Netflixの海外ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン1(全8話)のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
スティーブン・スピルバーグ、ジョン・カーペンター、スティーブン・キングの作品から影響を受けたという世界観は懐かしいと同時に新しく、SFホラーのドキドキ展開と個性豊かなキャラクターが最後まで興味を掻き立てます。
わたしはSFジュブナイルは大好きだけどホラーが苦手なので、怪物の描写はちょっと怖かったです。
企画・製作総指揮のダファー・ブラザーズことロス・ダファーとマット・ダファーは、〈裏側の世界〉を描くのに「AKIRA」や「サイレントヒル」といった日本の作品が役に立った、と語っています。
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「ストレンジャー・シングス」シーズン1登場人物(キャスト)一覧・時代背景各話のあらすじ
1983年11月6日。インディアナ州ホーキンスにある国立研究所の地下で、科学者が謎の生物に襲われる。
マイク、ルーカス、ダスティンと遊んでいた12歳の少年ウィル・バイヤーズは、マイクの家から自転車で帰宅する途中、ホーキンス国立研究所の立入禁止区域で怪物に遭遇する。
怪物に追われたウィルは自転車を捨てて自宅に逃げ帰り、裏庭のガレージに隠れるが、怪物に襲われこつぜんと姿を消してしまう。
翌朝、ウィルの不在に気づいた母ジョイスは、警察署長のホッパーに捜索を依頼する。
ホッパーは最後にウィルと会ったマイクたちに話を聞き、ウィルが〝闇の森〟を通って帰ったことを知る。
その頃、ホーキンス国立研究所では問題が発生していた。主任科学者のマーティン・ブレンナー博士は、問題の起きた東棟を封鎖する。
ホーキンス国立研究所から逃げ出した丸刈りの少女は、地元の食堂に逃げ込み、心優しい店主ベニーに保護される。少女の腕には「011」と刻まれたタトゥーがあった。
ベニーは虐待を疑い、児童福祉相談窓口に相談する。だが訪ねてきた福祉課を名乗る女性にその場で撃ち殺されてしまう。少女はブレンナー博士たちに捕まりそうになるが、超能力を使ってその場から逃走する。
ジョイスの家に「息づかい」だけの電話がかかってくる。ジョイスはウィルだと確信するが、直後に放電して電話機が壊れてしまう。
マイク、ルーカス、ダスティンの3人は、ウィルを捜すため〝闇の森〟へ入り、少女に出会う。
マイクは「悪い人に追われている」という少女を自宅の地下室にかくまう。少女の腕に「011」のタトゥーが彫られているのを見たマイクは、「イレブン」を略して「エル」と呼ぶことに。
ウィルの兄ジョナサンは、離婚した父ロニーの家を訪ねるが、ウィルの姿はなかった。
ホーキンス国立研究所では、ブレンナー博士たちが電話を盗聴し、ウィルが行方不明になったことを知る。ブレンナーたちは密かにジョイスの家を調べる。
ベニーの遺体が発見され、警察署長のホッパーは店の常連客から「丸刈りの少年が店にいた」という話を聞く。
マイクはエルがウィルの失踪について何か知っているのではないかと考え、大人たちに知らせることに反対する。
だがエルを信用できないルーカスは、猛反対する。母親に知らせようとするルーカスを、超能力を使って阻止するエル。
エルは少年たちに、ウィルが「裏側」に隠れていること、怪物に狙われていることを教えようとするが、うまく伝わらない。
マイクの姉ナンシーは、母親に嘘をついて外出し、親友のバーバラとともに同級生のスティーブの家へ行く。スティーブとの関係を急ぐナンシーに「らしくない」と忠告するバーバラ。
森でウィルを探していたジョナサンは、同級生のナンシーらがスティーブの家ではしゃいでいるのを見かけ、隠し撮りする。
ジョイスが再びウィルからの電話を受けた後、無人のはずのウィルの部屋から音楽が流れ出し、壁から怪物が飛び出してくる。
バーバラは「先に帰って」とナンシーに言われ、プールに独りでいたところを怪物に襲われ、姿を消す。
バーバラが目覚めると、あたりは薄暗く、不気味な黒い根が這う恐ろしい空間に一変していた。
バーバラは怪物から必死に逃げようとするが、襲われてしまう。
ナンシーはスティーブと一夜をともにし、ひとりで帰宅する。翌朝、バーバラが登校していないことに気づくナンシー。
ホッパーは〝闇の森〟に近いホーキンス研究所を訪れて監視カメラの映像を確認し、偽造されていることに気づく。
連中が何かを隠していると察したホッパーは、図書館で古い新聞記事を調べる。
そして、テリー・アイヴスという女性がブレンナー博士に娘を拉致されたと訴えている記事を見つける。
ホッパーは、ウィルが研究所にとって都合の悪い何かを目撃したのではないかと推測する。
ジョナサンはナンシーを隠し撮りしたことがバレて、スティーブにカメラを壊されてしまう。
ナンシーはジョナサンが撮った写真の中からバーバラが写っている写真を見つけ、スティーブの家に戻ってバーバラを探す。
だがプールの近くの森で不気味な影を目撃し、怖くなって逃げ帰る。
マイクの家に滞在するエルは、研究所で「パパ」と呼ぶブレンナー博士から念動力で猫を攻撃するよう命じられたことを思い出す。
実験を拒んだエルは、独房に閉じ込めようとした科学者たちを念動力で殺害し、ブレンナー博士に褒められたのだった。
ジョイスは「裏側の世界」にいるウィルと交信するため、クリスマスの電飾を部屋中に飾ってウィルに点灯させ、会話を試みる。ウィルから「ここにいる」「逃げて」というメッセージを受け取った直後、壁の中から怪物が現れる。
学校から帰宅したマイクたちは、エルにウィル捜索を手伝ってもらうことに。だがエルが案内した場所はウィルの家だった。
「ウィルはここに隠れてる」というエルの言葉が理解できないマイクたち。
同じ頃、採石場の湖でウィルの遺体が発見される。マイクはエルが嘘をついたと思い込み、彼女を激しく責め立てる。
ジョイスは壁の中から現れた「手が長くて顔がない怪物」のことをホッパーに説明するが、信じてもらえない。
湖で発見された遺体をウィルと認めようとしないジョイスに、ジョナサンは「現実から逃げている」と怒りをぶつける。
エルが操作していたトランシーバーから、ウィルが歌う「ステイ・オア・ゴー」が聞こえてくる。
ウィルが生きていることを確信したマイクたちは、放送室の無線機でウィルと交信することを思いつく。
研究所では、ブレンナー博士が地下の異物のなかへ要員を送り込むが、「何かがいる」という言葉を残して消息を絶つ。
バーバラが失踪したことで警察の事情聴取を受けたナンシーは、スティーブの家に泊まったことが母親にバレて叱責される。
ナンシーはジョナサンが撮った写真に何かが写り込んでいることに気づき、ジョナサンに相談する。
ジョナサンが写真を引き伸ばすと、ジョイスが話していた「顔のない怪物」が写っていた。ジョイスの言葉が真実だったと知り、ウィルは生きているかもしれないと考え直すジョナサン。
マイクたちはエルとともに学校へ行き、ウィルの追悼集会に出席する。トロイの暴言に激怒したマイクはトロイを突き飛ばし、エルが超能力を使って動けなくする。
放送室の無線機を使って「裏側」にいるウィルとの交信を試みるエル。同じ頃、ジョイスも自宅でウィルの声を聞き、壁の中で奇妙なゼリー状の物質に捕らわれているウィルの姿を確認する。
「私が絶対に助け出すから、今は逃げて!」と告げるジョイス。ウィルは消え、壁はもとのコンクリートに戻る。
マイクたちは無線機でウィルとジョイスの会話を聞くが、無線機はショートして燃えてしまう。
ホッパーはウィルの遺体を発見した州警察官を問い詰め、彼が「遺体には誰も近づけるな」と指示されていたことを知る。検視所に安置されているウィルの遺体を調べると、それはよくできた人形だった。
ホーキンス研究所の関与を確信したホッパーは、金網を破って研究所に忍び込む。
研究所に忍び込んだホッパーは、子どもが監禁されていたと思われる部屋を発見する。
さらに地下の危険区域でゼリー状の異物が吹き出した壁を目撃するが、すぐに捕らわれてしまう。
意識を失い、自宅で目覚めたホッパーは、天井の照明に盗聴用のマイクが仕掛けられているのを見つける。
ジョイスのもとに元夫ロニーが現れ、憔悴しきったジョイスを慰める。
ウィルの葬儀の日、ジョイスはロニーが採石場の経営者を訴えて賠償金をせしめようと企んでいることを知り、激怒してロニーを追い出す。
ジョイスの家を訪ねたホッパーは、ウィルの遺体が偽物だったことを話し、ジョイスの言葉が正しかったことを認める。
エルはマイクたちに、ウィルが「裏側の世界」にいることを説明する。
裏側へ行く方法がわからないマイクたちは、ウィルの葬儀に出席していたクラーク先生に「どうすれば異次元へ行けるか」と質問する。
クラーク先生は「ノミと曲芸師」に例えて説明し、「時空に裂け目を作るには、今の人類には作れない膨大なエネルギーが必要だ」と話す。
そして、もしもすでに「ゲート」があれば、重力や磁場や環境を乱すので、すぐにわかるはずだ、と言う。
マイクはエルに「ゲート」の場所を知ってるかと尋ねるが、エルは「知らない」と答える。
ダスティンはコンパスが狂っていることに気づき、「ゲート」によって強力な磁場が生じているのではと推測する。コンパスの針が示す方角にゲートがあると考えたマイクたちは、エルを連れてゲートへ向かう。
だが研究所に近づきたくないエルは、超能力でコンパスを狂わせて3人を迷わせ、ルーカスを怒らせてしまう。
マイクはエルをかばってルーカスと喧嘩になり、2人を止めようとしたエルは思わず力を使ってルーカスを弾き飛ばす。ルーカスは怒って帰り、マイクに責められたエルも姿を消す。
ジョナサンとナンシーは森の中で怪物を探す。木の根元に異物で覆われた穴を見つけたナンシーは、穴から「裏側の世界」へ入り、怪物に遭遇する。
ジョナサンは「裏側の世界」にいるナンシーを木の穴から引っ張り出して救い、家まで送る。恐ろしい体験をしたナンシーは「ひとりでいたくない」と言い、ジョナサンはナンシーの部屋に泊まることに。
スティーブはナンシーを心配して部屋を覗きに行き、2人が一緒にいるところを見てショックを受ける。
翌朝、ナンシーとジョナサンは、怪物が「血」を嗅ぎつけることに気づき、怪物と戦うための道具を買いに行く。
2人の関係を誤解したスティーブたちは、映画館の看板にナンシーを侮辱する落書きをする。嫉妬に駆られたスティーブはジョナサンの家族を愚弄し、耐えかねたジョナサンはスティーブを殴る。頭に血がのぼったジョナサンは、止めに入った警察官までも殴ってしまい、その場で逮捕される。
ホッパーは研究所で見たことをジョイスに話しているうちに、研究所に囚われていたのはウィルではなく別の子どもだと気づく。
2人は情報を得るために、ブレンナー博士に娘を奪われたというテリー・アイヴスに会いに行くが、彼女は5年前からトランス状態で会話をすることができなくなっていた。
テリーの妹によると、テリーは研究所でMKウルトラ計画の被験者となってから精神を病んだという。
当時、テリーは特殊能力を持って生まれた娘ジェーンをブレンナーに拉致されたと主張していたが、それも妄想と片付けられていた。
マイクはルーカスと仲直りできず、ダスティンと一緒にエルを捜す。2人が森の中でエルを探していると、トロイたちが現れる。ダスティンを人質に取ったトロイは、崖から湖に飛び込むようマイクに命じる。マイクは言われたとおり崖から飛び降りるが、エルが念動力で救い、仕返しにトロイの腕を折る。
エルはかつて研究所で、博士に命じられるまま巨大な水槽に入り、「裏側の世界」の怪物に接触したことを思い出す。怪物と対峙したエルは恐怖のあまり力を解放し、「ゲート」を開いてしまったのだった。エルはマイクに「怪物は私よ」と泣きながら告げる。マイクはエルを抱き締め、否定する。
その頃、ひとりでウィルの捜索を続けていたルーカスは、コンパスに従って研究所に到着していた。ルーカスは、研究所から科学者や武装した軍人たちが慌ただしく出ていくのを目撃する。エルの居場所を突き止めたブレンナー博士たちが、マイクの家へ向かったのだった。
ルーカスからの無線で追っ手が迫っていることを知ったマイクとダスティンは、エルを連れて家から飛び出す。
3人は途中でルーカスと合流し、丘の上の廃車場へと逃れる。ルーカスはエルに謝り、マイクもルーカスに謝る。
ジョイスとホッパーは警察署でジョナサンとナンシーに会い、怪物の話を聞く。そこへエルに腕を折られたトロイが母親とともに現れる。
トロイの話を聞いたホッパーは、研究所から逃げ出した少女がマイクと一緒にいることを知り、ウィルの無線を使ってマイクたちに連絡を試みる。
マイクたちはホッパーからの無線を受け、ジョイスの家でジョナサンたちと合流する。
エルはウィルとバーバラを捜すために「裏側の世界」にアクセスすることを決めるが、そのためには「感覚遮断タンク」が必要だった。
ダスティンはクラーク先生に電話をして「感覚遮断タンク」の作り方を聞き出し、ホッパーとジョナサンはホーキンス中学校に保管されている除氷塩を盗む。
マイクたちは子ども用プールを使って中学校の体育館に感覚遮断タンクを作る。
みんなに見守られる中、エルはプールに横たわり、感覚を遮断する。「裏側の世界」に意識を飛ばしたエルは、そこでバーバラの死体を見つけ、ウィルの隠れ家「バイヤーズ城」を見つける。
「バイヤーズ城」の中には、瀕死の状態のウィルが横たわっていた。エルは「すぐ助けに行く」というジョイスの言葉をウィルに伝える。
ジョイスとホッパーはウィルを救出するため研究所に忍び込むが、すぐに捕まってしまう。ナンシーとジョナサンは怪物を殺すために警察に押収された武器を取り戻し、2人で罠を仕掛けようとする。
ジョイスはブレンナー博士に協力を持ちかけられ、ホッパーは拷問を受ける。
ホッパーは秘密を守る代わりに、地下のゲートから「裏側の世界」に入らせてほしいとブレンナー博士に取引を持ちかける。
2人を厄介払いできると考えたブレンナーは取引に応じ、ジョイスとホッパーに防護服を与えて「裏側の世界」へ送り込む。
ナンシーとジョナサンはバイヤーズ家に戻って罠を仕掛け、自らの手を切って血を流し、怪物を待ち受ける。そこへ何も知らないスティーブが謝罪に来て、家の中の異常に気づく。そのとき怪物が出現し、スティーブはパニックに陥る。
スティーブはバイヤーズ家から逃げ出すが、その直後、再び怪物が現れてジョナサンとナンシーに襲いかかる。スティーブが戻ってきて2人を助け、怪物は罠にかかって炎にまかれる。
学校にブレンナー博士と研究所の要員たちがやってきて、エルを連れ戻そうとする。エルはブレンナー博士を「悪い人」と呼び、マイクに助けを求める。
そこに怪物が現れ、ブレンナー博士は怪物に襲われる。マイクたちは力を使って疲弊したエルを抱えて教室に逃げ込むが、すぐに怪物が迫ってくる。
エルはマイクに別れを告げ、最後の力を振り絞って怪物と戦い、怪物とともに消えてしまう。
ジョイスとホッパーは「裏側の世界」で異物に取り込まれたウィルを見つけ、心肺蘇生を行う。病気で死んだ娘を思い出しながら、ウィルに心臓マッサージを施すホッパー。ウィルは息を吹き返す。
病院のベッドで意識を取り戻したウィルは、ジョイスとジョナサン、マイクらと再会して喜び合う。
1か月後のクリスマス。4人の少年はマイクの家の地下室でボードゲームをして遊び、ウィルは迎えにきたジョナサンとともに帰宅する。ジョナサンはナンシーから新しいカメラをプレゼントされるが、ナンシーはスティーブとの関係を取り戻していた。
ホッパーはエルのために、森の中の箱にワッフルを入れる。
家に帰ったウィルとジョナサンは、ジョイスが作った料理を食べてクリスマスを祝う。ウィルは洗面所で異物を吐き出し、再び「裏側の世界」を見る。
感想
見始めると止まらない面白さ
評判どおり、めちゃくちゃ面白かったです!!
毎日1話ずつ見ようと思っていたのに、途中で止まらなくなって、結局3日で見てしまった。みんながハマる理由がわかったわ。
なんといっても少年たちが元気で可愛くて面白い。中学生というより小学生っぽいけど、そこもいい。
「グーニーズ」や「E.T.」を思い出してワクワクしました。自転車で逃げるシーンは完全に「E.T.」でしたね。
後半は高校生たちも大活躍。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフ的役回りかと思われたスティーブが案外いいヤツで、一度は逃げようとするも思いとどまり、ナンシーとジョナサンを助けに戻ってくるところは最高だった。
てっきり、ナンシーはジョナサンと付き合うかと思ったんだけどな~。やっぱりスティーブを選んだんですね。
カメラを贈られてもちっとも嬉しそうじゃないジョナサン…。頑張ったのにねぇ。
スティーブも悪くないけどジョナサンのほうがお似合いだと思うので、シーズン2ではうまくいってほしいです。
子どもに負けない大人たちの活躍
大人たちも負けてなくて、ウィルの母親ジョイスと警察署長のホッパーが研究所の秘密に気づき始めたあたりから、どんどん加速して面白くなりました。
ウィノナ・ライダーを久しぶりに見たんだけど、母親役も違和感なく、それでいて可愛い。
序盤、周囲が病気扱いして信じない中、異世界に取り込まれた息子を取り戻そうと孤軍奮闘する姿が健気でした。
ホッパー署長の過去の見せ方も抜群にうまい。
「裏側の世界」で死にかけているウィルが、病気で亡くした(助けられなかった)娘とオーバーラップする最終話のクライマックスシーンは胸に迫るものがありました。
彼女やホッパーの対比として描かれたブレンナー博士を演じたのはマシュー・モディーン。こちらもお久しぶり。すっかりいぶし銀の風采ですね。
拉致した他人の娘に「パパ」と呼ばせて残酷な実験を繰り返す、非情な人物として描かれていました。死に方があっけなかったので、生きている可能性ありそう。
わたしのお気に入りはクラーク先生。
まったく状況がわかっていないにもかかわらず、マイクたちの突拍子もない話に真剣に耳を傾けて本気で質問に答えてくれる、素敵な先生でした。
「裏側の世界」を説明する「ノミと曲芸師」の例えがすごくわかりやすかったです。
ちなみに「裏側の世界」はもとの英語〈The Upside Down〉を意訳したもので、これを直訳すると「上下逆さま」「ひっくり返っている」という意味になります。
ノミの例えがしっくりきますね。
「裏側の世界」とはまだ繋がっている
予想外だったのは、わたしの苦手なエイリアン系ドロドロ怪物が出てきたこと。
けっこうキツかった…。ナンシー、よくあんなとこに入っていったよね。
ドロドロ怪物が棲んでいる「裏側の世界」は、「AKIRA」や「サイレントヒル」からインスピレーションを得たそうだけど、わたしは「風の谷のナウシカ」の〈腐海〉を連想しました。防護服を着て乗り込むところとか。
あんなところに何日も閉じ込められたウィルの精神状態が心配。あと後遺症も。
気持ち悪いナメクジみたいなのがまだ体の中に残ってるみたいだけど、ジョイスとジョナサンに心配かけまいと明るく振る舞うウィル。大丈夫かなぁ。
怪物は消えたけどゲートが閉じられたわけではないので、「裏側の世界」とはまだ繋がっている状態。
エルは生きているだろうし、シーズン2はどんな展開になるのか楽しみでしょうがない。
オマージュについて
「ストレンジャー・シングス」に見られる、1980年代のポップカルチャーへのオマージュについて、わかる範囲で解説していきたいと思います。
わたし自身が実際に見て(読んで)いない作品については、ネット上の情報を参考にしました。
スティーブン・キング原作の映画
子どもたちが超自然的な脅威に立ち向かうという基本的なプロットは、「IT」(1990年)に似ています。
少年が失踪するという設定や、ルーカスがリストロケット(パチンコ)でデモゴルゴンを攻撃するシーンも共通しています。
2017年のリメイク版「IT/イット”それ”が見えたら終わり」には、マイク役のフィン・ウルフハードが出演しています。
イレブンの超能力は、「炎の少女チャーリー」(1984年)の主人公チャーリーの能力を彷彿とさせます。
どちらも政府の陰謀に巻き込まれ、特殊な力を持つ子どもが中心となる物語です。
エルが研究所で超能力の実験をさせられるシーンは、チャーリーが研究室で能力を見せるシーンと重なります(超能力を使うと鼻血が出るところも同じ)。
小さな町の少年たちが冒険に出かけるというプロットは、映画「スタンド・バイ・ミー」(1986年)を思い出させます。
マイクたちがウィルを捜して森の中や線路を歩くシーンは、本作へのオマージュと思われます。少年たちの年齢が12歳という点も同じ。
ホーキンス研究所の不気味な雰囲気、超自然的な現象は、映画「シャイニング」(1980年)の影響を受けています。
ジョイスが斧で壁を壊すシーンは、「シャイニング」でジャック・ニコルソン演じる主人公が斧で壁を破る場面のオマージュ。
スティーブン・スピルバーグの映画
マイクとイレブンたちが自転車に乗って逃げるシーンは、「E.T.」(1982年)の有名なシーンにそっくりです。
そのほか、
- マイクたちが森の中でエルを見つける(懐中電灯でエルを照らす)
- マイクの部屋のクローゼットにエルが隠れる
- エルがテレビを見て学習する
- マイクが仮病で学校を休む
- エルに金髪のウィッグを被せる
- 少年たちがエルを守る
など、数多くの共通点が見られます。
子どもたちが冒険に出かける設定や、困難を乗り越え友情を深める過程が「グーニーズ」(1985年)と似ています。
- 子どもたちが自転車で移動する
- バーバラがナンシーを説得する
- ダスティンが人質に取られてナイフを突き付けられる
- ダスティンが食堂のチョコプリンを食べる
などのシーンも、「グーニーズ」へのオマージュとされています。
超自然的な現象や、政府の陰謀が絡むストーリーに、「未知との遭遇」(1977年)へのオマージュが含まれています。
- ジョイスが電飾を使ってウィルとコンタクトを取る
- マイクの妹ホリーが光に誘われてウィルの部屋に入る
- 政府機関が秘密裏に計画を進め、何も知らない一般人が巻き込まれる
といった点に、映画との共通点が見られます。
見えない脅威が徐々に明らかになる展開は、「ジョーズ」(1975年)のサスペンスを彷彿とさせます。
警察署長ホッパーが着ているベージュの制服は、「ジョーズ」に登場するマーティン署長へのオマージュです。
ホーキンスの地下に広がる「裏側の世界」の探索や、ゲートを巡る謎解きは、「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981年)の主人公インディ・ジョーンズが古代遺跡や秘宝を追い求める冒険に通じるものがあります。
警察署長ホッパーが被っている帽子は、インディ・ジョーンズのオマージュです。
ジョン・カーペンターの映画
カーペンターの代表作である「ハロウィン」(1978年)の影響は、ドラマの不気味な雰囲気や緊張感に表れています。
静かな町で起こる恐怖の出来事や、見えない脅威が迫る感じが似ています。
異世界からの脅威や、未知の存在との対峙、「裏側の世界」の不気味な生き物や異常現象は、「遊星からの物体X」(1982年)へのオマージュを感じさせます。
子どもたちの遊び場になっているマイクの家の地下室には、この映画のポスターがあります。
第7話には、クラーク先生が「遊星からの物体X」を鑑賞しているシーンも登場します。
カーペンターは映画の音楽も手掛けていて、そのシンセサイザーを多用した音楽スタイルは「ストレンジャー・シングス」のサウンドトラックにも影響を与えています。
ドラマのテーマ曲や劇中音楽は、カーペンターの音楽を思い起こさせるものです。
エイリアン
「裏側の世界」の世界観や、怪物(デモゴルゴン)は「エイリアン」シリーズから影響を受けています。
- 研究所のメンバーが着用している防護服と装備
- ジョイスとホッパーが防護服を着て「裏側の世界」を捜索するシーン
- ナンシーがジョナサンを助けるために銃を構えるシーン
などに、映画へのオマージュが感じられます。
エルフェンリート
ストーリーに大きな影響を与えたのは、岡本倫氏の漫画「エルフェンリート」だとダファー兄弟が語っています。
「エルフェンリート」は、「週刊ヤングジャンプ」に2002年27号から2005年39号まで連載された作品(単行本は全12巻)。
研究所に隔離されていた特殊な能力を持つ少女が脱走する、という物語の始まり方が同じです。
AKIRA
エルのキャラクターや超能力の描き方に大きな影響を与えたと言われているのが、大友克洋氏の漫画「AKIRA」です。
「AKIRA」は1982年12月20日号から1990年6月25日号にかけて、「週刊ヤングマガジン」に連載された作品。映画も有名です。
エルが超能力を使うときの、「上目遣いに睨む」顔がそれっぽい。
サイレントヒル
「裏側の世界」の世界観や、灰のような胞子が舞う演出などは、1999年にコナミから発売されたホラーアドベンチャーゲーム「サイレントヒル」の影響を受けています。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
マイクたちが地下室で遊ぶテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、物語の重要な要素として登場します。
ダンジョンズ&ドラゴンズは、アメリカのゲームデザイナー、ゲイリー・ガイガックスとデイブ・アーネソンによって作られた世界で最初のRPG(ロールプレイングゲーム)で、1974年に発売されました。
剣と魔法の世界を舞台に、戦士や魔術師、盗賊などのキャラクターを操り、参加者全員で物語を紡いでいきます。
ドラマの中では、マイクたちの冒険や友情の象徴として描かれています。
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