「闇の伴走者~編集長の条件」最終話ネタバレあらすじ感想|全ての伏線が回収される

闇の伴走者~編集長の条件

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WOWOWの連続ドラマ「闇の伴走者~編集長の条件」最終話(第5話)のあらすじと感想です。

ほんっっとに面白かった!
これまでの伏線が片っ端から回収されて、ラストにストーンと落ちていきました。見事。

漫画や漫画編集者という職業が、ただの謎解きの道具になっていないところが素晴らしいです。大満足。

最終回「共鳴」あらすじ

優希(松下奈緒)は、転落死した南部(岩松了)の元愛人・治子(片岡礼子)に会いに行く。治子は南部が亡くなる3日前に会っており、南部が有頂天で、ブレイブの編集部員をたたき直すと話していたと言う。

醍醐(古田新太)は、想起社社長・小城(平泉成)に、南部を雇った本当の理由を問い詰める。小城は、南部を口実にしてブレイブ編集部の契約社員を解雇しようと考えていた。

南部は自分のせいで部下がリストラされることに心を痛め、専務の不正黙認を条件に社長を説得しようとするが失敗。最終的には自分の目的を優先し、部下を見捨てる道を選んだと言う。醍醐は、南部が上と下の板挟みで絶望し、自殺を図ったのだろうと考える。

だが、南部が転落した際に「敬礼」のポーズを取っていたことを知った醍醐は、元編集長の堀尾(津田寛治)による犯行だと気づく。「敬礼」は、堀尾が起こした漫画「パシリ刑事」の主人公の決めポーズだった。伊東(白石隼也)を階段から突き落とし、優希に脅迫状を送ったのも堀尾だった。

堀尾は、南部が上層部の計略に乗せられて部下をリストラしようとしたことに腹を立てていた。さらに事件当日、南部に「廃刊寸前にまで追い込んだのはお前だ」「いちばんクソな漫画は『パシリ刑事』」と笑われ、カッとなって南部を突き落としたことを告白する。

優希のもとに、南部の後輩でキウイ社社長の庄野(冨家規政)から連絡が入る。南部は亡くなる前、庄野を訪ね「新しい漫画雑誌を創刊したい」と土下座をして頼み込んでいた。南部の熱意に負けた庄野は漫画誌の創刊を決め、ブレイブの編集部員たちと南部を受け入れる準備をしていたことを明かす。

最終回「共鳴」感想

まさかまさか、「パシリ刑事」がこんな重要な鍵を握っていたとは!!
誰か気づいてましたか? わたしはまったく気づけなかった。

津田寛治さんが怪しいってことは初回からわかってたし、動機も想定内だったけど、「パシリ刑事」に謎を解く鍵が仕込まれていたとは思わなかった。

それにしても、バラバラに配置された伏線がラストでみごとに繋がりましたね。爽快なことこのうえなし。忘れかけていた伏線(ケーキ屋さんとキウイ社)が回収されたラストシーンには、感動すら覚えました。

「編集長の条件」というサブタイトル、予想以上に深いものでした。

社長が南部を雇った本当の理由

想起社の小城社長、いい人だと思ってたのに、嫌な奴だったね。平泉成さんの温厚キャラにまんまと騙された。

リストラする口実を作るために南部を雇ったって…最低じゃないですか。その後任に醍醐を選んだのも、きっと同じ理由ですよね。

社長は、専務と綿貫の不正は本当に知らなくて、それなのに南部が社長もグルだと思い込んで脅しをかけてきたことに腹が立った、侮辱されたと思った、って言ってたけど、社長のくせに器が小さすぎる。

腹を立てるのはそこじゃなくて、専務と綿貫の不正に対してでしょ!

逆ギレして「契約社員は全員クビにする!たった今決めた!」って…子供みたい。専務も社員に不正させるようなどうしようもない息子だし、この会社に未来はなさそう。

南部は自殺ではなかった

南部を屋上から突き落としたのは、元編集長の飯尾でした。バイトの伊東くんを階段から突き落としたのも、優希に脅迫状を送ったのも飯尾。

飯尾は、南部が上層部の計略に乗って契約社員をリストラしようとしている、と思い込んでいたんですね。彼が部下を助けようと奔走していたとも知らず…。

そして酒に酔った南部から「こうなったのはお前らのせい」「クビになって当然」と罵倒され、さらに自分の起こした漫画「パシリ刑事」を馬鹿にされ、カッとなって南部を突き落としました。

南部が落ちていく時に「敬礼」のポーズを取っていたのは、「パシリ刑事」の主人公のマネ。

南部さんは、以前からそういう挑発の仕方をよくしていたんですね(醍醐にもしてた)。編集者は、漫画家と一緒に考えた主人公の決めポーズを揶揄されることが、最も傷つくことだと知っていたから。

やっぱり性格悪いですね、南部さん。

漫画とは、強気をくじき弱気を助けるもの

南部さんは嫌われ者だったけど、距離が近い人からは慕われていました。性格悪いからたくさん敵を作ったけど、本当に漫画を愛する編集長でした。

「編集長としていちばん大切な仕事は、雑誌の部数を伸ばすことじゃない。部下を幸せにすることだ。漫画編集者になってよかったって思わせることだ」

そう語っていた南部さん。これは漫画編集長に限らないかもしれないですね。

部下を助けたいという思いと、ブレイブの新創刊をやりたいという思いに狭まれ、苦しんでいた。だから、醍醐は南部が自殺したのだと考えていたけど、違いました。

南部さんは、ひそかに大人向け漫画雑誌の創刊を企画し、後輩でキウイ社(鳳凰社の子会社)の社長・庄野に売り込んでいました。

そして新しい漫画雑誌をつくる編集部員として、解雇されたブレイブのメンバーを受け入れようとしていました。アイデアノートに書かれていたメモは、新しい雑誌のアイデアだったんですね。

手帳に残されていた「アルティザン」は、新創刊を祝うケーキを予約したケーキ店の連絡先でした。

最後は、「強気をくじき弱気を助ける」ことを選んだ南部さん。新しい漫画雑誌を創刊し、漫画界に革命を起こすという夢が、もう少しで叶うところだったのに…。

「水色」とはなんだったのか?

南部さんが見つけた「大人向け漫画雑誌のノウハウ」も明らかになりました。

  1. もともとブレイブは「ブルーカラー」向けの雑誌だった。だけど時代が変わり、漫画がインテリ層(ホワイトカラー)にも受け入れられるようになった。
  2. 今は、「ブルーカラー」と「ホワイトカラー」の境目がなくなった時代。つまり「水色」の時代。
  3. その水色読者に向けて、彼らを元気にし鼓舞するというコンセプト。日本をもう一度見直そう、愛そうというメッセージもあった。

そして「読み切り」にこだわったワケは、毎回読み切りなら、たまに手にする読者にも「どんな物語」かがわかるから(大人向け漫画誌を毎号購入する愛読者は全体の半分だというデータから)。

成長したブレイブ編集部員たち

結局、醍醐は想起社を辞め、ブレイブの編集長は田村に任せることに。

綿貫は小さな出版社に入って、イチから漫画と向き合う覚悟を決めました。
伊東くんは「必ず漫画編集者になります」と力強く宣言してくれた。

編集長の自信がないって不安そうな田村に対し、醍醐が励ましつつも「たかが漫画、たかが仕事だということは忘れないでくれ。命だけは失うな」と言ったのがジンワリ響いた。ほんとそのとおり。どの業界でも。

しかし、キウイ社で漫画雑誌を創刊する企画は白紙に。

醍醐が南部さんの代わりに編集長になって、ブレイブのメンバー引き抜いて、キウイ社で漫画雑誌創刊すればいいのにって思ったけど、そういうワケにもいかないのかな。

ブレイブメンバーには頑張って欲しいけど、正直、想起社という会社はダメだと思うわ。みんな早く次の就職先を見つけて、辞めたほうがいいのでは。

シリーズ化に期待します

優希は、やっと仙台に帰郷して、仲がこじれていたお姉さんと話をすることができました。

「お父ちゃんが自殺したとは思えない。死の真相を突き止めたい」と言い切った優希。

これは…!! 続きがあるってことですね!?
シリーズ化、期待してもいいってことですね!?

というわけで淋しいですが、醍醐と優希の異色コンビともお別れです。
次回、また会える日を楽しみに待つことにします。

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