ネタバレ有「アストリッドとラファエル」シーズン5全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧

「アストリッドとラファエル」シーズン5あらすじキャスト

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各話の登場人物(ネタバレ有)

第1話・第2話

アリス・アリオ
被害者。カナダ出身のフリーの翻訳家。公園で蛇の猛毒を注入され殺された。本名はアシュレー・オマハ。CIAのエージェントであり、エミリー・ブラッドウェイを監視していた。

レプタイル
フランス最凶の殺し屋。狙撃銃を使い、蛇の毒を被害者に注入して殺害する。6年前に活動をやめ、一般人として家族と静かに暮らしていたが、“アキレス”に息子を誘拐されてアリス・アレオ殺害を実行するよう脅迫される。本名はカミーユ・シカール。

エミリー・ブラッドウェイ
アメリカ人の小説家。被害者のアリス・アリオが監視していた人物。数か月前からコメルス通りの家に滞在し、小説を執筆している。本名はケリー・クラーク。国家反逆罪で手配されており、CIAが追っている人物。

ダゴベール
DGSE(フランス対外治安総局)職員。アリス・アリオの殺害をレプタイルに依頼した人物“アキレス”を捜している。同じ目的を持つラファエルとアストリッドを雇い、スパイ活動を命じる。

マルク・ヴァソア
DGSE(フランス対外治安総局)職員。技術者。アストリッドにソフトの使い方を教える。

アキレス
殺し屋“レプタイル”にアリス・アリオの殺害を命じた人物。“レプタイル”の息子を誘拐し、脅迫した。“アキレス”はDGSEが付けた呼び名で、本人が使用する暗号名は“アザトース”。

第3話

マキシム・リヴィエール
バシェール警視正の親友。何か月も同じ悪夢に悩まされ、バシェールに相談する。夢の内容は1996年5月20日に発生した殺人事件と酷似しており、殺されたチベット僧の生まれ変わりという説が浮上する。

ノルブ師
ドルジェ寺院のチベット僧。1996年5月20日に寺院周辺の森で遺体が発見された。薬物依存者による犯行として解決済みだったが、今回の捜査で新たな証拠が発見され、ドルジェ寺院内の書庫で殺害されたことが判明する。
本名はミン・ナンで、中国人。90年代に中国共産党に傾倒し、ラサの暴動でチベット人を弾圧した過去を持つ。中国のスパイとしてドルジェ寺院に潜入していた。

ナクチュ師
故人。1996年当時のドルジェ寺院の責任者。事件の前、何度もラ・グラーヴの村を訪れていた。事件の5日前から寺の内部への立ち入りを禁じ、密かにバイユール親子を書庫に匿っていた。

ギャンツェ・リンポチェ師
現在のドルジェ寺院の責任者。仏教徒であるバシェール警視正とは面識がある。ラファエルたちの捜査に協力する。

ロデン師
ドルジェ寺院の僧。人のオーラが見える。捜査が始まってまもなく、寺院内で転落死する。1996年当時、ナクチュ師とともにラ・グラーヴの村を訪れ、バイユール親子を連れ帰り寺院に匿っていた。

トクメ師
ドルジェ寺院の僧。施設出身。トクメ師に救われたことから、彼を父親のように信頼していた。

トゥルク・リンパ
故人。民を団結させ中国に抵抗したチベットの高僧。死を迎える前、「生まれ変わりの子どもは“激流に挟まれた山の輝き”の中に生まれる」と書き置きを残した。

オロール・バイユール
1996年当時、ラ・グラーヴの村に暮らしていた女性。2歳の息子が命を狙われ、ナクチュ師とロデン師に助けられて寺院に身を隠していた。のちにマキシムの母オドレイ・リヴィエールと同一人物であることが判明する。

第4話

フィリップ・デスモンド
被害者。アステカ文明の遺物の収集家で、有名なトレジャーハンター。自宅で遺体となって発見された。遺体はアステカ文明の儀式のように心臓が抜き取られていたが、のちに拷問を隠すための演出だったことが判明する。伝説の黄金郷「エルドラド」の場所を発見し、日記に書き残していた。

ネカリ・カントゥ
デスモンドの息子。メキシコのジャングルに住む原住民だったが、7歳のときデスモンドの養子となり渡仏した。現在は森の奥で暮らしている。略奪された美術品の返還を求める活動をしており、数々の犯罪歴がある。

パロマ・バルデス
デスモンドがメキシコで紛失した「遠征日記 第22巻」を落札した女性。その後、メキシコ最凶の犯罪組織チワパン・カルテルの襲撃を受け、日記を奪われた。

ファビアン・ルクサン議員
元外交官。デスモンドと同時期に15年メキシコに駐在した。国民議会の図書館に通い、先コロンブス時代のコデックス「ボルボニクス絵文書」の写真を撮っている。

第5話

ローガン・ウィリス
被害者。モルモン教徒。教会で遺体が発見される。モルモン教の創始者ジョセフ・スミスと同じ殺された方をしたことから、“新たな預言者”として教徒たちから神格化されることに。模範的な教会員で、教区の会計係をしていた。

アダン・ロワゾー
モルモン教コミュニティの指導者。各県と契約し、戸籍をデジタル化している。事件の通報を真っ先に行った人物で、教徒の中では唯一、警察の捜査に協力的。本名はシルヴァン・ブラケッティ。20年前に警察官を殺害し、逃亡中の強盗。

ペネロペ・ウィリス
ローガンの妻。信心深く、警察の捜査には非協力的。末娘のエリザベトが今もアフリカで布教中だと信じている。高性能な防犯カメラを自宅に設置している。

エリザベト・ウィリス
ローガンとペネロペの娘。絵が得意。両親に嘘をついてコミュニティを脱出した。父ローガンが落書きの犯人である証拠を見つけ、ラファエルに報告する。

ディノ・カルーゾ
3か月前にローガンと言い争いをした男。イタリアのマフィア“ンドランゲタ”の元構成員。現在は仮釈放中。シルヴァン・ブラケッティからの依頼を受けてローガンを突き飛ばしたと明かす。

アントワネット・ロボンブ
シルヴァン・ブラケッティの祖母。

ジュディット・ジェルニヴァル
16歳の少女。モルモン教徒。自称“ローガンの弟子”。ローガンを崇拝している。

ジョセフ・スミス
末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の創始者であり預言者。1844年、暴徒との銃撃戦の末に死亡。30人以上の女性と結婚していた。

第6話

デルフィーヌ・シモン
プロファイラー。連続殺人事件を解決するため捜査に参加。ラファエルやアストリッドと協力し、犯人を突き止める。4人の子どもを持つ母親。

ザイナブ・アスマン
ナイジェリア人。連続殺人事件の唯一の目撃者。犯人を「体中が毛で覆われた狼人」だと証言する。6年前に姉のポリヤナと渡仏するも、姉は4年前に失踪。売春組織に捕らわれており、路上で売春を強いられている。

オズワルド・ジョンソン
タンパク同化男性化ステロイド(AAS)の密売人。ブードゥー教徒。AASの密売で一度起訴されるも、立証されず釈放された。過去にハイエナの飼育で罰金刑を科されている。売春組織の仲介人で、ザイナブとポリヤナ姉妹をだまして渡仏させた。

第7話

イヴ・ド・テルシ
ド・テルシ牧場の経営者。殺害された競走馬フィボナッチ2世の馬主であり、調教師。28年前にフィボナッチ1世が優勝したレース「パリ大障害」で、再び自分の馬を優勝させることが夢だった。

エルザ・ド・テルシ
イヴの娘。ド・テルシ牧場で働いており、父の夢を応援している。アドリアン・イルマズとは幼なじみで、彼の身上に同情して昨年から牧場で雇っていた。

ファニー・サンタンドレ
フィボナッチ2世の騎手。フィボナッチ2世とは強い絆で結ばれており、数々の大会に優勝してきた。事件の直後に何者かに射殺される。その後、2010年の「パリ大障害」で死亡した騎手アラン・リエラックの隠し子であることが判明する。

イスマエル・イルマズ
故人。フィボナッチ2世を殺害した凶器ヤタガン(トルコの刀)の所有者。2010年の「パリ大障害」で、自身が所有する馬メルヴィルに興奮剤を与えて騎手を死なせたとして競馬界を追放され、自殺した。

アドリアン・イルマズ
イスマエルの息子。昨年からド・テルシ牧場に雇われ、厩務員として働いていた。事件の直後から姿をくらまし、容疑者として指名手配されることに。

アラン・リエラック
2010年のパリ大障害で、イスマエルが所有する馬メルヴィルに乗り、スタンドに突っ込んで死亡した騎手。ファニーの父親。

第8話

マチュー・マルニエ
被害者。俳優。銃で撃たれるシーンを撮影中、本当に死んでしまう。監督のジェラールを見下していた。

ポール・ジェラール
映画監督。撮影の昼休憩中に小道具の銃をすり替え、マチューを死なせた犯人。妻とマチューの関係に気づいており、アラン・ラマルクに大金を払って完全犯罪のシナリオを書かせた。

メロディ・デュプレッシー
今回の映画で主演を務めていた女優。ジェラールの妻でありながら、マチューと浮気をしていた。昼休憩時、ジェラールに薬を盛られて眠っていた。

ドゥニ・シャルトルー
アストリッドが子どもの頃に通っていた乗馬センターの指導員。アストリッドに暴力を振るうなど、虐待を繰り返していた。2004年7月に失踪し、現在も行方不明。

アラン・ラマルク
シーズン1の第5話に登場した小説家。本名で純文学を、“エリック・エルネスト”の筆名で推理小説を書いていた。1987年に友人の恋人をレイプして殺害し、35年後にその真相を暴こうとした友人を自殺に見せかけて毒殺した。逮捕されるもシーズン3で脱獄し、現在逃亡中。アストリッドを「最高のライバル」と呼び、異常な執着心を見せる。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

妊娠の可能性に気づいたラファエルだったが、血液検査を受ける決心がつかず、先延ばしにしている。アストリッドは、ラファエルが出産することにより、2人の友情が壊れるのではないかと不安でならない。
そんな折、アリス・アリオという女性が公園で蛇の猛毒を注入され、殺害される。ラファエルたちは捜査を開始するが、アリオは至って普通の女性で、殺される理由がわからない。
アストリッドは公園の向かいに建つホテルに注目し、その一室から狙撃されたと推測。そんな真似ができるのは、フランス最凶の殺し屋“レプタイル”だけだった。
6年前から引退状態だった“レプタイル”が復活したのは、何者かに圧力をかけられたからではないか、と推測するラファエルたち。
ノラはホテルの防犯カメラの映像が改ざんされていることに気づき、“侵入者”を特定することに成功。“レプタイル”の正体は、6歳の息子を持つ女性カミーユ・シカールだった。
シカールは息子を誘拐され、アリス・アリオの殺害を実行するよう“依頼主”から脅迫されたと明かす。
ラファエルの父親の協力により、アリス・アリオが偽名であることが判明。本名はアシュレー・オマハで、シカールの供述によると、オマハはコメルス通りに住むアメリカ人女性エミリー・ブラッドウェイを監視していたという。
ラファエルはエミリーから事情を聞き出そうとするが、彼女は姿を消してしまう。
ラファエルは血液検査を受け、妊娠していることが確定する。妊娠を知らされたニコラは動揺するも、嬉しさを隠せない。
アストリッドは〈社会力向上クラブ〉でサミと再会してから不安定になり、以前は簡単に解けたパズル“ハノイの塔”が解けなくなる。そのせいで恋人のテツオに対してもそっけない態度を取ってしまう。
そんなとき、ラファエルとアストリッドは怪しい男に声をかけられ、車に乗るよう命じられる。

アストリッドとラファエルに声をかけたのは、フランスの諜報機関DGSE(フランス対外治安総局)の職員だった。
男は“ダゴベール”と名乗り、ある事情によりアシュレー・オマハが厳重に保護されていたことを明かす。そしてオマハの殺害を依頼した“アキレス”を捜し出すため、同じ目的を持つ2人を雇う。
しかしその直後、2人はアメリカの諜報機関CIA(アメリカ中央情報局)からも雇われる羽目に。アシュレー・オマハはCIAのエージェントだった。CIAは彼女を殺した犯人を逮捕するため、優先して情報提供してほしいという。
やがて失踪したエミリー・ブラッドウェイの正体が明らかになる。彼女の本名はケリー・クラーク。シリアでの米軍兵による略奪を告発し、国家反逆罪で懲役15年の判決を受けていた。
刑の執行前に逃亡し、フランスに潜伏していたケリーを、CIAのアシュレー・オハマが発見。“アキレス”は、ケリーを助けるために殺し屋“レプタイル”を雇ってオマハを殺害したと思われた。
ラファエルたちは図書館を張り込み、ケリーを発見する。ケリーが住んでいた家の所有者はDGSEだった。
CIAに見つかった以上、フランス政府はトラブルを避けるために自分をアメリカに引き渡すはずだというケリー。そんな彼女を逃がそうとしたのが“アキレス”だった。
ラファエルはダゴベールと会い、“アキレス”を特定するためにアストリッドに全ファイルのアクセス権を与えるよう要求する。
アストリッドはDGSE本部へ赴き、技術者のマルク・ヴァソアからソフトの使い方を教わる。だがそのマルクこそが“アキレス”だった。
ラファエルは誘拐された“レプタイル”の息子を取り戻すため、マルクに「ケリーの身柄と交換する」と取引を持ちかける。だがラファエルが子どもを保護した直後、DGSEがマルクを射殺してしまう。
「外交上の惨事を避けるためだ」というダゴベール。ラファエルたちは密かにケリーを逃がす。
腹痛を訴えるラファエルは病院へ搬送されるが、流産してしまう。
テツオはアストリッドの家を訪ね、来週には日本へ帰国することを伝えるが、アストリッドの反応は予想に反して冷淡だった。
テツオが帰った後、アストリッドの前にサミの幻影が現れ、アストリッドは倒れてしまう。

バシェール警視正の親友マキシム・リヴィエールが悪夢に悩まされ、相談にやってくる。彼が見る夢はいつも同じで、頬に傷のあるチベット僧が殺害されるという内容だった。
1996年5月20日に起きた殺人事件だとアストリッドが指摘すると、マキシムは「その日は自分の誕生日だ」と言う。
バシェール警視正は、アストリッドたちをパリ郊外のドルジェ寺院に案内する。そこは、28年前に殺された僧・ノルブ師がいた寺院だった。バシェール警視正が仏教徒であることを知り、驚くラファエル。
事件は解決済みだったが、アストリッドが書庫で凶器のチャクプルを発見し、殺害現場が書庫だったことが判明。再び捜査が行われることに。
ラファエルとニコラは、事件当時寺院にいた僧たちと面談し、当時の責任者ナクチュ師が、事件の5日前から寺への立ち入りを禁止し、密かに2人の人間を匿っていたらしいという証言を得る。
その後、ナクチュ師と秘密を共有していたと思われるロデン師が、寺院内で何者かに突き落とされて転落死する事件が発生。
ノルブ師について調べていたノラは、彼がチベットからの亡命者ではなく、チベット人を弾圧した中国人だったことを突き止める。
ノルブ師は中国政府のスパイとして、高僧トゥルク・リンパの生まれ変わりである子どもを見つけ出し、暗殺するためにドルジェ寺院に潜入していたのだった。
アストリッドは資料の中から、その子どもと母親を見つけ出す。その母子こそ、28年前、ナクチュ師とロデン師が寺院の書庫に匿っていた2人であり、マキシムとその母親だった。
マキシムの母オドレイは、28年前、書庫でノルブ師に襲われ息子を殺されそうになったことを明かす。そして息子を守るため、彼女はとっさにチャクプルでノルブ師を刺して逃げたと語る。
だがその時点でノルブ師は生きていた。致命傷を与えたのは、ノルブ師を父親同然に敬っていたトクメ師だった。負傷したノルブ師は彼に「子どもを殺せ」と命じ、動転したトクメ師はノルブ師を殴殺した。そしてその真相に気づいたロデン師を、屋上から突き落として殺害したのだった。
ロデン師は寺院で作成した「まんだら」に犯人を示す暗号を残しており、アストリッドがその暗号を解いて事件解決へと導く。
アストリッドは複雑部分発作が再発したことをウィリアムに打ち明ける。アストリッドの様子がおかしいことに気づいたラファエルはウィリアムから話を聞き、アストリッドに寄り添う。
テツオは日本に帰国することになり、アストリッドに「愛してる」と伝えるが、アストリッドから愛を伝える言葉がなく、傷ついてしまう。
ラファエルは、アストリッドが「聞かれなかったから言わなかった」だけだと気づき、テツオに気持ちを伝えるようアストリッドに助言する。
テツオがフランスを離れる日、アストリッドはテツオに愛していると伝える。アストリッドの想いを知ったテツオは「必ず戻って来る」と約束し、アストリッドに自分のマフラーを預けて旅立つ。
ラファエルは流産に傷ついてたが、平気なふりをしていたことをニコラに打ち明ける。改めて愛情を確認した2人は、ラファエルの家へ。そこにはラファエルの母パトリシアがいた。

10年ぶりに突然現れた母パトリシアに、調子を狂わされるラファエル。そんな折、有名なトレジャーハンターだったフィリップ・デスモンドが自宅で殺害される。
デスモンドの遺体はアステカ文明の儀式に見られるように、心臓を抜き取られていた。
ラファエルたちは数々の犯罪歴を持つデスモンドの息子ネカリ・カントゥを疑う。
ネカリはメキシコの原住民で、7歳のときデスモンドの養子になり渡仏。現在は森の中で暮らしていた。
取り調べに応じたネカリは、デスモンドが伝説の黄金郷「エルドラド」を発見していたことを明かし、犯人はその秘密を狙う人間だと語る。
フルニエの検視でデスモンドが拷問を受けていたことがわかり、心臓を抜き取ったのは拷問を隠すための演出だったことが判明。
アストリッドはデスモンドの自宅で全23巻からなる遠征日記を発見する。エルドラドの場所が記された第22巻はメキシコの古書オークションで販売され、パロマ・バルデスに落札されていた。
バルデスはメキシコの犯罪組織チワパン・カルテルに日記を奪われた、と供述。第22巻には「アステカ人はエルドラドの場所をコデックスに記した」という記述があったと明かす。
ラファエルとアストリッドは、先コロンブス時代のコデックス「ボルボニクス絵文書」が保管されている国民議会の図書館を訪ねる。
ラファエルは図書館の訪問者リストの中にファビアン・ルクサン議員の名前があることに気づく。
ルクサンは元外交官で、デスモンドと同時期にメキシコに駐在しており、ネカリの養子縁組の際に便宜を図った人物でもあった。
絵文書の暗号解読に挑むアストリッドは、図書館司書の女性が「薔薇十字の会」の会員であることを知る。彼女は「ネカリが秘密を解く鍵を持っている」とアストリッドに助言する。
ネカリの体には、部族に代々受け継がれるというタトゥーが刻まれていた。アストリッドはそのタトゥーをヒントに暗号を解き、メキシコのジャングルに存在するエルドラド=金鉱の場所を突き止める。
そしてネカリや「薔薇十字の会」の願いを尊重し、エルドラドの秘密を守ると約束する。
ラファエルはルクサン議員がチワパン・カルテルから借金をしていたことや、デスモンドから譲られた金塊を換金していた証拠を手に入れる。
ルクサン議員は借金返済のために「エルドラド」を採掘して金塊を手に入れようと画策。場所を特定するためにデスモンドを拷問するも、彼は秘密を明かさないまま死亡。ルクサンはデスモンドの遺体を演出し、ネカリに罪を着せようとしたのだった。
アストリッドを信用したネカリは、アストリッドの家を訪ねて第22巻を預ける。
ラファエルは、テツオがフランスに永住できる手段として、結婚することをアストリッドに提案する。
動揺するアストリッドの前にサミの幻覚が現れ、「発作の時に俺が現れる理由を見つけろ。ハノイの塔を解け」と告げる。
アストリッドは発作を起こし、意識を失ってしまう。

モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)のコミュニティで、模範的な教会員ローガン・ウィリスが遺体で発見される。
遺体には、背中と腹部の2か所に銃創があり、モルモン教の創始者であり預言者であるジョセフ・スミスが殺害された事件と類似していた。
ローガンの娘エリザベトは、3か月前にローガンが教会の前で知らない男に殴られたと証言。
殴った男はイタリアのマフィア“ンドランゲタ”にいたディノ・カルーゾと判明するが、カルーゾは指名手配中の殺人犯シルヴァン・ブラケッティから依頼されたと話す。
アストリッドは教会の資料室で、バプテスマ(洗礼)を受けた人々の中に、ブラケッティの祖母アントワネット・ロボンブの名前を発見する。
ブラケッティは20年前に顔を整形して「アダン・ロワゾー」と名前を変え、モルモン教のコミュニティに潜伏したが、今や本心から改宗して指導者となっていた。
ローガンは彼の正体に気づいて脅迫し、教区の会計係となって金を横領していた。さらに、なぜか「殴ってほしい」と頼んできたという。
アストリッドは、ローガンの家にあったモルモン書の引用が座標を表していることに気づく。
ローガンの家を家宅捜索すると、屋根裏に同じ座標が書き込まれた地図があり、彼が横領した金で土地を買い、新たな宗派を作ろうとしていたことが判明する。
不法侵入や落書き、襲撃事件などは、ローガンがコミュニティの人々を怖がらせて新しい信仰に向かわせるために仕組んだものだった。
さらに、ローガンが創始者ジョセフ・スミスにならって16歳の少女ジュディット・ジェルニヴァルと結婚しようとしていたことも明らかに。ローガンはジュディットに、妻ペネロペが結婚式で着たウェディングドレスを贈ろうとしていた。
ラファエルとニコラは、ローガンの妻ペネロペを取り調べる。彼女は結婚を辞めさせようとローガンを銃で脅し、誤って撃ってしまったことを告白する。そして助けを呼ぼうとしたときに、ローガンが自ら銃を取って腹部を撃ったと話す。
アストリッドは発作の原因を突き止めるため、サミ・グルメの自宅を訪ねる。サミの両親はアストリッドとの再会を喜び、子供の頃に2人が通っていた「シャロン乗馬センター」の写真を見せて思い出を語るが、アストリッドは何も覚えていなかった。
アストリッドは2004年当時の記憶に多くの欠落があることに気づき、ラファエルに相談する。

満月の夜、“巨大な牙”で襲われたと見られる男性の遺体がパリの橋の下で発見される。連続殺人鬼「狼男」の5人目の被害者だった。
今回からラファエルたちのチームが捜査を担当することになり、失敗が許されないバシェール警視正は、プロファイラーのデルフィーヌ・シモンを呼び寄せる。
唯一の目撃者であるナイジェリア人のザイナブ・アスマンは、犯人について「体中が毛で覆われた狼人だった」と恐怖に震えながら語る。
ニコラはザイナブと一緒にいたテレーズから話を聞き、遺体の周りに置かれた物が、ブードゥー教の儀式で使われる“レグバの図”を表していることを知る。
アストリッドはデルフィーヌと協力し、5人の被害者が全員同じジムに通っていたことや、タンパク同化男性化ステロイド(AAS)を服用していたことを突き止める。
ラファエルはAASの密売人で、ブードゥー教徒のオズワルド・ジョンソンを拘束する。オズワルドは過去にハイエナの飼育で罰金刑を科されていたが、本人によると、ハイエナは何者かに頭を切り落とされて死んだという。
オズワルドの拘束中に、ザイナブが“巨大な牙”に襲われ大怪我を負う。ラファエルは移民支援団体のサンガレから、ザイナブがナイジェリアの売春組織に捕らわれていると聞かされる。
彼女は6年前に姉のポリヤナと渡仏し、組織にパスポートを取り上げられ売春を強いられているという。デルフィーヌは、5人の被害者たちが全員ザイナブの客だったことに気づく。
アストリッドは、4年前に共同溝で発見された遺体がザイナブの姉ポリヤナではないかと推測する。
ラファエルとニコラ、アストリッドの3人はポリヤナの遺体発見現場へ赴き、新しい血痕とハイエナの顎で作られた凶器を発見する。
防犯カメラ映像に映っているザイナブが手を隠していることから、デルフィーヌはザイナブが犯人だと確信する。取り調べ中、ザイナブは突然別人格の「アマンダ」に豹変する。
ザイナブは解離性同一症(TDI)で、犯人は「アマンダ」だった。ザイナブは何度も心的外傷を受け、苦痛を避けようと意識を2つに分割して生き延びようとしたのだ。
取り調べに応じた「アマンダ」は、オズワルドにだまされて売春組織に売られたこと、逃亡しようとしたポリヤナが見せしめとしてハイエナの餌食にされたことを明かす。
「アマンダ」は復讐のために現れ、オズワルドが飼っていたハイエナを殺して武器を作り、買春した男たちを殺してきたという。
ザイナブはアマンダの犯行を何も知らなかったが、医療刑務所で罪を償うことに。
納得がいかないラファエルは、売春を強いられている女性たちから、オズワルドの犯罪を示す動画や録音、写真などの証拠を集め、彼を逮捕する。
ラファエルはデルフィーヌを自宅に招き、2人でディナーを楽しむ。
アストリッドはテツオとの結婚を真剣に考え始めるが、同居することができないという理由から決断できずにいた。そんな中、テツオが2年間有効のビザを取得してフランスに戻って来る。
テツオと再会したアストリッドは、「予測可能な存在として、私の人生に必ずいてほしい」とプロポーズする。テツオは快く結婚を受け入れる。

ラファエルはアストリッドから「テツオとの結婚の証人になってほしい」と頼まれ、感激する。
ド・テルシ牧場で、名馬フィボナッチ2世が刺殺される事件が発生する。フィボナッチ2世は世界最高峰のレース「パリ大障害」の優勝候補だった。
アストリッドは凶器に使われたトルコの短刀ヤタガンに注目し、その刀が13年前に死んだ馬主イスマエル・イルマズの持ち物であることを突き止める。
イスマエルは2010年の「パリ大障害」で、所有する馬に興奮剤を与えて騎手を死なせ、競馬界を追放された後に自ら命を絶っていた。
イスマエルの息子アドリアンはド・テルシ牧場で厩務員として働いていたが、姿をくらます。同時に、フィボナッチ2世の騎手ファニーの射殺体が発見され、ラファエルはアドリアンを指名手配する。
捜査の途中、アストリッドはかつて通っていた乗馬センターの指導員に暴力を振るわれたことを思い出し、発作を起こして倒れてしまう。
ノアの調べで、2010年の「パリ大障害」で死んだ騎手アラン・リエラックがファニーの父親だったことが判明。
アストリッドは、ファニー殺害に使われた凶器が「マタドール」と呼ばれる年代物の屠畜銃で、2010年の「パリ大障害」でアラン・リエラックが騎乗した馬メルヴィル・デュティユルに使用された物だとラファエルに教える。
ラファエルとアストリッドは2010年の「パリ大障害」の賭け金リストを調べ、メルヴィルに賭けた唯一の人物が「1123.58ユーロ」を賭けていたことを知る。
アストリッドは「112358」という数字が〝フィボナッチ数列〟であることに気づき、今年の「パリ大障害」でイヴ・ド・テルシがフィボナッチ2世に「1123.58ユーロ」を賭けている事実を見つけ出す。
ニコラは2010年に使用されたマタドールの転売先を調べ、最終的にイヴ・ド・テルシの手に渡っていたことを突き止める。
ニコラはイヴを逮捕しようとするが、アストリッドはエルザが手綱を握る馬が暴れるのを見て、犯人はエルザだと直感する。
14年前、エルザは牧場を救うために人気のない馬メルヴィルに興奮剤を与え、父に賭けさせて大金を得ようとしたことを明かす。
しかし興奮した馬がスタンドに突っ込んで大事故になり、騎手リエラックは死亡、メルヴィルも屠畜銃で殺された。
その事実に気づいたファニーはエルザを問い詰め、屠畜銃で殺されたのだった。
ニコラはイスマエルの墓参りに現れたアドリアンを連行する。アドリアンは真実を知って激怒し、衝動的にフィボナッチ2世を殺したことを告白する。
ラファエルの家に母パトリシアが居候して1か月。パトリシアと気が合わないニコラは耐えきれなくなり、「ラファエルは俺といるのが幸せなんだ」と言い放つ。ニコラの本音を聞き出したパトリシアは、喜んでパタゴニアに戻ることを決める。
アストリッドは〈社会力向上クラブ〉に戻ってきたサミを歓迎し、2004年の乗馬センターにいた指導員について聞く。サミは「ドゥニ・シャルトルー」という名前を告げ、「彼のその後は知らない」と主張する。
アストリッドはついに「ハノイの塔」を解く。そして資料局に保管されていた資料の中から、「ドゥニ・シャルトルー失踪事件」の資料を見つける。

映画の撮影中、俳優のマチュー・マルニエが死亡する。現場のスタジオを訪れたラファエルとアストリッドは、監督のポール・ジェラールを疑う。
マチューを撃った小道具の銃は休憩中にすり替えられ、実弾が入っていた。主演女優のメロディは、休憩時、夫であるジェラールと楽屋で昼寝をしていたと証言するが、彼女の血液から鎮静剤の成分が検出される。
ノラは、メロディとマチューが不倫関係にあったことを示すメールを入手する。
アストリッドは乗馬センターの指導員だったドゥニ・シャルトルーの資料に目を通し、ある衝撃的な記憶を取り戻す。
シャルトルーから虐待を受けていたアストリッドは、手にしたピッチフォークを彼に向け、身を守ろうとしたのだった。
フルニエの検死により、犯人は大腿骨のかけらを弾丸に使用していたことが判明。アストリッドは、“エリック・エルネスト”の推理小説に同じ方法が登場することに気づく。
ジェラールは、元小説家で脱獄囚のアラン・ラマルクに大金を払い、完全犯罪のシナリオを依頼していた。だがジェラールがシナリオを勝手に変えてしまったために綻びが生じ、追い詰められる羽目に。
ジェラールはラマルクに屋上から突き落とされて死亡する。ラマルクはアストリッドの前に姿を現し、結婚祝いの〝贈り物〟として謎を解く資料を置いて立ち去る。
ラファエルとニコラ、〈社会力向上クラブ〉のメンバーたちが謎解きに参加し、「フェルメール」「座標」「アストリッド」という3つの答えを導き出す。
ラファエルとニコラ、アストリッドの3人は、座標が示す場所へ向かう。そこにあった廃屋にはフェルメールの絵画が飾られており、その壁を壊すとドゥニ・シャルトルーの遺体が現れる。
アストリッドは、自分がシャルトルーを殺した犯人だとラファエルに打ち明ける。発作が始まった時期と、シャルトルーが失踪した時期は重なっていた。記憶を失ったのも、強いショックを受けたためだと。
アストリッドの無実を信じるラファエルは、サミから真実を聞き出そうとするが、彼は2日前から行方不明になっていた。
サミがラマルクに捕らわれていると知ったアストリッドは、ラファエルとニコラとともに、ジェラールが転落死したビルへ向かう。すると屋上にラマルクが現れ、サミとともに飛び降りようとする。
ラファエルはラマルクを撃ち、ラマルクは「アストリッド、また会おう。幸せに」という言葉を残して息絶える。
サミと父親は、2004年に何があったかをアストリッドとラファエルに話す。サミはアストリッドを助けようとフォークを手にし、暴れた馬に押されてシャルトルーを刺してしまったという。
サミから連絡を受けた父親は、息子を守るために事故を隠蔽することを決め、シャルトルーの遺体を廃屋の壁の中に隠したと告白する。
アストリッドとテツオの結婚式当日。2人はラファエルとニコラ、テツオのおじアプ・タナカ、アストリッドの母マチルドらに祝福される。
アストリッドはラマルクが最後に言い残した言葉を気にしていた。ラファエルは式の最中にこっそりアストリッドの結婚指輪をはめ、指輪に仕掛けられていた毒針が刺さって昏倒してしまう。

感想(ネタバレ有)

もうシーズン5なんだな~としみじみ。

実をいうとシーズン4はあまり楽しめなくて、途中で何度も挫折しかけ、ほぼ惰性で見たような感じだったんです(長く続く物語が苦手なもので)。

今回はアストリッドをめぐる大きな縦軸(欠落した記憶の謎)があり、「早く続きが見たい」と思えるストーリーで、とても面白かったです。

心配していたテツオとの恋愛も、まさかの急展開でびっくりしました。もしかして別れるの?ってちょっと思ったりもしてたので…もし2人が別れていたら、このドラマシリーズ見るのやめたかも。

アストリッドがとても彼女らしいプロポーズをして、テツオが幸せそうに穏やかに承諾するシーンが最高でした。2人がかもしだす温かく静かな雰囲気が大好きです。

アストリッドの結婚に大はしゃぎするラファエルも可愛かった。シロムキュってなんだろ、最新のパリのお菓子?って思ってたら「白無垢」だったの笑っちゃいました。

最終話でアラン・ラマルクが登場したのにも驚きました。前回の登場(シーズン3第4話)でもさんざんアストリッドを翻弄してくれましたが、今回もまた嫌な感じで関わってきましたね。

ついに命運が尽きたラマルクですが(もしかして生きてる可能性あるのかな?)、最後にとんでもない贈り物を残していきました。

まさかアストリッドの結婚指輪に毒針を仕込むとは。そして指輪をはめたのはアストリッドではなくラファエルという…。

またしてもクリフハンガーで、やきもきさせられますね。大事に至らないといいのですが。

今回ひとつだけ不満があるとしたら、ラファエルの妊娠から流産までの流れが早すぎて、ちょっと心が追いつかなかったこと。

このドラマがこれからも続くなら出産はないだろうなとは思ったけど、そういうところも含めて、制作側の都合があからさますぎて「う~ん」という感じでした。妊娠をクリフハンガーに使ってほしくなかったなぁ。

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