海外ドラマ「バビロン・ベルリン」シーズン3(全12話)についてまとめました。
圧倒的なビジュアルでナチス台頭前のワイマール共和国を描いた、ドイツ最大規模のテレビドラマの第3シーズン。
世界恐慌の直前、PTSDに苦しむゲレオン・ラート警部と見習い刑事のシャルロッテが、時代の波に呑まれながらも懸命に生きる姿がサスペンス仕立てで描かれます。
シーズン1放送時に何気なく見始めたらめちゃくちゃ面白くて、ドハマリしました。前回の放送から1年経っているので、シーズン3が始まる前にもう一度見直しましたが、やっぱり面白い!
Contents
作品概要
- 放送局:BS12
- 放送時間:2020年12月4日(金)から毎週金曜夜7時~※2話連続放送
- 製作国:ドイツ(2020年)
- 原題:Babylon Berlin
- 原作:フォルカー・クッチャー「ベルリン警視庁殺人課ゲレオン・ラート警部」シリーズ
- 監督・脚本:トム・ティクヴァ/アヒム・フォン・ボリース/ヘンドリック・ハンドレーグテン
あらすじ
刑務所から釈放され、エドガー邸へ向かうヴァルター・ワイントラウブ。しかし彼を待つエドガーに悲報が入る。彼らが巨額を投資する映画の撮影中、主演女優の頭上に照明が落下したのだ。果たして事故なのか、殺人なのか。殺人であればエドガーたちは大きな借金を背負うことに。ゲレオン率いる刑事たちが現場に到着すると、プロデューサーのベルマンは事故だと主張。しかし現場検証の結果、殺人の可能性が浮上する。一方シャルロッテは刑務所にいるグレータを訪ねるが、面会を拒否されてしまう。
BS12公式サイトより
予告動画
視聴方法(動画配信)
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原作について
このドラマの原作は、2007年にベルリン・ミステリ賞を受賞したフォルカー・クッチャーの小説「ベルリン警視庁殺人課ゲレオン・ラート警部」シリーズです。
日本では創元推理文庫から「濡れた魚」「死者の声なき声」「ゴールドスティン」が刊行されています。
シーズン3の原作は「死者の声なき声」が中心になるようです。わたしは未読ですが、興味がある方はぜひ。
時代背景
年代 | 出来事 |
---|---|
1910年 | フロイトが国際精神分析協会を設立 |
1914年 | 第一次世界大戦が始まる |
1917年 | ロシア革命 |
1918年 | ドイツ革命 |
1919年 | ヴェルサイユ条約 ワイマール共和国(ドイツ共和国)成立 |
1921年 | アインシュタインがノーベル物理学賞を受賞 |
1922年 | ソヴィエト社会主義共和国連邦成立 |
1926年 | ドイツが国際連盟に加入 |
1929年 | ベルリンで共産主義者の暴動 世界恐慌 |
1932年 | 総選挙でナチス第1党に躍進 |
1933年 | ヒトラーが首相に就任、国際連盟脱退 |
1934年 | ヒトラーが総統に就任 |
1939年 | 第二次世界大戦が始まる |
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解説「バビロン・ベルリン」黄金の20年代とは?時代背景を知れば10倍面白くなる登場人物(キャスト)
※シーズン2までのネタバレを含みます
主要人物
ゲレオン・ラート(フォルカー・ブルッフ)
ベルリン警察の刑事。第一次世界大戦の退役軍人。故郷ケルンからベルリンに転任し、現在は殺人課に配属されている。シーズン2のラストで戦死したと思われた兄アンノーが生きていることを知り、ヘルガとの関係が壊れ始める。
シャルロッテ・リッター(リヴ・リサ・フリース)
刑事助手。もともとは記録係だったがゲレオンの捜査に協力し、昇進して殺人課の刑事助手になった。現在は家を出て、妹のトニと2人でバーの2階の部屋を借りて暮らしている。
グレータ・オーバーベック(レオニー・ベネッシュ)
シャルロッテの親友。行政長官ベンダの家でメイドとして働いていたが、恋人フリッツに騙され、ベンダ殺害に手を貸してしまう。男たちに唆されたと主張するも、証拠が見つからず裁判では窮地に立たされる。
ベルリン警察
ヴェント大佐(ベンノ・フユルマン)
行政長官。ベンダの後任として着任した政治警察のトップ。ゲレオンに非公式の内部改正課を任せたいと持ちかけ、警視総監には辞任を迫る。ヒンデンブルグ大統領の元側近で、ナチスや国防軍とも繋がっている。
カール・ツェルギーベル(トーマス・ティーメ)
警視総監。ソ連と手を組む〈黒い国防軍〉が大統領に黙認されていることから、彼らに圧力をかけられ苦しい立場に立たされる。5月1日デモにおける銃撃の責任を問われ、ヴェントに辞任を迫られる。
エルンスト・ゲナート(ウド・サメル)
殺人課の課長。秩序を重んじ、ルールを無視する部下を厳しく戒める。撮影所で起きた連続殺人事件を早期解決するため、ゲレオンとベームに共同捜査を命じる。
ヴィルヘルム・ベーム(ゴーデハート・ギーズ)
殺人課の上級警部。ゲレオンと共に撮影所で起きた殺人事件の捜査にあたる。多額の投資を行い、株で利益を得たら足が不自由な息子のために家賃が高い1階の部屋を借りようと考えている。
レオポルド・ウルリヒ(Luc Feit)
記録課の課長。科学捜査担当。照明技師クレンピンを殺害したのと同じ銃を登録されている銃の中から見つけるが、ゲナートに冷遇されたことに腹を立て隠蔽する。
ラインホルト・グレーフ(クリスティアン・フリーデル)
カメラマン。趣味は女装。いつもゲレオンに現像を邪魔されている。10代でベルリンへ来て男娼をしていたが、ゲナートに拾われて写真の技術を身につけ、警察に雇われた。ゲナートを“仏陀”と呼び、恩を感じている。
ヘニング(Thorsten Merten)
殺人課の刑事。ゲレオンの部下としてともに捜査にあたる。
チェルヴィンスキー(ルーディガー・クリンク)
殺人課の刑事。ロシア語に精通している。ゲレオンの部下としてともに捜査にあたる。
映画製作に関わる者たち
ベティ・ヴィンター(ナタリア・マテオ)
舞台、映画で活躍中の有名女優。主演映画の撮影中に落下してきた照明が直撃し、即死する。アメリカに行きたがっていたが、夫のトリスタンに反対されていた。
トリスタン・ロート(ザビン・タンブレア)
ベティの夫。映画にも出演しているが、ベティが殺害されたときは海外にいた。帰国して映画の撮影を中止するよう訴えるも、プロデューサーのベルマンたちに説得されて撮影を続行する。オカルトに傾倒し、悪名高い組織〈土星同胞団〉に所属している。
ティリー・ブルックス(Gloria Endres de Oliveira)
映画に出演するダンサーの1人。本名はマチルド・シュピールマン。ゲレオンとは“ペピータ・バー”で出会っている(シーズン1)。ベティが殺されたとき「黒いマントの幽霊を見た」と証言し、捜査に協力する。
ヴェラ(Caro Cult)
映画に出演するダンサーの1人。元〈モカ・エフティ〉の娼婦で、ヴァルターの愛人。シャルロッテの友人でもある。殺されたベティの代役を奪うため、ティリーを楽屋に閉じ込める。
エドガー・カサビアン(ミシェル・マティチェヴィッチ)
ナイトクラブ〈モカ・エフティ〉の経営者で、ベルリンの闇世界を牛耳るギャングのボス。アルメニア人。シュミット博士に一生の恩義がある。
映画に多額の投資をしており、殺人事件を隠蔽して撮影を続行させようと手を回す。
ヴァルター・ワイントラウブ(ロナルト・ツェアフェルト)
エドガーの相棒。暴力的で冷酷な人物。脱税で1年間服役していたが出所した。エドガーとともにプロデューサーのベルマンを脅し、映画の撮影続行を命じる。エドガーの妻エスターを愛している。
エスター・カサビアン(メレート・ベッカー)
エドガーの妻。元女優。再びスポットライトを浴びたいという願望を持っているが、夫からは歌うことも演技することも反対されており、ストレスを抱えている。
ラート家
シュミット博士(イェンス・ハルツァー)
暗示療法研究室の医師。戦争神経症に関する研究を行っている。シーズン2のラストで行方不明中のゲレオンの兄アンノーであることが判明するが、身元を明かそうとしない。
へルガ・ラート(ハンナー・ヘルツシュプルング)
ゲレオンの義姉で兄アンノーの妻。夫アンノーの戦死が正式に認められ、長く不倫関係を続けてきたゲレオンと晴れて結ばれる。ゲレオンと息子の3人で暮らし始めるが、ゲレオンが隠し事をしていることに気づき、家を出ていく。
モーリツ・ラート(イヴォ・ピーツカー)
ヘルガとアンノーの息子。アンノーが出兵した後に生まれたため父親の顔は知らない。ナチ党の労働者青年団に誘われ、興味を抱く。
リッター家
トニ・リッター(Irene Böhm)
シャルロッテが親代わりとなって面倒を見ている妹。シャルロッテとともに実家を出て2人暮らしを始めるが、もうひとりの姉イルゼを心配する。
イルゼ・リッター(Laura Kiehne)
シャルロッテの姉。幼い子供や祖父の世話をしている。緑内障を患い、手術をしないと失明すると診断される。
エリッヒ・リッター(ピット・ブコウスキー)
イルゼの夫。働かずにブラブラしているろくでなし。
国家社会主義党(ナチ党)
ヴァルター・シュテンネス(ハンノ・コフラー)
ベルリン突撃隊の指導者。ベンダ殺害の件で党が疑われないよう、ヴェント大佐にグレータの口封じを頼む。フリッツやオットーとともにカテルバッハを追う。
フリッツ/リヒャルト・ペヒトマン(ヤコブ・マッチェンツ)
グレータの元恋人。偽名を使ってグレータに近づき、ベンダ殺害に協力させた。共産主義者を騙っていたが、シーズン2のラストで国家社会主義党の突撃隊員だと判明する。
オットー/ホースト・ケスラー(Julius Feldmeier)
フリッツの友人。フリッツがベンダの手下に殺されたと嘘をつき、グレータにベンダの家を爆破させた。後に国家社会主義党の突撃隊員だと判明する。アーナという恋人がいる。
保守派
クルト・ゼーガース大将(エルンスト・シュテッツナー)
第一次世界大戦の英雄。反共和国を掲げ、かつての立憲君主制を取り戻すべく国防軍を率いる。
アルフレッド・ニッセン(ラーズ・アイディンガー)
民主主義の崩壊を企む実業家。母親の鉄鋼会社を利用して武器を密輸していたが、逮捕されたのを機に重役を解任された。戦没者遺族を援助するアンネマリー・ニッセン財団の集会でヘルガと知り合う。双極性障害でシュミット博士の治療を受けている。
アンネマリー・ニッセン(Marie-Anne Fliegel)
ニッセン家の当主。息子のアルフレッドが逮捕されたのを見て愛想を尽かし、独断で会社から追放する。保守派の官僚や軍部を支援している。
共産主義者
フォルカー医師(ヨーディス・トリーベル)
クロイツベルクの地区委員をしている女医。5月1日デモの裁判でゲレオンが虚偽の証言をしたことを許せず、襲撃して命を狙った。現在は刑務所に収監されている。
ハンス・リッテン(トリスタン・ピュッター)
赤色救援会の弁護士。恵まれない労働者にほぼ無償で法的支援を行い、政治警察に目をつけられている。シャルロッテの依頼を受けてグレータの弁護を引き受ける。
マリー・ルイーゼ・ゼーガース(サスキア・ローゼンダール)
ゼーガース大将の娘。法学部で弁護士を目指す学生。リッテン法律事務所でボランティアをしている。
そのほか
エリーザベト・ベーンケ(フリッツィ・ハーバーランド)
ゲレオンが部屋を借りていた下宿の女主人。ゲレオンとは深い関係に陥るが、ヘルガが現れたことで自然消滅した。カテルバッハに協力するうちに愛情が芽生える。
サミュエル・カテルバッハ(カール・マルコヴィックス)
ベーンケの下宿に住む風変わりな作家兼ジャーナリスト。ゲレオンと親しくなる。ルフトハンザが国防軍を違法に支援しているという証拠を掴み、政治警察やナチスに狙われる。
グスタフ・シュトレーゼマン(ヴェルナー・ヴェルベルン)
外務大臣。元首相。協調外交を推進してロカルノ条約締結、国際連盟加入を実現した。シーズン2でクーデターをもくろむ〈黒い国防軍〉に命を狙われるも、ゲレオンによって回避された。
各話のあらすじと感想(ネタバレ有)
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