ネタバレ有「グランチェスター」全話あらすじ・感想・キャスト・予告動画

海外ドラマ「グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース」シーズン1あらすじキャスト

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「グランチェスター」記事一覧

英国ドラマ「グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース」シーズン1(全6話)についてまとめました。

ウィスキーとジャズをこよなく愛する若き牧師探偵登場! 1950年代、ケンブリッジ近郊の小さな村グランチェスターを舞台に、牧師シドニー・チェンバースが謎の事件に挑む!英ITVの大人気テレビシリーズ!

AXNミステリー公式サイトより

小さな村で牧師をつとめる主人公が、数々の事件を解決するミステリードラマ。一話完結でシリーズ5まで放送され、シーズン6も製作が決定しています。IMDbの評価は7.9。

1950年代のケンブリッジ近郊という設定で、ロケーションがとても美しいです。エピソードの最後に語られるシドニーのお説教も胸に染みます。「刑事モース」が好きな人におすすめ。

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作品概要

  • 放送局:BS11
  • 放送時間:2021年5月1日(土)から毎週土・日曜9:59~
  • 製作国:イギリス(2014年)
  • 原題:Grantchester
  • 原作:ジェームス・ランシー『The Grantchester Mysteries』
  • 脚本:デイジー・クーラム
  • 監督:ジル・ロバートソン/ティム・ファイウェルほか

あらすじ

ケンブリッジ近郊のグランチェスターで、若き牧師シドニー・チェンバースの司式により、自殺した弁護士の葬儀が行われた。葬儀後、故人の共同経営者の妻が シドニーに驚きの告白をする。彼女は故人と関係を持っており、故人は自殺ではなく殺されたと言うのだ。果たしてそれは本当なのか、本当ならば犯人は…?  警部補のキーティングと力を合わせ、シドニーが真相解明に乗り出す。

AXNミステリー公式サイトより

予告動画

原作について

このドラマの原作は、作家でありTVプロデューサーでもあるジェームス・ランシーのミステリー小説『The Grantchester Mysteries』(2012年刊行)です。残念ながら邦訳はされていないようです。

著者の父親は、元英国国教会カンタベリー大主教のロバート・ランシー。本作の主人公シドニー・チェンバースのモデルは、若かりし日のロバート・ランシーとされています。

聖職者である父を持つ、著者ならではの視点が生かされた作品となっています。

牧師と神父の違いは?

一般的にプロテスタント教会では「牧師」、正教会やローマ・カトリック教会では「神父」という言葉が使われます。
ちなみに「牧師」は職名で、一般信徒からは「先生」などの敬称で呼ばれます(ドラマの主人公シドニーも、村の人々からは「先生」と呼ばれています)。一方、カトリックでは「司祭」が職名で、「神父」が敬称です。
プロテスタントの「牧師」は家庭を持つことができますが、「神父」は独身でなければなりません。
※ドラマに登場する教会は英国国教会で、プロテスタントに属します

物語の舞台となっているグランチェスターは実在する村で、ケンブリッジから自転車で15分ほどの場所にあります。劇中にもたびたび登場するケム川のほとりにある静かな村です。

登場人物(キャスト)

シドニー・チェンバース(ジェームズ・ノートン)
ケンブリッジ近郊グランチェスター教区で牧師をしている。ウィスキー、ジャズ、バックギャモンが大好き。第2次世界大戦で近衛連隊として戦った経歴があり、当時の記憶が深く刻まれている。友人のアマンダを愛しているが、言い出すことができない。

ジョーディ・キーティング(ロブソン・グリーン)
シドニーと協力して事件を解決する警部補。正直でユーモアがあり、善悪の区別がハッキリしている。シドニー同様、第2次世界大戦で戦った経験を持つ。捜査に忙殺されながらも、愛する妻や子供たちを大事にする家庭人。シドニーと酒を飲みながらバックギャモンをするのを楽しみにしている。

アマンダ・ケンダル(モーヴェン・クリスティ)
シドニーの学生時代からの友人。勤務先である美術館でシドニーと偶然再会し、意気投合した。毎週ロンドンからグランチェスターまで通っていたが、ある日突然、父親が望む男性との婚約を決める。

マグワイア夫人(テッサ・ピーク=ジョーンズ)
シドニーやレナードの世話をする家政婦。生活態度に厳しく、歯に衣着せぬ発言をするが、彼らを一番近くで温かく見守る人物。彼女の作るケーキは絶品。夫は戦争中に失踪している。

レナード・フィンチ(アル・ウィーヴァー)
勤勉で几帳面な副牧師。優しい性格で、1950年代は違法とされていた同性愛者でもある。ロシア文学や王室の歴史にも精通するかなりの読書家。シドニーの代わりに礼拝で説教することもあり、よくカントの言葉を持ち出す。

ヒルデガード・ストーントン(フェリーネ・ロッガン)
第1話でシドニーが葬儀を司式したスティーブンの妻。ドイツ人で、周囲から特別な目で見られている。夫を亡くして孤立し、一度は故郷ベルリンに戻るが…。

ジェニファー・チェンバース(フィオナ・バトン)
ロンドンに住むシドニーの妹。アマンダとは同級生だった。ジョニーと交際中。

ガイ・ホプキンス(トム・オースティン)
アマンダの婚約者。シドニーに結婚式の司式を依頼する。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ケンブリッジ近郊のグランチェスター。若き牧師シドニー・チェンバースは自殺した弁護士スティーブンの葬儀を司式する。ドイツ人である故人の妻ヒルデガードは、周囲から特別な目で見られ孤立していた。
葬儀の後、シドニーは故人と共同経営していたモートンの妻パメラから、「彼は自殺じゃない」との告白を受ける。パメラはスティーブンと不倫関係にあり、駆け落ちを誘われていたという。
シドニーは警察を訪ね、キーティング警部補に面会する。スティーブンには借金があり、資金流用が露呈しそうになったため自殺したのだろうと警部補は判断していた。現場には「これ以上は無理だ。どうか許してくれ」と書かれた本人の遺書も発見されていた。
シドニーが好意を持っている友人アマンダが訪ねてきて、婚約したことを告げる。祝福の言葉を伝えるも、動揺を隠せないシドニー。アマンダはシドニーの寂しさを埋めようと黒い犬を贈る。
アマンダとの会話で、現場に残されていた遺書が「別れの手紙」だと気づいたシドニーは、スティーブンの遺品の中から手帳を盗み出す。手帳に書かれている電車の時刻は、ある人物を示す暗号になっていた。
シドニーと警部補は一計を講じ、犯人をおびきだす。駅のホームで電車を待っていたパメラは、スティーブンの助手のアナベル・モリソンに突き落とされそうになる。犯人はアナベルだった。
彼女もまたスティーブンと不倫関係にあり、スティーブンから別れを切り出されて彼を殺害し、自殺を偽装して第一発見者を装ったのだった。
ヒルデガードはドイツに帰るため、ひとりで汽車に乗る。シドニーは彼女の乗った汽車を自転車で追いかけ、手を振る。

妹のジェニファーに誘われ、シドニーは密かに想っているアマンダの婚約祝の夕食会に出席する。アマンダの学友リリアンはなぜか不機嫌で、夕食のあとで小さな揉め事を起こしてしまう。その騒ぎのさなかアマンダの婚約指輪がなくなり、ジェニファーの恋人ジョニーが疑われることに。
翌朝、リリアンは川で他殺体となって発見される。ジョーディに協力を求められたシドニーは、夕食会の出席者たちに話を聞くことに。誰もがジョニーを疑う中、ジョニーのバッグからリリアンの首飾りと指輪が見つかる。逮捕されたジョニーは無実を主張し、シドニーに疑いを晴らしてくれと頼む。
リリアンの後頭部には直線の傷がついていたことから、別の場所で殺されて川に捨てられたと推測するシドニー。リリアンの家を調べると、階段に血痕が残っていた。リリアンの夫ウィリアムは、口論になって彼女を突き飛ばしたと告白する。
アマンダの婚約指輪を見つけたシドニーは、夕食会に出席していたダフネの同居人レナードに頼んで彼女の書斎に入り、ウィリアムから送られた手紙を発見する。ダフネとウィリアムは不倫関係にあり、夕食会の席でリリアンに露呈してしまったのだ。
ダフネが指輪を盗んだのは、リリアンが2人の不倫を暴露しようとしたのを察し、話を逸らそうとしたためだった。ダフネはその夜ウィリアムの家を訪ね、リリアンを突き飛ばして殺害。ウィリアムと一緒に遺体を川に運び、ジョニーに罪を着せたのだった。
ジョニーは釈放され、ジェニファーとともにシドニーの誕生日を祝う。シドニーの過労を心配したマグワイア夫人は大執事をケーキで買収し、レナードを副牧師に任命させる。
アマンダがプレゼントを持って訪ねてくる。縁談は父親同士が望んだことで自分の意志は無視されたと語るアマンダだったが、シドニーは彼女の結婚を祝福する。

アマンダとガイに結婚の司式を頼まれるが、大主教の許可が下りなかったと嘘をついてしまう。翌日、教区民のイザベラが恋人のアーサー・エバンスを伴って相談に訪れ、病床の母デイジーに結婚を反対されていると話す。
デイジーはエバンスに命を狙われていることをシドニーに告げ、まもなく本当に亡くなってしまう。だがロビンソン医師は乳がんによる合併症だと判断。検察官も解剖を行わず、デイジーの遺体は火葬に出されてしまう。
イザベルは妊娠していたが、父親であるエバンスは金と宝石を盗んで逃亡。警察に捕まった後も「殺人はしていない」とデイジー殺害を否定する。
やがてデイジーの遺産を受け継いだ妹のグラディスまでもが自宅で亡くなる。彼女の家から写真を盗んだ老人ジャックが逮捕されるが、彼はデイジーの元恋人で、イザベルの実の父親だった。
シドニーは部屋に争った痕跡がなかったことから、医師のロビンソンに辿り着く。彼は病に苦しむ患者を安楽死させていたのだ。グラディスもまた、姉と同じ乳がんを患っていた。
シドニーは人の命を奪う行為を咎めるが、ロビンソンは「私は良心に恥じていない」と断言し、戦争体験のあるシドニーに同じ問いかけをする。
断酒宣言をしていたシドニーだが、ジョーディに誘われて再び酒を飲む。そしてアマンダに挙式が認められたことを伝え、ドイツにいるヒルデガードからの手紙に「ぜひ遊びに来てください」と返事を書く。

ある朝、近所のテイラー家が燃えているのに気づいたシドニーは、炎の中に飛び込んで夫人のマリオンを救出する。夫のドミニクはパブの経営者ホールの仕業を疑っていた。
数日後、ドミニクが遺体で発見される。ジョーディーは重病の息子を妻キャシーに任せて捜査に乗り出すが、常に苛立ち、彼らしくない言動を繰り返す。
ホールは店の騒音の件でドミニクと揉めていたことを明かすが、殺人は否定。やがてドミニクが同性愛者だったことが判明する。
火事の日の朝、マリオンは夫を脅迫する手紙が届いたことを明かす。火事の原因は、動揺した彼女が手紙を燃やそうとして火をつけ、床に落としたためだった。脅迫状の送り主はホールで、ドミニクとベンの関係を知って金を強請っていたことを認める。
シドニーは秘密を守ることを約束してベンに捜査協力を願うが、ジョーディは有無を言わさずベンを逮捕し、結果的に彼らの秘密を暴くことに。シドニーとジョーディの関係も険悪になってしまう。
やがて現場の近くで凶器が見つかり、ベンの父親ビックが逮捕される。ビックは息子の同性愛を止めるため、ドミニクを殺したのだった。ベンはわいせつ罪と司法妨害罪に問われるが、ジョーディは起訴しないことを約束する。
事件を解決したジョーディが帰宅すると、息子は熱が下がり快方に向かっていた。シドニーはドイツから一時的に戻ったヒルデガードとの距離を縮め、彼女のピアノを牧師館で預かることを決める。

シドニーとジョーディはロンドンを訪れ、ジョニーの父アーチーが経営する店でジャズ・ライブを楽しむ。ところがライブの最中、ジョニーの妹クローディが何者かに殴り殺され、店の裏で遺体で発見される。
クローディにはウォルターという黒人の恋人がいたが、アーチーは2人の交際に反対していた。葬儀の日、ジョニーはクローディが父親から逃げるため、家出を計画していたことを明かす。
クローディを殺した犯人は、従業員のジャスティンだった。アーチーは12年前、妻の浮気相手だったチャーリー・ラッシュを殺害し、ウィリアムズ警部に賄賂を渡して事件を隠蔽していた。ジャスティンはラッシュの息子で、復讐のためクローディを手にかけたのだ。
シドニーとアマンダの仲に気づいた婚約者のガイは、シドニーの司式を断りロンドンで式を挙げることを決める。アマンダへの想いを断ち切れず、ジャズ歌手のグロリアに誘われるまま一夜限りの関係を持ってしまうシドニー。自らの行為を恥じたシドニーは大切にしていたジャズのレコードを処分するが、ヒルデガードが取り戻す。

アマンダの結婚式の招待状が届き、憂鬱な気持ちになるシドニー。4年前、たまたま訪れた美術館でアマンダと再会し、意気投合したことを思い出す。
そんな折、ジョーディの部下ジョンジーが何者かに射殺される。シドニーと捜査に乗り出したジョーディは、ある工場を捜査中に犯人に撃たれ、意識不明の重体となる。罪悪感に襲われるシドニーだったが、レナードとマグワイア夫人に励まされ、一人で捜査を続行する。
殺されたジョーンジーと工場の管理人には共通点があった。どちらも戦争中、ジェームズ・ヒースの部下だったのだ。シドニーはもうひとりの部下ロバート・ミラーを探し当て、ヒースが戦争中にベルリン郊外で若いドイツ兵の捕虜を射殺したという話を聞き出す。
シドニーはミラーとともにヒースを告発しようとするが、ミラーの腕にハートの入れ墨があることに気づく。ジョーディは病院に運ばれる前、シドニーに「ハート」と告げていたのだった。
ミラーが犯人だと気づいたシドニーは、銃を向ける彼を説得しようとする。捕虜を殺した過去の記憶に苦しめられていたミラーは、過去にとらわれず生きている仲間たちが許せなかったと話し、自ら頭を撃ち抜いて死ぬ。
シドニーは病院で意識を取り戻したジョーディに、戦争で部下を死なせたことを明かす。自分の判断ミスで敵の襲撃を受け、致命傷を負った部下を自らの手で葬ったという。ジョーディは「君は間違ってない。誰でもそうした」と告げる。
アマンダに結婚をやめるよう忠告するシドニーだったが、執拗に絡んで騒ぎを起こし、追い出されてしまう。ヒルデガードからも別れを告げられたシドニーは、運命を受け入れることを決め、アマンダと決別する。

感想(ネタバレ有)

イギリスののどかな田舎の風景と、シドニーの愛に溢れた説教に癒やされました。

戦争や人種差別、同性愛など深刻なテーマを含むエピソードもありましたが、全体的に優しい空気感を持った穏やかな作品。主人公のキャラクターがそうさせてるんでしょうね。ジョーディとの関係もよかったです。

面白かったのが、シドニーのモテモテ恋愛事情。ある意味、事件以上にハラハラしました。

相思相愛のアマンダとはそのままうまくいきそうに見えたのに、ハッキリ言葉にしないシドニーにしびれを切らしたアマンダが父親の圧力に負けて別の男性と婚約。その後もアマンダとモヤモヤした関係を続けつつ、ヒルデガードやグロリアにも手を出す優柔不断なシドニー。

シドニーがアマンダに求婚すれば、全部うまくいったと思うんですけどねぇ(あのお父さんはかなり手強そうではあるけど)。

アマンダの結婚式のシーンで終わってしまいましたが、シーズン2にも彼女は登場するので、この2人のモヤモヤ関係はこの後も続くみたいです。

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