ネタバレ有*マウス(韓国ドラマ)全話あらすじ・キャスト・感想・視聴方法

韓国ドラマ「マウス~ある殺人者の系譜~」あらすじキャスト

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韓国ドラマ「マウス~ある殺人者の系譜~」についてまとめました。

サイコパスの中でもわずか1%とされる最も凶悪な“プレデター”(捕食者)に焦点を当てたクライムサスペンス。

韓国では、放送が始まると視聴率1位を独走。世界最高のドラマシリーズを選出するフランスの祭典SERIES MANIA 2021にもノミネートされ、世界で注目された作品です。

登場人物が多く、複雑に入り組んだストーリーで、一瞬たりとも目が話せません(すべて後半に伏線回収されます)。そこかしこに散りばめられた数多くの謎や空白部分が見事につながっていく展開が圧巻です。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2022年11月1日から毎週月-金曜8:30~
  • 製作国:韓国(2021年)
  • 原題:마우스
  • 脚本:チェ・ラン
  • 演出:チェ・ジュンベ

あらすじ

かつて、韓国全土を震撼させた“ヘッドハンター殺人事件”。殺害後に頭だけを持ち去る連続猟奇殺人事件で、1年間で20人近くの遺体が発見されながら犯人は捕まらなかった。当時の与党は世論からの批判を恐れ、遺伝子検査でサイコパス遺伝子を持つ胎児を堕胎させる法案を国会で審議したほどだった。そんな中、両親を殺害された少年コ・ムチ(イ・ヒジュン)の証言で、天才脳神経外科医ハン・ソジュン(アン・ジェウク)が逮捕される。これで事件は幕を閉じたかに見えたのだが……。

それから25年後、再び韓国にプレデター(捕食者)と呼ばれる連続殺人鬼が出現する。このとき、収監中のソジュンを自らの手で殺す目的で刑事になっていたムチは、正義感あふれる真面目な巡警チョン・バルム(イ・スンギ)を相棒に捜査へ乗り出す。一方、ソジュンのサイコパス遺伝子を受け継ぐ子どもがいることが明らかになり……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

視聴方法(動画配信)

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登場人物(キャスト)

※一部ネタバレを含みます

主要人物

チョン・バルム(イ・スンギ)
クドン派出所の巡警。優しくて正義感に溢れ、誰からも好かれている。友人チグクが襲われた事件で刑事のムチと出会い、連続殺人事件の捜査を手伝うようになる。

コ・ムチ(イ・ヒジュン)
ムジン北部警察署強力2チームの刑事。8歳の時に“ヘッドハンター”と呼ばれる連続殺人鬼に両親を殺され、復讐するために刑事になった。バルムと出会い、ともにサイコパスを追う。

チェ・ホンジュ(キョン・スジン)
殺人事件を検証する番組「シャーロック・ホンジュ」のプロデューサー。頻繁に警察署に出入りし、ムチとも親しい。過去にある人物の死に関わったことで罪悪感を抱き、人知れず苦しんでいる。

ソン・ヨハン(クォン・ファウン)
ムジン病院のレジデント。最年少で医師国家試験に合格した無口で冷たい男。連続殺人鬼“ヘッドハンター”の息子として連続殺人事件への関与を疑われる。

オ・ボンイ(パク・ジュヒョン)
女子高校生。祖母と2人暮らし。10年前に自分を襲った事件から立ち直れずにいる。まもなく犯人が出所すると知り、身を守るためにボクシングを習い始める。

ジェフン(キム・ガンフン)
サイコパス遺伝子を持ち、その中の上位1%である“プレデター”として生まれついた少年。自身が“怪物”になることを恐れ、教会で神に祈り続けたが願いはかなわず、成長して連続殺人鬼となる。

警察

シン・サン(P.O)
ムチの後輩。ムジン北部警察署に勤務していたが、証拠毀損の責任を問われて異動になり、ダニエル失踪事件を捜査することになる。父親は国会議員で法制司法委員長のシン・ソンミン。

カン・ギヒョク(ユン・ソヒョン)
ムジン北部警察署強力2チームの刑事。ムチの先輩。以前は仲がよかったが、ムチが復讐を誓ってからは衝突するようになった。心の底では誰よりもムチを心配している。

ポク・ホナム(ヒョン・ボンシク)
ムジン北部警察署強力2チームのチーム長。パク・ドゥソクの後輩で、ヘッドハンター連続殺人事件が新入り時代の最初の事件だった。

パク・ドゥソク(アン・ネサン)
25年前、“ヘッドハンター”を逮捕した刑事。連続殺人事件を捜査中、“ヘッドハンター”に2人の子供(ヒョンスとヒョンソク)を拉致された。刑事となったムチが犯人を挑発することで、自分と同じ目に遭うのではないかと心配する。のちに新設された証拠保管チームのチーム長に就任。

バルムの関係者

ナ・チグク(イ・ソジュン)
ムジン拘置所の刑務官。バルムの高校時代の同級生で、正義感が強く善良な青年。拘置所内でめった刺しにされ、指を2本切断された状態で発見される。腕時計を犯人に持ち去られている。ムジン連続殺人事件の被害者の中で唯一の生存者。

ク・ドング(ウ・ジヒョン)
バルムの高校時代の同級生。バルムやチグクと一緒に公務員試験を受けるもひとりだけ脱落し、公務員を諦めて映画監督になると宣言する。その後、連続殺人事件の捜査をするバルムに協力するなどして、再び刑務官を目指す決意をする。

キム・ヒジン(カン・マルグム)
バルムの叔母。幼い頃に家族を失ったバルムを引き取り、母親代わりとなって育てた。フンソクという息子がいる。

ヨハンの関係者

ハン・ソジュン(アン・ジェウク)
天才脳神経外科医。ジウンと結婚して幸せな新婚生活を送っていたが、ムチの証言により連続殺人鬼“ヘッドハンター”であることが判明し、逮捕された。その後死刑判決を受け、現在は刑が執行されないまま拘置所にいる。

ソン・ジウン(キム・ジョンナン)
ソジュンの妻。ヨハンの母。25年前、愛する夫ソジュンが連続殺人犯だとわかり、人生が一変する。ダニエルの勧めで胎児の遺伝子検査を受け、99%の確率でサイコパスとの結果が出る。

ダニエル・リー(チョ・ジェユン)
遺伝学博士。英国でサイコパス遺伝子の研究をしている。ソジュンとは兄弟のような仲。韓国政府からの要請を受けて来韓し、7年ぶりにソジュンと再会したその夜、ソジュンが連続殺人犯として逮捕され、妹を殺した犯人だと知る。

キム・ジュンソン(ソン・ウヒョン)
ヨハンの友人。科学技術情報通信部に勤務している。ダニエル失踪に関して警察の聴取を受け、ヨハンのアリバイを証言するが…。

ムチの関係者

コ・ムウォン(キム・ヨンジェ)
ムチの兄。神父。25年前に“ヘッドハンター”に襲われて重傷を負った。両親を殺した“ヘッドハンター”を許すと言い、ムチから絶縁宣言されている。

ボンイの関係者

キム・ガンナン(キム・ヨンオク)
ボンイの祖母。警察官のバルムを気に入り、孫を嫁にもらってほしいと懇願する。10年前の事件に責任を感じている。

カン・ドクス(チョン・ウンピョ)
10年前にムチが逮捕した小児性犯罪者。服役を終えて出所した後、ボンイが暮らす村に戻ってくる。

ジェフンの関係者

キム・ヒジョン(イ・オンジョン)
ジェフンの母。“プレデター”に生まれついた息子を恐れ、殺そうとする。2005年にある事件に巻き込まれ、死亡した。

ジェミン
ジェフンの弟。ジェフンの怒りを買って報復される。2005年に死亡した。

ジェヒ(アン・ソヨン)
ジェフンの妹。サヴァン症候群で記憶力が優れている。2005年に行方不明になり、現在も消息不明。

被害者

ソン・スジョン(ハヨン)
連続殺人鬼“ヘッドハンター”の被害者。家に帰る途中、見知らぬ少女に助けを求められ、雪道で事故を起こした車を救おうとして襲われた。遺体は頭部を切断された状態で、海で発見された。

ソン・スホ(ソン・ブゴン)
“ムジン連続殺人事件”の被害者。ボクシングジムの館長で、“ヘッドハンター”に殺されたスジョンの弟。姉の事件から25年後、ジムのリング上で焼死体となって発見された。遺体の膝の上には、聖書の「目には目を」のページが開かれた状態で置かれていた。姉が買ったグローブを大切に使い続けていたが、犯人によって持ち去られている。

ピョン・スニョン
“ムジン連続殺人事件”の被害者。シングルマザーで、スナックの厨房係。遺体は排水路で発見された。殺害現場の近くで犯人のものと思われる靴跡が見つかっている。娘から贈られたおもちゃの指輪をつけていたが、犯人によって持ち去られている。

チョ・ミジョン
“ムジン連続殺人事件”の被害者。20代の大学生で、大食いのストリーマー。遺体はブドウ畑で発見され、スホのグローブとスニョンの指輪、キムの靴、チグクの時計を身につけていた。遺体発見現場でコーヒースティックが見つかっている。

キム・ソンギュ
“ムジン連続殺人事件”の被害者。大手運送会社ソンジュ運送の元会長。現在は路上生活者となっていた。遺体はクホ洞の建築現場で発見された。殺害現場には凶器の手斧が残されており、片方の靴が犯人によって持ち去られている。

パク・ジョンホ
“ムジン連続殺人事件”の被害者。下請け企業の非正規労働者。有名ブロガー。遺体は宗教団体が運営していた衣料工場で発見された。遺体のそばにはコーヒースティックが散らばり、指が切断され、口の中には昆虫が入っていた。

キム・ハングク
誘拐された少年。失踪した父親を捜すため韓国に来て、テレビ番組に出演し同情を集めていた。誘拐された当時、“ゴートマン”の仮面を被っていた。

カン・ミンジュ
“結び目殺人事件”の被害者。河原に遺棄されていた遺体を、偶然バルムが発見した。手首を拘束されていた紐は、登山で使われる“引き解き結び”を微妙に変えた結び方で縛られていた。

ホン・ナリ
“結び目殺人事件”の被害者。洗濯ロープで殺害され、自宅で遺体が発見された。自宅には、防犯協会のボランティアによって面格子が取り付けられていた。

そのほか

チェ・ヨンシン(チョン・エリ)
大統領秘書室長。大統領の支持率を維持するため、凶悪犯罪予防策として、遺伝子検査を義務化してサイコパス遺伝子を持つ胎児を堕胎させる法案を提出するが、否決される。

ウ・ジェピル(チョン・ソギョン)
ドゥソクの元同僚刑事で、弁護士ウ・ヒョンチョルの父。25年前の“ヘッドハンター”殺人事件の捜査に参加していた。ドゥソクの娘ヒョンスを殺したと自白するが…。

ウ・ヒョンチョル(ソン・ジェヒ)
弁護士。ウ・ジェピルの息子。防犯協会でボランティアをしている。過去にカン・ドクスの弁護をしていたことがある。連続殺人犯の疑いで逮捕される。

チョン・マノ(チョン・ビョンホ)
自営業者。防犯教会でボランティアをしている。娘のスジンは26年前から行方不明になっている。

キム・ボンチョル(チャン・ヨンチョル)
ムジン刑務所に収容されている無期懲役囚。97年~98年に起きたスソン連続殺人事件の犯人だが、警察の拷問で虚偽の自白をしたと無実を主張している。娘のダスルはシン・サンの婚約者。

イ・ジェシク
カン・ドクスと同房だった服役囚。義理の娘を暴行しようとした男を死なせ、傷害致死で懲役5年の判決を受けた。真面目で問題を起こしたことがない模範囚で、満期出所することが決まっている。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

連続殺人鬼“ヘッドハンター”による残虐な犯行が続いていた。事件発生から1年、20人近くが殺されるも捜査は進まない。国会では革新的な凶悪犯罪予防策として、遺伝子検査でサイコパス遺伝子を持つ胎児を堕胎させようとする法案が審議されていた。
遺伝学の権威であるダニエル・リーが英国から呼び寄せられるが、法案は却下される。その夜、ダニエルは友人である脳神経外科医のハン・ソジュン宅を訪ねる。ソジュンは身重の妻ジウンと2人で幸せな新婚生活を送っていた。
同じ夜、大雪で休業中のキャンプ場にある家族が到着する。キャンプを楽しもうとした矢先、父親と母親は突然現れた殺人鬼に襲われて命を落とす。幼い兄弟はバスの中に隠れるが、兄ムウォンは弟を助けようとして犯人に見つかり、重傷を負う。
生き残った弟ムチは、病院の壁に貼られていたポスターを見て「あの男だ」と叫ぶ。刑事のパク・ドゥソクは、ポスターに掲載されていた脳神経外科医ハン・ソジュンの家へ向かう。ドゥソクは“ヘッドハンター”に娘をさらわれていた。
ムチは密かに警察車両に乗り込み、逮捕されたソジュンの顔を切りつける。その拍子に庭の雪だるまが崩れ、中から切断された頭部が転がり出てくる。殺されたムチの母親の頭部だった。
ソジュンは無実を主張し、雪だるまについても知らないと言う。一度は釈放されたソジュンだったが、妻のジウンは彼が雪だるまを作るところを目撃し、その様子を写真に撮っていた。
「愛していないのになぜ結婚したの」と問うジウンに、ソジュンは「ハン・ソジュン2世を生むためだ」と笑う。ダニエルは7年前に死んだ妹がソジュンに殺されていたことを知る。殺した理由は彼女が彼の子供を中絶したためだった。
ジウンはダニエルの勧めで胎児の遺伝子検査を受け、99%の確率でサイコパスとの結果が出る。泣き崩れるジウンの前にひとりの妊婦が現れ、自分も同じ結果だったと告げる。彼女の夫は善良だが事故で亡くなっていた。夫の忘れ形見である子供を産んで、博士が間違っていることを証明するつもりだと話す妊婦。
問題行動の多い小学生ジェフンは、父親から虐待を受けていた。ジェフンは父親が大切にしている金魚と犬を殺し、目障りな弟を生き埋めにしようとする。母親は産んだことを後悔し、「怪物は死んだ方がいい」と彼を殺そうとする。
ジェフンは教会へ行き、「どうか怪物になりませんように」と祈る。15年後、神への祈りは届かず、彼は殺人鬼となっていた。

25年後。死刑判決を受けたハン・ソジュンは刑が執行されないまま拘置所にいた。ソジュンに両親を殺されたコ・ムチは刑事となり、ソジュンの息子を彼の目の前で殺すという復讐を胸に誓って生きていた。ジウンから「息子は死んだ」と聞かされていたソジュンは、ムチに息子の存在を知らされ高揚する。
側溝で女性の遺体が発見される。サイコパスによる連続殺人を確信するムチに、テレビ番組のプロデューサー、チェ・ホンジュは理由を問う。ムチはホンジュを連れて事件現場を訪ねる。
最初の被害者であるボクシングジムの館長ソン・スホは、“ヘッドハンター”に殺されたソン・スジョンの弟だった。激しい暴行を受けた後に焼かれていたことから、動機は怒りによる復讐だと推理するムチ。現場からは姉が贈ったグローブが持ち去られていた。
側溝で発見されたピョン・スニョンは、殺害現場から側溝まで犯人によって運ばれ、娘から贈られた指輪を持ち去られていた。2人とも中指を立てた状態で、その指が指し示す方向には十字架があった。ムチは犯人が指で十字架をけなしていると読み解き、それらの推理をホンジュの検証番組で公表する。
派出所勤務の巡査チョン・バルムは、慰問でソジュンのいるムジン拘置所を訪れる。そこで刑務官として勤めるチグクは、バルムの友人だった。ステージでマジックを披露するバルムだったが、囚人のひとりを箱に入れて再び扉を開くと、そこに入っていたのは血まみれのチグクだった。
一刻を争う状況に、ムチの兄で神父のムウォンは、ソジュンに応急処置を頼む。病院に運ばれたチグクは奇跡的に一命を取り留めるも意識不明、切断された2本の指のうち1本は発見が遅れて縫合が間に合わなかった。犯人はソジュンを慕う収容者のひとりと判明。チグクが彼に逆らったため思い知らせてやったと動機を明かす。
帰宅途中、バルムは女子高生のボンイを見かける。ボンイは10年前に起きた事件によりトラウマを抱え、人知れず苦しんでいた。孫を心配する祖母のガンナンは、バルムに婿になって欲しいと懇願する。ボンイはそんな祖母にもバルムにも反発し、心を閉ざす。
建築現場で路上生活者の遺体が、そしてブドウ農園で女子大学生チョ・ミジョンの遺体が発見される。ミジョンの首からはスホのグローブがぶら下がり、指にはスニョンの指輪がはめられ、片足には路上生活者の靴が履かされ、腕には男物の時計がつけられていた。
そしてビニールハウスの屋根には、「正解!コ・ムチ刑事 見事な推理だ 贈り物は気に入ったか?」という犯人からのメッセージが血文字で書かれていた。
ソジュンは息子のソン・ヨハンと面会する。ヨハンはチグクが入院するムジン病院のレジデントで、最年少で医師国家試験に合格していた。

ブドウ畑殺人事件のニュースを見たバルムは、被害者が腕にはめていた時計がチグクのものだと気づく。話を聞いたムチは同一犯と考え、チグクの服と凶器を見つけるため拘置所内を捜索するが、見つからなかった。バルムは捜査を手伝わせてほしいとムチに訴えるが、お前には無理だと断られる。
韓国を訪れた遺伝学者のダニエルは、久しぶりにジウンと再会する。ジウンは息子が立派に育ったことを話し、「博士は間違っていた」と言う。彼女の様子が気になったダニエルは、ヨハンに電話する。そして「一連の殺人事件に関して話がある」と告げて閉園後の遊園地に呼び出し、観覧車の中で殺されてしまう。
夜、ホンジュが帰宅するとヨハンが待っていた。「怖いんだ」と言ってホンジュを抱き締めるヨハン。ムチはその様子を偶然目撃する。
ムチは証拠毀損で捜査から外され、待命処分を受ける。後輩のサンは異動になり、ダニエルの失踪事件を捜査していた。遊園地の近くでダニエルが借りた車が見つかり、観覧車の血痕は彼のものと判明したが、遺体が見つからない。
ボンイが同級生を殴ってトラブルになり、祖母ガンナンは相手の親から和解金を要求される。ガンナンは金を稼ごうと家政婦紹介所を訪ね、従業員が席を外した隙に電話に出て依頼を受ける。家政婦を依頼したのはジウンで、派遣先はヨハンの家だった。
ダニエルが最後に通話した相手がヨハンだとわかり、ムチはヨハンを呼び出して尋問する。ヨハンは間違い電話だったと主張し、その日は体調不良で友達と一緒に家にいたと話す。
バルムは病院に保管されていたチグクの指が別人のものだと気づく。バルムはムチと一緒に刑務所内の聖堂を調べ、聖堂の屋根の上に広げられていたチグクの服と凶器のナイフを発見する。チグクの切断された指は、神父が持つ聖杯の中に入っていた。
ヨハンは地下室の部屋の鍵をドアにさしたまま出かけたことに気づき、急いで帰宅する。ヨハンの留守中、部屋の掃除をしていたガンナンは地下室に入り、連続殺人事件の被害者の遺体写真が壁に貼られているのを見てヨハンが犯人だと悟る。
ガンナンは気づいていないふりをして帰宅したヨハンをやり過ごし、家を出る。地下室の部屋を調べたヨハンは写真が1枚なくなっていることに気づき、急いでガンナンを追いかける。彼女はブドウ畑の被害者チョ・ミジョンの写真を持ち去っていた。
ガンナンは村に帰りつくが、ヨハンが追ってきたことを知って隠れる。派出所に戻ったバルムはガンナンから着信が入っているのを見て雑貨店に向かい、彼女の遺体を発見する。バルムは現場にいた男が逃げるのを見て追跡するが、車にはねられてしまう。

衣料工場で男性の遺体が発見される。チグクの病院で保管されていた指は彼のものだった。そこへ殺人事件発生の連絡が入り、急いで現場へ向かうムチ。遺体を見たムチは、10年前の事件の被害者ボンイの祖母だと気づき、慟哭する。
車にはねられたバルムは病院にいた。ムチに何があったか問われ、泣きながら説明するバルム。ボンイの祖母ガンナンから「女子大生を殺した犯人を見た。雑貨店の前で待ってて」というメールが届き、急いで駆けつけたが、彼女は既に殺されていた。犯人の顔はわからないが、左利きでミントの香りがした、という。
ヨハンはバルムの病室に忍び込み、点滴に薬を注入しようとするが、邪魔が入る。ボンイは祖母からの電話に出なかったバルムを激しく責める。
ムチはガンナンが握りしめていた写真の燃えかすを見て、被害者チョ・ミジョンだと気づく。当日の彼女の足取りを調べるムチとバルムだったが、手がかりは得られず捜査は行き詰まってしまう。
ダニエル失踪事件を追うサンは、ヨハンのアリバイを確認するため友人キム・ジュンソンに会う。だが彼はヨハンから口裏を合わせるよう前もって指示されていた。そのことを知ったサンは、ヨハンを怪しむ。
ムチは記者会見で事件の状況を説明する。すると会見中に犯人から電話が入り、「被害者を選ぶ基準がある。テレビ番組であの子を殺す理由を言え。正解できなければ、番組終了時刻に殺す」と告げられる。
ちょうどその頃、テレビ番組に出演して話題になっていた少年キム・ハングクが誘拐される事件が起きていた。「あの子」がハングクのことだと気づいたムチは、ホンジュの番組に出演して犯人をおびき寄せることに。
番組放送に反対する世論が強まる中、ムチは被害者の共通点を見つけ出そうと、彼らの周辺を洗い直す。そんな彼の前に、25年前“ヘッドハンター”を逮捕した刑事パク・ドゥソクが現れ、「放送はやめろ」と警告する。かつて彼はマスコミを通じて犯人を非難し、娘を殺されたという。だがムチは「もう失うものはない」と答え、警告を無視する。
ヨハンの友人キム・ジュンソンの遺体が自宅で発見される。部屋の窓には血の十字架が描かれていた。犯人はキムを殺したその場で、記者会見中のムチに電話していたことがわかる。
ついに生放送の緊急特別番組が始まる。番組に出演したムチは、犯人が標的を選んだ基準を見つけたと告げる。その頃、監禁されている少年のもとにはバルムがいて…。

ホンジュの番組に出演したムチは、連続殺人事件の被害者たちがみな社会的弱者であり、善良な市民だったことを明かす。
そこへ、犯人からと思われるバイク便が届く。中身はハングクの監禁映像が保存されたUSBメモリだった。しかしその直後、またもやバイク便が届き、ムチとホンジュは動揺する。
放送の2時間前。バルムは犯人を挑発するためフェイク映像を流すことを提案。ムチたちはハングクに似た少年を雇って偽の監禁映像を作成していた。そしてその映像を入れたUSBは、ドングが局に届けることになっていた。
先に届いた映像はバルムが送ったものではなく、犯人が送ったものと思われた。ムチはバイク便業者を捕まえ、シムジョン駅のロッカーで荷物を受け取ったことを聞き出す。
視聴者からの情報提供で、身元不明だった被害者の一人が大手運送会社ソンジュ運送の元会長キム・ソンギュであることが判明する。彼は5年前に家族を失い、全財産を養護施設に寄付して消息を絶っていた。
ムチは連続殺人の被害者たちが、いずれもラジオやテレビ、ネットなどで私生活を露出していたことに気づく。犯人はそれらの媒体を通じて標的を決めていたのだ。
「ファクトチェック」という番組が監禁映像の真偽を調べ、映っている少年がハングクではないことを確認、番組スタッフによる捏造だと批判する。視聴者からの苦情が殺到する中、ムチとホンジュは番組を続行。ムチは被害者たちの共通点に気づき、説明する。
赤い帽子を被せられていたピョン・スニョンは「赤ずきん」、口の中にキリギリスを入れられていたパク・ジョンホは「アリとキリギリス」、裸で発見されたチグクは「裸の王様」、手斧で殺されたキム・ソンギュは「金の斧 銀の斧」、ブドウ畑で発見されたチョ・ミジョンは「キツネとブドウ」、いずれも童話に見立てられていると。
そしてそれぞれの童話で描かれている色欲、怠惰、高慢、強欲、暴食の戒めは、ダンテの「神曲」の7つの大罪を示しており、神を憎む犯人は、それらの罪を犯さない者を罪人とみなしたのだと。犯人から電話が入り、「正解」と告げられる。
ムチはハングクが「ヘンゼルとグレーテル」に見立てられ、自分を捨てた父親に「怒り」を抱かなかったことで犯人の標的になったと推測する。
ムチは「お前は神どころか人間でもない。おぞましい怪物にすぎない」と犯人を挑発する。警察は電話を追跡して犯人の居場所を突き止めるが、それは犯人の策略で、捕まえた男は別人だった。
バルムはシムジョン駅のロッカーでUSBメモリを発見する。中身のファイルを復元すると、犯人に捕らわれたムチの兄ムウォンの姿が映し出される。両親を殺した男を許し、怒りを手放したたムウォンに、「怒れ」と告げる犯人。
ムチは兄の命を救おうと、「俺に怒れ」と促すが、ムウォンは「おまえを恨んだことはない」と告げて犯人に殺される。
聖堂に駆けつけたムチは、吊り下げられた兄の遺体を目の当たりにする。その背後の壁には、血文字で「我こそ神だ」と書かれていた。

自宅で番組を見ていたボンイは、ムウォンがいる場所がクドン洞聖堂だと気づき、ひとりで聖堂へ向かう。そこで犯人と遭遇し襲われるが、駆けつけた警察官に救助される。
別番組に犯人からの映像が届く。ハングクが見立てられた童話は「ヤギとロバ」だった。犯人はハングクに幸福な家族を見せて「嫉妬」するよう促すが、ハングクは拒む。少年の失踪から10日が過ぎても捜査は進展せず、犯人からは「3日以内に見つけなけれ殺す」というメッセージが届く。
ムチは兄を殺されたショックから立ち直り、捜査に復帰する。ボンイの祖母ガンナンが殺された日、彼女が家政婦紹介所に足を運んでいたことがわかり、ムチは彼女を雇ったジウンを訪ねる。そしてジウンが連続殺人犯ハン・ソジュンの妻だと知る。
ダニエル殺害の容疑者として浮かんでいたヨハンがソジュンの息子だと気付いたムチは、彼こそ連続殺人犯だと確信する。ムチはヨハンの家に忍び込み、ガレージで血のついた靴を見つける。その頃、ホンジュもまたヨハンに疑いを抱き、彼の家に忍び込んで被害者のものと思われる絆創膏を見つけていた。
鑑定の結果、ヨハンの家にあった靴の血液は、海で見つかった死体のDNAと一致。絆創膏のDNAはボンイの祖母ガンナンのものと一致する。それを聞いたバルムは、ヨハンの家に忍び込み、地下の隠し部屋に自分の写真が貼られているのを見つける。
バルムの家で寝ていたボンイの前に、ヨハンが現れる。帰宅したバルムはボンイを逃してヨハンと対峙する。ボンイから助けを求められ、現場へ向かうムチ。バルムがヨハンに襲われているのを見て、ムチはヨハンの腹部に銃弾を撃ち込む。
ヨハンとバルムは応急医療センターに搬送される。数日後、意識を取り戻したバルムは病室に置かれていた鳥かごの中の小鳥に手を伸ばし、捻り潰して窓の外に捨てる。

病院に搬送されたバルムとヨハン。ヨハンの手術は成功するが、バルムは危険な状態に陥る。政府に対する非難が高まり、大統領の支持率は暴落する。そんな時、大統領秘書室長チェ・ヨンシンのもとに、“M16.38S.ex”と書かれた古いビデオテープが届く。
バルムは再手術が成功して意識を取り戻すが、脳に障害を負い記憶を失う。一方、ヨハンは息を引き取り、ハングクの行方はわからないまま、“ムジン連続殺人事件”は容疑者死亡で解決する。
1年後。ヨハンを撃って1年間の停職処分を受けていたムチは、ドゥソクのいる証拠保管チームに配属される。バルムも復帰し、ピョンアン派出所に勤務することに。ひったくり犯を追う途中、バルムは河川敷で女性の死体を発見し、奇妙な感情にとらわれる。
ムチと再会したバルムは、被害者を拘束していたロープの結び目が解きやすくなっていたことや、刺し傷が浅いことなどから、サイコパスの仕業だと説明する。バルムが以前とは違うことに気づいたムチは、「一緒に犯人を捕まえよう」と持ちかける。
ロープの結び方は登山で使われる“引き解き結び”の応用で、ヘッドハンター事件の21人目の被害者パク・ヒョンスのときと同じ結び方だった。ヒョンスはドゥソクの娘で、ヘッドハンターに拉致された5年後、クリョン山の工事現場で遺骨が発見されていた。
バルムはソジュンに面会し、この結び方を誰に習ったのか聞き出そうとするが、ソジュンは「習ってないし、誰にも教えていない」という。
ソジュンは頭に傷のあるネズミを「友達」だと言ってバルムに見せる。ネズミを見たとたん、バルムの脳裏に子供の頃の記憶がよぎる。

バルムはネズミの手術の縫い目を見て、ロープを結んだのはソジュンではないと気づく。ムチは状況から判断して、女性たちを殺したのは顔見知りの人間だと考えていたが、バルムは否定する。
ホンジュが事件を調査していることを知り、彼女に会いに行くムチとバルム。ホンジュによると、1か月前にキム・ヨンヒという女性が犬の散歩中に行方不明になっているという。
バルムは被害女性たちの家に新しい面格子が取り付けられていることに気づき、設置業者を怪しむ。面格子を設置したのは防犯協会のボランティアだった。バルムはボランティアスタッフのウ・ヒョンチョルが犯人だと確信するが、警察は事件現場近くにいたチョン・マノを連行し、取り調べる。
チョン・マノは犯行を否定し、友人のウ・ジェピルがいつも面格子の設置作業についてきていたと話す。ジェピルはヒョンチョルの父親で、かつてドゥソクとともにヘッドハンターを追った元刑事だった。
ムチはジェピルの自宅を捜索し、犬小屋の中に隠されていた凶器を見つける。バルムはボンイの家の近くで逃走するジェピルと遭遇し、何度も殴りつける。ジェピルは病院に運ばれ、女性たちとドゥソクの娘を殺したことを自白する。
ムチはジェピルを殺そうと病室へ向かう。だがジェピルはすでに死んでおり、ベッド脇には血まみれのメスを手にしたドゥソクの妻が立ち尽くしていた。そこへドゥソクが駆けつけ、ムチはとっさに「俺が罪をかぶる。ハンのところへ行かせてくれ」と頼む。
バルムは恐ろしい記憶に悩まされ、執刀医に相談するが、被害者の資料を見て混乱しているのだろうと説明される。だが1年前の手術の際に執刀医を見ていたボンイは、彼が執刀医ではないと告げる。バルムがソジュンの写真を見せると、ボンイは「この人が手術した医者よ」と言う。
バルムは刑務所でソジュンと面会し、「僕の脳にヨハンの脳を移植したのか?」と問う。

バルムはヘッドハンター事件について調べ、遺体の小指に穴が開けられていたことや、“F25.17S.ex”といった数字が記されていたことを知る。そしてソジュンが遺体を使って何かの実験を行っていたことに気づく。
バルムに問い詰められたソジュンは、遺体を使って脳移植の実験を繰り返していたことを明かす。そしてその結果、バルムにヨハンの脳を移植する難手術を成功させたのだと誇らしげに話す。
30年前。教授に正体を見抜かれたソジュンは、清掃員だったダニエルを利用して危機を逃れていた。日本に帰国し、脳神経外科医の頂点に立ったソジュンだったが、ダニエルが遺伝子研究で世界から注目を浴びるようになり、闘争心に駆られた。
ソジュンは秘密の実験室でひそかに脳移植の実験を繰り返した。最初は動物を使ったがうまくいかず、やがて人を殺して人体実験を行うようになった。そして最終実験のため、雪の降る日に3人の家族を襲った。完全犯罪のはずだったが、幼いムチによって犯行が暴かれることになった。
バルムはソジュンの言葉を確かめるため、彼が使っていた秘密の実験室を訪れる。廃墟と化したその場所には、実験用に取り出された脳が保存されていた。バルムはその場所で子供のものと思われるヘアゴムを拾う。それは、ソジュンに拉致されて殺されたドゥソクの娘ヒョンスのヘアゴムと同じものだった。
ソジュンにバルムの手術を依頼したのは、大統領秘書室長のチョ・ヨンシンだった。事件の翌日、彼女のもとに匿名で届いた古いテープに、ソジュンが実験室で移植手術をする様子が映っていたのだ。一度は断ったソジュンだったが、なぜか手術を引き受けた。
ヨハンの脳を使ったのは、搬送の問題で他に選択肢がなかったからだと話す医師たち。父親であるソジュンも同意したという。「これは犯罪行為だ」と糾弾するバルム。
ムチが逮捕されたことを知った知ったバルムは、病院の防犯カメラを確認し、真犯人を突き止める。ジョピルを殺したのはチョン・マノだった。彼の娘スジンは26年前から行方不明になっており、ヒョンスと思われていた遺骨はスジンだったことが判明する。
ムチは釈放されるが、刑務所に入り自分の手でソジュンを殺すという目的が果たせなくなり、自暴自棄になる。そんなムチを気遣うホンジュ。なぜヨハンと付き合っていたのかと問うムチに、ホンジュは「私と似ていたから」と答える。
バルムは自分の幼い頃の写真を見て、記憶の中の子供が自分ではなかったことに安堵する。そして自分の記憶がすべてヨハンのものであると確信する。
泥酔したムチはバルムの家を訪ね、真犯人を捕まえたバルムを殴りつける。バルムはムチの首を締めて失神させ、石で殴りつける。

バルムは「殺せ」と命じる脳内の声に従ってムチを殺しかけたが、ギリギリのところで思いとどまる。自分の手を傷つけることで、殺人衝動を抑え込んだのだった。
ジェピルが死亡したことにより、警察は捜査を終了する。納得がいかないムチとバルムは、ジョピルの息子ヒョンチョルの事件当日の行動を調べ直し、アリバイ崩しに成功。ヒョンチョルをカン・ミンジュとホン・ナリの殺害容疑で逮捕する。しかし証拠不十分でヒョンチョルは釈放される。
そんな中、空き倉庫で若い女性の焼死体が発見される。現場には“ムジン連続殺人事件”の被害者と同様に、血で書かれた十字架が残されていた。正式に証拠保管チームへの異動が決まったバルムは、ヨハンが連続殺人犯ではない可能性にかすかな希望を抱く。
ムチは“ムジン連続殺人事件”の被害者ピョン・スニョンの同僚だったパク・ヘウォンが失踪していることを知る。彼女は「弁護士と結婚して外国に行く」と周囲に話していたが、出国した形跡はなかった。
ヒョンチョルによる犯行を疑ったムチは、彼の伯父チャンスと会い、ヒョンチョルの母親が投身自殺により死亡していることを知る。ムチが彼女の墓を掘り返すと、凶器の刃物と遺体が見つかる。
バルムはヒョンチョルの次の標的が親友ドングの婚約者スルギだと気づき、ドングとともに彼女の家へ向かう。バルムが駆けつけると、スルギはヒョンチョルによって拘束されていた。
逃亡したヒョンチョルを追跡するバルムだったが、空き家で彼に捕まり拘束される。女性たちを殺した理由について、ヒョンチョルは「不道徳な女たちに審判を下した」と語る。
少年時代、ヒョンチョルは実母が近所のスジンを可愛がるのを見て嫉妬し、彼女を殺害。独特な結び目は、ボーイスカウトで習った山岳救助の結び方だった。
ジョピルは息子の犯行を隠蔽するために奔走した。ちょうどヘッドハンター事件の捜査中だっため、ヒョンスの遺体だと思わせれば捜査を撹乱できると考えた。ジョピルはスジンの遺体にヒョンスと同じ服を着せ、担当刑事から手に入れたDNAを付着させたのだ。
ヒョンチョルの母親は、息子がサイコパスだと知って悩み、毒を盛って無理心中を図ろうとするも失敗。最後はヒョンチョルに病院の窓から突き落とされて亡くなった。
ヘウォンもボンイも“ふしだらな女”だと吐き捨てるヒョンチョルに、怒りを爆発させるバルム。彼の脳裏に殺人の記憶が蘇り、衝動にかられてヒョンチョルを絞め殺してしまう。

ヒョンチョルを殺害してしまったバルムは、警察の仲間たちに犯行を自白する。だが現場にあるはずの遺体は消え、指紋も血痕も出なかった。さらに、防犯カメラで船に乗って逃亡するヒョンチョルの姿が確認される。
混乱するバルムのもとに、一本の電話がかかってくる。指示に従うと薄暗い研究所に連れて行かれ、ヨハンに殺されたはずのダニエルが目の前に現れる。彼はバルムがヒョンチョルを殺したことや、誰かが犯行の痕跡を消したことを知っていた。
ダニエルによると、ヒョンチョル殺害で殺人衝動が目覚めたバルムの脳は、いずれ完全にヨハンに侵食され、殺人依存症になるという。ダニエルは治療の方法はないと告げ、目覚めてしまった殺人衝動を上位1%のサイコパスやプレデターを始末することに向けてはどうかと提案する。
一度は彼の提案をはねつけたバルムだったが、出所したカン・ドクスが再びボンイを狙っていることを知り、ドクスのDNAをダニエルに渡す。ムチはボンイを守るため、ドクスの家に乗り込み、彼の額に銃を突きつける。ドクスと彼の母親に訴えられたムチは、留置場に入れられてしまう。
ドクスは自殺を図るが、バルムに発見されて一命を取り留める。ドクスの遺書を見て彼が更生したことを信じたバルムは、叔母の息子フンソクを家に呼んで生まれたばかりの子猫を見せることに。幼いフンソクを見て、殺人衝動に駆られるバルム。
ムチは同僚のギヒョクを説得し、留置場を出てボンイのもとへ車を走らせる。だが途中で事故を起こし、何者かに殴られて気を失ってしまう。
ボンイはドクスの狙いが自分ではなく、少女ユナだと気づく。連れ去られたユナを救おうと、ドクスに立ち向かうボンイ。殴られて力尽きたボンイのもとに、バルムが現れ…。

12年前。ジェフンは学校帰りに橋の下で瀕死の少女を見かけるが、そのまま放置して立ち去る。その少女はカン・ドクスに暴行を受けた直後のボンイだった。
現在。バルムはドクスの母が自殺したというニュースを見て、自分が見た遺書は彼女が書いたものだと気づく。ドクスは改心などしておらず、母親は自分が死ぬことで息子の犯行を止めようとしたのだ。
バルムはボンイを探しに行き、草むらで血まみれになって倒れているボンイを見つける。彼女を襲ったドクスを殴り、ボンイの祖母ガンナンの包丁で陰部を切り取る。そして首を絞めて殺す。
翌朝。12年前の事件現場である橋の下で、ドクスの遺体が見つかる。バルムは病院に運ばれたボンイを見舞い、ドクスが死んだことを告げる。
ボンイによる復讐殺人の可能性を疑う警察上部に対し、ムチはドクスの遺体に残る傷が12年前の事件を完璧に再現していることを指摘し、犯人はサイコパスだと断言する。
警察しか知らないはずのデータを犯人が知っていることから、警察関係者を疑うムチだったが、証拠保管室の防犯カメラに怪しい人物は映っていなかった。
昨夜、ボンイはドクスの殺害現場で、12年前に自分がムチに渡した紙幣を拾っていた。ムチがドクスを殺したと思い込んだボンイは、必死に彼をかばおうとする。だがその紙幣は、バルムがムチのデスクから盗み、現場で落としたものだった。
ムチは現場にいた少女ユナが犯人を見たにもかかわらず、嘘をついていると確信する。不安に駆られたバルムがユナに確かめに行くと、彼女は「おじさんでしょ?」と問いかける。
ボンイが着ていた服と所持していた刃物からドクスの血液が検出され、ボンイはドクス殺害容疑で連行される。だがその後、犯人が捨てたと思われる血のついた雨具と凶器が川で発見され、ボンイは釈放されることに。
ムチはバルムを川へ連れていき、「雨具と凶器から意外な人物のDNAが検出された」と告げる。

26年前。ジウンは家に帰る途中、軍服の男に襲われる。ソジュンの子供を妊娠中だったジウンは殺されることを望むが、黒い帽子の男に助けられる。帽子の男は「必ず産め、その子を」とジウンに告げて立ち去る。
現在。川で発見された凶器から検出されたのは、受刑者イ・ジェシクのDNAだった。ジェシクは娘を暴行しようとした男を死なせて服役していたが、真面目な模範囚で数日後には満期出所する予定だった。
ムチとバルムは収監中のジェシクと面会し、彼が同房だったカン・ドクスに服を奪われていたことを知る。そして凶器からジェシクのDNAが検出されたのは、事件の日にドクスが彼の服で凶器を包んだためだろうと結論づける。
ボンイはホンジュに誘われ、放送局で働きはじめる。取材でムジン刑務所を訪れたボンイは、26年前に起きた“スソン連続殺人事件”の犯人とされるキム・ボンチョルと遭遇する。彼は警察で拷問を受けて虚偽の自白をしたと無実を主張していた。
ボンイはボンチョルの無実を証明する方法を探すため、証拠保管室にある資料を盗み読む。そして、スソンの2年前にクリョンで似たような手口の未遂事件が起きていることを知り、被害者に会いに行く。その被害者はジウンだった。ボンイの取材を受けたジウンは、26年前に軍服を着た20代の男に襲われたことを話し、スソン事件との共通点を指摘する。
サンの父であるシン・ソンミンが選挙活動を行う中、サンの婚約者ダスルが連続殺人犯ボンチョルの娘であることが世間に知れ渡る。ホンジュは番組でスソン連続殺人事件を取り上げ、ボンチョルが無実である可能性を検証する。だがボンチョルの娘ダスルは、彼の無実を信じることができなかった。
ムチは川で発見された衣服がジェシクのものではないことを知り、犯人が意図的に彼のDNAを付着させたと推測する。ジェシクの義理の娘は、ジェシクに襲われそうになったことや、自分を助けようとした男友達がジェシクに殺されたことをムチに打ち明ける。
バルムはジェシクが“プレデター”であることを、ダニエルの遺伝子検査により知らされていた。そしてスソン連続殺人事件の真犯人がジェシクではないかと疑い、彼のDNAを採取してドクス殺害の凶器に付着させ、サンが発見するよう誘導したのだった。
放送局にカン・ドクス殺害事件の動画を入手したという視聴者からの連絡が入り、ボンイはムチが映っているのではないかと焦る。だがその男は途中で交通事故に遭い、病院に運ばれていた。ボンイは男の荷物からUSBメモリーを盗み、中身を確認する。そこに映っていたのはバルムだった。
ジェシクが出所した日、バルムは彼を襲撃する。そこへムチが駆けつけ…。

ムチは草むらに倒れているホンジュと、ジェシクの遺体を発見する。暗闇に紛れて逃げる犯人に、「おまえはサイコパスの殺人鬼だ」と叫ぶムチ。
ホンジュは取材のため出所したジェシクを迎えに行き、彼に襲われたところをバルムに助けられたのだった。ムチに犯人の顔を見たかと問われるも、「見ていない」と答えるホンジュ。
バルムはジェシクを殺す前、彼を脅して“スソン連続殺人事件”の真犯人であることを自白させていた。その自白映像はマスコミによって公開され、キム・ボンチョルの無実が認められる。釈放されたボンチョルは、娘ダスルとサンの結婚式に出席する。
バルムがカン・ドクス殺害の犯人だと知ったボンイは、その証拠映像をトイレに廃棄する。自分のせいでバルムが人殺しになったことに、責任を感じるボンイ。バルムはボンイを遠ざけようとするが、彼女の存在が自分を変えてくれるのでは、と考え直す。
放送局に“名探偵コナム”を名乗る小学生ゴナムが現れる。彼はいじめられている同級生を救うため、その子の祖母にかけられている猫殺しの疑いを晴らしたいとボンイに話す。そして猫殺しの真犯人について語り始めるが、その場に現れたバルムを見ると慌てて帰ってしまう。
ボンイはゴナムに会うため小学校へ行き、給食室で倒れているゴナムを発見する。掃除用洗剤の原液をかぶって火傷を負ったのだ。当初は事故と思われたが、現場を見たバルムとムチは殺人だと判断し、捜査に乗り出す。
ゴナムの祖母は「給食室から逃げる犯人を見た」と警察で証言するが、認知症だという理由で相手にされない。バルムは彼女が見たという精肉店の店主キム・ビョンテを怪しみ、密かに調べ始める。
ビョンテの自宅に侵入したバルムは、“猫の歯”が付いた鍵を見つけ、彼が猫殺しの犯人だと知る。さらに捜査を進めると、ビョンテは友人の給油所職員ハン・スチョルと放火テロを起こし、6歳の子供を死なせていたことがわかる。
ゴナムは猫殺しの犯人を追ううちにビョンテに辿り着き、彼らが殺人犯であることを知ってしまった。そして口封じのために殺されかけたのだ。彼らがプレデターだと知ったバルムは、精肉店に忍び込んでビョンテを殺害する。さらに彼らの携帯を細工して通話記録を作り、スチョル逮捕へ追い込む。
バルムは自分の中の“ヨハン”が消えつつあると感じ、ボンイに「病気が治るまで待ってほしい」と告げる。叔母一家が渡米し、ひとりきりになったバルム。ムチに「俺の弟になるか?」と言われ、心から喜ぶ。
翌朝、バルムは部屋の掃除中、棚に引っかかっているペンダントを見つける。それはムチが大切にしている家族の写真が入ったものだった。ムチにペンダントを返そうとするバルムだったが、彼はペンダントを身につけていた。
さらに、過去の自分が“猫の歯”のネックレスをボンイに贈ったと知り、動揺するバルム。初めてゴナムに会った日、彼はこのネックレスを見て“猫の歯”だと気づき、バルムを見て怯えたのだ。
頭痛に襲われ帰宅したバルムは、棚の下の箱の中からボンイの祖母がつけていたブローチを見つける。以前住んでいた家を訪れ、庭の隅の植え込みを掘り返すと、地下への扉が現れる。
地下室へ降りたバルムは、“ムジン連続殺人事件”の被害者の写真が壁一面に貼られているのを見て「ソン・ヨハンではなく、僕が殺した」と気づく。そこへ、チグクが目覚めたという連絡が入る。

以前住んでいた家の地下室で、ドラム缶に入った遺体を見つけたバルム。それは1年前にバルム自身が拉致・殺害したハングク少年の遺体だった。“善良な警察官バルム”は偽の人生であり、演技だったことを思い出したバルムは、自分の正体に気づいて慟哭する。
ムチは犯人が証拠保管室からボンイの祖母の刃物を盗み、カン・ドクスを殺害した後、また戻したのではないかと疑う。防犯カメラの映像が一部削除されていることに気づいたムチは、削除された映像を復元し、そこに映っている怪しい男の指に「OZ」のタトゥーがあることに気づく。そのタトゥーは、カン・ドクスが死んだ夜、ムチを襲って財布を盗んだ男と同じものだった。
チグクが目覚めたという連絡を受け、バルムは病院を訪れる。1年前、バルムは慰問で拘置所を訪れ、高校時代からの親友であるチグクを「ムカつく」という理由でめった刺しにした。その記憶を取り戻し、恐怖と自責の念でおびえるバルム。だがチグクは何も覚えていない様子で、バルムとの再会を喜んで抱きしめる。
バルムが再び地下室を訪れると、ハングクの遺体も犯罪の痕跡もすべて跡形もなく消えていた。その後、ハングクの遺体は廃工場で発見される。
絶望したバルムは自殺しようとするが、何者かに阻止される。バルムの告白を聞いたダニエルは、「ソジュンが脳移植したマウスはすぐに死んだ。君に残された時間も短い」と告げる。そしてバルムが罪悪感や後悔を抱いて苦しむのは、善良な心を持ったヨハンの前頭葉を移植したことで“感情”が芽生えたためだと説明する。
ボンイはホンジュがヨハンの子を産んだことを知ってショックを受け、彼女が罪悪感のために自分を放送局に誘ったのだと思い込む。ボンイに「その子を一生呪ってやる」と言われ、傷つくホンジュ。
ホンジュは子供の頃、弟のヒョンスとともにソジュンに拉致された時のことを思い出す。移動中、車のトランクから脱出した2人だったが、ヒョンス(ホンジュ)は警察官を呼びに行くため弟を置き去りにした。そして自身も逃げ切れず、ソジュンに捕まったのだった。
バルムはヨハンに襲われた日の記憶を取り戻す。彼はバルムが連続殺人犯だと気づき、ボンイとハングクを救おうとしたのだ。バルムは自らの罪とヨハンの潔白を明らかにする遺書を残して自殺することを決めるが、チグクに「自首してくれ。それが唯一の道だ」と告げられ、号泣する。
バルムが病室を去った直後、ムチが入れ替わりにチグクの病室を訪れる。チグクはベッドの中で悶え苦しみ、息を引き取る。ムチは病院を出ようとするバルムを呼び止める。

ムチとともに病室に戻ったバルムは、息を引き取ったチグクを見て号泣する。病室に残る足跡に気づいたバルムは何者かによる犯行と確信し、病院を出ていく怪しい男を追跡する。ホテルの屋上で犯人の自供を得たバルムだったが、もうひとりの男が現れ、格闘の末に男は転落死、犯人はそのすきに逃走する。
ムチはホテルに駆けつけるが、犯人が滞在した痕跡も、転落した男の死体も消えていた。バルムから車のナンバーが「67 ト 6264」だと聞いたムチは、以前自分を襲った「OZ」のタトゥーがある男の車だと気づく。
バルムは自殺を思いとどまり、チグクを殺した犯人への復讐を誓う。ボンイは憔悴したバルムを心配するが、過去の記憶を取り戻したバルムは彼女を冷たく突き放す。かつてのバルムは彼女を愛しておらず、「2世を産むために必要な女」と考えていたのだ。
チグクの葬儀の日、バルムは葬儀場で見かけた男性の持っていた遺影が、渡米したはずの叔母の夫パク・ミンソンであることに気付く。だが葬儀場には「イ・ピルソン」という名が掲げられ、供花には「科学技術情報通信部財務3チーム」と記されていた。
バルムは再びホテルを訪れ、転落死した男のものと思われる血液を発見する。DNAは「イ・ピルソン」と一致し、バルムと格闘して転落死した男は彼だとわかる。
叔母が住んでいたアパートを訪ねると、彼女に夫はおらず、息子のフンソクと2人暮らしだったという。そしてフンソクが外泊した翌日、2人は夜逃げ同然で引っ越したと話す。家族の記録を調べると、バルムに叔母は存在しなかった。16年前、バルムが家族を失った日に突然現れ、叔母を名乗って近づいてきた彼女は、偽者だったのだ。
ムチは削除されていたドクス殺害の日の防犯カメラ映像を復元し、同僚のイ・ミンスが「OZ」の男と接触しているのを確認する。「OZ」の目的が、ムチをドクス殺害現場へ向かわせないことだったと知るムチ。そのために強盗を装い、ムチを襲って気絶させたのだ。
ミンスを怪しんだムチは、同僚のサンとギヒョクにだけそのことを打ち明け、ミンスの監視と「6264」の車を捜すよう命じる。捜査を進めるうち、しだいに連続殺人犯がヨハンであることに疑問を抱き始めるムチ。
ムチは“ムジン連続殺人事件”の被害者であるソン・スホの母親に会い、スホの昔の写真を見せてもらう。彼のアルバムの中に、なぜかジェフンの写真が紛れ込んでいた。
バルムは幼い頃の記憶を取り戻そうと、かつて家族5人で住んでいた家を訪れる。そして母親に殺されそうになったこと、ある男が突然現れて自分を救い、母を殺したことを思い出す。その男はソン・スホだった。

16年前。睡眠薬で眠らされ、母親に絞め殺されそうになったジェフン(幼少期のバルム)を救ったのは、“ムジン連続殺人事件”の最初の被害者ソン・スホだった。空き家で目覚めたジェフンが自宅に戻ると、家は放火され、母と養父と弟は死亡、妹のジェヒだけが行方不明だった。
バルムが警察官となってスホを見つけ出し、1年前に残忍な方法で彼を殺害したのは、家族を殺されたことに対する復讐だったのだ。
一方、ムチもまた「OZ」のタトゥーを入れたスホに注目し、彼が“クリョン市一家殺害事件”に関与しているのではないかと疑い始める。スホが一家の生き残りであるジェフンの写真を持っていたことから、ジェフンの居場所を探ろうとするムチだったが、なぜか警察のデータベースから削除されていた。
ボンイはホンジュのマンションの前で、以前取材をしたジウンと再会する。ジウンは正体を隠してホンジュのベビーシッターをしていた。ジウンの家に招かれたボンイは、飾られている少年の写真を見て、彼女の息子がかつて自分を助けてくれた少年だと気づく。カン・ドクスに襲われて瀕死のボンイを橋の下で見つけ、警察に通報したのはヨハンだった。自分を助けた少年が連続殺人犯のヨハンだと知り、困惑するボンイ。
チグクを殺した犯人は、ナンバー「6264」の車内で遺体となって発見される。ムチは車内に隠してあったドライブレコーダーの記録を見つけ、内容を確認する。そこに記録されていたのは、カン・ドクス殺害の日に事件現場へ向かうバルムの監視映像だった。
バルムはダニエルの荷物の中から、自分の日記やヨハンと通話した携帯を見つける。ヨハンの正体を突き止めるべく、かつて通ったクリョン小学校を訪ねるバルム。そして、ヨハンが当時自分に優しくしてくれた転校生だと気づく。
担任教師によると、その頃のヨハンは「誰かに尾行されてる」と言い、心理治療を受けていたという。バルムはヨハンに襲われた夜、彼が死の間際に残した「僕たちは実験用マウスだ」という言葉を思い出す。

帰宅したバルムはダニエルを問い詰め、自分たちを使って“実験”している連中の正体を聞き出そうとする。以前、家族を殺したソン・スホへの復讐を考えていた時、スホの住所を知らせる発信人不明のメールを受け取ったことを思い出したのだ。
ダニエルは関与を否定するが、バルムの正体については知っていたという。ムジン連続殺人が起きた時、バルムの犯行だと気づいたダニエルは、ヨハンに相談を持ちかけた。そして彼と待ち合わせた遊園地で、「OZ」に襲われたのだ。瀕死のダニエルを救ったのはヨハンだった。ヨハンはダニエルを自宅の地下室に匿い、密かに治療していたのだった。
「OZ」の正体を教えろ、と迫るバルムだったが、ダニエルは拘束を解いて逃走、ホンジュと合流する。しかし写真を取りに研究室に戻ったダニエルは、「OZ」に拉致されてしまう。
バルムがカン・ドクス殺害の犯人だと確信したムチは、署内でバルムを殴りつける。聴取を受けたバルムは犯行を否定するが、ムチにだけカン・ドクスを殺したことを打ち明ける。そして「処罰を受ける前にチグクを殺した連中を捕まえたい」と懇願する。
バルムは、ヨハンが「聖母 愛の家」で暮らすミカエラを支援していたことを知り、施設を訪ねる。ミカエラは、16年前から行方不明になっているバルムの妹ジェヒだった。
16年前、「OZ」の一員だったスホはジェフン(バルム)を殺そうとする母親を止めようとして、誤って両親を殺害、証拠隠滅のために家に火を付けたのだ。ジェヒは兄ジェミンの助けで脱出できたが、ジェミンは逃げ遅れて火災に巻き込まれ、亡くなった。
1年前、ヨハンはジェヒに会い、ダニエルと会ったことや、「OZ」という組織について彼女に話していた。科学技術情報通信部に勤務する友人キム・ジュンソンに調べさせ、財務3チームが「OZ」であることを突き止めていたのだ。ヨハンの地下室にあった遺体の写真は、ジュンソンがハッキングで手に入れたものだった。
その写真をボンイの祖母に見られ、彼女を追ったヨハンはバルムの犯行を目撃。ヨハンがジュンソンの上着を着ていたことから、バルムは彼をジュンソンと勘違いして殺害したのだ。唯一の友を殺されたヨハンは復讐を決意し、以降バルムを監視していた。
ドゥソクの妻ユファは、ジウンが連れていたホンジュの子供を連れ去ってしまう。子供を母親に返そうとするドゥソクだったが、ユファは子供を抱いたまま交通事故に遭い、病院に運ばれる。病院でジウンと会い、ヨハンの子供だと知ったドゥソクは、「孫を助けたければ、ヒョンスを埋めた場所を教えろ」とジウンを脅す。
ボンイはヨハンが連続殺人犯であることに疑念を抱き始めていた。警察署で確認すると、ヨハンの遺体の腕には刃物の傷がなく、自分が供述した傷に関する記録もないという。バルムの家を訪れたボンイは、疲れて眠っているバルムの腕に傷痕を発見し、戦慄する。

26年前。ジウンはソジュンの息子を出産するが、いずれ殺人鬼になる未来に絶望し、生まれたばかりの子供を窓から落とそうとする。彼女を止めたのは、看護師のキム・ヒジョンだった。妊娠中の彼女もまた、自分の子が怪物になる可能性に怯えていた。2人は悲劇を食い止めるため、互いの子供を入れ替えて観察することを約束する。
現在。ソジュンと面会したジウンは、ヨハンの子供を救うために、ドゥソクの娘ヒョンスの居場所を教えてほしいと懇願する。だがソジュンは「俺とは関係ない」と一蹴する。ソジュンはヨハンが自分の息子ではないことに気づいていた。バルムの脳移植手術を引き受けたのは、バルムが自分の本当の息子だと知ったからだ。そしてバルムを救うために、回復に向かっていたヨハンを犠牲にしたのだった。
ホンジュは病院に駆けつけ、ドゥソクから子供を返される。弟とソン・スジョンを死なせてしまった罪悪感から、実の両親であるドゥソクとユファに素性を明かせず、苦悩するホンジュ。
ジウンの身元を知ったホンジュは、彼女が26年前に子供を入れ替え、何の関わりもないヨハンを殺人鬼の息子として育てたことを責める。
ホンジュはかつて自分をさらった連続殺人犯ソジュンと面会し、「最も残酷な方法であなたを殺す」と宣言する。
一方、バルムもまた自分がソジュンの息子だと気づく。バルムの腕に傷跡が残っているのを発見したボンイは激しく動揺し、真実を受け止めることができない。だが死んだ祖母が握っていた写真にバルムの服のボタンが写っているのを見て、彼が犯人だと確信する。
バルムは叔母の居場所を突き止め、済州島に渡る。バルムに問い詰められた彼女は、「OZ」の一員としてスホの任務を引き継ぎ、叔母を装ってバルムを観察していたことを明かす。そしてフンソクがバルムの家に行ったのを機に怖くなり、退職したという。叔母から渡された調査記録には、バルムとヨハンに関する報告が記録されていた。
ムチはバルムを連続殺人犯として疑い始め、部下のサンにバルムの行動を密かに調べるよう命じる。サンはバルムの家に侵入してキム・ジュンソンのパソコンを発見し、解析するため署に持ち帰るが、帰宅途中に刺殺されてパソコンを奪われる。
ボンイはバルムに復讐しようとするが、薬を嗅がされて意識を失う。バルムは大統領秘書室長チェ・ヨンシンの家に忍び込み、彼女と対峙する。

「OZ」を操る黒幕は、大統領秘書室長チェ・ヨンシンだった。彼女はバルムに「殺人鬼として育ってくれて感謝している」と話す。
彼女の目的は、26年前に否決されたサイコパス胎児堕胎法案を成立させ、犯罪のない社会を築くことだった。そのために国家情報院内に私的な組織「OZ」を設け、サイコパス遺伝子を持つバルムとヨハンが無事に育つよう注視してきたという。バルムたちが成長して殺人鬼となったとき、それを利用して法案を通過させるという計画だった。
銃を突きつけるバルムに、「あなたに殺されてこそ、理想の社会が実現する」と言うヨンシン。だが脳移植手術によって感情が芽生えたバルムには、ヨンシンを殺すことができなかった。
ムチはバルムにセロトニン抑制薬を処方した医師を怪しみ、彼が連絡を取っていた番号を追跡してヨンシンの家にたどり着く。そこで彼女が「OZ」のトップであることを知る。ヨンシンは拘束された状態でムチに発見され、逮捕される。
ボンイは祖母を殺したバルムに襲いかかるが、殺すことができなかった。「自首して一生苦しみ続ければいい」と吐き捨てて立ち去るボンイ。入れ替わりにムチが現れ、バルムを撃とうとするが、ホンジュが阻止する。そしてムチの代わりに復讐を果たすよう促す。
ヨハンが死んだ直後、ホンジュは廃病院に隠れていたダニエルを発見した。そしてダニエルから、連続殺人犯がヨハンではなくバルムだと聞かされたのだった。一時は罪悪感から自殺を考えたホンジュだったが、妊娠に気づいて思いとどまり、ダニエルとともにある計画を企てた。それは、記憶を失ったバルムを利用してプレデターを始末させ、バルムの正体とチェ・ヨンシンの蛮行を同時に世間に知らせることだった。
ジウンは逮捕されたバルムと面会する。バルムが幼い頃、森の中で弟を生き埋めにしようとするのを見て、この手で殺そうとしたができなかったと話すジウン。そして1年前、ムジン連続殺人の犯人が自分の息子だと気づいたが、自分よりも先にヨハンが動いたと打ち明ける。
バルムは家族に対して殺意がなかったことを明かし、「ソジュンもあんたも同類だ」と告げる。それは、ヨハンが最後にジウンに告げた言葉と同じだった。ジウンはヨハンのもとへ行くため、崖から身投げして命を絶つ。
チェ・ヨンシンは容疑を否認し、証拠不十分で釈放される。ホンジュは生放送でダニエルのインタビュー動画を流し、ヨンシンの企みと「OZ」の存在を暴露する。さらに、身を隠していたバルムの叔母も出演し、「OZ」を暴く証拠データとして連続殺人の被害者の写真と、会議でのヨンシンの指示を録音した音声を公表する。それを受けて、ヨンシンは再逮捕される。
生放送でヨハンの無実を訴えたホンジュは、放送後、殺到するマスコミの前で自らの罪を告白し、被害者であるソン・スジョンの母親に謝罪する。ホンジュがソジュンにさらわれた実の娘ヒョンスだと気づいたドゥソクは、泣きながら彼女に手錠をかける。
OZの組織員たちは根こそぎ逮捕され、サンの父シン・ソンミンが大統領に当選する。サイコパス遺伝子中絶義務化法案は、国民投票による圧倒的賛成多数で通過する。
裁判で死刑判決を受けたバルムは、父親のハン・ソジュンがいるムジン拘置所に入る。刑務官である親友ドングの力を借りて、監房でソジュンを刺し殺すバルム。その後、バルムは激しい頭痛に苦しみながら、拘置所内の教会で孤独な死を迎える。
3年後。大統領のシン・ソンミンはヨンシンの赦免を断行するが、ヨンシンは出所した直後に抹殺される。ホンジュは刑期を終えて出所し、両親であるドゥソクとユファ、息子のウンチョンと再会する。
ボンイはテレビ局で働きながら大学に通っていた。ムチは警察を辞め、卵を売ってボンイの学費を稼いでいた。ホンジュと再会したムチは、ヨハンへの罪を一生償いながら生きると語る。
粗末なバルムの墓を訪れ、思いを巡らすムチ。神は彼に天罰を下したのだろうか、それとも彼を救ったのだろうか、と。

感想

すごい脚本!! 前半で曖昧だった部分が後半の伏線回収でどんどん明らかになっていき、最後はすべて繋がって(その繋がり方がエグい)「そういうことだったのか!」と。

どうやってこんな複雑な話をまとめるんだろう?と思いながら見ていましたが、本当に見事でした。

ちょっとしたシーンにもすべて意味があり、かなり後になってから回収されたりするので、記憶をたどるのに苦労しました。必死に集中して見たつもりだけど、それでも見落としたり勘違いしたりしてる部分がたくさんありそう。

特にバルムとヨハン、ホンジュの描き方が秀逸でした。彼らに関しては謎が多すぎて(特に空白の部分が多いホンジュ)、集中して見ていても時系列がわからなくなり、何度、過去の放送分を見直したことか。

サイコパスを描いた犯罪ドラマなので残忍なシーンが多く、扱うテーマも「命の選別」という倫理的問題をはらむ重苦しい作品でしたが、エンタメとしてはよくできていて面白かったです。

個人的にいちばん残酷だと思ったのは、2人の母親が取った行動だったかもしれません。

ちなみにスピンオフの「マウス:プレデター」(全2話)は、犯人視点での総集編みたいな感じ。ほとんどが本編で見た映像だったので、少し退屈だったかな。

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