NHK「悪魔が来りて笛を吹く(2018)」登場人物(キャスト)・あらすじ

NHKドラマ「悪魔が来りて笛を吹く」ネタバレ感想

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NHK・BSプレミアムで放送されたドラマ「悪魔が来りて笛を吹く」についてまとめました。

2016年に放送された「獄門島」に続く、金田一耕助シリーズ第2弾。

これまで西田敏行さん、古谷一行さん、片岡鶴太郎さん、稲垣吾郎さんらが演じた名探偵金田一耕助を、最新版となる今作品では吉岡秀隆さんが演じます。吉岡さんの映画デュー作は「八つ墓村」。金田一耕助役は渥美清さんでした。

原作は、過去6回にわたって映像化された横溝正史の探偵小説。金田一シリーズというと田舎が舞台というイメージが強いですが、今回は東京が舞台のお話です。

作品概要

  • 放送局:BSプレミアム
  • 放送時間:7月28日(土)夜9時~10時59分
  • 原作:横溝正史「悪魔が来りて笛を吹く」
  • 脚本:喜安浩平(「獄門島」「幕が上がる」「風が強く吹いている」)
  • 演出:吉田照幸(「獄門島」「探偵はBARにいる3」)

あらすじ

銀座の有名宝石店で、毒物を使った殺人事件が起きる。容疑者に目された旧華族の椿 英輔は、「これ以上の屈辱に耐えられない」と自殺を遂げる。その無実を信じる娘の美禰子から依頼を受けた金田一耕助は、椿邸で行われた奇妙な占いに立ち会うが、その夜、館に居候していた元伯爵が殺害される。捜査を始めた耕助は、旧華族のインモラルでおどろおどろしい人間関係やおごり、それらが生み出した怨念と悲劇に向き合っていくこととなる…。(NHK公式サイトより)

原作について

このドラマの原作は、横溝正史の長編推理小説「悪魔が来りて笛を吹く」です。

1951年(昭和26年)11月から1953年(昭和28年)11月まで探偵小説雑誌「宝石」に連載されました。

舞台は、戦後間もない昭和22年の秋、東京。旧華族の没落と頽廃を背景に、実際に起きた「帝銀事件」や、太宰治の小説「斜陽」などの要素を取り入れ、推理小説の定番「密室殺人」を扱った名作です。

原作のあらすじ

世間を震撼させた「天銀堂事件」から8か月後の昭和22年9月。私立探偵の金田一耕助は、椿美禰子という若い女性から依頼を受ける。

彼女の依頼は、自殺した父親・椿英輔の生死を確かめてほしい、というものだった。椿英輔はその年の3月から失踪、その後遺体で発見されていた。

英輔は「天銀堂事件」の犯人の容疑をかけられ警察で取り調べを受けており、それを苦に自殺したものと思われた。美禰子に宛てた遺書も見つかっていた。

しかし、美禰子の母・秌子がつい3日前、英輔を見たと言う。美禰子は、母の言動と、同居する親戚たちに疑いを抱き、金田一に相談するに至ったのだった。

美禰子に誘われて椿邸を訪れた金田一は、奇妙な占いの席で、美禰子の母・秌子と彼女の一族に会う。そしてその夜、秌子の伯父である玉虫公丸が惨殺される。

金田一は椿英輔の足取りを辿って須磨、淡路を訪ね、やがて一族が隠し続けてきたある〈秘密〉に行き当たる。

堕落した斜陽階級が生み出した悪魔の正体は、思いも寄らない人物だった。

物語の鍵となるのは…
  • 火焔太鼓
  • 風神雷神
  • タイプライター
  • 上方訛り
  • 「ウィルヘルム・マイステルの修業時代」
  • フルート

「帝銀事件」とは?

昭和23年(1948)1月、東京都豊島区の帝国銀行椎名町支店に現れた男が、伝染病予防のためと称して青酸カリの溶液を飲ませて12名を毒殺、現金などを奪った事件。犯人とされた平沢貞通は犯行を否認したが、死刑が確定。刑の執行がなされないまま同62年に獄死。

デジタル大辞泉より

原作では「天銀堂事件」として登場します。

「斜陽」とは?

太宰治の小説。1947年雑誌《新潮》に発表された中編小説。没落貴族の娘の告白という形式で、滅びゆくものの悲哀と憧憬を描き、不安な第2次大戦後の社会の中に新しい生き方を探った作品。作者の自殺の前年に書かれ、没落階級を意味する《斜陽族》という流行語を生むほど広く読まれた。(百科事典マイペディアより)

原作の時代設定は昭和22年。ちょうど「斜陽」が発表された年です。

登場人物(キャスト)

※紹介文は、原作を参考にしています

金田一耕助(吉岡秀隆)
私立探偵。よれよれの着物と袴、ぼさぼさ頭がトレードマーク。頭を掻くのがクセ。椿美禰子から父・英輔が本当に死んだかどうか調べてほしいと依頼され、調査する。

椿英輔(益岡徹)
椿家当主。旧華族。「天銀堂事件」の容疑をかけられて失踪するが、後に遺体が発見される。遺書が見つかったことから自殺と断定。しかしその後、妻の秌子が「そっくりな男を見た」と証言し、生存の可能性が浮上する。
失踪する直前に「悪魔が来りて笛を吹く」というフルート・ソロ曲を作曲し、自身の演奏で録音。失踪中にレコードが発売された。

椿秌子(筒井真理子)
英輔の妻。思い込みが激しく、影響を受けやすい。新宮家の財産の大部分を相続しており、椿邸も新宮家から譲られたもの。亡くなったはずの夫・英輔を目撃したことから、英輔が生きていると思い始める。

椿美禰子(志田未来)
英輔の娘。今回の依頼主。母の秌子が死んだ父を生きていると言い出したことに不安を覚え、伯父たちの意図が働いているのではないかと疑っている。等々力警部の紹介で金田一を訪ね、英輔の死について調査してほしいと頼む。

三島東太郎(中村蒼)
椿家の使用人。英輔の中学時代の友人である三島夫妻の息子。世知に長け、頼りになる人物。復員した直後は闇物資のブローカーをしていた。戦争で負傷し、右手の中指と薬指が欠損している。

玉虫公丸(中村育二)
秌子・利彦の伯父。元伯爵で元貴族院議員。わがままで我の強い人物。空襲で自宅が焼けたため、椿邸に同居している。英輔のことを無能者と馬鹿にしていた。椿邸で占いが行われた夜、何者かに殺される。

菊江(倉科カナ)
玉虫公丸の妾。公丸と共に椿邸に寄宿している。美人で明るい性格。歯に衣着せぬ物言いをする。昔好きだった男が戦地に赴く際、小指を切って贈ったため、左手の小指が欠損している。

新宮利彦(村上淳)
秌子の弟。元子爵で道楽者。空襲で自宅が焼失し、椿邸に同居している。新宮家の財産の大部分が秌子に譲られたことを不満に思っており、かねてより秌子に金を無心していた。左の肩に火焔太鼓の痣がある。

新宮華子(篠原ゆき子)
利彦の妻。利彦と共に椿邸に寄宿している。いつも夫の機嫌を伺っている。

新宮一彦(中島広稀)
利彦の息子。美禰子のいとこ。椿邸に寄宿している。英輔のフルートの弟子。

目賀重亮(山西惇)
秌子の主治医。秌子と関係を持っている。占いの研究をしており、椿邸で一同を集め奇妙な占いを行う。

等々力警部(池田成志)
金田一と縁のある東京警視庁の刑事。英輔が容疑をかけられた「天銀堂事件」を担当していたことから、美禰子に金田一を紹介する。

沢村刑事(市川知宏)
等々力の部下。共に事件の捜査にあたる。

堀井駒子:妙海尼(黒沢あすか)
植木屋の娘。若い頃、玉虫伯爵の別荘で小間使いをしていた。父親のわからない娘・小夜子を出産する。小夜子が自殺を遂げた後、出家して妙海を名乗る。

植辰(白井哲也)
駒子の父。須磨で植木屋をしていた。ある頃から金回りが良くなり、仕事もせずに何人もの妾を抱えこむようになる。

小夜子(小林涼子)
駒子の娘。父親は不明。子どもを宿したまま自殺を遂げる。

慈道(火野正平)
法乗寺の住職。小夜子を失った駒子を、妙海として寺に住まわせる。

おすみ(橋本マナミ)
須磨の旅館「三春園」の女中。金田一を玉虫の別荘跡に案内する。岡山出身の彼女の「蜘蛛」の発音が、犯人を突き止めるヒントになる。

おかみ(山村紅葉)
須磨の旅館「三春園」の女将。金田一と等々力に、昔この旅館の近くに玉虫の別荘があったことを教える。

せつ子(倍賞美津子
金田一が転がり込んでいる割烹旅館「松月」の女将。

ネタバレと感想、原作比較はこちら

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