ネタバレ有「THE BAY」シーズン1全話あらすじ・登場人物(キャスト)一覧・感想

海外ドラマ「THE BAY~空白の一夜~」あらすじキャスト

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海外ドラマ「THE BAY~空白の一夜~」(全6話)についてまとめました。

2019年に英国で放送された正統派クライムサスペンス。2021年にはシーズン2が放送され、最終章となるシーズン3の製作も決定しています。IMDbの評価は7.0。

海辺の町で高校生の失踪事件が発生。事件を担当することになった刑事リサは、容疑者と秘密を共有することになり、次第に追い詰められていきます。

失踪事件を捜査する巡査部長リサを演じるのは、ドラマ「グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース」のモーヴェン・クリスティ。

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作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2021年4月18日(日)午後0:00~全6話一挙放送
  • 製作国:イギリス(2019年)
  • 原題:The Bay
  • 脚本:ダラー・カービル
  • 監督:リー・ヘイブン・ジョーンズ/ロバート・クイン/ジュリア・フォード

あらすじ

海辺の町の警察に、双子の男女の高校生の捜索願が出される。娘と息子を育てるシングルマザーの女性刑事リサは、上司のマニング警部補の指示により、警察と被害者家族の間をつなぐ“家族サポート官”として、新米刑事メッドとともに自宅を訪ねる。
母親ジェスに事情を聞いていると、そこに双子を捜しに行っていた父親ショーンが帰宅し、リサは愕然とする。彼は前夜、友人たちとバーに行き、一夜だけの関係を持った相手だった。やがて、夫婦がお金に困っていたこと、ショーンが子どもたちと言い争っていたこと、失踪の夜、ショーンに空白の時間があったことなどが分かっていく。そして海岸で遺体を発見され……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

西ランカシャー署

リサ・アームストロング(モーヴェン・クリスティ/声:渡辺明乃)
巡査部長。高校生の娘と息子を持つシングルマザー。ある晩、バーで出会ったショーンと一夜限りの関係を持つ。偶然にも翌朝失踪したショーンの双子の子供たちを捜索することになり、さらに実戦経験のない新人メッドを押しつけられ、ストレスを抱える。

アンソニー・“トニー”・マニング(ダニエル・ライアン/声:石住昭彦)
警部補。リサの上司。新人のメッドに捜査のノウハウを教えるようリサに命じる。事件当夜のアリバイがないショーンを怪しむ。

アフマド・“メッド”・カリーム(タヒーン・モダック/声:白石兼斗)
新米刑事。警察学校を出たばかりで実戦経験がない。リサと行動をともにするが、邪険に扱われて不満を抱く。

被害者とその家族

ショーン・メレディス(ジョナス・アームストロング/声:三木眞一郎)
リサが一夜をともにした男性。失踪した双子の高校生の継父。生活が苦しく、家庭内もうまくいっていないことを明かす。事件当夜のアリバイがなく、警察の捜査にも非協力的であることから、容疑者として逮捕される。

ジェス・メレディス(シャネル・クレスウェル/声:清水みか)
失踪した双子の高校生の母親。妊娠中で、情緒不安定。ショーンは2番目の夫で、双子の実父は離婚した前夫。ショーンを信じ、無実を訴える。

ディラン・メレディス(Noah Valentine)
ジェスとショーンの息子。ユースクラブに行ったきり帰宅せず、行方不明に。警察による捜索が行われるが、桟橋のそばで遺体となって発見される。

ホリー・メレディス(ダーシー・ショー)
ジェスとショーンの娘。ディランとともにユースクラブに行ったきり帰宅せず、行方不明に。

マーガレット(トレイシー・ベネット)
ジェスの母親。事件の夜はショーンが双子を迎えに行くはずだったのに行ってない、と証言。ショーンは信用できないと話す。

リー・ウォード(キアラン・グリフィス)
ジェスの前夫で、ディランとホリーの実父。ショーンに家族を奪われたと証言する。

リサの家族

アビー・アームストロング(イモージェン・キング)
リサの娘。学校でたびたび問題行動を起こし、停学処分を受ける。工事現場で出会った建設業者のヴィンセントに好意を抱き、彼に頼まれて危険な仕事を引き受ける。

ロブ・アームストロング(アート・パーキンソン)
リサの息子。アビーの弟。部屋に籠もりがちで、ネットの掲示板に夢中になっている。

ペニー・アームストロング(リンジー・コールソン)
リサの母。リサの家に同居している。交際中のトムから一緒に暮らそうと誘われ、引っ越しを検討している。

そのほか

ニック・ムーニー(マシュー・マクナルティ/声:奥田寛章)
ショーンの友人。軽度の知的障害を持つ。足が不自由な母親と2人暮らしで、母親の介護をしている。事件の夜、ユースクラブでディランと言い争っていた。

ライアン(フィリップ・ヒル=ピアソン)
失踪した双子の叔父。メレディス家に頻繁に出入りし、義兄のショーンに大金を貸していたことがわかる。

クシシュトフ(ジョーダン・ミフスド)
ショーンの友人。妻のハンナと2人暮らし。

サム(Louis Greatorex)
アビーの友人。ヘスキス議員の息子。誰にも言えない悩みを抱えており、アビーとの仲がこじれる。

ヴィンセント・チャップマン(アダム・ロング)
アビーが工事現場で出会った建設業者。自分に好意を抱くアビーを利用し、ドラッグを届けさせる。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

高校生の娘と息子を持つシングルマザーの刑事リサ・アームストロングは、ある晩友人たちと夜遊びに出かけ、バーで出会った男性と酔った勢いで関係を持つ。
翌日リサが出勤すると、双子の高校生ディランとホリーが失踪する事件が起きていた。家族のサポートを任されたリサは双子の家を訪ね、母親ジェスと父親ショーンに面会。ショーンが昨夜関係を持った男性だと知ったリサは、激しく動揺する。
家出を疑うリサに対して「家族はうまくいっていた」と答えるショーンだったが、その後、生活が苦しく、家庭内で揉め事が増えていたことを打ち明ける。さらに双子はジェスの前夫の子供で、ショーンとは血が繋がっていないことも判明。
記者会見を見た前夫リー・ウォードが署を訪ねてくる。リーはショーンに家族を奪われたと証言。マニング警部補は捜査に非協力的なショーンを疑い、リサに事件当夜の彼のアリバイを調べるよう指示。ショーンはバーで仲間と飲んでいたと証言するが、店の監視カメラを調べると1時間の空白があった。ショーンとの関係を隠すため、リサは密かに自分が映っている映像を削除する。
桟橋のそばでディランの遺体が発見される。リサから報告を受けたショーンは取り乱し、発見現場で騒動を起こす。リサは空白の1時間についてショーンを問い詰めるが、彼は答えようとせず、リサは上司の命令に応じてやむなく彼を逮捕する。

発見されたディランの遺体の頭部には傷があり、争った形跡があった。逮捕されたショーンは取り調べを受けるが、事件当夜の行動をかたくなに話さない。ジェスが夫の無実を訴える一方で、ジェスの母マーガレットは「あいつは信用できない」と言い、事件の夜ショーンが子供たちを迎えにいくはずだったことをリサに話す。
監視カメラの映像から、ショーンが友人クシシュトフの家を訪ねていたことがわかる。クシシュトフの妻ハンナは、ショーンが事件当夜この家にいたこと、自分と彼が不倫関係にあることを明かす。ハンナの証言によってアリバイが成立し、ショーンは釈放される。
SNSを調べると、ユースクラブの外で軽度の知的障害を持つニック・ムーニーがディランと争っている写真が見つかる。リサはメレディス家を訪ねてきたニックと鉢合わせ、逃げようとして暴れるニックを逮捕。母親と弁護士の立ち会いのもと取り調べを行うが、ニックはディランにケンカを売られただけで、何もしていないと主張する。
ショーンは釈放されたニックを密かに監視し、夜中に家を出た彼を尾行する。その頃、ホリーのリュックが発見される。

発見されたホリーのリュックの中には、大量の着替えと現金、新品のプリペイド携帯電話が入っていた。母親のジェスはホリーがどこへ行こうとしていたのか、何も知らないという。
メレディス家はあちこちから借金をしていたが、半年前に突如ショーンの口座に8千ポンドの入金があり、借金をすべて返済していたことがわかる。ショーンはジェスの弟ライアンに借りたと言う。
監視カメラと店主の証言から、事件当夜のニックのアリバイが証明される。ニックはショーンとクシシュトフ、ライアンによって拉致され、ボートハウスに監禁されていた。ショーンたちはニックを尋問してホリーの居場所を聞き出そうとするが、彼は「約束したから話せない」と頑なに拒む。ショーンとクシシュトフは重傷を負ったニックを病院の前に運び、置き去りにして逃げる。
消息を絶つ前日、ホリーは背の高い白人の男と一緒にいたことがわかる。監視カメラには男の足元だけが映っており、リサは同じ靴を履いているライアンを怪しむが、殺されたディランの爪に残っていた血液はホリーのものと判明する。
リサの娘アビーは、工事現場で出会った建設作業員のヴィンセントから預かったドラッグをウィルコに渡すため学校へ行き、友人のサムに託す。だが中身がドラッグだと知ったサムは犯罪に関わることを拒み、ドラッグをトイレに流してしまう。

ニックは重傷を負って病院に運び込まれ、手術を受ける。リサは監視カメラの映像から、ニックを運んだ車の所有者がクシシュトフであることを突き止める。だが妻のハンナによると、車はショーンに貸しているという。
ショーンはニックを捕まえてボートハウスに監禁したことを認めるが、ハンナが警察に出頭し、ニックに暴行したのはライアンだと証言する。ライアンとクシシュトフが逮捕され、ライアンの部屋から袋に入った大金が見つかる。
一方、リサの娘アビーはヴィンセントの頼みを断れず、彼の客たちにドラッグを届ける仕事を続ける。
ニックは意識がもどるが、リサの質問に対して「ホリーと約束したから話せない」と繰り返し、サマーキャンプで歌っていた歌を口ずさむ。リサと捜査班はサマーキャンプの場所へ向かい、廃墟となった建物の中に隠れていたホリーを見つける。

無事に保護されたホリーだったが、ジェス以外の家族に会おうとしない。ホリーは妊娠したことを打ち明け、ユースクラブからの帰りにディランと喧嘩になったがその後のことは知らないと話す。
ジェスとホリーは安全のためビジネスホテルに滞在することに。だがホリーはジェスの目を盗んでホテルを抜け出し、入院中のニックを見舞いに行く。ホリーはニックを酷い目に遭わせたショーンに激怒し、リサに「船を調べて」と言う。
ショーンの船を調べるとドラッグが見つかる。ホリーが持ち出した金は、ショーンの船から盗んだものだった。警察の事情聴取に対し、ショーンはドラッグの運び屋をやっていたことを明かす。
ロブは祖母ペニーの大切な指輪を売って金を作ろうとするが、警察に通報されて家族に露呈してしまう。ネットの掲示板に煽られて盗みを働いたことを打ち明けるロブ。リサは弁償して謝罪するように告げ、パソコンを没収する。
ニックの証言により、ホリーが遺体発見前にディランの死を知っていたことが判明。リサに追及されると、ホリーは「私がやった」と話す。
メッドはバーの監視カメラの映像を見て、リサとショーンが事件の夜に関係を持っていたことを知る。証拠隠滅だとリサを責めるメッドに対し、リサは「ただ恥を隠したかっただけ」だと釈明するが、その会話をショーンの妻ジェスに聞かれてしまう。
リサは上司のマニングにすべてを打ち明け、捜査から外されて自宅謹慎を命じられる。

ホリーは事件の夜に一緒にいた男について話そうとせず、「愛し合っている」とだけ告げる。マニングはホリーの目を覚まさせるため、記者発表をすることを決める。
自宅謹慎を命じられたリサは、怪しい行動を取るアビーを尾行し、男にドラッグを渡しているところを目撃。リサが踏み込むと男は逃げ、怯えきったアビーは泣き出してしまう。
アビーからヴィンセントのことを聞いたリサは、メッドに頼んで調べさせる。彼の本名はヴィクター・クックで、マンチェスターで指名手配中のかなり危険な男だった。リサは建設現場に忍び込み、大量のドラッグが隠されていることを突き止める。
逮捕されたヴィンセントは、ドラッグについては認めるものの、双子の事件とは無関係だと主張。ホリーもヴィンセントについては「知らない」と証言する。警察には「ホリーは犯人じゃない」という匿名の通報が入り、逆探知で調べるとヘスキス議員のオフィスであることが判明する。
アビーは友人のサムに告白したが振られたことや、彼が先週からそわそわして様子が変だったことをリサに話す。リサはサムに会いに行き、彼がホリーの恋人だと知る。
事件の夜、サムはホリーと町を出る計画だったがディランに止められ、揉み合いになって彼を殴り、ディランは倒れた拍子に頭を打って死んだのだった。サムはそのまま逃げようとしたがホリーは耳を貸さず、立ち去ったという。リサはサムを署に連行する。
ショーンはドラッグに関する情報を警察に提供すると決め、その代わりに家族を守るよう手配してほしいとリサに頼む。ジェスはショーンと別れることを決める。
マニング警部補はリサの家を訪ね、事件の経過を報告するとともに、謹慎が今後も続くことを伝える。調査が行われ、懲戒委員会で審問されることになるという。
ジェスたち家族はディランの遺灰を海に撒く。リサは彼女に「できることがあったら何でも言って」と声をかけ、ジェスは「ありがとう」と答える。

感想(ネタバレ有)

美しい海辺の町で起こった双子の高校生の失踪事件。双子の父親ショーンは、刑事のリサが前の晩にハメを外して関係を持った男性だった…という良からぬ状況から物語が始まります。

リサは事件の夜にショーンと会っていたことを隠しつつ捜査にあたるので、不都合なことが出てきます。

まずは監視カメラの映像。自分が映っているのを誰にも見られないよう、彼女は自分が確認すると申し出て、その後すぐにデータを削除。そして上司から面倒を見るよう頼まれた新人メッドを遠ざけ、なるべく別行動を取ります。

隠したくなる気持ちはわかるけど、こういうのは絶対にバレるし、あとで確実に問題になるんだよな…と不穏な気持ちに。予想どおり、終盤に最悪な形で露呈してしまい、リサは上司から謹慎を言い渡されてしまう。

リサが関係を持ったショーンも、信用できない人物であることが徐々にわかってきます。浮気、借金、ドラッグと、まわりにいる大切な人を裏切りながら、「家族を守るため」という言葉を免罪符のように繰り返すショーン。

「家庭に問題はなかった」というショーンとジェスの言葉は、現実から目をそらす彼らの一方的な希望であることがわかります。

被害者家族のサポートをするうち、リサ自身も子供たちと向き合っていないことに気づかされていく。リサの娘アビーは町で知り合った男から危険な仕事を頼まれ、犯罪に加担していく。息子のロブはネットの掲示板に煽られて万引き行為を繰り返す。

2人とも悪い方向へ進んでいることには気づいているけれど、誰にも相談できず、まして刑事の母親にはとても言えず、ひとりで何とかしようと藻掻く。

リサも、リサの子供たちも、ショーンも、事件に巻き込まれたホリーも、ひとりで悪い状況を打開しようとして、泥沼にはまってしまう。

「恥ずかしい」「情けない」という気持ちから、誰にも知られないように自分で解決しようとする。これは多くの人が経験しているんじゃないかと思います。わたしもいくつか身に覚えがあって、思い出すと今でも冷や汗が出ます。

うまく隠し通せたこともあるけれど、どうにもならずに告白したこともあります。ものごとが重大であればあるほど、早めに他人の力を借りたほうがいい、というのは、ある程度大人になってからわかったこと。

事件の解決が比較的おだやかだったのが救い。ドラマでは詳しく描かれなかったけれど、サムもまた父親(ヘスキス議員)に相談できず、ひとりで問題を抱え込んだ結果だったのだろう。

謹慎中のリサがその後どうなるのかは、シーズン2で明らかになります。続編では彼女の元夫も登場するみたいなので、さらに家庭事情が複雑になりそうです。

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