WOWOW「眼の壁」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)

WOWOW「眼の壁」あらすじキャスト

WOWOWの連続ドラマ「眼の壁」(全5話)についてまとめました。

「点と線」に並ぶ松本清張のベストセラー小説を、小泉孝太郎の主演で連続ドラマ化。手形詐欺に端を発する連続殺人事件の謎を描いた傑作ミステリー。

WOWOW公式サイトより

松本清張の初期の秀作を、1990年代に舞台を移して映像化。手形詐欺に遭った上司の汚名をそそぐため、主人公が新聞記者の友人の協力を得て巨大な組織悪に立ち向かう姿を描いたサスペンスドラマ。

主人公が手形詐欺に遭った恩人の行方を探すところから、ストーリーは意外な展開へと流れていきます。怪しげな組織と謎の女の正体、そして事件の真相は…。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2022年6月19日(日)から毎週日曜22:00~ほか
  • 原作:松本清張『眼の壁』
  • 脚本:深沢正樹
  • 監督:内片輝
  • 音楽:諸橋邦行

あらすじ

1990年、資金繰りに苦しむウキシマ電業製作所の経理課長・萩崎竜雄(小泉孝太郎)は、部長の関野(甲本雅裕)とともに融資交渉に奔走していた。しかし資金のめどが立った直後、関野が2億円の手形詐欺に遭ってしまい、手形を奪われた関野も姿を消してしまう。経営陣は体面を繕うため、事件を隠蔽することを決めるが、萩崎は父の恩人でもある関野のために新聞記者の友人・村木(上地雄輔)の力を借りて真相追求に乗り出す。しかし、調べれば調べるほど、事件の闇は深まっていく。背後にうごめく、権力者や組織の影。そして萩崎は、事件の鍵を握るとみられる謎めいた美女・上崎絵津子(泉里香)にたどり着く。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、松本清張の長編推理小説『の壁』(1958年刊行)です。

推理小説会に“社会派”の新風を生んだ『点と線』と同じ昭和32年(1957年)に連載され、当時大きな反響を呼んだ作品。1958年には『君の名は』の佐田啓二主演・大庭秀雄監督のコンビで映画化もされました。

登場人物(キャスト)

※一部ネタバレを含みます

萩崎竜雄(小泉孝太郎)
〈ウキシマ電業製作所〉の経理課長。粉飾決算への加担を嫌って大手メーカーを辞めた正義感の強い男。手形詐欺に遭って姿を消した上司・関野を助けるために調査に乗り出すが、殺人事件の容疑をかけられ警察に追われることに。

村木満吉(上地雄輔)
〈毎朝新聞社〉の社会部記者。萩崎とは高校時代の同級生で、ともに新聞部に所属していた。政治家のスクープを狙っており、萩崎の真相究明に協力する。

上崎絵津子(泉里香)
クラブ〈月世界〉のホステス。関野が堀口と会っていたホテルで、彼らを見つめていた女性。手形詐欺の真相を追う萩崎の身に危険が及ぶことを心配し、詮索しないよう忠告する。代議士・岩尾の愛人と噂されている。

堀口勝(薮宏太)
金融コンサルタントを名乗る男。関野が資金繰りに奔走する中で山杉社長から紹介され、手形交換という奇抜な手法を提案された。鮮やかな手口で2億円の手形を詐取し、姿を消す。のちにクラブ〈月世界〉のマネージャーと判明。

関野徳一郎(甲本雅裕)
萩崎の上司で、父親代わりの存在でもある。取引先の倒産により資金難に陥った〈ウキシマ電業製作所〉を救うために奔走するが、手形詐欺に遭ってしまう。詐欺を働いた堀口を尾行している途中、行方不明になる。

田丸利市(加藤雅也)
瀬沼弁護士事務所の調査員。元刑事。クラブ〈月世界〉を訪れた萩崎の前に現れ、これ以上の詮索は危険だと忠告する。実は手形詐欺の真相を突き止めるために動いており、関野を嵌めた人物の正体を知った直後に殺される。

山杉喜太郎(陣内孝則)
〈ウキシマ電業製作所〉と取引のある金融業者。窮地に陥った関野を助けるために、堀口を紹介する。関野が手形詐欺に遭った後も堀口との共謀を否定するが…。

瀬沼(山崎銀之丞)
〈ウキシマ電業製作所〉の顧問弁護士。警察に通報せず、秘密裏に手形を取り戻す道を探るよう助言する。調査員の田丸に手形詐欺の真相を突き止めるよう命じていた。

岩尾輝輔(金田明夫)
与党政治家。銀座のクラブ〈月世界〉に出入りしており、ホステスの絵津子と深い関係にあると噂されている。関野を嵌めた堀口が、岩尾の車に乗り込んでいた。弟が長野県で建設会社を経営している。

笹川(飯田基祐)
警視庁捜査一課の刑事。田丸が殺害された事件を担当し、現場から逃走した萩崎を追う。

水嶋(忍成修吾)
謎の男。関野を拉致した組織に属している。

梅村文男
15年前、霧島村の人々から金を騙し取り、追い詰められて焼身自殺を図った男。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ウキシマ電業製作所は、取引先の大型倒産によって資金難に陥り、10日後までに2億円を用意できなければ不渡りを出す状況に迫られていた。経理課長の萩崎(小泉孝太郎)は部長の関野(甲本雅裕)とともに融資交渉に奔走するが、どこからも色よい返事を得られない。
そんな中、関野は金融業者の山杉(陣内孝則)に紹介された金融コンサルタントの堀口(薮宏太)から、手形交換を利用した資金調達の妙案を授かる。それは大手食品会社のアジオ食品と手形を交換し、受け取った手形を東京興業銀行に持ち込んで即日1億9000万円近くの現金に換えるというものだった。
ほかに道はないと判断した上層部は承諾し、関野は2億円の手形を持って堀口と面会。堀口が懇意にしているという東京興業銀行の大山常務を訪ねるが、堀口と大山は手形を受け取って姿を消してしまう。
関野と連絡が取れず心配した萩崎は東京興業銀行へ向かい、本物の大山常務が出張中で不在だと知る。銀行もアジオ食品も堀口という男を知らず、手形交換の話も聞いていなかった。
その夜、萩崎は関野からの電話を受ける。手形詐欺に遭ったと気付いた関野は、手形を取り戻すため堀口を紹介した山杉を見張り、彼が入っていった雑居ビルから堀口が出てくるのを見たという。関野は堀口を尾行すると言い、車のナンバーを萩崎に告げて電話を切る。
関野はそれ以来行方不明になり、会社は顧問弁護士の瀬沼(山崎銀之丞)の助言に従って警察に通報せず、秘密裏に処理しようとする。
瀬沼を信用していない常務の山岡(おかやまはじめ)は、奪われた手形を見つけ出して回収するよう、萩崎に命じる。萩崎は関野から聞いた車のナンバーを、高校時代の同級生で新聞記者の村木(上地雄輔)に調べさせ、車の持ち主が与党政治家の岩尾輝輔(金田明夫)だと知る。
萩崎は岩尾が通い詰めているという銀座のクラブ〈月世界〉を訪ね、そこでホステスの絵津子(泉里香)を見かける。彼女は関野が堀口と会っていたホテルで、陰から彼らを見つめていた女性だった。

クラブ〈月世界〉に潜入した萩崎は、ホステスの絵津子から堀口や関野の居場所を聞き出そうとするが、突然現れた田丸(加藤雅也)という客に邪魔され、「この店には二度と近づかないほうがいい」と忠告を受ける。
山岡常務のもとには、顧問弁護士の瀬沼が多重債務者であり、手形詐欺に関与していると匂わせる怪文書が届いていた。山岡と萩先は瀬沼を問いただすが、彼は関与を否定する。
記者の村木は、代議士の岩尾がフロント企業と繋がっていることを突き止め、彼らの拠点が〈月世界〉が入っているKSビルだと教える。萩崎から手形詐欺の一部始終を聞いた村木は、関野を見つけ出したいという萩崎に協力することを決める。
2日後、村木と萩崎は〈月世界〉に乗り込み、岩尾に直撃インタビューを試みる。手形詐欺や特殊な団体との癒着について聞かれた岩尾は、村木を店から追い出して帰ってしまう。萩崎は岩尾を追いかけようとするが、またもや田丸に止められる。
警察に通報すべきだと社長に進言した山岡常務は、手形詐欺の責任を負わされて九州の工場へ飛ばされることになり、萩崎に調査をやめるよう命じる。
納得がいかない萩崎は〈月世界〉へ行き、絵津子に会う。絵津子は深入りしようとする萩崎を心配し、「あなたも危険に巻き込まれる。これ以上詮索しないで」と忠告する。
田丸はある人物に呼び出され、待ち合わせ場所へ向かう。田丸を尾行する萩崎だったが、彼に気づかれ殴られる。田丸は「関野を嵌めたやつの正体がわかった。もうすぐ片がつく」と告げて立ち去る。
田丸を追った萩崎は、何者かに刺されて倒れている彼を見つける。田丸は「堀口」と告げて絶命し、萩崎は少し前にすれ違った〈月世界〉のマネージャーが堀口だと気づく。その場にいた萩崎は警察官に犯人と疑われ、逃走する。

田丸が殺された現場に居合わせた萩崎は、殺人容疑で警察に追われる身に。事件を担当することになった警視庁捜査一課の刑事・笹川(飯田基祐)は、被害者が恩人である田丸だと知って衝撃を受ける。さらに田丸を雇っていた瀬沼弁護士や〈ウキシマ電業製作所〉が何かを隠していると感づく。
一方、堀口らに監禁されている関野は、妻・千代子(中島ひろ子)に電話するよう脅され、「私のことは忘れて生きてくれ」と自殺をほのめかす言葉を言わされる。千代子から連絡を受けた萩崎は、彼女にこれまでの経緯をすべて話し、必ず関野を助けると約束して警察に出頭することを拒む。
しかしまもなく関野の遺体が奥多摩の渓谷で発見され、自責の念に駆られた萩崎は警察へ行こうとする。そこへ絵津子が現れ、憔悴した萩崎を自宅に匿う。
絵津子は、勤務先の山杉商事が例の組織の被害を受けていると語り、社長の山杉に頼まれて組織の実態を掴むため、堀口を調査していたという。彼女が堀口を初めて見たのは、萩崎と初めて会ったホテルのロビーだった。
堀口はクラブ〈月世界〉のマネージャーで、そこでは田中と名乗っていた。そして組織と深い関係にある岩尾輝輔議員は、絵津子ではなく〈月世界〉のママと関係を持っていた。
絵津子によると堀口は組織の手先として利用されているだけで、田丸や関野を殺した人物は別にいるという。そして警察に話せば、堀口が罪を着せられて組織に殺される、と。
真実を突き止めるため、萩崎に協力を求める絵津子。2人は岩尾議員の弟が経営する長野県の建設会社に堀口が匿われていると考え、長野県へ向かう。
萩崎は絵津子が冷静さを失っていることに気付くが、彼女は堀口との関係を明かそうとしない。そこへ堀口が現れ、萩崎にナイフを突き付けて連れ去る。

萩崎を拉致した堀口は、田丸や関野を殺したのは自分ではないと主張する。犯人の名前を告げれば殺されると怯え、萩崎を殺そうとする堀口。そこへ絵津子が現れ、堀口を説得して逃がす。萩崎は絵津子から堀口との関係を聞き出そうとするが、彼女は何も語らずに姿を消してしまう。
絵津子は堀口と合流し、田丸と関野を殺した犯人が水嶋(忍成修吾)だと知らされる。このままでは堀口が殺人の罪を着せられて殺される、と忠告する絵津子だったが、堀口は「俺たちはどこにも逃げられない」と告げて水嶋のもとへ向かう。
霧島村の山林で焼死体が見つかり、現場に残されていた遺書と免許証から身元は「黒池健吾」と判明。村木からの報告で黒池健吾が堀口の本名だと知った萩崎は、彼の出身地である霧島村へ向かい、絵津子が黒池健吾の実の姉だと知る。幼い頃に両親を亡くした2人は、伯父の梅村文男に引き取られ、酷い扱いを受けて育ったという。
15年前、文男は村人たちから金を騙し取ったことがバレて追い詰められ、姉弟や村人たちの前で焼身自殺を図っていた。文男と健吾がどちらも顔を焼いて死んでいることから、萩崎は遺体が身代わりではないかと推察する。
霧島村で絵津子と再会した萩崎は、山杉商事の社長・山杉喜太郎が文男の現在の姿なのではないかと問いただす。

絵津子は萩崎に自身の凄絶な幼少時代について語りだす。伯父の梅村文男は暴力で絵津子と健吉を完全に支配していた。15年前に姉弟の目の前で焼死し、これで自由になったと思ったのも束の間、文男は数年後に別人となって舞い戻ってきたという。以来、絵津子と健吉は文男=山杉に逆らえず、言いなりになって生きてきたのだった。
萩崎と絵津子は健吉が生きていることを確かめるため、山杉が身代わりにした男を捜し出そうとする。村木も協力し、2人は山杉商事の事務所から債務者ファイルを盗み出すことに成功。健吉と背格好が似ている斉藤智之という男が行方不明になっていることを突き止める。
だがその直後、山杉は会社を畳んで忽然と姿を消してしまう。山杉を追っていた刑事の笹川と遭遇した関崎は、山杉の正体が梅村文男であることや、霧島村で見つかった焼死体が黒池健吉の身代わりである可能性について説明する。そして自分が囮となって山杉をおびき出す代わりに、健吉を探して欲しいと頼む。
しかし警察が発見したのは健吉ではなく、身代わりとなったはずの斉藤智之だった。さらに焼死体の歯型が健吉と一致し、焼死体は健吉だったことが判明する。絵津子は山杉を殺す覚悟で会いにいくが、すぐに見破られ拘束されてしまう。
萩崎は殺された田丸の雇い主である弁護士・瀬沼に会いに行く。田丸は事件の首謀者である山杉に辿り着き、彼に関する情報を手帳に残していた。瀬沼から手帳を渡された萩崎は、手帳にあった山杉商事の固定資産台帳を手がかりに、廃工場へ向かう。
萩崎を待ち受けていた山杉は、再び名前を変えて別人になりすますため、自分の身代わりを焼身自殺に見せかけて殺し、さらに手下の水嶋をも口封じのため殺害、火を放って絵津子と萩崎を置き去りにする。
建物を出た山杉は、笹川たち警察官に囲まれる。そこへ炎に包まれた水嶋が建物から走り出てきて山杉に襲いかかり、2人は火だるまになって焼死する。萩崎と絵津子は無事に救出される。
田丸が残した手帳により、山杉と代議士・岩尾の関係が明らかになる。岩尾は山杉から多額の不正献金を受け取り、その見返りとして国有地である銀座の一等地を山杉が購入できるよう、関係省庁に圧力をかけていた。
関野が騙し取られたウキシマ電業の2億円の手形は、山杉の愛人宅で発見された。手形を取り戻した萩崎だったが、体面を気にして関野の行方を気にかけようともしなかった会社に失望し、退職願を出す。
萩崎は絵津子と初めて会ったホテルへ行き、彼女と再会する幻を見る。

感想(ネタバレ有)

手形詐欺から意外な展開になりましたね。原作は未読なので比較できませんが、松本清張らしい昭和の香りがふんだんにするストーリーでした。

原作では1950年代が舞台だったのを、ドラマでは1990年代に変更してるんですよね。これはちょっと無理があったかな~。登場人物の名前とか、クラブ〈月世界〉とか、霧島村とか、バブルの頃よりも時代が古い感じがしました。

謎の女・絵津子に惹かれて事件に巻き込まれていくお人好しな主人公、小泉孝太郎さんにぴったりの役でした。久々に陣内孝則さんの悪役が見られたのも楽しかったです。

タイトルの「眼の壁」が何を意味するのかまったく予想がつきませんでしたが、最後の最後に主人公のセリフで明かされました。

目に映っていることが現実なのか。しかし実際の現代の現実は、この視界の具象の彼方にありそうだ。眼はそれを遮蔽した壁を眺めているにすぎない

ほかの記事を読む?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です