WOWOWの連続ドラマ「不発弾 ~ブラックマネーを操る男~」最終話(第6話)のあらすじと感想です。
すごい結末…。
小堀と古賀が対峙する場面に見入ってしまいました。ラスト10分のどんでん返しは日本の闇そのもの。
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最終回のあらすじ(ネタバレ有)
佐知子(原田知世)は、古賀(椎名桔平)が記録している手帳の情報を小堀(黒木メイサ)に提供する。小堀はそれを元に三田電機の不正を暴こうと金融庁の証券取引等監視委員長の粟島(石丸謙二郎)と面会。協力を取り付ける。
さらに、小堀は古賀の元上司・中野(奥田瑛二)に会いに行く。古賀と三田電機の関係について尋ねるが、中野は協力を拒否。小堀に「あなたはこの国のシステムの根幹が分かってない」と言う。
佐知子が主宰するNPOの会合に出席した古賀は、佐知子から別れのメールを受け取り困惑。その直後、金融商品取引法違反で小堀らに逮捕される。
古賀が逮捕されたという報せはすぐに東田(宅麻伸)の元にも届き、東田はある人物に連絡を取る。古賀は警察で取り調べを受けるが、のらりくらりと質問を躱し、不敵な笑みを浮かべて「近い将来あなたは異例の出世をなさるでしょう」と言う。
その直後、小堀は刑事部長から神奈川県警捜査二課長への異動を告げられる。手を回したのは、東田からの連絡を受けた総理大臣・芦原恒三(葛山信吾)だった。古賀は釈放されるが、芦原は東田に「そろそろ代わりになる人間を探しておいた方がよさそうだ」と告げる。
キャスト
古賀遼(良樹)……椎名桔平
小堀弓子……黒木メイサ
今井春彦……堀部圭亮
東田章三……宅麻伸
村田佐知子……原田知世
中野哲臣……奥田瑛二
古賀良樹(青年時代)……三浦貴大
古賀睦美……入山杏奈
岡田加津美……朝夏まなと
古賀良美……山口美也子
荒井勝利……渡辺哲
相楽優一郎……津嘉山正種
最終話の感想
まさか芦原さんが総理になっていたとは…。
意外な終わり方でびっくりしました。芦原の存在そのものが、ラストへの伏線になっていたんですね。
後半、小堀と古賀が対峙する場面。緊張感MAXで、画面に釘付けになってしまいました。第1話で描かれた、妹と将来の夢を語るシーンがここで繋がったことにもゾクゾクしました。
一瞬だけど古賀の表情が揺らいだように見えたので、小堀の正義感にかつての妹を重ね、良心の呵責に耐えかねて罪を認めるのでは…と思ったけど、わたしが甘かった。
古賀は、もう過去にとらわれてはいない。あれほど愛した妹も、いま現在愛している佐知子も、古賀を止めることはできない。
いつの間にか国を牛耳る大物と深く繋がり、自分の存在が自分のものではなくなっている古賀。彼らに利用されるためだけに存在しているような人生に、古賀は満足しているのでしょうか。
感情が抜け落ちたモノローグは、まるで誰かが用意したセリフを読んでいるだけのようにも聞こえて、彼の本心とは遠くかけ離れているように思えました。
そしていつかは、権力者たちに用無しの烙印を押され、捨てられてしまうのでしょう。古賀の末路を思うと、空しさと哀しさでやりきれない気持ちになります。
古賀を裏切り、別れを告げなければならなかった佐知子が哀れでなりませんでした。自分だったらどうするだろう、と考えたり。佐知子と同じ行動が取れるだろうか…とか。
金融関係の不正に関しては古賀だけが悪いとは思えないけど、殺人の罪だけは償ってほしいと思うかもしれない。
佐知子のお父さんや荒井の自殺は仕方なかったとしても、母親を殺させたのは受け入れがたいんですよね。恨まれて当然の母親だったとしても。
お金と権力にまったく縁のないわたしには、理解も共感もできない部分が多くて難しいドラマでしたが、ドラマチックに仕上げてくれていたので退屈することなく最後まで楽しめました。
単純な経済ドラマ、単純な復讐劇ではないところが面白かったです。
ちょっと不気味な結末もよかった。
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