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登場人物/キャスト&相関図
靖安司と関係者
張小敬(ちょうしょうけい)/レイ・ジャーイン
元不良帥の死刑囚。冷酷非情で「五尊閻魔」と呼ばれている。熊火幇34人と上官を殺害した罪で斬首刑が確定。長安の警備経験があり、城内の人物や地理を熟知していることから、狼衛の捜査係に任命される。
李必(りひつ)/イー・ヤンチェンシー
長安の治安を守るために朝廷が密かに設置した「靖安司」の司丞(責任者)。テロ集団「狼衛」の一味が城内に潜入しているという情報をつかみ、特例で死刑囚の張小敬を捜査係に任命するが、そのことで立場が危うくなる。
徐賓(じょひん)/チャオ・ウェイ
靖安司・戸部の役人。李必の右腕的存在。記録の分析を好み、高官の道より今の職を選んだ。記憶力にすぐれ、大案牘術(データの分析術)を得意とする。
檀棋(だんき)/レイザ
李必に仕える忠実な下女。名門の出だが一族が取り潰され、10歳で下人となり14歳で李必に仕えた。
崔器(さいき)/サイ・ルー
旅賁軍の旅帥(指揮官)。崔六郎の弟。もともとは農民だったが、六郎が手段を選ばず金を作り、弟のために軍籍を買った。李必の命を受けて狼衛捕縛に尽力するが、小敬のことは信用していない。
崔六郎(さいりくろう)/黄海波
有名な仲買人。密輸、人身売買、口封じの仕事などを請け負っていた。死刑囚だったが李必の特命を受けて曹破延に接触し、正体がバレて殺された。殺される直前に、狼衛の計画を記した地図を飲み込んでいた。
何執正(かしゅうせい)/韓童生
靖安司の秘書監(長官)。86歳。李必の師。敵対する右相・林九郎の差し金で、不本意ながらも引退を余儀なくされてしまう。
何孚(かふ)/寒青
何執正の養子。6歳の時に何執正に引き取られた。周囲からは“うつけ者”と呼ばれている。
龐霊(ほうれい)/何晨
司天台の報時博士。
陸三(りくさん)/岡村秀
靖安司の伝令係。
太子と関係者
李璵(りよ)/周陸拉
皇太子。後の皇帝・肅宗。右相・林九郎と対立している。
姚汝能(ようじょのう)/ルー・ファンション
太子の側近。官職は東宮右衛率。宰相・姚崇の孫で、李必と太子とは幼馴染み。太子の命を受けて張小敬とともに狼衛の捜査にあたる。
李静忠(りせいちゅう)/張衛
太子に仕える宦官。
李適之(りてきし)/尹昭德
兵部尚書。左相。
王宗汜(おうそうし)
朔方節度使。大将軍。太子の義兄で、王韞秀の父親。右刹が唐に投降した際、長安まで護送した。
韓朝宗(かんちょうそう)/閔政
京兆尹。太子派の一人。太子と李必と景龍觀で密会し、太子の新税法を支持する。
皇甫惟明(こうほいめい)/王東
隴右節度使。
韋堅(いけん)/李品夆
水陸転運使。皇太子妃の実兄で太子の義兄。
テロリスト
曹破延(そうはえん)/ウー・シャオリャン
狼衛の首領。数十人の仲間とともに長安に潜入。李必の命を受けた仲買人・崔六郎が間者として接触し、丙六倉庫で捕らえようとしたが失敗。水路を使って逃亡した。幼い娘がいる。
右刹(ゆうさつ)/曲高位
狼主ガロの末息子。曹破延たち狼衛を長安に呼び集めた人物。波斯僧の扮装をしている。天保元年に狼衛が大食(アラビア)に殲滅された際、唐に投降した。
龍波(りゅうは)/ジョウ・イーウェイ
白蟻団の首領。懐遠坊に商人として潜伏しながらチェラホトの計画を進め、昌明坊の廃屋で爆薬の製造に取り組む。平康坊の妓楼「趙団児」に通い、なじみの妓女・丁瞳児を修政坊の屋敷に招くなどしていた。
魚腸(ぎょちょう)/リー・ユエン
龍波と夫婦のフリをして懐遠坊に潜伏していた女性。普段は男装している。龍波を慕っているが女性として扱われておらず、不満を募らせる。
聞染(ぶんぜん)/ワン・ホールン
香舗の主。“降芸神香”という銘の香りを作っている。小敬の戦友だった聞無忌の一人娘。父を殺した長安を憎み、計画に加わる。王宗汜大将軍の娘・王韞秀を狼衛に引き渡す。
林九郎と関係者
林九郎(りんきゅうろう)/尹鑄勝
右相。権謀に長け、門下以外は罪を着せて排除する。太子の政敵で李必とも対立し、靖安司に“三女”という間者を送り込んでいる。開元二十三年の烽燧堡の役の際は兵部尚書を務めていた。
吉温(きつおん)/朱輝
新豊県・県丞。林九郎に太子側の動きを逐一報告する。
甘守誠(かん・しゅせい)/韓朴俊
右驍衛将軍。狼衛捜査に加わるため、旅賁軍の指揮を執るよう林九郎に命じられる。
趙七郎(ちょうしちろう)/公磊
右驍衛参軍。甘守誠の部下。
永王と関係者
永王(えいおう)/葛兆恩
太子の異母弟。小敬を恐れており、封大倫と結託して小敬を再び投獄させようと企む。
封大倫(ほうたいりん)/肖芸
永王の威を借る工部役人。熊火幇を使って悪事を働いている。永王とともに小敬を恐れ、再び投獄させるために策を弄する。
秦珏(しんかく)
熊火幇の頭。永王と結託し、安業坊の住民たちを脅して強制的に立ち退かせた。封大倫に命じられ、小敬を狙う。
元載(げんさい)/余皚磊
大理寺評事。機知に富み、好機を察する感覚が鋭い。封大倫の依頼を受けて小敬の引き渡しを求める公文書を書く。出世のために王韞秀を利用するが、次第に惹かれていく。
皇帝と関係者
皇帝陛下/馮嘉怡
李四郎。太子(李璵)の父。政を右相・林九郎に委任し、驪山の温泉宮に隠居することを考えている。
厳太真(げんたいしん)/徐璐
皇妃。皇帝に寵愛されている。かつて檀棋に救われたことがある。
郭利仕(かくりし)/呂涼
驃騎大将軍。不正とは無縁と言われる忠臣。表向きは中立の立場を取っているが、林九郎が政務を司ることに危機感を抱き、影ながら李必を応援する。
そのほか
程参(ていしん)/宋允皓
書生。たまたま逃走中の狼衛トゥガルに出くわし、仕官のために書いた詩文を台無しにされ、愛馬を殺される。報復のためにトゥガルを襲撃し、靖安司の牢に入れられる。
葛の旦那(かつのだんな)/ジャイモン・フンスー
平康坊の地下都市を牛耳るお尋ね者。元奴隷。妓女を高官に接触させて機密を買収し、人身売買や戸籍の偽造、薬物や武器の取引などをしてのさばっている。
影(えい)
安業坊の立ち退きで犠牲になった娘。妓女の戸籍に入り、宴で永王と林九郎の密談を聞く。不正の証拠となる右相の玉佩を盗み出したが、不審死を遂げる。いつも独特な香を漂わせていた。
王韞秀(おううんしゅう)/艾如
王宗汜大将軍の娘。聞染に騙されて狼衛の根城に連れてこられ、拘束されてしまう。その後、永王の息が掛かる工部役人・封大倫に監禁されるが、元載によって救出される。
聞無忌(ぶんむき)/楊溢
聞染の父。小敬の戦友で第八団の伍長。“烽燧堡の役”で生き残った9人のうちのひとり。安業坊で香舗を営んでいたが、熊火幇との諍いに巻き込まれ、命を落とす。
許鶴子(きょ・かくし)/曲柵柵
歌伎。狼衛に人質に取られた弟・許歌を小敬が救出したことから、小敬に協力するようになる。
イス
義寧坊にある大秦景寺の僧。小敬から事情を聞かされ、捜査に協力する。本人いわく「長安一身が軽い」。
毛順(もうじゅん)/徐正運
唐朝一の工匠。天賦の才と運を兼ね備え、皇帝からも絶賛されている。大仙灯の作者。