TBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」第2話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
今回もめちゃくちゃ面白かったですね。
それぞれが抱える家族の事情が少しずつ明らかになり、恋愛模様もぐっと深みを増してきました。
今回は土屋太鳳さん演じる百合子が抜群に良かったです。
▼登場人物一覧はこちら
「海に眠るダイヤモンド」登場人物(キャスト)一覧・時代背景第2話のあらすじ
現代。いづみ(宮本信子)は玲央(神木隆之介)が暮らす部屋を訪ね、かつて想いを寄せていた荒木鉄平(神木隆之介)のことや、端島での複雑な恋模様、貴重だった水について語り始める。
1955年。リナ(池田エライザ)は朝子(杉咲花)の気持ちに気づき、鉄平からの誘いを断る。
母・寿美子(山本未來)との関係に鬱屈を抱える百合子(土屋太鳳)は、長崎でスクエアダンスと出会い、端島で同好会を作ろうと意気込む。
賢将(清水尋也)は、端島に生活用水を引く海底水道計画の検討会に参加する。
実現可能という結論に、炭鉱長の廣田(渡辺憲吉)は喜ぶが、賢将の父・辰雄(沢村一樹)は完成まで端島が続くのか懸念する。
賢将は長崎のおみやげとして、いつものように朝子にはガラス細工の動物を、弟の竹男にはビー玉を贈る。
リナは進平(斎藤工)の妻・栄子(佐藤めぐみ)が2年前の台風で亡くなったことを、百合子から聞かされる。
進平がいつも立っているゴミ捨て場の岸壁は、栄子が波にさらわれた場所だった。
進平は栄子の死を受け入れられず、今も帰りを待ちながら「家族用の部屋」にひとりで住み続けているという。
現代。玲央は先輩ホストのミカエル(内藤秀一郎)に脅され、ミカエルの客・アイリ(安斉星来)に会いに行く。
最近店に来ない彼女を説得しろというのだ。玲央はしぶしぶ従い、自己嫌悪に陥る。
アイリと遊んで別れた後、玲央は偶然、ツケを踏み倒して逃げたサヤと出会う。
サヤと口論になり、警察に連行されてしまう玲央。いづみは留置場に入れられた玲央を引き取り、自宅に連れ帰る。
1955年。端島に大型の台風が接近する。水を運ぶ船は欠航になり、水の配給は中止になる。送電線も1本を残してすべて切れ、停電に。
百合子は神に祈る母に「神様はいないの。浦上の上にだってピカは落ちたんだよ!」と叫び、祭壇の十字架や姉の遺影、ネックレスを窓から捨てる。
銀座食堂には水が流れ込み、買ったばかりのパン焼き機も浸水しかける。助けを求める朝子の声に、賢将が駆けつけて運ぶのを手伝う。
リナは大波にさらわれそうになるところを、進平に助けられる。
鉄平は家を飛び出した百合子を見つけ、「帰りたくない」と落ち込む百合子に寄り添う。
鉄平は百合子が好きだったことを告白し、百合子は「知ってた。だから賢将を選んだの」と答える。自分のことを好きな人とは付き合えない、という百合子。
台風が去り、朝が来る。船が着岸し、給水制限も解除される。
映画館「昭和館」では、台風の中届いた映画「宮本武蔵」が上映され、館長の大森(片桐はいり)が〝台風一過記念〟と称して無料サービスを行う。
現代。いづみがホストの玲央を家に連れ込んでいるのを見て、和馬(尾美としのり)は仰天する。
いづみが大切に持っているノートには、「TEPPEI ARAKI」と記されていた。
第2話の感想
みんな片想い
端島の若者たちの恋模様、かなりややこしいことになってて面白かったです。
- 賢将 → 朝子
- 朝子 → 鉄平
- 鉄平 → リナ
- リナ → 進平
という感じですかね?
この先、リナと進平が恋愛関係に発展するなら、第1話でリナが抱いていた子は進平の子…?
その進平には行方不明の妻がいます。
彼がいつも立っているあの岸壁は、2年前に妻がいなくなった場所でした。
第1話で進平と鉄平が話してる時、横でゴミを捨ててる人がいて、「なんで?」と思ったんですけど、あそこはゴミ捨て場だったんですね。
端島の高層アパートには、ダストシュートが設けられていました。フロアーに付いているダストボックスにゴミを投げ入れると、1階まで落ちるという仕組み。
そのゴミを、女性が島中を回ってリヤカーで集め、「めがね」と呼ばれる鉄格子のドアを開けて、海へと捨てていました。
進平の妻・栄子は、この「ゴミを集める仕事」をしていて、波にさらわれたようです。
百合子が真剣に恋愛できない理由
今回は百合子の複雑な家庭事情や、恋愛観が浮き彫りになりました。
「私って性格悪いの。だから朝子に意地悪しちゃうの。わからなくていいわ。朝子と私の問題だから」
なんだか、意味深なセリフですよね。
「複雑なのよ、私も賢将も。賢将は本当の好きな子には手も触れられない」
百合子は賢将が朝子を好きだと気づいているので、賢将のために朝子をくっつけたいのかな、賢将が好きなのかな、とも思ったのですが…。
「だから賢将を選んだの。私のことを好きな人となんて、いい加減な気持ちで付き合えないもの」
とも言ってて、どうやら百合子は、真剣に恋愛をする気はなさそうなんですよね。
これは、真剣な恋愛はできないという意味で、「百合子 → 朝子」の可能性もあるのかなと。
世間的に同性愛を受け入れる時代ではないですし、百合子はクリスチャンなのでなおさら「罪」だったのではないでしょうか。
百合子がキリスト教を怖がる理由のひとつになっているのかもしれません。
「どうして端島には家出する場所がないのかしら」という1955年の百合子のセリフと、「どこにでも行けるはずだった。でも…なんで同じとこぐるぐるしてんだろう」という現代の玲央のセリフの対比も良かった。
狭い端島に比べれば、東京は広くて便利で自由にどこへでも行ける。でも、2人とも閉塞感を抱えてる。
それにしても土屋太鳳さん、ハマってますね~。
話し方も早口で、昔のハイカラ女子っぽくてかっこいい。
これまで明るく元気な屈託のない主人公の役が多かったから、今回の役は意外だったんですけど、すごく良いです!
賢将のピュアで健気な恋
第1話で、鉄平が言った「俺が好きになった子は、賢将がさらってっちゃうんだよな…」というセリフ。
賢将ヤなやつ~とか思ったりしてゴメン! まさかこんなピュアな意図があったとは!
つまり賢将はずっと朝子が好きで、朝子が鉄平を好きなことも知ってて、朝子のために鉄平が好きになった子を奪ってるってことですよね?
健気すぎる…賢将っ。
そして外出できない朝子のために、長崎へ行くたびにガラス細工の動物をおみやげに買ってくる。
あの窓辺に並べられた大量のガラス細工を見ただけで、「いやもう、ぜったい好きでしょ!」って思うけど、朝子はまったく気づいてないようす。
賢将の気持ちが伝わる日は来るのかなぁ。
宮本武蔵と大森さん
百合子が働いている「昭和館」の館長・大森さんは、台風の日でも映画の上映を心配するほど。
本土から届いた「宮本武蔵」のフィルム缶が、一度は波にさらわれながらも戻って来るシーンが面白かったですよね。
あれ、プロデューサーの新井さんが長崎旅行をした際、元島民の方から聞いた「実際にあった話」が元になってるみたいです。
映画館のフィルムを管理をされていた人が高波にさらわれて流されちゃったんだけど、「次の波で戻ってきたんだよ!」と。「え!?」っていう話が次々に出てきて。これはドラマになりそうなくらい面白いなと。
Real Soundより
大森さんを演じた片桐はいりさんは、現在も女優業のかたわら、「映画への恩返し」として地元の映画館「キネカ大森」でもぎりのボランティアスタッフとして働いているそう。
役名の「大森」は、この映画館の名称からとったのでしょうね。
そのほかの記事