくジョニーを応援したくなるし、正式な師弟関係を結んだダニエルとロビーが〈コブラ会〉にどう立ち向かうのかも気になります(しかしジョニーは辛いだろうな…)。
ラストシーンでは旧コブラ会の道場主・クリーズが登場。もうそこそこのお年のはずなのに、恐怖圧がすごい。旧作で植え付けられてるからな~。
シーズン2ではダニエルの娘サマンサも参戦しそうだし、いっそう空手シーンが華やかになりそうで楽しみ。引き続き見ますよ~!
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