WOWOWの連続ドラマ「コールドケース3-真実の扉-」第3話“女優”のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
今回は1961年の新人俳優失踪事件を紐解きます。
わたしは昭和世代なので1961年(昭和36年)と聞いてもそんなに“遠い時代”とは思わなかったのですが、“60年前”と聞くと「おぉ、そんなに前なのね」とびっくりしますね。
味のあるモノクロフィルムの映像がよかったです。有村架純さんも岩田剛典さんもモノクロの時代に溶け込んでいました。
ちなみに今回の話は完全オリジナルのため、原案となるアメリカ版のストーリーはありません。
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第3話「女優」のあらすじ
工事現場で白骨遺体が発見される。遺体は1961年に失踪した新人俳優・野口雅之(泉澤祐希)と判明するが、遺体とともに埋まっていたライターのイニシャルは「KY」だった。
雅之の兄・野口信夫(小倉一郎)は、雅之が人気女優・貴船美沙(有村架純)と付き合っていたことや、失踪直前に「あの女、絶対に許さない」と語っていたことを明かす。
美沙は映画「雷鳴」で汚れ役を演じ、フランスの映画祭で主演女優賞を受賞するが、その直後に雅之とのスキャンダルが発覚してマスコミから逃げるように海外へ移住していた。
還暦を過ぎてから帰国するも目立った仕事はせず、現在の美沙(松原智恵子)は83歳になっていた。海外生活が38年に及ぶことから時効は成立せず、百合たちは事件の捜査に乗り出す。
元付き人の田川よし子(田島令子)は、美沙が「雷鳴」の役作りのために雅之を利用したと語る。もともと雅之はよし子の恋人だったが、美沙がそれを知って寝取ったという。
ライターの持ち主は「雷鳴」の監督で今は亡き依田高悟だった。美沙の旧友で当時を知る映画監督・山下貞夫(上條恒彦)は、優秀な宣伝部員だった城本光晴(岩田剛典)が依田からもらったライターだと話す。
城本は美沙が海外にいる間ずっと仕送りをし、帰国後は彼女を自分の家に住まわせて面倒を見ているという。山下に美沙の起用を頼んだのも、認知症が始まった美沙に最後の仕事をさせたいという思いからだった。
城本(若林豪)は野口雅之の殺害を認め、彼と美沙との関係を否定する。だが雅之を殺したのは美沙だった。60年前、2人が一緒にいるときに雅之がおしかけてきて、美沙とのプライベート写真をマスコミにばらまくと脅したため、美沙が灰皿で殴って殺害したのだ。
城本は雅之の死体を森の中に埋め、万が一発見されたときのために自分に容疑がかかるよう、わざとライターを一緒に埋めたのだった。
美沙は事件から逃げるために外国人と結婚し、海外へ移住したことを自供する。海外で過ごした38年間は地獄だった、女優として一番いい時期を無駄にしたと語る美沙。
百合が「『雷鳴』は人々の心に永遠に残り続ける」と言うと、美沙は「あなたどこか昔の私に似ているわ。幸せになれない顔よ」と告げる。殺人罪で逮捕された美沙はマスコミから隠れることなく、堂々とした態度でカメラの前に出る。
第3話の登場人物(キャスト)
貴船美沙(有村架純/松原智恵子)
日本を代表する大女優。フランスの映画祭で主演女優賞を受賞した直後にスキャンダルが発覚。マスコミから逃げるように結婚して海外へ移住した。今回、60年ぶりに日本映画界への復帰を果たす。
城本光晴(岩田剛典/若林豪)
優秀な宣伝部員。語学が堪能で、映画監督の依田に頼りにされていた。現在は美沙のマネージャーとなり、献身的に支えている。
野口雅之(泉澤祐希)
事件の被害者。若手俳優。もともと素行が悪く、やくざとも付き合いがあった。失踪する直前、弟の信夫に「女ができた」と語っていた。
野口信夫(深澤嵐/小倉一郎)
雅之の弟。60年前、失踪した兄の行方を美沙が知っていると思い、記者会見に紛れ込んでマスコミの前で美沙を問い詰めた。
田川よし子(仁村紗和/田島令子)
当時の美沙の付き人。60年前、訪ねてきた信夫を追い返した。美沙が出演した映画「雷鳴」を見て圧倒され、女優になる夢を諦める。現在はスナックを経営している。
山下貞夫(上條恒彦)
映画監督。美沙の旧友。事件当時の美沙や城本のことをよく知る人物。城本に頼まれて次回作に美沙をキャスティングする。
依田高悟(緒形明)
美沙が出演した「雷鳴」の映画監督。海外の映画祭へ行くときはいつも城本を同行させていた。
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ネタバレ有「コールドケース3-真実の扉-」登場人物(キャスト)一覧・全話あらすじ感想第3話で使用された曲
- 「NON, JE NE REGRETTE RIEN」エディット・ピアフ
- 「月影のキューバ」森山加代子
- 「幸福を売る男」越路吹雪
第3話の感想
ベテラン俳優の共演が胸熱
今回も豪華ゲストでしたね~。個人的には若林豪さんと三浦友和さんが取調室で対峙するシーンが胸熱でした。
若林豪さんはわたしの中では「Gメン’75」の立花刑事のままなので、若林さんが「昔は俺がそっち側だったんだよ」と三浦さんに語ったというエピソードにグッときました(WOWOWオンデマンド“捜査一課5人の小部屋”より)。
日本には売ってなくて、わざわざアメリカから取り寄せたというモノクロフィルムを使った過去映像も素敵だった。
有村架純さんの仕草や口調が昭和の女優そのもので、小柄なのに貫禄を感じました。
ちなみに1961年(昭和36年)は、坂本九の「上を向いて歩こう」や植木等の「スーダラ節」がヒットし、松本清張の『砂の器』がベストセラーになり、映画「ウエスト・サイド物語」が公開された年。
誰にも感情移入できず…
ストーリーとしては、個人的に美沙にも雅之にも城本にも共感できず、感情的にはいまひとつ揺さぶられませんでした。
実はシーズン2の第7話(劇団員たちの人間模様が描かれた回)も、同様に気持ちがついていかず、物語に入り込めなかったんです。
役者を描く話が苦手なのかな、と自己分析してみたのですが、どうやらわたしは“自分の利益のために他人の想いを利用する人”に強い嫌悪感を抱く傾向があるみたいです。
なので、美沙が不幸な目に遭っていても同情できなかったんですよね(冷たいけど)。
滝藤賢一さん演じる立川が「元演劇少年ですから」と語っていたのは、中学時代に「長靴をはいた猫」で主役を演じたことを指していて、そのエピソードもシーズン2第7話で描かれています。
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