「コールドケース3」第7話ネタバレ感想|子供を守るための決断

WOWOWドラマ「コールドケース3 ~真実の扉~」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「コールドケース3-真実の扉-」第7話“思い出の渚”のあらすじと感想(ネタバレ有)です。

今回の話も切なくて辛かったです。

黒木華さんの髪型とかファッションとか、うっすらと、なんとな~く懐かしい感じがしました。年代的にわたしの幼い頃の母親を思い出すからかもしれません。

今回は代理が戻ってきてくれたので、チーム全員が揃いました。やっぱり代理がいると引き締まりますねぇ。

元ネタは、アメリカ版「コールドケース」シーズン3第9話“A Perfect Day”です。

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WOWOW連続ドラマW「コールドケース2」 ネタバレ有「コールドケース2-真実の扉-」登場人物(キャスト)一覧・全話あらすじ感想

第7話「思い出の渚」のあらすじ

橋のたもとで、死後数十年が経過した少女の骨が発見される。死因とは別に複数の骨折の痕が見られたことから、虐待を疑う百合(吉田羊)たち。

当時の担当医師は昭和42年に母親が娘を連れて診察に来たことを覚えており、娘への暴力を止められずに悩んでいた様子だったと証言する。

やがて母親が満智子(黒木華)、娘が渚(ゆいな)という名前であることが判明。公開した復顔画像を見た記者・田島岬(中島ひろ子)は、自分の少女時代にそっくりだと申し出る。

岬は4歳の時に教会で母親と別れたきり会っていないと語り、その時に渡された聖ミカエルのペンダントを持っていた。調べると、ペンダントは少年ライフル乱射事件で表彰された警察官・潮見敏夫(山路和弘)のものだとわかる。

潮見は当時警察学校を出たばかりで、近所から騒音の苦情があって満智子の家を見に行ったという。満智子は警察官の夫・遠藤勇治(駿河太郎)から暴力を受けており、ペンダントはそのときお守り代わりに渡したものだった。

勇治は1967年に警察を辞め、1997年に何者かに殺害されていた。満智子は勇治が退職する前に失踪し、今も行方がわかっていない。

満智子は潮見に教えられた母子寮に子供たちを連れて逃げ込んでいたが、すぐに勇治に見つかり、連れ戻されていたことがわかる。当時母子寮にいた洋子(白川和子)は、彼女のことを好きな男性がいた」と話す。

DNA鑑定の結果、岬と亡くなった渚は一卵性双生児だと判明。洋子が持っていた8ミリフィルムの映像を見た岬は、満智子と潮見が互いに惹かれ合っていたことを思い出す。

当時、潮見は満智子に求婚し、一緒に逃げようとしていた。だが満智子と子供たちは勇治に見つかり、満智子の裏切りを知った勇治は逆上して渚を川に落としたのだった。

百合はピアノ教師をしている現在の満智子に会いに行く。夫に見つかって殺されることを恐れ、岬を教会に置き去りにして以来、隠れるようにして生きていた満智子。勇治が既に死んでいることを告げると、岬だけは守りたかったと語る。

潮見は満智子と再会できないまま、満智子のために勇治を殺したことを自供し、逮捕される。満智子と岬は数十年ぶりに浜辺で再会する。

第7話の登場人物(キャスト)

遠藤満智子(黒木華/真野響子)
橋のたもとで遺体となって見つかった少女の母親。子供への暴力を止められず悩んでいたという周囲の証言により、虐待が疑われている。現在はピアノ教師。

遠藤勇治(駿河太郎)
満智子の夫。傍目からは真面目で誠実な良き夫に見えるが、隠された一面を持っている。家族から逃げようとする満智子を必死に引き留める。

渚(ゆいな)
満智子と勇治の娘。橋のたもとで遺体となって発見される。死因とは別に、複数の骨折の痕があった。

田島岬(あゆな/中島ひろ子)
横浜日報の記者。少女の遺体の復顔画像を見て、自分にそっくりだと名乗り出る。4歳の時に母親に捨てられ、それ以前のことは覚えていない。母親からもらったペンダントを今も大切に持っている。

潮見敏夫(高杉真宙/山路和弘)
新米警官の頃、通報を受けて遠藤家を訪ね、満智子と知り合った。手がかりとなる“聖ミカエル”のペンダントの持ち主で、現在は警察を辞めている。

勝江(佐藤めぐみ/泉晶子)
母子寮の代表者。満智子と子供たちを受け入れる。

洋子(内田慈/白川和子)
母子寮で満智子と仲良くなった女性。

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第7話で使用された曲

  • ザ・ワイルドワンズ「想い出の渚」
  • ザ・ピーナッツ「恋のフーガ」
  • 中村晃子「虹色の湖」
  • プロコル・ハルム「青い影」

第7話の感想

子供を守るための決断

過去の事件が傷ましくてやりきれなかったです。現実でも幼い子供が虐待によって命を落とす事件が後を絶たないので、本当に悲しくなります。

川で発見された少女の白骨遺体を捜査するうちに、無関係と思われた2つの事件が繋がり、意外な真実が見えてくるという展開でした。

当初は母親による虐待かと思われましたが、実は暴力をふるっていたのは夫のほうで、しかもその夫は警察官だった。

当時の日本社会は今よりも権威主義的だったと思うので、「警察」や「父親」は絶対的な存在だったはず。その両方を併せ持つ遠藤勇治は、思うがままに振る舞えたでしょうね。はぁ~嫌な気分。

勇治を演じた駿河太郎さんもうまかった。真面目で誠実そうな夫が、徐々に歪んだ愛情を持つDV男へと変貌していく様相が見事だった。

目の前で夫に娘を殺された満智子は、もうひとりの娘・岬を守るために教会に置き去りにしたことがわかります。母親に捨てられたと思っていた岬は、その理由を知って救われたんじゃないでしょうか。

ストーリーの流れはほぼ原作と同じなのですが、今回もラストがアメリカ版とは異なります(詳しくは後述)。

60年代の貧しさが溢れ出ていた

過去の時代設定は1967年。私が生まれるよりも少し前ですが、満智子の家の砂壁とか、子供たちの水着とか、子供の頃を思い出して懐かしかったです。

今見るとすっごい貧乏臭く見えるけど、当時は普通だったと思う。もちろんきれいな家に住める裕福な人もいましたが、割とみんな貧しかった気がする。

わたしの幼い頃の記憶は70年代だから、60年代となるともっと貧しかったんじゃないかなぁ。あと黒木華さんの髪型が絶妙! 当時はああゆう髪型のお母さんが多かった!

アメリカ版も1965年とほぼ同じ時代設定なのですが、文化はびっくりするくらい違いますね。まるっきり「奥さまは魔女」の世界で、家は広くてきれいだし、髪型もオシャレで決まってるし、女性も普通に車を運転してます。

だけど「虐待」という概念がまだなかった、という点は同じでした。

アメリカ版との違い

ここからは、元ネタとなったアメリカ版「コールドケース」シーズン3第9話“A Perfect Day”との違いについて説明します。

時代設定は日本版が1967年だったのに対し、アメリカ版では1965年。ストーリーの流れは同じですが、夫が死んだ時代とラストが異なります。

満智子/シンディ

母親・満智子の設定は原作と同じ。原作でも夫の暴力から逃げようとして、ほかの男と結婚しようとしたことが露呈し、逆上した夫に目の前で娘を殺されてしまいます。

日本版の満智子は中華料理店で働いていましたが、アメリカ版はドライブインで働くウェイートレスで、逃げ込んだ場所は民間のシェルターでした。

渚と岬/ヴィヴィアンとモーラ

娘は実は双子だった、という設定も原作と同じ。日本版の「渚」と「岬」というネーミングがいいですよね。

演じていた双子の女の子はインスタで見つけた素人さんらしいのですが、まったく違和感なく、ちょっと謎めいた雰囲気が物語にハマっていました。

日本版では、大人になった岬は新聞記者になっていましたが、アメリカ版では裁判所で働く速記者でした。

敏夫/アート

満智子と警察官の潮見敏夫が出会ったきっかけや、聖ミカエルのペンダントを渡すくだりも原作そのままでした。

ペンダントの裏にはバッジナンバーが刻まれていて、そこからアート(アメリカ版の潮見)に繋がります。

母子寮の女性と子供たちを海に連れていき、8ミリで撮影するというくだりも一緒。アメリカ版のサブタイトル“A Perfect Day”は、この日のことを指していると思われます。

敏夫が勇治を殴りにいく場面は、日本版では一人でしたが、原作では仲間3人でボコりにいくんですよね。本人いわく「当時、虐待野郎にはそうするのが闇の掟だった」らしい。

夫がブチ切れるきっかけが娘の「潮見満智子はどうなるの?」だったのですが、これも原作と同じで、娘が「ミセス・バルドゥーチ」と呼んだことで夫を激怒させることになってしまいました。

勇治/ロジャー

満智子の夫・勇治については、死んだ時代と理由が大きく異なります。

日本版では警察を辞めた30年後の1997年に殺されていますが、原作では1965年、つまり満智子が失踪した数か月後に殉職しているのです。

犯人は敏夫/アートなのですが、アメリカ版では事件化していないので、捜査は行われていません。

正直、日本版の「30年後に殺された」という点にはちょっと引っかかってしまいました。30年も待って殺す必要あるかなぁ。

敏夫はずっと勇治を見張っていて、彼が満智子の居場所を嗅ぎつけたことを知って殺したのだと思うけど、時間が空きすぎで違和感が残りました。

異なる結末

前回同様、今回も日本版とアメリカ版とではラストの印象が大きく異なっています。

警察で聴取を受けた敏夫は、自分が満智子の夫・勇治を殺したことを告白し、逮捕されてしまいます。彼は最後まで満智子と再会できないままでした。

アメリカ版では、ウィル(アメリカ版の金子)とニック(日本版の立川)が聴取を行いますが、その発言については記録せず、やはり前回同様「聞かなかった」ことにして彼の罪を見逃すのです。

アメリカ版は事件化していないこともあって、夫のロジャーは「殉職」という形のまま、真実は暴かれません。

ラストは、年老いたシンディとモーラ、そしてアートが40年ぶりに浜辺で再会するという感動的なシーンで締めくくられます。

正直な気持ち、日本版でも最後には満智子と敏夫と岬に再会してほしかったです。だけど、ねこさんと立川さんが「聞かなかったことにする」なんて言うはずない、とも思います。

日本版のキャラクターが完全に独立して、唯一無二のキャラクターになったんだなぁ…と改めて感じた瞬間でした。

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