NHKドラマ「八つ墓村(2019)」あらすじ感想。結末は原作寄り、情感あふれる愛憎劇

NHKドラマ「八つ墓村」

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どうも、夏蜜柑です。
NHK・BSプレミアムで放送されたSPドラマ「八つ墓村」

楽しみにしてたドラマでしたが、台風が気になってリアタイできず。
風雨が落ち着いてから録画を見ました(幸い、うちは何事もなかったです)

オープニングからカッコいい!

村祭りでの落武者殺害シーンから、八つの墓の前に立つ金田一耕助。
「八つ墓村」のタイトルが滲むように浮かび上がる。

ゾクゾクしました。

ロケ地は岡山県らしいですが、ロケハン大成功ですね。
古い屋敷といい鍾乳洞といい、映像から伝わる雰囲気が最高でした。

味のある俳優さんたちの競演も楽しませてもらいました。
吉岡秀隆さん演じる金田一、好みです。

音楽(スカボローフェアやデスペラード)は賛否両論ありそうだけど、わたしは好きだな。

内容はかなり原作寄りでした。
結末は映画(1977年)に寄せるかも…と思っていたので、ホッとしました。

あの結末はあの映画ならではだと思ったので。

映画(1977年)についてはこちら。
映画「八つ墓村」(1977年)ネタバレ感想映画「八つ墓村(1977)」あらすじ感想。トラウマになる怖さ!落武者の呪いと32人殺し

登場人物が多くて人間関係が複雑なので、原作を読んでいない人には難しかったかもしれない。必要最低限の説明はされていたし、わからなくても雰囲気で楽しめる作りにはなっていたけど。

なぜ辰弥を迎えに来たのが美也子だったのか、なぜ鍾乳洞の奥に田治見要蔵の遺体が祀られていたのか、わかりました?

「感想と解説」の項で、原作や映画(1977年)との違いも合わせて考察したいと思います。

「八つ墓村」あらすじ

永禄9年。毛利に敗れた尼子の武士8人が村に落ち延びた。毛利の影に怯えた村人たちは、落人を惨殺。しかし彼らが隠し持っていた財宝三千両は見つからず、加担した者は次々と変死を遂げる。
首謀者の田治見庄左衛門(OKI)も自ら腹を刺して自決する。落人の祟りを恐れた村人は8つの墓を建て、「八つ墓明神」として崇め奉るようになった。

昭和22年。天涯孤独の青年・井川辰弥(村上虹郎)は、新聞広告で自分を探す諏訪弁護士と会い、祖父・井川丑松(不破万作)と対面する。そこで初めて、自分が田治見家の跡取りであることを知らされる。
しかし話している最中に丑松は死亡。毒殺されたことがわかる。辰弥は丑松の代わりに村からやってきた美女・森美也子(真木よう子)と共に八つ墓村へ向かう。

八つ墓村では金田一耕助(吉岡秀隆)が磯川警部(小市慢太郎)からの依頼を受けて、美也子の夫・野村達雄の死について調べていた。美也子は田治見家の親戚にあたる里村慎太郎(小柳友)と恋仲だったという噂があり、村人たちは美也子が殺したのではないかと話す。

辰弥は八つ墓村に入ったとたん、濃茶の尼(木内みどり)から「出ていけ」と言われる。田治見家は辰弥を歓迎し、姉の春代(蓮佛美沙子)は辰弥に優しく振る舞い、大伯母で双子の姉妹・小竹と小梅(竜のり子)は辰弥に跡取りとして堂々と振る舞うよう諭す。

病床にある兄・久弥(音尾琢真)は、辰弥を慎太郎と典子(佐藤玲)に紹介した直後、血を吐いて死んでしまう。またも毒殺だった。さらに、葬儀の場で辰弥が膳を運んだ梅幸(山下容莉枝)も服毒死する。

夜、辰弥は大伯母たちが隠し扉から地下の鍾乳洞へ入っていくのを目撃する。2人の後を追って鍾乳洞へ入った辰弥は、そこで屍蝋と化した遺体が甲冑を着せられて祀られているのを発見する。春代を連れていくと、遺体は父・要蔵だと言う。

辰弥は要蔵がかつて母・鶴子を手込めにしたことや、産まれた子が自分の子ではないと知って幼い辰弥の背中に火箸を押し当てたこと、鶴子が失踪したことで発狂し、村人32人を惨殺したことを春代から聞かされる。

濃茶の尼が遺体となって発見され、下着の中から4枚のメモが見つかる。そこには対になる2人の名前が書かれており、殺害された人物のほうには赤い線が引かれていた。金田一は、ご神木が雷に打たれたことを祟りと捉えた犯人が、八つ墓明神に八つの生贄を供えようとしているようだと推理する。

辰弥は母・鶴子が残した地下迷路の地図を美也子に見せ、一緒に財宝を探しに行こうと誘うが、美也子は破れた地図の半分が必要だと言い、辰弥にキスをする。

鍾乳洞で小梅と医師の久野(久保酎吉)の遺体が発見される。メモは久野が書いたものだったが、久野は半年前に濃茶の尼にカバンを盗まれていた。

鍾乳洞の地図の半分は、辰弥が寝ている離れの屏風の裏に貼り付けられていた。屏風には母が書いた恋文や、辰弥にそっくりな男と一緒に映っている写真も隠されていた。自分が田治見家の血を引く人間ではないと知った辰弥は、春代が引き留めるのを振り切って村を出ようとする。

吉蔵(やべきょうすけ)に先導された村人たちは、辰弥を災いの元だと決めつけ田治見家に押しかける。辰弥は鍾乳洞に身を隠すが、辰弥を追ってきた春代が犯人に刺されてしまう。春代は辰弥への想いを打ち明け、息を引き取る。

連続殺人犯の正体は森美也子だった。美也子は濃茶の尼が捨てた久野医師のカバンをたまたま拾い、久野が妄想で書いた新居医師の殺害計画を利用して今回の事件を起こしたのだった。すべては愛する慎太郎に田治見家を継がせるため。連続殺人に仕立てたのは動機を隠すためだった。

美也子は春代に小指を噛まれて破傷風になり、手遅れの状態となる。辰弥は死の床にある美也子を見舞って愛を打ち明けるが、美也子は「最後はあんたを殺すつもりだった」と告げる。美也子は「いいだろう、こんな女が幸せになったって」と笑いながら死んでいく。

辰弥は本当の父が英泉であることを知る。慎太郎は美也子の思いを汲んで田治見家を継ぐことを決める。もし自分が美也子の気持ちに向き合っていたら、こんなことにはならなかったのではないか、と語る慎太郎。金田一は「もし……と後悔するから人は呪われるのです。前を向きなさい」と諭す。

村を去る辰弥の後を、大荷物を抱えた典子が追いかける。典子は「私たちの2人目の男の子は田治見家を継がせます」と言い、辰弥に鍾乳洞で見つけた大判を手渡す。

金田一は磯川から兵庫県との県境にある温泉「亀の湯」へ寄っていかないかと誘われる。

登場人物はこちら
NHKドラマ「八つ墓村」NHKドラマ「八つ墓村(2019)」登場人物(キャスト)・あらすじ・原作

感想と解説

金田一が八つ墓村を訪れた理由

いきなり、金田一が美也子の夫・野村達雄の死について調べているシーンが出てきてビックリしました。しかも村の人、殺したのは美也子だって言っちゃってるし!

序盤に犯人を明かしちゃって、いいの~?
と思ったけど、逆に犯人候補から外す人がいたかもしれませんね。

原作では、金田一が村にやってきた理由は犯人がわかった後に明かされます。
彼は最初から、美也子を調べるために八つ墓村に来ていたのです。

原作では野村達雄の兄・荘吉(ドラマでは國村隼さん。すごいよかった!)が直接金田一に依頼しているので、磯川警部もこのことは知りませんでした。

ドラマで磯川警部経由にしたのは、昨年放送された「悪魔が来りて笛を吹く」のラストシーンと繋げるためでしょうね。ニクイね。

辰弥と美也子が八つ墓村へ

田治見家の跡取りであることを知った青年・辰弥は、森美也子と共に八つ墓村入りします。

原作では、美也子と諏訪弁護士は遠い親戚筋にあたる関係です。
美也子が都会なれしているということもあって、小竹と小梅が美也子に頼んで、辰弥を迎えに行かせたのです。

原作ではすぐに八つ墓村へはいかず、美也子は1か月くらい神戸に滞在して遊んでいます。美也子は明るくておしゃべりで頼りになる姉御、という感じ(この時点ではおよそ犯人ぽくない)

辰弥はすっかり美也子を信頼し、その頼もしい人柄に惹かれるようになる。
といっても、原作ではこの2人は姉弟のような関係で、恋愛関係には発展しません。

ドラマの真木よう子さん演じる美也子は影のある妖艶な美女で、1977年の映画で美也子を演じた小川真由美さんに近い感じでしたね。どちらも辰弥と恋に落ちるという設定なので、原作の姉御肌キャラを変更したのでしょう。

なお原作ではこの1か月の神戸滞在中に、諏訪弁護士と美也子が少しずつ辰弥の生い立ちについて語り、辰弥は父の恐ろしい所業についても聞かされることになります。

 

 

梅幸が知っていた秘密

辰弥が八つ墓村に到着したその日に、兄・久弥(音尾琢真さん)がこれまた毒殺されてしまいます。
そして久弥の葬儀で尼僧の梅幸も毒殺されます。

祖父、兄、梅幸と、3人の死に立ち会った辰弥は、容疑者として疑われることに。
村人たちは、八つ墓明神の祟りだと恐れます。

原作では、葬儀の最中に死ぬのは田治見家の菩提寺である蓮光寺の住職・洪禅なのですが、ドラマでは梅幸がその設定を引き継いでいました。ま、洪禅さんはストーリーに関わる人物ではないので、問題ないかと。

梅幸は、辰弥の実の父親が英泉であることを知っていました。
彼女が死ぬ前、辰弥に「あなたに話したいことがある」と言っていたのは、そのことだったのです。

小梅と小竹が辰弥に飲ませたもの

辰弥が大伯母の小梅と小竹に呼ばれ、茶をいただくシーン。
めっっちゃくちゃ怪しかったですね。よく飲めたな辰弥。

わたしだったら「飲んだら死ぬ」って思うけどね。

ドラマでは特に説明がなかったですが、原作では、あのお茶には睡眠薬が仕込まれていました。2人はその夜、隠し扉の向こうの地下通路へ入るために、辰弥を眠らせたのです。

しかし薬は宵には効かず、辰弥はすぐに目を覚まして伯母たちの怪しい行動に気づいてしまった、というわけ。

なお、この怪しい伯母たちは、過去に「ある人物」を毒殺しています。
なので、一服盛ることには慣れているのです。

辰弥が出生の秘密を知る

伯母たちを尾行して、地下の鍾乳洞へと潜り込む辰弥。
怖いのと同時に好奇心を刺激されてワクワクするシーンでした。

そこで見たのは、甲冑を着せられた田治見要蔵の遺体。
なぜ白骨化していないのかというと、屍蝋になっていたからです。

屍蝋
蝋のように変化した死体。死体が長時間、水中または湿った地中にあったときなどに、体内の脂肪が脂肪酸となり、さらに蝋状になって、死体を原形に保つ。(デジタル大辞林より)

ここで、辰弥は初めて自分の父・田治見要蔵(音尾琢真さんの二役)について聞かされる。

母・鶴子を監禁し、犯していたこと。
産まれた子供(辰弥)の父親を疑い、赤ん坊の辰弥に火箸を押し当てたこと。

鍾乳洞の中で春代が要蔵について語り、要蔵の32人殺しの再現シーンが展開されるという流れは、1977年の映画と同じでした。

田治見要蔵の32人殺し

ドラマでは、「父は恋をしたのです」などと春代が暢気に語っていましたが、映像を見るととてもそうは思えない。拉致監禁して犯したあげく、無理やり妾にしたのでしょう。

原作では、このあたりのいきさつが詳しく語られていて、要蔵がいかに危ない人物であったかがわかります。それは田治見家の“血”でもあるらしいのですが、かなり衝撃的です(鶴子は死ぬまでトラウマに苦しんでいる)

鶴子に逃げられた要蔵は、村人32人を惨殺するという凶行に出ます。

これは実際に起きた「津山30人殺し」がモデルとなっていて、要蔵のいでたちも実際の犯人を再現しているのですが、ドラマでは1977年の映画で山崎努さんが演じた要蔵(おそらく過去最強)と同じく、着物を羽織っていましたね。原作では詰襟の洋服です。

原作も実際の事件も夜の犯行でしたが、ドラマでは昼間のシーンになっていました。
怖いのは変わりなかったですけどね……。

 

 

鍾乳洞に要蔵の遺体が祀られていた理由

大量虐殺事件を犯した要蔵が、なぜ鍾乳洞に祀られていたのでしょう?

以下は原作での話で、春代によって語られています。

要蔵は事件のあと鍾乳洞に逃げ込み、小竹と小梅に匿われていました。
育ての親でもある伯母たちは、犯罪者となっても要蔵が可愛かったんでしょうね。

同時に、またいつ暴れ出すかわからないという不安もあった。
捕まったら死刑になる。それならばいっそこの手で……。

思いつめた双子の伯母たちは、食事に毒を混ぜて要蔵を殺したのです。

要蔵への慈悲でもあり、田治見家を守るためでもありました。そしていつまでたっても腐敗しない死体に脅威を感じ、かつての落人の甲冑を着せて祀り、ときどき参拝していたのでした。

辰弥に接近する美也子

鍾乳洞の中で小判を見つけた辰弥は、鍾乳洞に落人が隠した三千両が埋まっていると気づきました。母・鶴子から授かった地図は、財宝のありかを示すものだと。

一緒に探しに行こう、と美也子を誘う辰弥。
美也子はもう少し手がかりがいると拒みます。

キスしたり辰弥の背中の傷に舌を這わせたりと、思わせぶりな態度で辰弥を操る美也子。

原作では、美也子は中盤以降ほとんど登場せず、すっかり影を潜めてしまいます。
辰弥は、美也子の態度が急に冷たくなったことに不安を感じます。

村で孤立する辰弥の味方となり、彼の心の支えとなるのは、典子と春代でした。

原作では典子にも春代にも優しい態度で接する辰弥ですが、ドラマでは冷たい態度を取っていました。

辰弥を慕う春代に「変な気は起こさないでいただきたい」と冷たく言い放ったり、辰弥を助けようとする典子を犯人と誤解して殺そうとしたり。

原作は冒険色やロマンス色が強めに押し出されていましたが、今回のドラマは「愛憎」がテーマのようなので、辰弥のキャラクターもそれに合わせて変更されたのかもしれません。

吉蔵たちが暴れた理由

村の博労である吉蔵は、辰弥こそ災いの元だと思い込み、村人たちを扇動して田治見家に押しかけます。

ドラマも映画も、辰弥を「殺人犯」として憎むのではなく、「祟りの根源」として憎んでいる点が原作と少し違うところ。

原作では、美也子の工作によって辰弥を殺人犯だと思い込んだ村人たちが、辰弥を殺して自分たちの手で連続殺人を止めようとします。

吉蔵が辰弥を憎むのにも理由があって、彼は要蔵に新妻を殺されているのです(ちなみに濃茶の尼も要蔵に夫と子供を殺され、田治見家を恨んでいました)。

原作の美也子は途中から辰弥を避けるようになるのですが、それは村人たちに「辰弥こそ連続殺人犯だ」と思わせるためでした。

 

 

鍾乳洞で何があった?

ドラマでわからなかったのは、辰弥が吉蔵に殺されそうになった場面。

次の場面では辰弥が頭部と片目に包帯を巻いていたので、怪我をしたことはわかりましたが、吉蔵は辰弥を殺すつもりだったはず。あの状況で辰弥が助かるとは到底思えませんでした。

慎太郎が吉蔵を止めたのでしょうか?
ちょっとよくわかりませんでした。

原作では、吉蔵は落盤で岩の下敷きになって死にます。
辰弥と典子は洞窟に閉じ込められますが、数日後に救助されます。

閉じ込められている間、2人は財宝を発見して、後日それを自分たちのものにしてしまいます。

ドラマの典子は天真爛漫なだけの女の子でしたが、原作では賢くて頼もしい面もあって、辰弥が洞窟に逃げ込んで生き延びられたのは彼女のおかげと言ってもいい。

1977年の映画には典子は出てきません。
原作ではすごく魅力的なキャラクターなんですけどね。

もうちょっと時間があれば、典子の魅力を伝えるシーンを加えることができたのになーと、ちょっぴり残念です。

久野医師のメモ

美也子の犯行に利用された久野医師のメモのくだり、わかりました?
ややこしいので、時系列で整理してみました。

  1. 有能な新居医師が疎開してきて、久野医師の患者を奪う
  2. 久野が新居を逆恨みし、妄想で新居を殺す計画を立ててメモにまとめる
  3. メモが入った久野の鞄を濃茶の尼が盗む
  4. 濃茶の尼が久野の鞄を捨てるところを偶然目撃した美也子が、鞄の中のメモを発見する
  5. 美也子がメモを利用して殺害計画を実行する

この殺害計画は連続殺人によって「八つ墓明神の祟り」と思わせ、本当に殺したい人物と殺害動機をカムフラージュする、というものでした(原作通りです)。

英泉の正体

事件が収束した後、辰弥は金田一から英泉が実の父親であることを知らされます。

ドラマでは、英泉(亀井陽一)と鶴子は教師と生徒という禁断の関係で、そのために2人は秘密裏に会っていた、という設定に変更されていました。これは原作にはありません。

古い写真に写っている若かりし頃の英泉は辰弥にそっくりで、原作では満州で苦行僧をした結果、相貌が変わったということになっていましたが、ドラマではその説明は省かれていましたね。

ちなみに1977年の映画には英泉は出てきません。
亀井陽一は名前だけ登場し、辰弥は父と再会することはありませんでした。

美也子の告白と春代の執念

破傷風で手遅れとなり、ベッドの上で犯行を告白する美也子。
真木よう子さんのやさぐれた喋り方、声質が合っていてめっちゃよかった。

お気に入りのセリフは「まさかパンツの中に隠してるなんて、思わないでしょ。フハハハハ!」。最高だよ真木さん。

愛していると告げる辰弥に、最後はあんたを殺すつもりだったと残酷な告白をする美也子。すべては愛する慎太郎のため。

原作から補足すると、慎太郎は戦時中は軍人として成功し、かなり羽振りがよかったんです。ところが敗戦ですべてを失い、ただの百姓になってしまった。

美也子は彼に求婚してほしかったけれど、慎太郎の自尊心はそれを許さなかった。慎太郎に田治見の財産を継がせようとしたのは、彼と結婚するためだったのです。

まぁ、ドラマの美也子はそんなしおらしい感じではなかったけど。

原作では美也子と辰弥が再会するシーンはありません。
鍾乳洞に閉じ込められていた辰弥が救助されたときには、彼女はもう死んでいました。

美也子が破傷風になったのは、殺された春代が小指を噛んだのが原因ですが、春代はこのとき犯人が美也子であることに気づいていたと思われます(原作にそういう記述があります)。

美也子を死に導いたのは、春代の執念だったのかもしれない……と、辰弥は語っています。

 

 

なぜ人は愛を求めるんですかね?

謎解きのシーンは、美也子が辰弥に語るシーンと、金田一が野村荘吉に語るシーンが交互に差し挟まれる構成になっていました。どちらもよかったです。

國村隼さん演じる荘吉が立ち去り際、金田一を振り返って言ったセリフ。

「なぜ人は愛を求めるんですかね? 愛は人を幸せにも不幸にもするってえのに……」

まさか「八つ墓村」で〝愛〟がテーマになるとは思いませんでした。
スカボローフェアをBGMに疾走する要蔵……これも愛なの?(恐怖しかないんだけど)

慎太郎と典子と辰弥

慎太郎は田治見家を継ぎ、辰弥は村を去ります。

ドラマでは典子が辰弥を追いかけて、「押しかけ女房」的な形で2人がくっつくようなエンディングでしたが、原作では辰弥と典子は洞窟の中で結ばれていて、典子は妊娠していることが明らかになります。

辰弥に田治見家を継ぐよう説得された慎太郎は、典子との間に産まれた2番目の男の子を田治見家の相続人にすることを辰弥に約束させる……という流れ。

ドラマでは典子が大きなリュックや袋を担いでいて、中から大判を出して辰弥に見せていましたが、あの荷物の中に三千両の財宝が詰まっているのでしょうか?

最後はちょっとムリヤリな形で2人をくっつけた感じでしたが、このシーンはよかったです。

ちなみに1977年の映画版の辰弥は誰ともくっつかず、もとの居場所に戻りました。辰弥を演じたのは萩原健一さん。ちょっと不良っぽい辰弥でした。

映画版はオリジナルの結末で、オカルト色が強くなっています。かなり衝撃的です。
原作とは違うけどよくできているので、興味がある方は見てみてください。

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次は「悪魔の手毬唄」

吉岡秀隆さん演じる金田一は、少年ぽくて繊細で、ユーモアと同時に危うさも感じられて、どことなく哀愁もあって、このシリーズの雰囲気にぴったり。

それとも逆かな?
吉岡さん演じる金田一の雰囲気に合わせて作ってるのかな?

原作の「八つ墓村」は金田一の出番が少ないので心配していましたが、ドラマではうまく調整してくれていてよかったです。

八つ墓村を去ろうとする金田一に、「兵庫県との県境に、いい湯が湧く温泉があります。寄っていきませんか?」と声をかける磯川警部。

んんん?
どこかで聞いたような。

「では、名湯〝亀の湯〟へ行きましょう」

おお、次は「悪魔の手毬唄」ですね!
ちょうど今読んでいる最中なのですよ~。うれしや。

楽しみに待ってます。

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