ネタバレ有「アストリッドとラファエル」シーズン1全話あらすじ・感想・キャスト・視聴方法

「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」全話あらすじ・感想・キャスト

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海外ドラマ「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」シーズン1(全9話)についてまとめました。

天才的な記憶力と論理的思考力を持つ自閉症のアストリッドと、直観的で猪突猛進型の刑事ラファエルが絶妙なコンビネーションを発揮し、事件解決に挑むフランスのミステリードラマ。IMDbの評価は8.0。

アストリッド役のサラ・モーテンセンの演技が光る一話完結のドラマシリーズで、自閉症を抱える主人公と彼女を見守る人々の交流が温かいまなざしで丁寧に描かれています。

どちらかというと事件の謎解きよりも、捜査を通して友情を育んでいくアストリッドとラファエルの関係性が見どころの作品。2人を取り囲む人々とのやりとりも微笑ましく、優しい気持ちになりました。

作品概要

  • 放送局:AXNミステリー
  • 製作国:フランス(2019~2020年)
  • 原題:Astrid et Raphaëlle
  • 脚本:アレクサンドル・ド・セガン/ローラン・ブルタン
  • 監督:エルサ・ベネット/イポリット・ダール/フレデリック・ベアト

あらすじ

犯罪資料局で働く自閉症のアストリッドは、警官だった父親の影響を受け子供の頃から刑事事件の調書や謎解きに人一倍興味を持っていた。そして、犯罪学者や監察医並の知識も兼ね備えている。ある日、医師の自殺を調べている警視のラファエルに的確な資料を出したことでラファエルに才能を見出され、ラファエルは医師が動機もなく自殺した3件の事件を一緒に調べてくれとアストリッドをスカウトする。

AXNミステリー公式サイトより

予告動画

視聴方法(動画配信)

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登場人物(キャスト)

主要人物

アストリッド・ニールセン(サラ・モーテンセン)
パリ犯罪資料局の文書係。自閉症。幼い頃、警察官だった父親の調書に興味を示し、調書を読むことで犯罪科学の知識を身につけた。その後、父の友人ガイヤールの研修を受け、犯罪資料局に就職。優れた洞察力でラファエルの力となり、自立した人間としての自信をつけていく。謎解きとパズルが大好きで、完成させるまで何も手につかない。

ラファエル・コスト(ローラ・ドヴェール)
パリ警察の警視。おおらかで少々がさつな性格。 思いつきで行動する猛進型で、仕事熱心なあまり規則違反を犯すことも。他人を理解して受け入れる包容力を持ち、すぐにアストリッドの才能を見抜いて捜査に引き込む。夫とは離婚し、息子テオの親権を失っている。

警察関係者

ニコラ・ペラン(ベノワ・ミシェル)
警部。ラファエルの同期でよき相棒。ひそかにラファエルに想いを寄せている。ラファエルがアストリッドと行動をともにすることが多くなり、やや機嫌が悪い。

アルチュール・アンギャン(メレディン・ヤクビ)
警部補。ラファエルとニコラの部下。ニコラのラファエルに対する気持ちに気付いており、告白できない彼をからかう。

カール・バシェール(ジャン=ルイ・ギャルソン)
警視正。ラファエルの上司。アストリッドが捜査に深入りすることを快く思っていない。

アンリ・フルニエ(アンリ・フルニエ)
監察医。毎回アストリッドに間違いや見落としを指摘され、ふてくされる。

ジュリアン・フレデリック(ブルース・テソール)
科学捜査官。現場で出会ったアストリッドに一目惚れする。

アラン・ガイヤール(ジョフロワ・チボー)
犯罪資料局の長官。アストリッドの後見人。友人だった彼女の亡き父親からアストリッドを託された。

アストリッドの関係者

アンガス・ニールセン(アリオシャ・イトビッチ)
アストリッドの亡父。警察官。幼いアストリッドが犯罪学に興味を示すことに気付き、調書を持ち帰っては犯罪科学について語り合った。友人のガイヤールに頼み込んでアストリッドを犯罪資料局で働かせる。

マチルド・ニールセン(エリザベス・モーテンセン)
アストリッドの母。アストリッドが幼い頃に家を出ていって以来、音信不通。20年ぶりにアメリカから帰国し、アストリッドの前に現れる。

ウィリアム・トマ(ジャン=ベノワ・スーリエ)
アストリッドが通う〈社会力向上クラブ〉のリーダー。アスペルガー症候群。ITと鉄道に詳しく、時に捜査に協力する。

タナカ(アキヒロ・ニシダ)
アストリッドが幼い頃から通っている食料品店の店主。日本語で挨拶してくれるアストリッドに感謝し、自閉症について学んだ。第4話に登場。

ラファエルの関係者

テオ・コスト(ティミ=ージョイ・マルボー)
ラファエルの息子。小学生。親権を持つ父親と暮らしているが、週末だけラファエルの家で過ごしている。成績優秀で、2年飛び級していることから学校でいじめられている。

フィリップ・コスト(ミシェル・ボンポワ)
ラファエルの父。

そのほか

ポール・トマ(ユゴー・エリオット
ウィリアムの兄。医師。ある添加物の危険性について研究していたが、突然亡くなる。当初は自然死と思われていたが、事件に巻き込まれていたことが判明する。第8話に登場。

ベレジン28(エレア・フォルシェ)
ウィリアムの婚約者。ハッカー。ウィリアムとはメッセージだけでやりとりしているため、本名も住所も不明。直接会わないと約束している。第8話に登場。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

警視のラファエルは、駐車場で焼身自殺を図った医師リオネル・ルノワールの捜査を任される。ルノワールには自殺する理由がなく、事前に大金を引き出していた。ラファエルは2年前に〈ダンケルクホテル〉で自殺した医師ドニ・ネドリーとの類似点に気付き、殺人を疑う。
ラファエルが犯罪資料局でネドリーの資料を取り寄せると、局員のアストリッドは自殺した児童精神科医グラントの資料も合わせて持ってくる。アストリッドの洞察力に感嘆したラファエルは、彼女から話を聞くことに。
アストリッドは犯行にスコポラミンという毒が使われた可能性を指摘。ルノワールの遺体を再度調べると、体内からスコポラミンが検出される。ラファエルはアストリッドを捜査に参加させようとするが、彼女は事件現場の駐車場にいたことから逮捕されてしまう。さらに、グラントの元患者だったことも判明する。
取り調べに対し、何も話そうとしないアストリッド。そこへ犯罪資料局の局長ガイヤールが現れ、アストリッドが自閉症であることを刑事たちに説明する。彼女は幼い頃、警官だった父親が持ち帰った調書から犯罪科学を学び、刑事事件の調書や謎解きに人一倍興味を持っているという。
アストリッドの父親ニールセンと友人だったガイヤールは、10年前に彼女の研修を引き受け犯罪資料局に迎え入れた上司でもあり、後見人でもあった。
アストリッドはラファエルに「カトレア・トリアナエ」というラン科の植物の名を告げる。駐車場へ行ったのは、その花を探すためだったという。グラント医師の部屋にはカトレアの花が置いてあり、ネドリーが死んだホテルにもカトレアの絵が飾られていたことに気付いたからだ。
ラファエルが調べると駐車場の排気口からカトレアが見つかり、アストリッドは釈放される。カトレア・トリアナエは、スコポラミンを含有するコロンビア産の花だった。被害者の3人は〈ノジカール研究所〉が主催するセミナーに参加するため、コロンビアを訪れていた。
ラファエルは〈ノジカール研究所〉のイベント部長マルコムを疑うが、彼もまた自宅で飛び降り自殺を図る。マルコムの部屋を見たアストリッドは違和感を指摘し、ラファエルは家政婦を疑う。
マルコムが雇っていた家政婦は、2年前にネドリーが殺された〈ダンケルクホテル〉の従業員で、コロンビア人のヴィオレッタ・フローレスだった。
5年前、彼女の姉カトレアは4人の男にレジャー船に乗せられ、レイプされて殺されていた。相手はフランス人の医者だった。ヴィオレッタもその場にいたが、救命ボートに隠れていたという。だが遺体は見つからず、地元の警察は売春婦であるヴィオレッタの供述を信用しなかった。
逮捕されたヴィオレッタは、医者の一人が〈ダンケルクホテル〉のマッチを持っていたことだけを頼りに、フランスへ来たと語る。ホテルで働き始めてネドリーが現れ、彼に毒を嗅がせて仲間の名前を聞き出したのだった。
アストリッドはラファエルの食事の誘いに応じ、苦手な外食に付き合う。

弁護士のリュドヴィク・カーリシアンが法廷で弁論中に急死する。心筋梗塞だという監察医のフルニエに対し、アストリッドは激しい恐怖が原因で起こる“たこつぼ型心筋症”だと見抜き、検視を依頼する。
直後にカーリシアンの車が爆破されたことで、ラファエルたちは正式に捜査を開始。彼が何者かに脅迫されていたことや、裁判の直前にマックス・リボーに連絡していたことがわかる。
リボーは2日前から行方不明で、彼の屋敷では怪奇現象が起きていた。アストリッドが屋敷について調べると、1905年にパン職人が建設した後、1911年にメイドが火かき棒で刺されて死亡し、1918年には家主のパン職人が不審死、1995年には家庭内殺人が起きるなど、数々の事件を起こしてきた“呪われた家”だと判明する。
リボーの口座を調べると毎月エスペリト・サント療養所に送金していることがわかり、ラファエルとアストリッドは療養所を訪ねる。そこには1995年に家庭内殺人を起こした犯人ロール・ガナが入所していた。彼女は解離性遁走を患っており、火かき棒で殺されたメイドの名前を名乗っていた。
リボーの会社の共同経営者ディエゴ・アンサテは、リボーを父親同然に慕っており、彼の無実を主張。リボーと亡くなった弁護士カーリシアンは同級生だったと話す。調べると、カーリシアンとリボー、さらにカーリシアンが弁護を担当していた国会議員タルカンは、同じ大学の出身と判明する。
アストリッドはリボーの屋敷に地下室があることを突き止め、ラファエルとともに屋敷を調べる。ラファエルはクローゼットの奥に地下室の入り口を見つけるが、階段から転落してしまう。地下室にはリボーの遺体が横たわっていた。

ラファエルは地下室でメイドの亡霊を見て気絶する。アストリッドは地下室に残っていたライ麦粉に付着する“麦角菌”が幻覚を引き起こしたと考え、ロール・ガナの精神疾患も彼女が地下室に出入りし中毒になったためだと説明する。
当時のロール・ガナを知る神父から、彼女が妊娠していたことを聞くラファエル。さらに地下室の壁には「ジャバとロール」というアラビア語の落書きがあり、ロールの恋人が“ジャバ”という名前のアラブ人だとわかる。
アストリッドは犯罪資料局内の秘密の部屋にラファエルを案内する。そこは彼女が落ち着ける場所で、局長のガイヤールさえも入れたことがない特別な場所だった。アストリッドはロールの恋人ジャバが失踪し、2日後に遺体で発見されていることを資料から探し出していた。
ジャバの写真を見たラファエルは、リボーの会社の共同経営者ディエゴ・アンサテにそっくりだと気付く。ディエゴはロールとジャバの息子だった。カーリシアンは弁論中、死んだジャバにそっくりな彼を見つけて驚き、心臓発作を起こして死んだのだ。
逮捕されたディエゴは、リボーから30年前の罪を打ち明けられたと話す。リボーとカーリシアン、タルカンの3人は、裕福だったロールの恋人がアラブ人であることに腹を立て、地下室でジャバに暴行を加えるうちに殺してしまったのだった。
罪悪感に耐えきれなくなったリボーは自首しようと考え、タルカンに命を狙われていたという。リボーを殺害したのもタルカンだとわかり、警察はタルカンをリボー殺害の容疑で逮捕する。
ラファエルはディエゴを療養所に連れて行き、母親のロールに会わせる。そのとき、ラファエルは前回会った看護師がマチルド・ニールセンという患者だったことを知らされる。アストリッドに母親について聞くと、名前は“マチルド”で、幼い頃に家を出たため記憶にないという。

国立自然史博物館のギャラリーで、古生物学者のダナ・バレットが死んでいるのが見つかる。遺体を見たアストリッドは溺死だと見抜くが、彼女は午前1時に博物館前の監視カメラに映っていた。
アストリッドは犯罪資料局に保管されている調書から、ダナが昔、化石の密売人をしていたことを突き止める。ラファエルはそのときの共犯者ピエール・ヴェンクマンを逮捕するが、彼にはアリバイがあった。
ダナは死ぬ直前、ピエールの留守電に「大発見をした」というメッセージを残していた。アストリッドはダナの体に彫られていた「ダーウィンの系統樹」のタトゥーに注目し、新しい枝が付け足されていることに気付く。
彫り師によると、ダナは今まで竜盤類に分類されていた獣脚類が、鳥盤類に属すると話していたという。それは19世紀から常識と考えられてきた恐竜の系統樹が変わる大発見だった。
ダナを殺した犯人は40年のキャリアを持つ上司のレイモン・スタンだった。彼は事件の前日にドーヴィルでダナを襲い、溺死させたつもりでいた。だがその時点では彼女は死んでおらず、“乾性溺水”によって数時間後に亡くなったのだ。
ダナが発見した獣脚類の座骨は、レイモンが3年前に「平凡な骨」と判断したものだった。自分が見逃した骨だと知って逆上した彼は、ダナを殺して彼女の発見を横取りしようとしたのだ。
ダナは座骨を回収しようと博物館に来て力尽き、ギャラリーの骨格標本に座骨を隠したが、現場を訪れたアストリッドが標本の違和感を指摘したことでスタンが気付き、別の骨とすり替えたのだった。
ラファエルはアストリッドが買い物をする店を訪ね、幼い頃から彼女のことをよく知る店主のタナカに相談する。「あなたは彼女の目印になりつつある」と言われたラファエルは、毎週月曜の夕食にアストリッドを招待することを決め、予定に組み込んでおくようお願いする。
部下のアルチュールに“マチルド・ニールセン”について極秘で調べさせたラファエルは、彼女がアストリッドの母親であることや、治療目的で先月アメリカから20年ぶりに帰国したことを知る。

アンリ・フランクールが自宅で服毒死しているのが発見される。彼は“エリック・エルネスト”という筆名で有名な推理作家だった。当初は自殺と思われたが、冷凍庫にあった製氷器から青酸カリが検出され、ラファエルたちは他殺と見て捜査を始める。
フランクールは大手の出版社と次回作の契約をしており、ラファエルは現在の出版社の担当編集者を疑うが、本人は殺害を否定。ニコラはフランクールの自宅から押収された原稿の中から次回作を探すが、見つかったのは途中の“96ページ”のみだった。
アストリッドはフランクールが顔に火傷を負う原因となった過去の事故の資料を見つけ出す。30年前にアルプスの山小屋で火事があり、フランクールとアラン・ラマルクが怪我をし、ソフィー・ノーベルという女性が亡くなっていた。ラマルクは「アダムの山」を書いた小説家で、フランクールとは兄弟同然だったと言い、ソフィーはフランクールの恋人だったと話す。
「アダムの山」を読んだアストリッドは、文章の構造がフランクールと同じだと気付く。さらにフランクールが残した次回作の1ページには、30年前の火事で焼けた山小屋の持ち主モンスニの名前が登場することも判明。モンスニは複数の女性からセクハラ被害を訴えられており、火事の前にソフィーを殺害していた可能性が浮上する。
ラファエルはモンスニの居場所を突き止めるものの、彼はホテルで服毒死していた。ホテルの部屋からはモンスニがソフィーを殺したと書かれたフランクールの原稿が見つかるが、アストリッドは遺体の状況から他殺を疑う。
“エリック・エルネスト”の筆名で推理小説を書いていたのは、フランクールではなくラマルクだった。ラマルクの作品を読んで疑念を抱いたフランクールは、30年前の事件について調べ始め、その真相を知ってしまった。ソフィーは火事で死んだのではなく、ラマルクに殺されていた。ソフィーへの報われない愛に苦しんだラマルクは、彼女をレイプして口封じのため殺害したのだ。
フランクールが次回作で30年前の事件の真相を暴こうとしていることを知ったラマルクは、彼を自殺に見せかけて殺害し、原稿を盗んだ。だがそのとき“96ページ”だけを落としてしまい、モンスニを犯人に仕立て上げるため彼を殺してホテルの部屋にダミー原稿を置いたのだった。
アストリッドはパズルに興味を持つきっかけとなった出来事をラファエルに語る。それは母マチルドが家を出ていったときに残した“秘密箱”だった。ラファエルはマチルドを見つけたことを打ち明けるが、アストリッドは重要なことではないと受け流す。

パリの地下採掘場跡で天井が崩れ、若い男性の遺体が見つかる。身につけていた軍の認識票から、1952年に失踪したガブリエル・アンリと判明する。彼は何者かに刺殺されて地下に埋められ、屍蝋化した状態で発見されたのだ。遺体の体内からは、偉大な錬金術師“スピリトゥス・フルカネリ”の名前と錬金術のシンボルが刻まれた指輪が見つかり、アストリッドは暗号解読を試みる。
ガブリエルの遺体が埋まっていた場所は、彼のいとこエチエンヌ・ラロシュが当時住んでいた家の庭だった。ラファエルがラロシュを訪ねると、彼は施設の部屋で暴行を受け、既に亡くなっていた。彼は親族と縁を切り、孤立していたという。
ラファエルは錬金術に詳しい“アタナシウス”に会いに行く。ガブリエルもまた生前彼のもとを訪れ、錬金術の知識を学んでいた。ガブリエルとラロシュは地下鉄の拡張工事の作業中に金塊と指輪を発見し、2人で山分けしたという。
実際に掘り当てたエチエンヌは金塊2つ、ガブリエルは金塊1つと指輪を手に入れたが、やがてガブリエルは指輪がより大きな宝の隠し場所を示していることに気づき、その暗号を解読しようとしたのだ。
アストリッドは指輪が鍵になっていることに気付くが、ガブリエルの妹カトリーヌに奪われてしまう。暗号を解くヒントはアンリ2世の暗号箱にあるとわかり、ルネサンス美術館を訪ねるアストリッドとラファエル。同じ目的でカトリーヌも美術館に現れ、ラファエルに逮捕される。
ラロシュの介護施設の職員だったカトリーヌは、彼に暴行を加えて兄ガブリエルの殺害を自白させ、指輪の秘密を聞き出していた。暗号を解読したアストリッドは、地下採掘場跡でフルカネリの宝を見つける。それは現代では何の価値もない、リンの作り方が書かれた紙切れだった。
アストリッドはラファエルの誕生日パーティーに招かれ、断り切れずに参加するが、“指ぬき”をプレゼントして場をしらけさせてしまう。人混みと喧騒に動揺し、来なければよかったと後悔するアストリッドに、「友達なら気を遣わずに率直に話して」と言うラファエル。
指ぬきをプレゼントした理由を聞かれ、アストリッドは「針を使うとき、指ぬきをすれば怪我をしない。あなたは私の指ぬき」と答える。
母マチルドから「会わない?」というメールが届くが、アストリッドは削除する。

バスの中で電子タバコを吸っていた男が突然死亡する。アストリッドはラファエルとともに現場へ赴き、科学捜査班のジュリアン・フレデリックと出会う。男性の死因は炭疽菌による感染症と判明、アストリッドたちは一時的に隔離される。
ラファエルは被害者が過激なエコテロリスト〈EDS〉と繋がっていることを突き止める。グループの指導者カッサンドルは3年前に放火事件で逮捕されており、その際に炭疽菌400グラムが押収されていた。
放火事件の資料を調べたアストリッドは、マキシム・ベルモンの遺体が焼け跡から見つかっていないことを報告。マキシムはカッサンドルの夫で、今回の被害者と判明する。彼はひそかに息子のマルタンを連れて中南米へ逃げる計画を立てており、それを阻止しようとしたカッサンドルの犯行かと思われたが、彼女は〈EDS〉のメンバーに命じてマキシムを警護させていた。
内務省のダフネ・シモニが現れ、捜査を引き継ぐと告げる。納得がいかないラファエルとアストリッドはひそかに捜査を続け、被害者がマキシムではなくルイ・ヴァルメラスだと知る。ルイは3年前の放火事件で死んだとされていたが、本当に亡くなっていたのはマキシムのほうだった。
ラファエルは服役中のカッサンドルと面会して真相を聞き出す。彼女の夫ルイは〈EDS〉に潜入していた警察官で、マキシムになりすましていたのは放火事件で殉死したと見せかけて警察から逃げるためだった。
カッサンドルはラファエルを人質に取って刑務所からの脱走をはかるが、その場で射殺される。警視正から停職処分を言い渡されたラファエルは、父親に頼んで国防極秘資料が保管されている倉庫438に入る許可をもらう。
そこには〈EDS〉に関する資料一式があり、ルイの正体が政治運動潜入捜査班の警部ポール・シモニと判明する。彼の上司は妻でもあるダフネ・シモニだった。ダフネはポールが働いていた食肉処理場に忍び込み、彼の電子タバコを炭疽菌入りのものとすり替えて殺害したのだ。
放火事件で夫を亡くしたと思い込んでいた彼女は、2か月前に潜伏中のメンバーから夫が生きているという情報を得て、カッサンドルに監視カメラをつけた。そして彼女と夫の関係を知り、2人の間に子供がいることを知ったのだった。
アストリッドは科学捜査班のフレデリックからデートに誘われる。彼の好意に答えられず、気持ちがないことを伝えて断るアストリッド。
ニコラは同僚のアルチュールからラファエルに対する恋心を指摘され、誰にも言うなと口止めする。

ウィリアムの兄ポールが亡くなり、アストリッドとラファエルは葬儀に参列する。しかし葬儀の直前、遺体は行方不明になる。ポールはある食品添加物の危険性を指摘する研究を行っており、ラファエルらはその添加物を開発したドクール教授を疑うが、彼はポールの部屋で刺殺体で発見される。
ドクールの遺体にはポールの指紋が付着しており、アストリッドはポールがドクールを殺害した犯人だと主張。しかしその時刻にはポールは既に死亡しており、ラファエルはありえないと反論するが、葬儀業者は遺体安置室から歩いて出ていくポールの姿を見たと証言する。
ポールはなぜか生きており、ウィリアムの前に現れる。葬儀場で目覚めた彼は自宅に戻り、血を流して倒れているドクールを発見したが、助けられなかったと話す。ポールに協力を求められたウィリアムは、偶然その場にいたアストリッドに口止めする。
ラファエルは葬儀業者が飲ませたカクテルが解毒剤の役割を果たしたと推測。カクテルの成分から、彼を昏睡状態にしたのは猛毒テトロドトキシンとわかる。テトロドトキシンはフグ毒の成分で、ポールが昼食で食べたスシが原因だった。
アストリッドはラファエルに嘘をつくことに耐えられなくなり、ポールとウィリアムを署に連れて行く。ポールはドクールが添加物の危険性を認めようとしていたことを明かす。ポールの死を知った彼は研究資料を探すため家へ行き、何者かに殺害されたのだ。
ラファエルはフグの卸売業者から顧客リストを入手し、その中にドクールと同じ研究所に勤める生物学者オーギュスト・ルガニュールの名前を見つける。彼は添加物の使用を認めるメンバーの一人だった。
ウィリアムの婚約者でハッカーの“ベレジン28”が暗号化されたサイトに保存されていたポールの研究資料を見つけるが、連絡が途絶えてしまう。彼女と会ったことがないウィリアムは本名も住所も知らなかった。ラファエルはIPアドレスから彼女の名前と住所を調べ、ルガニュールに殺されそうになっていた彼女を助ける。
ラファエルはマチルドと会い、アストリッドと会わせることを約束する。ラファエルに勧められてタングラムの大会に参加したアストリッドは、対戦相手として母マチルドと会う。

アパートで若い女性の惨殺遺体が発見される。現場で遺体を確認したアストリッドは、即死にもかかわらず目を閉じていることに違和感を覚える。角膜が濁っていることから、監察医のフルニエは犯人が目を閉じたのだろうと推測する。
現場には犯人の指紋やDNAが多く残されており、同じアパートの住人で前科があるマルク・ヴァレンヌが逮捕される。事件はすぐに解決し、ラファエルは警視正から休暇を取るよう命じられ、息子のテオと3日間の旅行に出かける。
局に届いた資料を確認したアストリッドは、被害者の爪についていたヴァレンヌの体毛から大麻が検出されていることを知り、疑問を抱く。勾留中の検査では陰性反応だったため、その体毛は数か月前のものと考えられた。
アストリッドは過去の資料を調べ、今回と同じ犯人が10年以上にわたって13の殺人事件を犯していることに気付く。いずれの事件もDNAや指紋が決め手となってそれぞれ別の犯人が捕まっていたが、どの被害者も大量に出血しており、目を閉じているという共通点があった。
ヴァレンヌの血液、唾液、毛髪の再検査が行われ、彼の体内に微量の大麻が残っていたことを示す検査結果が届く。捏造を疑ったアストリッドは犯人に拉致され、その場に居合わせたガイヤールは殺されてしまう。犯人は科学捜査班でフレデリックの助手をしているエステバン・アセガだった。
知らせを受けたラファエルは現場に駆けつけ、アストリッドが残したメッセージを解読して犯人の正体を知る。アセガの自宅に踏み込むと、これまで犯した殺人の計画書や、前科がある者の血液や毛髪などのサンプルが大量に見つかる。
アセガはアストリッドを倉庫に連れていき、ヴァレンヌに罪を着せて殺害しようとする。ラファエルはアセガが経営する会社を突き止め、倉庫に辿り着く。アセガはラファエルに射殺され、アストリッドは救出される。
ガイヤールが亡くなったと聞き、泣き崩れるアストリッド。ガイヤールは亡くなる前、後見裁判官にアストリッドの後見は不要だと説明する手紙を送っていた。アストリッドは彼の遺志を受け、法的に責任を負う成人として自立することを決める。

トリビア

第1話

ノジカール研究所のヤン・マルコム、児童精神科医のアラン・グラント、医師ドニ・ネドリーの名前は、いずれも映画『ジュラシック・パーク』に登場するイアン・マルコム博士アラン・グラント博士、デニス・ネドリーからつけられています。

第2話・第3話

1995年に家庭内殺人を犯したロール・ガナ(Laure Gana)、国会議員のウィルフレッド・タルカン(Wilfred Tarquin)の名前は、映画『スター・ウォーズ』に登場するレイア姫(Leia Organa)、ターキン総督(Wilhuff Tarkin)からつけられています。

第4話

古生物学者レイモン・スタンの名前は、映画『ゴースト・バスターズ』に登場するレイモンド・スタンツ博士からつけられています。

第6話

ルイ・ヴァルメラスという名前は、モーリス・ルブランの小説『奇巌城』でアルセーヌルパンが使用した偽名です。

第8話

アストリッドの職場の同僚がつまようじを床に落とし、全部で何本あるか尋ねる場面は、映画『レインマン』に登場するシーン(カフェの従業員がつまようじを床に落とし、ダスティン・ホフマン演じる自閉症のレイモンドが数を言い当てる)のオマージュです。

感想(ネタバレ有)

とてもいいドラマでした。

殺人事件の捜査を通して、うまく社会に適応できずに悩むアストリッドの成長過程が丁寧に描かれ、人間ドラマとして見応えのある作品になっていました。ラファエルとアストリッドがゆるやかに友情を育んでいくところがとても優しくて素敵で、何度も泣きそうになりました。

刑事のラファエルは大雑把な性格(悪く言えばがさつ)で、正確と緻密さを好むアストリッドとは正反対。だけど、誰に対してもフレンドリーで包容力は抜群。他人に対して壁がないんですよね。アストリッドが通う〈社会力向上クラブ〉のウィリアムとも、あっという間に仲良くなってしまうんだからすごい。

アストリッドとラファエルが友情を深めていくのと同時に、2人のまわりの人々も少しずつ変化していくのが面白かったし、心が温かくなりました。

監察医のフルニエはアストリッドに毎回ミスを指摘されて不機嫌だったけど、徐々に彼女を犯罪学者として認めるようになり、後半は彼女が言わんとしていることを誰よりも早く察するまでになっていました。

犯罪資料局の同僚たちも、最初はアストリッドのことを奇異な存在として遠ざけたり嫌がらせをしたりするのだけど、最後は彼女に敬意を払い、仲間として力になろうとします。

アストリッドにとって父親代わりだった後見人のガイヤールが亡くなってしまったのは悲しいけど、彼女が名実ともに自立するには必要なストーリーだったのかもしれない。母親のマチルドも戻ってきたし、何よりラファエルがいるから大丈夫かな。

ラファエルのほうは、同僚ニコラとの関係が気になるところ。彼の想いにまったく気付かず、「兄弟同然」とか言ってしまう鈍感なラファエル…。現時点では見込みがなさそうだけど、これから変化するのかも。

シーズン2は2021年5月~6月にフランスで放送されました。続きが楽しみです。

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