ネタバレ有「ザ・サーペント」全話あらすじ・感想・時系列・登場人物(キャスト)一覧|70年代を舞台にした実録サスペンス

英国ドラマ「ザ・サーペント」あらすじ・登場人物(キャスト)一覧

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英国ドラマ「ザ・サーペント」(全8話)についてまとめました。

1970年代に実在した連続殺人犯シャルル・ソブラジを描いた犯罪ドラマ。

2021年元旦にBBC Oneで初放送され、2021年4月からNetflixで配信されてします。IMDbの評価は7.6。

主演のタハール・ラヒムは、本作の熱演でゴールデン・グローブ賞にもノミネート。相手役のジェナ・コールマンはこれまでのイメージとは真逆の役柄を演じ、高い評価を得ています。

過去と現在が交錯するフラッシュバックの手法が効果的に使われ、事件の謎が徐々に明らかになる過程がスリリング。次の展開が気になって「怖いけど見たい」という心理状態になる作品。

東南アジアの風景や、1970年代の雰囲気がリアルに再現され、視覚的にも楽しめました。

時間があちこち飛ぶので、ちょっとややこしいです。「時系列」を参考にしてください。

作品概要

  • 放送局:スーパー!ドラマTV
  • 放送時間:2025年2月10日(月)から毎週月曜21:00~ほか
  • 配信:Netflix
  • 製作国:英国(2021年)
  • 原題:The Serpent
  • 製作総指揮:リチャード・ワーロウ/エリザベス・キルガリフ/プリーティ・マヴァハッリ/トム・シャンクランド/ダミアン・ティマー

あらすじ

1975年バンコク。宝石ディーラーのシャルル・ソブラジは、宝石を安く買えるチャンスやパーティーと称して若いバックパッカーをアパートに呼び込んでいた。ある若者カップルは宿泊場所を求めて喜んでアパートにやってくる。またあるアメリカ人女子は、ネパールの僧院に入る前夜、ソブラジからの一夜限りのドンチャン騒ぎの誘いに応じる。しかし、その後全員危篤状態に陥ってしまう。
数か月後、オランダの若い大使館員ヘルマン・クニッペンバーグは、自身の直感に従い、2人の行方不明者の調査に乗り出す。

スーパー!ドラマTV公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト/吹替)一覧

犯罪者たち

シャルル・ソブラジ(タハール・ラヒム/声:阪口周平)
アジア系フランス人。バンコクで宝石ディーラーを名乗り、“アラン”という偽名を使って詐欺や強盗、殺人などを繰り返している。ターゲットは欧米から来た若い旅行者たち。親身になるふりをして自身のアパートへ誘いこみ、薬を盛って金銭やパスポートを奪う。殺人もいとわない。

マリー・アンドレ・ルクレール(ジェナ・コールマン/声:弘松芹香)
フランス系カナダ人。シャルルの恋人。バンコクではアランの妻“モニク”を名乗っている。インド旅行中にシャルルと出会い、恋に落ちた。シャルルの犯行を知った後も彼から離れることができず、葛藤を抱えながらも薬物の手配を手伝うなど、犯罪の共謀者となっていく。

アジェイ・チョウドリ(アメシュ・エディレヴェーラ)
インド人。シャルルの仲間。シャルルに誘われてカニット・ハウスを訪れて以来、アパートに住み着き彼の協力者となる。シャルルの誘導でアメリカ人女性のテレサを殺害し、その後も殺人に手を貸している。

ジョン(Thomas Ryckewaert)
シャルルがインドで雇ったホームレス。シャルルのことをプロの詐欺師と思い込んでいる。

事件を追う者たち

ヘルマン・クニッペンバーグ(ビリー・ハウル/声:細谷佳正)
バンコクのオランダ大使館の三等書記官。レーナの親戚から届いた手紙をきっかけに、事件の調査に乗り出す。やがてカニット・ハウスで行われている恐ろしい犯罪行為にたどり着き、強い正義感から犯人を捕まえることを決意。自身の地位や命をかけてシャルル・ソブラジを追う。

アンジェラ・クニッペンバーグ(エリー・バンバー/声:Lynn)
ヘルマンの妻。ドイツ人。理知的で聡明な女性。現地の言葉が話せるため、ヘルマンの通訳として活躍する。ヘルマンと同じく強い信念を持ち、積極的に事件の捜査に協力する。

ポール・シーモンズ(ティム・マッキナリー)
ベルギー大使館の外交官。短気で口が悪く、常に銃を携帯している。ヘルマンから協力を求められ、しぶしぶ手を貸す。犯人につながる情報をヘルマンに提供するも、事件に関わることには消極的。

ナディーン・ジレ(マチルド・ワーニエ)
フランス人。カニット・ハウス409号室の住人。夫がいない昼間の時間を持て余し、寂しさを紛らわそうとパーティー三昧の日々を送る。最初はアランとモニク夫妻に憧れていたが、その正体を知り、怯えるようになる。

レミ・ジレ(グレゴワール・イスヴァリン)
ナディーンの夫。シェフ。カニット・ハウスで行われている犯罪を知り、ナディーンとともにヘルマンの捜査に協力する。

ギルバート・レッドランド(アダム・ローゼンバーグ)
アメリカ大使館の外交官。失踪したテレサ・ノートンを捜しており、ヘルマンの捜査に協力する。

ナレンドラ・トゥリ(アリー・カーン)
インド・ニューデリー警察の巡査部長。1971年に宝石を盗んだシャルルを逮捕した。

タパ(Pravessh Rana)
ネパールの刑事。1975年に旅行者カップルの遺体が発見された際、シャルルとマリーを聴取した。

サンポル・スティマイ中佐(Theerapat Sajakul)
インターポールの捜査官。バンコク・ポストの記事を見て事件を知り、シャルルたちを追う。

被害者たち

ルネロー・ドミニク(ファビアン・フランケル)
フランス人旅行者。当初はオーストラリアでヨットに乗るのが旅の目的だったが、それだけでは満足できず、新しい経験を求めてタイへ。チェンマイで“アラン”と出会い、薬を盛られて体調を崩す。カニット・ハウスで養生するうちに、“アラン”たちの犯行に気づき始める。

ヴィレム・ブルーム(Armand Rosbak)
オランダ人旅行者。愛称はヴィム。恋人のレーナとともに香港を旅行中、“アラン”に出会い、カニット・ハウスに誘われる。アランが売りつけようとした宝石を断ったことから薬を盛られ、殺害されてしまう。

ヘレナ・デッカー(Ellie de Lange)
オランダ人旅行者。愛称はレーナ。香港でアランとモニクに出会い、恋人のヴィムとともにカニット・ハウスへ。薬を盛られて体調を崩し、モニクに助けを求めるも、アランとアジェイに殺されてしまう。

テレサ・ノートン(アリス・イングラート)
アメリカ人旅行者。サンタクルーズ・ホテルの宿泊客。仏教の僧院で尼になろうとしていたが、その前日にアジェイに誘われてカニット・ハウスを訪れ、殺害されてしまう。遺体はビキニ姿で、海で発見された。

ヴィタリ・ハキム(Ilker Kaleli)
トルコ人旅行者。カニット・ハウスのパーティーに参加し、“アラン”に薬を盛られて殺害された。恋人のステファンと、彼女の娘クレオとともにフランスで暮らす予定だった。

ステファン・ペリー(アルマ・ホドロフスキー)
フランス人。恋人のヴィタリがタイから戻ってこないことを心配し、幼い娘クレオを実家の母に預けてタイへ。ホテルにあった“アラン”の名刺を手がかりにカニット・ハウスを訪れ、薬を盛られて殺害される。

スダ(キティ・チチャー・アマータヤクン)
ロムイェン大佐の娘。“アラン”が警察とのコネを作るために近づいたタイ人の女性で、宝石店を経営している。“アラン”の正体も、モニクが恋人だということも知らないまま、彼を信じて婚約した。

そのほか

ジュリエット・ソブラジ(ステイシー・マーティン)
シャルルが1969年に結婚した女性。インドのボンベイで娘のマドゥを出産するが、シャルルが宝石強盗で逮捕されたため、マドゥをフランスに送り返した。その後、脱獄したシャルルと逃亡を図るも捕まり、アフガニスタンで服役することに。釈放後に離婚し、フランスに帰国して再婚した。



各話のあらすじ(ネタバレ有)

1975年11月、香港。“アラン・ゴーティエ”と名乗る宝石ディーラーと、彼の妻“モニク”が若いオランダ人旅行者ヴィムとレーナのカップルに近づく。
アランとモニクは2人を信用させてバンコクのアパート「カニット・ハウス」へ招待し、宝石を売りつけようとするが、失敗する。
2か月後。バンコクのオランダ大使館で三等書記官を務めるヘルマン・クニッペンバーグのもとに、レーナの義理の姉から「レーナとヴィムを捜してほしい」という手紙が届く。
ヘルマンは妻アンジェラとともに調査に乗り出し、2人が何者かに殺害され、身元不明の遺体となって発見されたことを知る。
1975年10月。アランの仲間アジェイは、アメリカ人旅行者のテレサ・ノートンに声をかけ、カニット・ハウスに誘う。
アランとアジェイは彼女をナイトクラブに連れ出し、薬を盛って酩酊状態にさせ、所持金とパスポートを奪う。
アランは口封じのためにテレサを海に沈めて殺害することを決め、アジェイが実行する。

1976年3月。ヘルマンはオランダ人旅行者ヴィルとレーナの遺体を確認し、2人が生きたまま焼かれたことを知る。タイ国家警察は捜査に消極的で、「あなたが調査すればいい」とヘルマンに丸投げする。
ヘルマンは、ベルギー大使館のジュリオン伯爵から、あるフランス人女性が同じアパートに住む宝石ディーラーを告発したという話を聞く。
彼女は各国の大使館を尋ね回り、宝石ディーラーの悪質な犯罪を訴えたが、相手にされなかったという。
ヘルマンはそのフランス人女性が「カニット・ハウス409」に住んでいることを突き止め、シーモンズとともにカニット・ハウスを訪ねる。409号室に住んでいたのはナディーン・ジレとレミ・ジレの夫婦だった。
1975年5月。フランス系カナダ人のマリー・アンドレ・ルクレールは、インド旅行で戦場カメラマンの“アラン”と出会い、恋に落ちる。2か月後、マリー・アンドレは家族の反対を押し切ってバンコクへ渡り、アランと再会する。
アランとともにバカンスを過ごす中、マリー・アンドレはアランの犯行を目の当たりにして衝撃を受ける。動揺するマリーに、アランは“シャルル”という自身の本名を明かす。
「誰にも必要とされなかった。欲しいものはすべて自分で奪ってきた」というシャルルの言葉に共感したマリーは、アランの妻“モニク”としてカニット・ハウスの一室で暮らし始める。
アランはチェンマイで出会ったフランス人青年ドミニクに毒を飲ませて弱らせ、カニット・ハウスに留まらせて使用人として扱う。
次々と旅行者を罠にかけて金を奪い、ときには殺人行為もいとわないアラン。マリーは恐れを抱きつつも離れることができず、苦悩する。
1975年11月。ヴィムとレーナのカップルは、毒を飲まされ苦しみ続ける。レーナに助けを求められるも、何もできないマリー。アランとアジェイはマリーを部屋の外へ追い出し、ヴィムとレーナに暴力を振るう。

1973年11月。フランス人のドミニクは両親に別れを告げ、オーストラリアへ発つ。2年後、ドミニクはタイへ渡り、チェンマイで“アラン”と出会う。
アランに毒を盛られて体調不良に陥ったドミニクは、病気に罹ったと思い込み、カニット・ハウスで養生することに。モニクは「病気に効く薬」と偽ってドミニクに毒を飲ませ続ける。
飼っていた猿が薬を飲んで死んだのをきっかけに、ドミニクはアランたちを疑い始める。だがパスポートはアランによって改造され、ビザの有効期限も切れていた。さらに、アランが警察にコネがあることを知り、ドミニクは行き場を失ってしまう。
1976年3月。ヘルマンとシーモンズはジレ夫妻を連れて自宅へ戻り、カニット・ハウスで何が起きているのかを聞く。夫妻はヴィムとレーナについては見ていないというが、数々の旅行者がアラン・ゴーティエの犯罪に巻き込まれていると語る。
ナディーンによると、アランは孤独な人、傷ついた人、心の隙間を抱えた人につけこむのだという。ジレ夫妻にアランの正体を教えたのは、ドミニクだった。
1975年12月。アランとモニク、アジェイの3人は香港へ旅行に行く。残されたドミニクは、ジレ夫妻にすべてを話し、助けを求める。ドミニクはパスポートを偽造し、ジレ夫妻に買ってもらった航空券を手に空港へ向かう。
1976年3月。ナディーンは郵便局へ行き、ドミニクからの手紙を受け取る。ドミニクは無事に飛行機に乗り、フランスに帰国していた。安堵するナディーンだったが、そこへアランとモニク、アジェイが現れる。

1976年3月。カニット・ハウスに戻ったナディーンは、アランたちの目を盗んで部屋の写真を撮影し、そのフィルムを持ってヘルマンのもとへ戻って来る。
ヘルマンは過去の新聞を調べ、アランによる犯行と思われる事件の記事を集める。それにより、彼らが被害者から奪ったパスポートで旅行をし、旅先で犯行を繰り返していることを突き止める。
ヘルマンは数々の証拠を警察に提出。ついにカニット・ハウスに家宅捜索が入ることに。
1975年12月。シャルルは行き先を香港からネパールに変える。マリー・アンドレは新聞記事でヴィムとレーナの遺体が発見されたことを知る。
シャルルはギャンブルで全財産を失い、ホテルの宿泊代さえ払えなくなってしまう。耐えられなくなったマリー・アンドレは、シャルルから離れることを決める。
シャルルはマリー・アンドレに薬を飲ませて殺害しようとするが、思いとどまる。生かされたマリーは、街で偶然出会った旅行者ローランとコニーのカップルが宝石を持っていることを知り、ホテルの部屋に連れて帰る。
シャルルとアジェイは車で2人を山まで送り、薬を飲ませて殺害する。そして奪った宝石を換金し、ホテル代を支払う。
シャルル、マリー・アンドレ、アジェイの3人はネパールからインドへ行き、香港へ。各地で旅行者を狙って犯行を繰り返す。

1976年3月9日。帰国したシャルルとマリー・アンドレ、アジェイの3人は、ドミニクが去ったことに気づき、ナディーンが彼の逃亡に手を貸したのではないかと疑う。
危険を察したシャルルはスダに指輪を贈り、プロポーズする。さらに大金を渡して「できるだけたくさんの宝石を調達してほしい」と頼み、金庫の中の物を詰めたバッグを彼女に預ける。
3月11日。ついに警察がカニット・ハウスに踏み込み、シャルル、マリー、アジェイの身柄を確保する。
シャルルは、自分は「デヴィッド・ゴア」という名のアメリカ人だと言い、アラン・ゴーティエが留守の間、彼の部屋に滞在していただけだと主張する。
シャルルたちが釈放されると知ったヘルマンは、アメリカ大使館の友人に協力を頼み、本物のデヴィッド・ゴアを見つけ出す。ゴアは香港でシャルルにパスポートを盗まれていた。
シャルルはジャンタシン少将の部下であるチューポン大尉を買収し、マリー、アジェイとともに警察から逃亡する。シャルルは“アラン”の無実を信じるスダの家を訪ね、預けていたバッグと、スダに調達させた大量の宝石を持ってマリーのもとへ。
ナディーンは、カニット・ハウスの部屋に戻ってきたアジェイと遭遇。「よくも俺たちを裏切ったな。監視してるからな」と脅される。

1969年11月5日、フランス。シャルルはジュリエットと結婚式を挙げる。前科があることからフランスでの成功を諦めたシャルルは、妊娠中のジュリエットとともにインドのボンベイへ。
ジュリエットはマドゥを出産するが、シャルルは宝石強盗で逮捕されてしまう。虫垂炎を偽装して脱獄を図ったシャルルは、ジュリエットとともに逃亡する。
2人はアフガニスタンで捕まり、刑務所へ。先に釈放されたジュリエットはシャルルとの離婚を決め、「二度と会わない」とシャルルに告げて、マドゥが待つフランスに戻る。
1976年。捜査に没頭するヘルマンの勤務態度に不満を持った大使は、彼に3週間の休暇を言い渡す。アンジェラとともに旅行を楽しむヘルマンだったが、シャルルたちの504号室が貸しに出されているという知らせを受け、急いでバンコクに戻る。
ヘルマンたちは504号室を調べ、大量の薬物、被害者の遺留品、そしてマリーの日記を押収。日記から、マリーの本名と両親の住所、シャルルの母親の住所を突き止める。
シャルルとマリーはパキスタンのカラチに逃れ、アジェイと合流する。互いに邪魔な存在だと感じるマリーとアジェイは対立。アジェイはシャルルが過去に結婚していたことをマリーに告げる。
2人から決断を迫られたシャルルは、アジェイを切り捨てることを決める。そしてマリーに、「妻は僕から娘を奪って死んだ」と嘘を付く。
シャルルに選ばれたことを喜ぶマリーは、「過去を忘れて、パリで一緒に生きよう」というシャルルの言葉を信じ、2人でパリへ向かう。

1975年11月。フランス人のステファンは、幼い娘クレオを実家の母に預け、連絡が途絶えた恋人ヴィタリを捜しにタイへ飛ぶ。
タイのホテルで“アラン”の名刺を見つけたステファンは、カニット・ハウス504号室を訪ね、彼らがヴィタリの失踪に関わっているのではないかと疑う。シャルルはステファンに薬を飲ませ、ヴィタリを殺した海岸へ連れて行き、アジェイに命じて彼女を殺害させる。
1976年5月。マリーはカナダの母に連絡し、フランスでシャルルと家庭を築くことになったと報告する。だがシャルルの母親から「息子が何を言っても普通の生活は期待しないで」と言われ、不安に陥る。
ヘルマンは「バンコク・ポスト」の編集者スタントンに会い、ステファンを殺したのは“アラン・ゴーティエ”だと話す。スタントンは一面に事件の記事を掲載。ヴィムとレーナ、ステファン、ステラの写真を載せる。
記事を見たインターポールの捜査官スティマイ中佐は、ヘルマンに情報提供を求める。
シャルルとマリーは商談のため、ブーダ夫妻に会う。商談は成立するが、タイの新聞に自分たちの記事が載っていることを知らされる。
マリーは一人でシャルルの母に会いに行き、ジュリエットが生きていることを知る。その頃シャルルは、再婚して幸せに暮らすジュリエットのもとを訪ね、「娘と3人でやり直したい」と告げていた。
インターポールがシャルルたちを国際手配し、世界中に包囲網を敷く。マリーはシャルルの言葉がすべて嘘だったことに気づくが、共犯者として逮捕されることを恐れ、彼とともに逃亡する道を選ぶ。

1976年6月28日。シャルルとマリーはホームレスのジョンを仲間に引き入れる。ジョンは旅行者の一人が死亡したのを見て怖くなり、マリーから現金を奪って逃亡する。
シャルルに対する幻想から覚めたマリーは、シャルルを口汚く罵り、激怒したシャルルから暴力を振るわれる。
ヘルマンはスティマイ中佐に、資料をすべて提出して捜査から手を引くよう説得される。納得がいかないヘルマンは、集めた資料をコピーしてひそかに自宅に保管する。
かつてシャルルを逮捕したニューデリー警察のトゥリ刑事は、ジョンからの通報を受け、シャルルがインドにいることを知る。
シャルルはドイツから来た学生の団体旅行客を狙い、抗生物質と偽って30人に薬を分け与える。薬を飲んだ学生たちはホテルのレストランで次々と倒れる。ホテルに駆けつけたトゥリは、金を盗んで逃げようとしたシャルルを現行犯で逮捕する。
1年後。スティマイ中佐はインドを訪れ、収監中のシャルルと面会する。シャルルは囚人たちの人気者になり、看守からも特別待遇を受けていた。マリーはトゥリ刑事に犯行のすべてを語っていた。
7年後。マリーは癌を患い、シャルルに最後の別れを告げてカナダへ帰国する。
シャルルはインドでの刑期満了後、タイへ身柄が引き渡され死刑宣告される予定だったが、出所の1か月前に脱獄。新たに科された10年の刑期を満了するまで送還は認められず、出所する頃にはタイでの殺人は時効を迎え、逮捕状も無効になっていた。
1997年2月。釈放されたシャルルはフランス旅券を取得し、市民として暮らしていた。1997年7月、パリのテレビ番組がシャルルの独占インタビューを放送する。シャルルに寄り添っていたのはジュリエットだった。
6年後。シャルルはネパールを訪問し、タパ警部に拘束される。タパは1975年にシャルルたちがカップルの旅行者を殺したと確信していたが、証拠がない。
シャルルが拘束されたことを知ったヘルマンは、タパ警部に連絡し、自宅に保管していたマリーの供述書をファクシミリで送信する。シャルルは逮捕され、2004年11月、コニー・ブロンジッチ殺害の罪で終身刑を宣告される。
2014年、ネパール裁判所はローラン・カリエール殺害でシャルルに20年の刑期を宣告。2020年12月現在、シャルルはカトマンズの刑務所で服役中。
マリーは1984年に癌のためケベック州で死去。アジェイは1976年にドイツで目撃されて以来、行方不明となっている。
ジレ夫妻は離婚し、ナディーンはタイ南部でビーチリゾートを経営。レミは現在タイ北部でフルーツを栽培している。
ポール・シーモンズは1979年に定年退職し、2004年に死去。
フランスに帰国したドミニクは結婚し、今も旅行を楽しんでいる。
スティマイ中佐は少将まで昇格したのち、1991年に退職。タイとフランスを行き来している。
ヘルマンとアンジェラは1977年にタイを去り、1989年に離婚。その後2人とも再婚した。アンジェラは2015年の退職まで国連で功績を残し、国連事務局長まで昇りつめた。
ヘルマンは外交官として世界中を転々とし、現在は隠居生活を謳歌している。今も集めた資料を管理しており、公開している。

時系列(ネタバレ有)

1969年11月シャルルとジュリエットがフランスで結婚式をあげる
1971年シャルルとジュリエットがインドのボンベイで暮らし始める
ジュリエットがマドゥを出産する
シャルルが強盗で逮捕され、刑務所に入るも脱獄
1972年シャルルとジュリエットがアフガニスタンで逮捕される
1973年シャルルの服役中、ジュリエットが離婚を決めてフランスへ帰国
ドミニクがフランスを発ち、オーストラリアへ向かう
1975年5月マリーがインドでシャルルと出会う
1975年9月マリーとシャルルがカニット・ハウスの504号室で暮らし始める
シャルルがチェンマイで出会ったドミニクをカニット・ハウスに連れてくる
1975年10月シャルルがアジェイをカニット・ハウスに連れてくる
テレサがアジェイに誘われてカニット・ハウスへ行き、海に沈められる
1975年11月シャルルがカニット・ハウスのパーティーに参加していたヴィタリを殺害する
ヴィタリの恋人ステファンがカニット・ハウスを訪れ、シャルルとアジェイに殺害される
シャルルが香港で出会ったヴィムとレーナをカニット・ハウスに招く
シャルルがロムイェン大佐とその娘スダに近づく
1975年12月ヴィムとレーナが殺害され、身元不明の焼死体となって発見される
シャルル、マリー、アジェイの3人がネパールへ旅立つ
マリーがローランとコニーを罠にはめ、シャルルとアジェイが2人を殺害する
ドミニクがナディーンとレミの協力を得てフランスに帰国する
ナディーンが各国の大使館に告発するも無視される
1976年2月ヘルマンがヴィムとレーナの失踪を知り、調査を始める
1976年3月ヘルマンがヴィムとレーナの遺体を確認、新聞記事で“アラン”を知る
ヘルマンがカニット・ハウスを訪れ、ナディーンとレミ夫妻に会う
ナディーンが郵便局でドミニクからの手紙を受け取る
シャルル、マリー、アジェイの3人が帰国し、カニット・ハウスに戻ってくる
シャルル、マリー、アジェイの3人が警察に拘束されるも、逃亡する
1976年5月シャルルがアジェイを切り捨て、マリーと2人でフランスへ
インターポールのスティマイ中佐がバンコク・ポストの記事で事件を知り、捜査を開始
ヘルマンたちがインターポールの捜査に協力する
指名手配されたシャルルとマリーがフランスを離れ、インドへ逃亡
1976年6月シャルルが“ダニエル”と名乗り、マリーとともに旅行者を罠にかけて殺害する
シャルルに雇われたジョンが逃亡し、ニューデリー警察のトゥリに通報する
1976年7月シャルルがドイツ人の団体観光客に薬を盛り、その場でトゥリに逮捕される
1984年服役中のマリーが癌を患い、カナダに帰国して死亡する
1997年7月インドでの刑期を終えてフランスに送還されたシャルルがテレビの独占インタビューを受ける
2003年シャルルがネパールを訪れ、タパに逮捕される

※ドラマ内で描かれた出来事をもとに作成しています(史実とは異なる可能性があります)

感想(ネタバレ有)

いやもう怖すぎるよ!!

こういう実録ものって毎回恐怖を覚える。ドラマは主に被害者視点で描かれていたので、なおさら怖かったですね。

シャルル・ソブラジについては、恥ずかしながらこのドラマを見て初めて知りました。そんな事件があったことも知らなかった。日本では話題になってなかったのかな。

欧州の若者たちが旅する「ヒッピー・トレイル」

1970年代のヒッピー文化にもなじみがないので、ドラマの中で描かれる若者たちの姿は新鮮でした。

当時、「ヒッピー・トイレイル」と呼ばれるルートがあったそうです。ヒッピーやその他の旅行者が、ヨーロッパから南アジア、特にインドとネパールへと陸路で旅をしたルートのことをそう呼ぶらしい。

自己発見や精神的な探求、異文化交流を目的としたもので、多くの若者が参加したそうです。その後、政治情勢の変化により次第に利用されなくなりましたが、現在でも一部の旅行者がこのルートを辿ることがあるとか。

ドラマでは、そいういった1970年代の東南アジアの風景がリアルに再現され、その時代の雰囲気を感じ取ることができました。衣装や小道具も細部までこだわっていて、視覚的にも楽しめる作品でした。

冷血な殺人犯と魅力的な詐欺師を見事に再現

シャルル・ソブラジを演じるタハール・ラヒム演技が素晴らしかったです。冷血なサイコパスと魅力的な詐欺師を見事に演じ分け、その二面性に引きつけられた。

ジェナ・コールマン演じるマリー・アンドレ・ルクレールは、共犯者としての複雑な心理をリアリスティックに表現し、物語に深みを加えていたと思います。

マリーは卵巣癌を発症し、カナダに帰国して1984年4月に38歳で亡くなっています。

シャルル・ソブラジの現在

物語の終わりに、関係者の現在のようすが紹介されていました。ドラマを見たあとでは感慨深かったです。

ちなみに2020年12月時点では、シャルル・ソブラジはカトマンズの刑務所で服役中でしたが、2022年12月に高齢を理由に釈放され、フランスに強制送還されました。

彼は現在も「無実」を主張しています。罪の告白は、彼の口からは聞けないのでしょうか。

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