WOWOW「悪党 ~加害者追跡調査~」全話ネタバレあらすじ感想・登場人物(キャスト)・原作

WOWOWドラマ「悪党」

記事内に広告を含みます

「悪党」の記事一覧を見る

WOWOWの連続ドラマ「悪党~加害者追跡調査~」(全6話)についてまとめました。

犯罪の加害者・被害者両面の心理を鋭く描き出す作家・薬丸岳氏の小説をドラマ化。「友罪」「護られなかった者たちへ」などの瀬々敬久監督がメガホンを取り、きれいごとでは済まされない究極のテーマを現代に問い掛けます。

完成披露試写会で第1話だけ先に拝見しました。心にずしんとのしかかる、重いストーリーでした。

主演の東出昌大さんがびっくりするほどハマっていました。息が詰まるような緊張感のあるシーンが多く、俳優さんたちの真に迫る演技も見どころです。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:5月12日(日)から毎週日曜夜10時~【全6話】
  • 原作:薬丸岳『悪党』
  • 脚本:鈴木謙一
  • 監督:瀬々敬久
  • 音楽:大間々昂

あらすじ

警察を辞め探偵事務所で働く佐伯修一(東出昌大)は、とある夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰している加害者の男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。所長の木暮(松重豊)の命令で調査を開始する佐伯だが、彼自身も幼いころに姉を殺された被害者遺族で、犯人への復讐心を胸に抱えて生きてきた。調査を進めると、対象の男・坂上(青柳翔)は振り込め詐欺をし、さらなる犯罪に手を染めていた。夫婦は、坂上を観察していた佐伯に「その男を赦すべきか否か、その判断材料を見つけてほしい」と追加依頼する。そして坂上に接触した佐伯は、ある結論を夫婦に告げる。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、薬丸岳さんの小説『悪党』(2009年刊行)です。

ドラマを視聴する前に原作を読みました。簡単には感想が書けないような、複雑で重厚な内容でした。事件に関わるのは決して加害者と被害者だけではないことを思い知らされます。

佐伯は加害者調査をする中で、さまざまな犯罪加害者と被害者遺族たちに出会います。彼らの選択はひとりひとり違っていて、どれが正解かなんてわからない。

そのひとつひとつと向き合いながら、佐伯自身も姉を殺された事件と向き合い、加害者を赦すべきか罰を与えるべきかという苦しい選択を迫られます。

後半、佐伯が姉を殺した犯人のひとり、榎木和也と対峙する場面には心を揺さぶられました。

登場人物(キャスト)

※第5話までのネタバレを含みます

ホープ探偵事務所

佐伯修一(東出昌大)
元警察官。高校生の姉をレイプの末に殺された過去があり、犯罪者に対する憎しみが強い。探偵として様々な依頼に向き合う傍ら、姉を殺した3人の男の行方を追っている。捜査の過程で冬美と出会い、愛するようになる。

木暮正人(松重豊)
ホープ探偵事務所の所長。元刑事。警察を免職となった佐伯を探偵の世界へと引き込んだ張本人。飄々としているが徹底した拝金主義で、金にならない依頼人には興味がない。甘いものに目がない。過去に囚われている佐伯に加害者追跡調査を命じ、過去と向き合わせようとする。

染谷久美子(板谷由夏)
ホープ探偵事務所の事務員。佐伯と木暮から“お染さん”と呼ばれ頼られている。「知らないけど」と無関心を装うのが口癖。

調査依頼者

細谷博文(渡辺いっけい)
細谷健太の父親。息子を殺した坂上を調査してほしいと依頼し、佐伯に「坂上を赦すべきか否か判断してほしい」と言う(第1話)。佐伯が出した答えを聞いた後、路上で坂上を刺して逮捕され、殺人未遂で懲役6年を求刑される(第2話)。

早見剛(寛一郎)
建設会社の従業員。「弟を虐待死させた母親の消息を探って欲しい」と依頼する。事件当時の記憶に今も苦しめられており、恋人の妊娠にも戸惑っている。佐伯が探し出した母・紀子と再会し、父親になる決意をする(第2話)。

松原弥生(篠原ゆき子)
松原文彦の姉。殺人犯の弟を忌み嫌い、遠ざけている。佐伯に「余命少ない母親の前に前科者の弟を連れてきて欲しい」と依頼する。母親の死によって依頼を取り下げようとするが、佐伯に説得されて文彦と再会。向き合っていくことを決意する(第3話)。

鈴本茂樹(柄本明)
少年事件を得意とする弁護士。現在は休職中で、「かつて弁護した少年犯が更生しているどうか知りたい」と久保田篤史の追跡調査を依頼。ゆかりの事件の弁護も担当している。1年前に娘を殺されており、犯罪被害者遺族となったことで自身の仕事に疑いを抱くようになる(第4話)。

追跡対象(犯罪加害者)

坂上洋一(青柳翔)
特殊詐欺グループのリーダー。11年前に細谷の息子・健太を暴行死させ、少年院に入っていた。佐伯を信用して詐欺グループに引き込もうとするが、土壇場で佐伯が拒んだことで疑念を抱き、身元を調べて佐伯の過去を知る。路上で細谷に刺され、脊髄損傷で半身不随となる(第1・2話)。

前畑紀子(山口紗弥加)
元ホステス。16年前、自分の息子である4歳の剛と1歳の翼をアパートに閉じ込めたまま2か月間戻らず、翼を衰弱死させて懲役5年の実刑を受けていた。現在は社会復帰し、結婚して出産を控えている。思いがけず成長した剛と再会し、泣き崩れる(第2話)。

松原文彦(中島歩)
元強盗殺人犯。松原弥生の弟。服役中に仮釈放が認められるが、姉の弥生が身元引受人になることを拒んだため申請がおりず、満期まで刑務所に服役することとなった。出所後も仕事に就かず、自分を見捨てた姉のことを恨んで自暴自棄な生活を送っている(第3話)。

久保田篤史(平埜生成)
鈴本が弁護した元強姦犯。本人は「合意だった」と主張するが認められず、情状面に訴えて求刑より軽い懲役2年6か月の判決が下った。出所して社会復帰を果たしていたが、火事で逃げ遅れた少年を助けて重体となる(第4話)。

佐伯家

佐伯敏夫(益岡徹)
修一の父。理容室を経営している。15年前の修一の誕生日にアウトドアナイフを贈る。

佐伯尚子(大島葉子)
修一の母。ゆかりの事件以来、心を閉ざすようになる。

佐伯ゆかり(池田朱那)
修一の姉。15年前の修一の誕生日に、榎木・寺田・田所によってレイプされ殺害された。

元少年犯

榎木和也(波岡一喜)
自動車部品工場の工員。ゆかりを殺害した犯人のひとり。主犯。鈴本が弁護を担当し、求刑より軽い懲役10年の判決を受けた。5年前に社会復帰している。

寺田正志(山中崇)
アダルトショップの店員。ゆかりを殺害した犯人のひとり。過去の犯罪をネタに田所を脅し、金を強請っている。15年前にゆかりを殺害したときの犯行の一部始終を撮影したDVDを隠し持っている(第4話)。

田所健二(三浦誠己)
ゆかりを殺害した犯人のひとり。社会復帰後はラーメン屋を経営している。キャバクラ嬢のゆかりに愛人契約を持ちかける一方で、社長令嬢との結婚が決まっている(第2・3話)。寺田から過去の犯罪をネタに金を強請られている(第4話)。

警察

柏木俊之(森岡龍)
佐伯の同期の刑事。佐伯が免職になるきっかけとなった事件にも関わっている。過去に囚われている佐伯を心配し、忠告する。

斉藤(嶋田久作)
柏木と動きを共にする年長の刑事。

そのほか

はるか(新川優愛)
田所健二が執心しているキャバクラ嬢。本名は伊藤冬美。田所の調査にやって来た佐伯と出会い、やがて調査に協力するようになる(第2話)。店の外で会ううちに佐伯に心を寄せるようになり、普通の恋人同士のように付き合いたいと思い始める(第3話)。
佐伯の頼みで寺田の部屋に盗聴器を仕掛け、寺田と田所の会話を聞いて佐伯との関係を知る(第4話)。寺田が持っていたDVDを奪い、寺田から暴行を受けて重傷を負う(第5話)。

遠藤りさ(蓮佛美沙子)
細谷健太を暴行死させた坂上洋一の彼女で、介護施設に勤めている。父親を殺された過去を持つ。坂上の過去や詐欺グループのことは何も知らずに付き合っていたが、坂上が事件に巻き込まれたことで全てを知る(第1・2話)。
坂上から別れを告げられた後も、坂上の世話を焼いている(第3話)。

各話のあらすじと感想(ネタバレ有)