WOWOW「正体」全話ネタバレ・感想・登場人物(キャスト)

WOWOW「正体」あらすじキャスト

WOWOWの連続ドラマ「正体」(全4話)についてまとめました。

亀梨和也、WOWOW連続ドラマ初主演!ヒットホラー映画『事故物件 恐い間取り』以来の再タッグとなる中田秀夫監督らとともに、染井為人の傑作サスペンス小説をドラマ化

WOWOW公式サイトより

殺人事件の容疑者として逮捕され死刑を宣告された主人公が、脱獄して潜伏先で出会った人々を窮地から救う姿を描いたサスペンス。監督は、映画『事故物件 恐い間取り』で亀梨和也さんとタッグを組んだ中田秀夫監督。

全4話と短いドラマですが、中身はギュッと濃くて面白かったです。主人公が脱獄した理由と、事件の全容が徐々に明らかになっていく展開に心をつかまれました。

作品概要

  • 放送局:WOWOWプライム
  • 放送時間:2022年3月12日(土)から毎週土曜22:00~ほか
  • 原作:染井為人『正体』
  • 脚本:前川洋一
  • 監督:中田秀夫/谷口正晃
  • 音楽:海田庄吾

あらすじ

ある夫婦が殺された殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑を宣告された鏑木慶一(亀梨和也)が、移送中に刑務官の隙をつき脱獄する。テレビなどマスメディアでは鏑木の脱獄が大きく報じられ、警察が全力で行方を追うも、鏑木を捕まえられずにいた。一方、事件の被害者夫婦の夫の母親である井尾由子(黒木瞳)は若年性認知症を患っており、事件のトラウマを抱えながら介護施設で療養している。
やがて、鏑木は逃走しながらも潜伏する先々で名前や姿を変え、工事現場の作業員・野々村和也(市原隼人)やライター兼ディレクターの安藤沙耶香(貫地谷しほり)、痴漢の冤罪被害に遭った弁護士の渡辺淳二(上川隆也)と出会い、彼らを窮地から救っていく。なぜ、鏑木は人々を救うのか──。野々村たちは鏑木が指名手配中の死刑囚だと気付いたとき、「彼は本当に殺人犯なのか?」と疑問を抱き始める。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、染井為人さんの長編小説『正体』(2020年刊行)です。

登場人物(キャスト)

鏑木慶一(亀梨和也)
ある殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑を宣告されるも、移送中に脱獄。逃走を続けながら、潜伏先で出会う人々を窮地から救う。幼い頃に両親を亡くし、埼玉県の養護施設で育った。事件当時は勤務先の会社が倒産し、金に困っていたことから、金目当てに犯行に及んだとされている。

井尾由子(黒木瞳)
鏑木が殺したとされる夫婦の母親。事件の唯一の目撃者でもある。若年性認知症を患っており、現在は事件のトラウマを抱えながら介護施設で療養している。

又貫征吾(音尾琢真)
鏑木を追う刑事。執念の捜査で鏑木を追い詰めていく。

野々村和也(市原隼人)
工事現場の作業員。鏑木が“遠藤雄一”として潜伏する〈牛久保土木〉の同僚。劣悪な労働環境に不満を募らせ、鏑木に相談する。助けてくれた鏑木に信頼を寄せるようになるが、彼が脱獄囚であることをニュースで知ってしまう。

安藤沙耶香(貫地谷しほり)
WEB編集プロダクション〈メディアトレンダーズ〉のライター兼ディレクター。身寄りのない鏑木を気遣い、一緒に暮らし始める。やがて鏑木に恋心を抱くようになるが、彼が脱獄囚だと気づき苦悩する。

稲本美代子(奥貫薫)
WEB編集プロダクション〈メディアトレンダーズ〉の代表。沙耶香の良き理解者。

渡辺淳二(上川隆也)
痴漢の冤罪被害に遭った弁護士。陸橋から飛び降りようとしたところを鏑木に救われ、沙耶香が記事に書いたことで社会復帰を果たす。その後、冤罪で苦しむ人々を助ける活動をしようと決意する。

笹原浩子(若村麻由美)
鏑木が潜伏するパン工場のパートスタッフ。井尾由子の妹。新人の“久間道慧”が脱獄犯ではないかと疑い始める。

近野節枝(高畑淳子)
浩子のパート仲間。認知症の父を介護している。パート仲間の信代に誘われて宗教団体〈救心会〉に入会した直後、オレオレ詐欺の被害に遭う。

大久保信代(藤吉久美子)
浩子のパート仲間。節枝や浩子を宗教団体〈救心会〉に誘う。

尾根(野間口徹)
宗教団体〈救心会〉山形支部の教祖代理。信者たちを集めて定期的に説教会を開いている。

酒井舞(堀田真由)
鏑木が“桜井幸司”として潜伏する介護施設〈アオバ〉で働く介護士。施設で療養している井尾由子を気にかけ、熱心にサポートしている。鏑木の人柄に好感を抱くが、彼が由子と2人きりで話しているのを目撃し…。

四方田保(濵田崇裕)
介護施設〈アオバ〉の社員。ニュースで鏑木が脱獄したことを知り、事件の目撃者である井尾由子を心配する。

佐竹(温水洋一)
介護施設「アオバ」の社長。穏やかな性格でスタッフからの信頼も厚い。面接に訪れた鏑木を気に入り、職員として採用する。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

2017年。鏑木慶一(亀梨和也)はIT関連会社を経営する井尾洋輔・千草夫妻を殺害した罪で死刑宣告を受ける。事件は2年前の2015年に発生。悲鳴が聞こえたという通報を受けた警察官が井尾家を訪ねると、遺体の傍らには泣き叫ぶ洋輔の母・井尾由子(黒木瞳)と、血まみれの包丁を手にした鏑木がいた。
鏑木は金品を奪う目的で井尾家に侵入し、帰宅した千草に見つかり台所にあった包丁で殺害。直後に帰宅した洋輔も殺害したとされていた。捜査段階では自白していた鏑木だったが、裁判では事実を否認する。
拘置所で体調が悪くなり病院へ移送される途中、鏑木はサービスエリアのトイレから脱出し、逃走する。ひと月後、彼は「遠藤雄一」と名乗り、〈牛久保土木〉の作業現場で働いていた。
ある日、仲間が現場で怪我をしてしまい、労災が降りないことに不満を持った野々村和也(市原隼人)は“遠藤”に相談する。彼は法的な知識を使って〈牛久保土木〉の担当者を脅し、示談金10万円と見舞金10万円を払わせることに成功する。
“遠藤”に感謝し信頼を寄せる和也だったが、テレビのニュースを見て彼の首の後ろに脱獄囚と同じあざがあることに気づく。“遠藤”を尾行した和也は、彼が“井尾由子”を探していることを知る。
警察に通報するも、何も言わずに電話を切る和也。それを知った鏑木は姿を消す。翌日、刑事の又貫(音尾琢真)から鏑木について聞かれた和也は、「鏑木はいいやつです」と答える。
脱獄から117日。WEB編集プロダクション〈メディアトレンダーズ〉で働く安藤沙耶香(貫地谷しほり)は、在宅ライターの“那須隆士”と面会する。それは髪を金色に染めた鏑木だった。

鏑木は容姿を変え、“那須隆士”を名乗ってWEB編集プロダクションの在宅ライターとして働いていた。担当ディレクターの沙耶香は、ネットカフェを転々としている鏑木を心配し、ルームシェアを提案する。
沙耶香は数年前に両親を亡くし、一軒家にひとりで暮らしていた。毎晩おいしい夕食を作って自分の帰りを待つ彼に、沙耶香はどんどん惹かれていく。
ある日、鏑木は自殺を図ろうとした弁護士・渡辺淳二(上川隆也)を救う。彼は痴漢の冤罪被害に遭い、法的には無罪となるものの、社会的地位を失って苦しんでいた。彼に自分を重ねた鏑木は沙耶香に頼んで記事を書いてもらう。
鏑木によって社会復帰の機会を得た渡辺は、弁護士として冤罪に苦しむ人々を助けたいと語る。渡辺に自分の冤罪を打ち明けたいという思いを押し殺し、口をつぐむ鏑木。
沙耶香の元恋人・矢川が突然訪ねてくる。沙耶香を無理やり押し倒して復縁を迫る矢川だったが、鏑木に追い返される。翌日、矢川は「脱獄囚に似てる」と沙耶香に警告し、沙耶香は指名手配写真を見て“那須”が鏑木だと気付く。
通報を受け、刑事の又貫が家を訪ねてくる。鏑木をかくまう沙耶香に、「信じて。僕はやってない」と告げる鏑木。又貫に見つかった鏑木は、「逃げて」という沙耶香の言葉に従って窓から逃走する。
脱獄から1年。鏑木は“久間道慧”と名乗り、宗教団体〈救心会〉の講演会会場に現れる。そこには井尾由子の妹・笹原浩子(若村麻由美)と、彼女のパート仲間である近野節枝(高畑淳子)、大久保信代(藤吉久美子)が来ていた。
鏑木は彼女たちが勤務するパン工場で働き始める。

節枝と浩子は〈救心会〉に入会し、家族構成や悩みなどを入会申込書に細かく書き込む。鏑木はボランティアスタッフとして救心会に潜り込み、浩子の入会申込書を盗み見て彼女の姉・井尾由子が千葉県我孫子市の介護施設にいることを突き止める。
節枝はオレオレ詐欺に引っかかり、100万円を騙し取られてしまう。そこへ鏑木が現れ、〈救心会〉が会員たちの身辺情報を振り込め詐欺グループに売り渡していることを明かす。鏑木は弁護士・渡辺の名刺を節枝に渡して相談するよう助言し、姿を消す。
節枝から相談を受けた渡辺は、“久間”が鏑木だと気づく。久間の正体に気づいた信代は警察に通報し、節枝と浩子は彼が脱獄犯だと知って驚く。
鏑木は“桜井幸司”と名乗り、介護福祉施設アオバの面接を受ける。社長の佐竹(温水洋一)は鏑木を気に入り、その場で採用する。職員の四方田(濵田崇裕)や舞(堀田真由)も鏑木の働きぶりに好感を抱く。
ある夜、舞は鏑木が由子の部屋を訪れ、“あの時”のことを思い出してほしいと訴えているところを目撃する。鏑木はその記憶が誰かを救うかもしれないと促すが、由子は「思い出したくない」と泣き出してしまう。
由子が事件の目撃者であることを知らない舞は、同僚の四方田に確かめようとするが、はぐらかされてしまう。そこへ由子の妹・浩子が面会にやってきて…。

舞は四方田から井尾由子が事件で殺害された夫婦の母親だと聞かされ、桜井が脱獄犯の鏑木であることに気づく。舞から相談を受けた四方田は社長の佐竹に伝え、警察に通報。刑事の又貫らが施設にやってくる。
追い詰められた鏑木はとっさに包丁を手に取り、舞を人質に取って施設に立てこもる。包囲する警察に井尾由子と話をさせてほしいと訴える一方で、鏑木は舞に事件が起きた夜のことを話す。
その夜、鏑木はバイトの帰りに井尾家の前を通り、由子の悲鳴を聞いて家の中に駆け込んだ。すると夫妻が血を流して倒れており、その傍らで由子が泣き叫んでいた。
まだ息があると訴え、刺さっているナイフを引き抜こうとする由子を止め、代わりに自分がナイフを抜いてタオルで出血を抑える鏑木だったが、そこへ警官が踏み込んできて逮捕されたのだった。
警察は鏑木が以前から井尾家の様子を伺っていたことから、被害者の井尾千草へのいたずら目的で侵入し、騒がれたために殺害したと決めつけた。だが鏑木が家の前に立っていたのは、由子が奏でるピアノの音色が死んだ母親のピアノの音に似ていたという理由からだった。
鏑木は由子から事件に関する話を根気強く聞き出し、その内容を録音していた。それをインターネット上で公開し、世論を味方につけて改めて法廷を開かせたいという。
舞は鏑木を信じようとするが、警察がバリケードを破って突入し、逃げようとした鏑木は又貫に撃たれて意識不明の重体となる。
後日、舞は四方田に呼び出され、弁護士の渡辺、沙耶香、和也、節枝らと会う。彼らは鏑木の無実を信じ、彼を救うために集まったという。和也は鏑木の無実を信じる人々の署名を集め、節枝は講演会を開いて鏑木に救ってもらった事実を話し、沙耶香はフリーライターとなって鏑木の無実を主張する記事を書いていた。
意識を取り戻した鏑木は渡辺と面会し、ボイスレコーダーがなくなったことにショックを受けて希望を失うが、沙耶香から届いた手紙に励まされてリハビリに励むようになる。
沙耶香は群馬県で新婚夫婦を殺した模倣犯・足利清人が余罪をほのめかしていることを知り、彼が真犯人ではないかと疑う。舞は山形にいる井尾由子を訪ね、事件の夜のことや、検察に指示されて鏑木が犯人だと証言したことを聞き出す。
足利清人が犯行を供述し、鏑木は再審公判で無罪を言い渡される。

感想(ネタバレ有)

最初は「妙に暗いなぁ」と思って見ていたのですが、監督が『事故物件 怖い間取り』の中田秀夫監督であることを思い出して納得。回を追うごとに面白くなっていって、最終話は待ちきれないくらいでした。

最後は主人公が報われて、見終わったあと心から「よかった」と思えるドラマだったけど、最終話はもうちょっと長く見たかったなぁ。特に鏑木が捕まってからの流れ。法廷ドラマじゃないので裁判は端折ってもいいと思うけど、バタバタっと終わってしまったのが残念。

でも逆に考えると、全4話だったから面白かったのかもしれないですね。最初は正体不明の不気味な若者だった鏑木も、ストーリーが進むにつれ不気味さが消えて、少しずつ人となりがわかってくる。登場人物たちと同じように、見ているほうも「彼を助けたい」という気持ちが高まっていく。ちょうどいい回数だったのかも。

第3話で鏑木が交通事故に遭遇して、倒れている高校生を介抱する場面がありましたよね。高畑淳子さん演じる節枝は「私もう自分が情けなくなっちゃった。ビビって体も動かなかった」と、鏑木のとっさの行動に感心していました。

鏑木は「人を助けることに躊躇がない人間」だということが、あの場面でよく伝わりました。だから事件の日も悲鳴を聞いてすぐ家に入っていったし、助けたい一心でナイフを抜いた。

もしわたしが同じ場面に遭遇したらどうするだろう…と考えてみたけど、きっと同じ行動は取れないと思う。節枝と同じように恐怖ですくんで動けなくなるか、パニックになっておろおろするだけのような気がする。

鏑木の誠実さと行動力は評価されるべきものなのに、それが仇になってしまったのがいたわしい。そして過去の真実は、どうやっても確認することができないという恐ろしい現実。冤罪の証明の難しさ。

鏑木の場合は目撃者がいて、さらに真犯人が自供してくれたから助かったけど、それがなかったら…と思うと本当におそろしい。

晴れて無罪になった鏑木は、これからどんな人生を送るんだろう。どこへ行っても、どんな仕事についても、彼はまた誰かを助けるんだろうな。幸せになってほしいです。

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