ネタバレ有「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」シーズン1全話あらすじ・感想・キャスト

「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」全話あらすじ感想

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

海外ドラマ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」シーズン1(全10話)についてまとめました。

第68回(2016年)エミー賞のドラマ・シリーズ部門で主演男優賞(ラミ・マレック)、ゴールデン・グローブ賞のテレビ部門で作品賞と助演男優賞(クリスチャン・スレイター)を受賞している作品。

主人公が天才ハッカーという設定なので、ハッキングやセキュリティ関連の専門用語が初っぱなからバンバン出てきて、最初は何が起こっているのかさっぱりわからず。画面上に出てくるコードは全て正確なコードらしいのですが、もちろん素人のわたしにはわかりません。

突然ワケのわからないシーンが始まったり、唐突に場面が切り替わったりもするので、ちょっと頭がこんがらがりました。でも見ているうちになんとなくわかるようになり、後半では散りばめられた謎が一気に回収されます(急展開の第8話は必見)。

わたしは何も考えずに「これはハッカー集団が世界征服をもくろむドラマなのね」などとお菓子をボリボリ食べながら暢気に見ていたので、すっかり騙されました。最終話まで見た後、もう1回最初から見たくなるドラマ。

「ボヘミアン・ラプソディ」で一躍有名になったラミ・マレックが、孤独でコミュ障で病的な天才ハッカーを演じています。ハマってます。あとクリスチャン・スレーターすっごい久しぶりに見た。イイ感じの中年になったなぁ。

作品概要

  • 製作国:アメリカ(2015年)
  • 原題:Mr. Robot
  • 原案:サム・イスマイル
  • 製作総指揮: サム・イスマイルほか

あらすじ

人付き合いが苦手なハッカー、エリオットは、他人が知られたくない個人情報を盗むのが趣味の孤独な青年。ある深夜、自分が働くサイバーセキュリティ会社の大口取引先である世界的大企業“E(悪魔)コープ”のネットワークに何者かがハッキング攻撃を仕掛けるが、エリオットの懸命の活躍で重大な被害は出ずに事態は収拾する。そんなエリオットは内心、“Eコープ”を憎んでいたが、彼に謎の男“ミスター・ロボット”が接触してくる。

公式サイトより

登場人物(キャスト)

オールセーフ

エリオット・オルダーソン(ラミ・マレック)
人付き合いが苦手な孤独な青年。昼間はサイバーセキュリティー会社〈オールセーフ〉でセキュリティ・エンジニアとして働き、夜はハッカーとして身近な人々の秘密を覗き見ている。
幼少時に父親を白血病で亡くしている(Eコープによる有毒廃棄物の流出が原因)ことや、母親の厳しい躾などでトラウマを抱えており、孤独感や寂しさをモルヒネや空想で紛らわせている。

アンジェラ・モス(ポーシャ・ダブルデイ)
エリオットの同僚で、幼馴染。〈オールセーフ〉で主任に昇格するも、技術面では少々頼りない。〈Eコープ〉の有毒廃棄物事件で母親を亡くしており、事件を追求するため〈Eコープ〉に立ち向かう。

オリー・パーカー(ベン・ラパポート)
アンジェラの恋人で、〈オールセーフ〉の社員。中華系ハッカー集団〈ダークアーミー〉に目をつけられ、罠に嵌まって脅迫される。

ギデオン・ゴダード(マイケル・ギル)
〈オールセーフ〉のCEO。同性愛者であることをエリオットに打ち明ける。エリオットの能力を評価すると同時に、人付き合いが苦手な性格を心配し、何かと声を掛ける。

f・ソサエティ

Mr.Robot(クリスチャン・スレーター)
凄腕ハッカー集団〈f・ソサエティ〉のリーダー。胸に「MR. ROBOT」というワッペンの付いたジャケットを着ている。エリオットのハッキング技術に目を付け、f・ソサエティに加わるよう誘いをかける。

ダーリーン(カーリー・チャイキン)
〈f・ソサエティ〉に所属する女性ハッカー。〈Eコープ〉への大規模ハッキングで使用されたルートキットを作成した。世界を変えるため、強引に革命を成し遂げようとする。たびたびエリオットの部屋に無断侵入する。

レスリー・ロメロ(ロン・シーファス・ジョーンズ)
〈f・ソサエティ〉に所属するメンバー。心気症。

モーブリー(アズハル・カーン)
〈f・ソサエティ〉に所属するメンバー。大食家。

Eコープ関係者

テリー・コルビー(ブルース・オルトマン)
Eコープの最高技術責任者(CTO)。ITには疎く、エリオットからは内心バカにされている。〈f・ソサエティ〉の策略により、Eコープへの大規模ハッキングを仕掛けた首謀者として逮捕される。のちに「ワシントン・タウンシップの有毒廃棄物事件」の隠蔽にも関与していたことが判明する。

タイレル・ウェリック(マルティン・ヴァルストロム)
Eコープの技術担当上級副社長。スウェーデン人で、エンジニア出身の野心家。神経質でキレやすい性格。テリー・コルビーの逮捕後、暫定のCTOに任命されるも、有力なCTO候補が現れ焦る。身重の妻がいる。

ヨアンナ・ウェリック(ステファニー・コーネリウッセン)
タイレルの妻。妊娠中。タイレルの野望を叶えるため、計画に協力する。

スコット・ノウルズ(ブライアン・ストークス・ミッチェル)
タイレルのライバル。コルビー逮捕後、〈Eコープ〉の最高技術責任者(CTO)に就任する。

シャロン・ノウルズ(ミケーレ・ヒックス)
スコットの妻。タイレルから誘惑される。

フィリップ・プライス(マイケル・クリストファー)
〈Eコープ〉のCEO。

そのほか

クリスタ・ゴードン(グロリア・ルーベン)
エリオットを担当している精神科医。孤独を理解しているが人の心は読めない。既婚者で浮気性の男と交際していたが、エリオットが密かに手を回して別れさせている。

シェイラ・ニコ(フランキー・ショー)
エリオットのアパートの隣室に住んでいるドラッグディーラー。モルヒネと共に禁断症状のための薬を調達できるため、エリオットはシェイラからモルヒネを購入している。内心では普通の暮らしを望んでいる。

シスコ(マイケル・ドレイヤー)
中華系ハッカー集団〈ダークアーミー〉の米国連絡係。ダーリーンの元恋人。

ホワイト・ローズ(B・D・ウォン)
中華系ハッカー集団〈ダークアーミー〉のボス。中国にあるEコープのサーバーを破壊するため、〈f・ソサエティ〉から協力を依頼される。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

人付き合いが苦手な青年エリオットは、昼間はセキュリティ・エンジニアとしてサイバーセキュリティー会社〈オールセーフ〉で働き、夜は天才ハッカーとして個人情報を盗んだりネット上の犯罪を通報するなどしている。
深夜、エリオットは幼なじみで同僚のアンジェラから会社に呼び出され、会社の大口取引先〈Eコープ〉のサーバーが何者かにハッキングされていることを知る。エリオットは被害を最小限に食い止めるが、犯人と思われる〈f・ソサエティ〉から“このまま放置しろ”というメッセージを受け取る。まもなく、謎の男“ミスター・ロボット”が現れ、エリオットをコニー・アイランドの遊園地のさびれたゲームセンターへ連れて行く。
ミスター・ロボットは凄腕ハッカー集団〈f・ソサエティ〉のリーダーで、〈Eコープ〉が持つメガデータを破壊することで金融界に混乱を起こし、世界に革命を起こすと宣言。エリオットを仲間に誘う。
エリオットは〈f・ソサエティ〉の情報をFBIに提出しようとするが気が変わり、ミスター・ロボットに指示されたとおり、犯人の手がかりとして〈Eコープ〉の最高技術責任者テリー・コルビーのIPアドレスを提出。やがてコルビーは逮捕される。〈f・ソサエティ〉による革命が始まったことに興奮するエリオットだったが、見知らぬ男たちに連行される。

エリオットは〈Eコープ〉の暫定CTOに任命されたタイレル・ウェリックからスカウトされるが、辞退する。エリオットが家に戻るとダーリーンが勝手に家に侵入し、再びエリオットをゲームセンターに連れて行く。
ミスター・ロボットは、次の段階としてオールバニの天然ガス工場を爆破し、隣接する〈Eコープ〉のデータ保管施設を破壊する計画を持ちかける。エリオットは近隣住民たちを巻き込む可能性があるとして、仕事を断る。
エリオットの隣人で麻薬の売人でもあるシェイラは、供給元であるフェルナンド・ベラにレイプされる。エリオットはベラの犯罪の証拠を集めて警察に通報し、ベラは逮捕される。
エリオットはミスター・ロボットに会いに行き、爆破せずにデータを壊す方法を提案しようとするが、ロボットは父親について話せと言う。エリオットは白血病を患っていた父との約束を破り、母親に父の病気について打ち明けたことを話す。ロボットは父親との約束を破った罰として、エリオットを手すりから下の岩だらけのビーチに落とす。
アンジェラの恋人オリーは街頭で買った音楽CDを自宅のPCで開き、ウイルスに感染。PCをハッキングされてしまう。

怪我をしたエリオットは病院で目覚め、精神科医のクリスタにモルヒネをやめるよう忠告される。エリオットは病院のシステムをハッキングし、薬物検査の結果を書き換える。出社するとミスターロボットが会社に来ており、エリオットをバーに呼び出して突き落としたことを謝罪する。
エリオットは「普通に生きる」ことを決め、シェイラに告白して恋人になる。エリオットはシェイラを連れてギデオンのホームパーティに参加するが、パーティーの途中、テレビのニュース番組で〈Eコープ〉のコルビーに関する新たな疑惑が報じられる。それはコルビーを含む幹部3人が「ワシントン・タウンシップの有毒廃棄物事件」の隠蔽に関与した可能性があるというものだった。
ニュースを見たエリオットとアンジェラは衝撃を受け、パーティーを抜け出す。エリオットの父親とアンジェラの母親は、「有毒廃棄物事件」で亡くなっていたのだった。
PCをハッキングされたオリーは、〈オールセーフ〉のネットワークにウイルスを感染させるよう犯人に脅迫される。オリーは浮気も含めてありのままの事実をアンジェラに告白し、2人で対策を考えようと相談する。

ゲームセンターを訪れたエリオットは、〈f・ソサエティ〉のメンバーに爆破計画の代案を提示する。データ保管施設〈スティール・マウンテン〉の室内温度を上昇させることで、データを壊すことができるという。エリオットは自ら〈スティール・マウンテン〉に侵入する役を引き受ける。
しかし所持するモルヒネがなくなり、エリオットに禁断症状が出始める。ミスター・ロボットたち決行チームは作戦を一時中断し、モーテルでエリオットが回復するのを待つことに。妄想の世界をさまよい孤独に打ちのめされるエリオットだったが、仲間たちは彼に付き添い介抱する。
〈f・ソサエティ〉のメンバーのひとりダーリーンは、中国のハッカーグループ〈ダークアーミー〉に接触するが、彼らの協力を得ることはできなかった。
アンジェラはエリオットに相談しようとするが留守だったため、シェイラと犬の散歩に出かける。シェイラにもらったドラッグでハイになったアンジェラは、会社に侵入してウイルスが仕込まれたソフトをインストールする。

禁断症状を脱したエリオットは、ネット長者を偽って〈スティール・マウンテン〉に侵入。施設内を見学するフリをしながら機会をうかがうが、タイレルと鉢合わせてしまう。タイレルに食事に誘われたエリオットは、トイレに逃げ込み、温度調節をコントロールする装置を取り付けて脱出する。
ベラの逮捕によって売人の仕事を失ったシェイラは、人生をやり直すためにウェイトレスとして真面目に働き始める。だがその頃、刑務所にいるベラは自分を嵌めたのがエリオットだと気づき、復讐を企てる。
ゲームセンターに戻ってきたエリオットたちは、ダーリーンから〈ダークアーミー〉が手を引いたことを聞かされる。計画は中止となり、エリオットは落ち込むダーリーンを自宅に連れて帰る。だが部屋で待っているはずのシェイラの姿はなく、獄中にいるベラから電話がかかってくる。シェイラはベラの弟アイザックとその仲間に拉致されていた。

ベラはシェイラを人質に取ってエリオットを脅迫し、「今日中に刑務所をハッキングして脱獄させろ」と命じる。エリオットに協力しようとしたダーリーンも巻き込まれ、エリオットは窮地に陥る。
オリーと別れる決意をしたアンジェラは実家に戻り、父が密かに借金を抱えていることを知る。アンジェラは「ワシントン・タウンシップの有毒廃棄物事件」で命を落とした母親のために再び〈Eコープ〉と戦おうとするが、弁護士からは「有力な目撃証言でもなければ勝てない」と言われる。
〈Eコープ〉のCTOの座を諦めきれないタイレルは、妻ヨアンナと有力候補のスコット・ノウルズの家へ行き、夕食を共にする。タイレルはノウルズの妻シャロンを誘惑しようとするが、作戦は失敗する。
エリオットは刑務所のハッキングに成功し、ベラを脱獄させることに成功する。ベラは自分を殺そうとした弟アイザックを射殺し、姿を消す。ベラから渡された鍵で車のトランクを開けると、殺されたシェイラの遺体が入っていた。

シェイラの死にショックを受けたエリオットは、セラピーをやめ、再びもとの孤独な生活に戻る。ギデオンはエリオットを心配し、本当の自分を見せることができる人を探すよう忠告する。
アンジェラは〈Eコープ〉の有毒廃棄物事件の真相を突き止めることを決意し、保護観察中のコルビーと会って交換条件を提示する。アンジェラはコルビーに疑いがかかっている情報流出の件で有益な証言をする代わりに、〈Eコープ〉の幹部たちが有毒廃棄物の不法投棄を隠蔽していたと証言してほしいと頼む。一旦は退けたコルビーだったが、アンジェラの申し出を受ける。
〈f・ソサエティ〉が活動を中止している間、ダーリーンは元彼シスコのハンドルネームを使って〈ダークアーミー〉に接触を試み、〈ダークアーミー〉のボス、ホワイト・ローズとの面会を取り付ける。
タイレルはノウルズの就任発表パーティで彼の妻シャロンと密会し、彼女を絞め殺してしまう。
エリオットは精神科医のクリスタを訪ね、クリスタや身近な人々をハッキングして個人情報を盗み見ていること、孤独から抜け出す方法を探していることを告白する。

ギデオンはタイレルと面会し、真犯人を突き止めるために〈Eコープ〉のネットワークにハニーポットを仕掛けたことを告げる。タイレルの家に刑事がやってくるが、妻ヨアンナが破水し尋問を逃れる。
〈オールセーフ〉がハッキングされ、エリオットはアンジェラから一部始終を聞く。オリーは壊れたドライブを持って修理店に行くよう指示し、エリオットが修理店へ行くとホワイト・ローズがいた。ホワイト・ローズは指定した時間内にギデオンが仕掛けたハニーポットを解除すれば、革命に協力すると約束する。
エリオットはギデオンの目を盗んでアカウントを盗み、ハニーポットを排除することに成功。ダーリーンは革命を成し遂げられることに喜び、エリオットを賞賛する。エリオットは思わずダーリーンにキスするが、ダーリーンは激しく拒否。「忘れたの?」とエリオットを問い詰める。
エリオットはダーリーンが妹であることを思い出し、混乱する。自宅に戻ったエリオットは、保管していたCDーROMの中に1枚だけタイトルの書かれていないものを見つける。中には大量の家族写真が保存されていた。エリオットはミスター・ロボットが自分の父だと気づく。

“ミスター・ロボット”は、かつてエリオットの父が経営していた店の名前だった。死んだはずの父親が生きていることに驚き、状況を理解できないエリオット。ミスター・ロボットはエリオットを連れ出し、昔住んでいた家へ連れて行くが、エリオットは自分が突き落とされたことを思い出し窓からミスター・ロボットを突き落とす。怪我をしたミスター・ロボットはエリオットを墓場へ連れて行き、「2度とおまえを独りにしない」と言い残して姿を消す。
ダーリーンとアンジェラが墓場にやってくるが、2人はエリオットを見て心配そうに「誰と話していたの?」と尋ねる。エリオットは“ミスター・ロボット”や〈f・ソサエティ〉を作り出したのは自分自身だと気づく。
アンジェラは〈オールセーフ〉の不備を証言したことでIT業界にいられなくなり、会社を退職する。コルビーはアンジェラの家を訪ね、〈Eコープ〉で働かないかと誘う。
シャロン殺害の容疑をかけられたタイレルは、〈Eコープ〉を解雇される。タイレルはエリオットの部屋を尋ね、自分が人殺しであることを告白。エリオットに計画の全貌を打ち明けるよう命じる。

エリオットが目覚めると、そこはタイレルの車の中だった。エリオットは自分が眠っている数日間に〈f・ソサエティ〉の計画が実行され、世界が大混乱に陥っていることを知る。計画を実行した記憶がないエリオットは、タイレルを探すが見つからない。ダーリーンはゲームセンターでパーティーを開き、仲間たちと革命の成功を喜び合う。
コルビーの誘いに乗って〈Eコープ〉に再就職したアンジェラは、執行副社長のプルーフが生中継でのインタビュー中に拳銃自殺を図る瞬間をまのあたりにし、ショックを受ける。〈Eコープ〉の経営者プライスは、なぜかアンジェラを気に入る。
状況がわからないエリオットは、ミスター・ロボットを呼び出すため警察に電話をかけて「自首する」と言う。するとミスター・ロボットが現れ、「俺はおまえだ」と言う。エリオットはミスター・ロボットの存在を否定しようとするが、彼は「おまえが孤独に苦しまないよう、俺たちはいるんだ」と言う。エリオットは彼の言葉に耳を傾け、指示どおりに地下鉄に乗って家に帰る。

感想(ネタバレ有)

ラミ・マレックが最高だった

ラミ・マレック演じる主人公が最高。それに尽きる。

昼はセキュリティ・エンジニア、夜は天才ハッカーという設定もそそるのですが、コミュ障で空想癖があって孤独を紛らわすためにクスリをやっているという危うさがたまりません。

人間嫌いと言いながら人にめちゃくちゃ興味があって、身近な人の秘密(本当の顔)を知りたくてたまらない。表面的には無関心を装いつつ、困っていると知ったら放っておけない。

彼の心の声には淋しさが溢れていて、頼りなげな声で「やあ」と話しかけられると思わず返事をしたくなってしまう。

たぶんわたし自身にエリオットと通じる部分があるからだと思いますが、エピソードを重ねるごとにどんどん惹かれていきました。かなり好きなキャラです。

最初は「???」の連続だったので、ストーリーよりもエリオットのキャラに引っ張られて見ていた感じかな。最後まで見て、「なるほど!」と合点がいきました。

ここから先は重要なネタバレを含みます。ご注意ください。

ミスター・ロボットの正体

第1話で主人公エリオットはハッカー集団〈f・ソサエティ〉にスカウトされます。〈f・ソサエティ〉のリーダーは、「ミスター・ロボット」と名乗る謎の中年男。

彼の目的は「〈Eコープ〉のデータを破壊して金融界に混乱を起こし、世界に革命を起こす」ことで、そのためなら多少の犠牲は厭わないという暴力的な人物。この「ミスター・ロボット」が謎だらけ。

エリオットに優しくしていたかと思ったら突然凶暴になったり、なぜかエリオットの会社に現れたり、途中で意外な人物と密会していたり、もうワケがわからないのですよ。

ところが第8話で、衝撃の真実が明らかになります。ミスター・ロボットは、エリオットの死んだ父親でした。しかも、実在していない。彼はエリオットの妄想が作り出した幻で、ミスター・ロボット=エリオットだったんですね。

エリオットの深い闇

そうなると、今まで見てきたものすべてが違う意味を持ち始めます。

〈f・ソサエティ〉を作ったのも、〈Eコープ〉のサーバーをハッキングしたのも、データ保管施設〈スティール・マウンテン〉の攻撃計画を持ちかけたのも、エリオット自身ということになる。

さらに、〈f・ソサエティ〉のメンバーであるダーリーンは、エリオットの妹でした。ダーリーンが妹だということも忘れていて、彼女にキスしてしまうエリオット。驚いたダーリーンは、「また忘れたの?」と聞く。

「また」ということは、今までもたびたびこういうことがあったんでしょうね。

真相が明らかになる少し前、ダーリーンがアンジェラ(エリオットの同僚で幼なじみ)と親しげに話しているシーンが突然出てきて「は?」ってなったんだけど、彼女たちは昔から付き合いがあって、エリオットが時々こうなることも知っていた様子。

死んだ父親の顔も、実の妹の顔も忘れてしまうエリオット。2人のことを思い出した後も、何がどうなっているのかわからず、混乱してしまう。最初からヤバイとは思っていたけど、ここまで重症だったとは。

タイレルの凶暴性

もうひとり、タイレルという非常にアブナイ人物がいます。彼は〈Eコープ〉の重役で、もっかの狙いは最高技術責任者(CTO)のイス。コルビーが逮捕されてイスが手に入ると思った矢先、ライバルのスコットに奪われてしまいます。

スコットを失墜させるため、スコットの妻を誘惑しようとするタイレル。タイレルの妻ヨアンナもこれをバックアップ。ところがタイレルは、なぜか誘惑中にヨアンナを絞め殺してしまう。

なんで殺す? もうちょっとで誘惑できそうだったのに。

そういう意味不明なところが、タイレルの怖さを表しているとも言える。彼の内に秘めた凶暴性が、今後どの方向へ向かっていくのか、気になります。っていうか、生きてる? 生きてるよね?

家族のトラウマ

ミスター・ロボットを消したくても、消せないエリオット。母親や、子ども時代の自分自身まで現れる。

「おまえが孤独に苦しまないよう、俺たちはいるんだ。部屋で泣いてた時に、おまえが助けを求めたから来たんだぞ」

ミスター・ロボットの言葉に「違う。どこかへ行け! 消えろ!」と叫ぶエリオット。すると少年エリオットが「心の奥底にいて、互いに離れられない。永遠に」と言います。これは辛い…。

シーズン2も、エリオットは家族のトラウマに苦悩することになりそうです。

エリオットの過去(父親との関係)に関しては、シーズン2で明らかになっていくのかな。〈Eコープ〉に就職したアンジェラのその後も心配。