ネタバレ有「ホット・ゾーン」シーズン2全話あらすじ・登場人物(キャスト)・予告動画

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海外ドラマ「ホット・ゾーン:アンスラックス」(全6話)についてまとめました。

ナショナル ジオグラフィック製作の実話に基づくシリーズ『ホット・ゾーン』のシーズン2。エボラ出血熱を描いたシーズン1に続き、シーズン2では約20年前にアメリカで起きた炭疽菌テロ事件をドラマ化。

9.11のトラウマを抱えたFBI捜査官が、科学者としての視点を駆使して事件の真相を明らかにしていく姿を描きます。

微生物学を熟知する異質のFBI捜査官マシュー・ライカーを演じたダニエル・デイ・キムは、本作が初めての主演作。もう一人の主人公である炭疽菌研究の第一人者ブルース・イビンズ博士を、トニー・ゴールドウィンが演じています。

作品概要

  • 放送局:ナショナルジオグラフィック
  • 放送時間:2022年2月22日(火)から毎週火曜22:00~ほか
  • 製作国:アメリカ(2021年)
  • 原題: The Hot Zone: Anthrax
  • 脚本:ケリー・サウダース/ブライアン・ピーターソン

あらすじ

9.11の数週間後、フロリダで1人の男が謎の病を発症し命を落とす。FBIのマシュー・ライカー特別捜査官は郵便物を使った炭疽菌攻撃を疑う。感染者は他にも現れ、ライカーのチームは犯人の追跡を開始する。陸軍感染症医学研究所に勤務する微生物学者ブルース・イビンズは、誰かがどんな手を尽くしてでも正義を果たさなければならない、という独自の理論を持っている。

ナショナルジオグラフィック公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

FBI

マシュー・ライカー(ダニエル・デイ・キム)
微生物学を熟知するFBIでは異質の捜査官。事実を重視する科学的で緻密な捜査を得意とし、この事件が炭疽菌の仕業であることを誰よりも早く察知する。上司からはプレッシャーを与えられ、9.11の精神的トラウマに悩まされながらも、執念で犯人を追いつめていく。

ダニエル・トレッティ(ドーン・オリヴィエリ)
FBIのテロ対策本部で臨時部隊のボスを務める心理分析官。ワシントンにある連邦上院議員のオフィスで起きた炭疽菌テロの現場に最初に到着し、迅速に対応。その後も的確な判断と抜群の行動力でライカーをサポートする。犯人はアルカイダではなく単独犯だと推理する。

クリス・ムーア(イアン・コレッティ)
FBI捜査官。ライカーの部下。炭疽菌入りの手紙が投函されたポストを突き止めようとする。

エド・コパック(ディラン・ベイカー)
ライカーの上司。FBI長官のロバート・モラーとは大学時代からの付き合い。炭疽菌テロの犯人はアルカイダだと決めつけ、ライカーにテロリストをあぶり出すよう命じる。

ユーサムリッド

ブルース・イビンズ博士(トニー・ゴールドウィン)
ユーサムリッド(アメリカ陸軍感染症医学研究所)に長年勤務している科学者で、炭疽菌研究の第一人者。FBIの捜査に協力するも、不審な行動がライカーの目に止まり、事件の鍵を握る重要参考人となっていく。

サイモン・カーツ博士(カルロス・ゴンザレス=ヴィオ)
ユーサムリッドで働くブルースの同僚。ブルースから犯人の疑いをかけられる。

ジョディ(ヴァネッサ・マツイ)
ブルースの同僚。ブルースからは「なんでも話せる相手」と慕われている。

被害者

ボブ・スティーブンズ(Damon Redfern)
最初の被害者。アメリカン・メディア社の社員で、同社が発行するタブロイド紙の写真編集員。昏睡状態でフロリダの病院に入院し、炭疽菌による感染症と判明。その後、死亡した。

エリン・オコナー(Sochi Fried)
ニューヨークのテレビ局NBCの社員。トム・ブロコウのアシスタント。ブロコウ宛ての手紙を介して炭疽菌に感染する。

ジョセフ・クルッセン(トニー・クレイグ)
ワシントンにあるブレントウッド集配センターの従業員。炭疽菌入りの手紙が通過した17番の仕分け機で作業をし、感染する。突然倒れて病院へ運ばれ、亡くなった。

そのほか

トム・ブロコウ(ハリー・ハムリン)
ニューヨークのテレビ局NBCの有名キャスター。自身のアシスタントが炭疽菌に感染し、事件の当事者となる。

ルドルフ・ジュリアーニ(エンリコ・コラントーニ)
ニューヨーク市長。9.11事件以後、救助活動と復旧の陣頭指揮を執る。ビルを封鎖するというライカーに激しく抗議する。

ナンシー(クリスティン・ブース)
ブルースと同じ大学院に通っていた微生物学者。シアトル在住。過去にブルースからストーキングされたことがあり、犯人像のプロファイルを読んでブルースを疑う。

予備知識

9.11事件(同時多発テロ)

2001年9月11日、ハイジャックされた4機の旅客機のうち、2機がニューヨークのワールドトレードセンタービルに、1機が首都ワシントンの国防総省ビルに、もう1機がペンシルベニア州ピッツバーグ郊外に墜落し、3000人以上の死者を出した自爆テロ事件。

犯人の特定やそのネットワークを捜索する必要から、2001年10月に愛国者法(Patriot Act)が制定され、アラブ系住民がFBIから取り調べの目的で召喚・拘束された。

ブッシュ政権はイスラム過激派のオサマ・ビンラディンを犯人と断定し、同年10月にアフガニスタンを攻撃。タリバーン政権を崩壊させた。ビンラディンは2004年10月にこのテロの実行を明確に認めている。

ノーブル・イーグル(noble eagle)

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに対する本土防衛計画の作戦名。白頭鷲は米国の国鳥でもある。

炭疽菌

炭疽の病原体。土壌中に長期間生息する。生物兵器に利用されることがあり、米国では2001年の同時多発テロ事件の直後、胞子を含む白い粉末が郵便物で送付される事件が発生し、死傷者を出した。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1979年。ソビエト連邦のスヴェルドロフスク州にある生物兵器製造所において炭疽菌の漏出事故が発生。多くの住民が肺炭疽を発症して死亡した。
2001年。9.11から3週間後、フロリダ州アトランティスの病院に昏睡状態となったボブ・スティーブンズが運び込まれる。細菌による感染症を疑ったパームビーチ郡保健省のジーン・マレッキーは、CDC(疾病対策センター)とFBIに連絡する。
FBI特別捜査官のマシュー・ライカーは、9.11テロとの繋がりを懸念し、今すぐ現場へ向かいたいと上司に直訴するが退けられる。ライカーは予兆があったにも関わらず9.11のテロを防げなかったことに心を痛めていた。
フロリダから送られてきた検体を調べた結果、スティーブンズは炭疽菌を吸い込んだことが判明。ライカーは意図的にエアロゾル化された可能性があると上司に訴え、現場へ赴く。
スティーブンズの勤務先であるアメリカン・メディア社に目をつけたライカーは、別の社員も体調不良を訴えて休んでいることを知る。ライカーは社内に感染源があると見て社員たちを避難させ、徹底的に調べる。すると、郵便物を担当する女性社員のデスクの上の通気孔から炭疽菌が検出される。
陸軍感染症医学研究所に勤務する微生物学者ブルース・イビンズは、何者かが自分のオフィスを探っていたことに気づく。見えない影に怯えるブルースは、自宅の地下に設置している射撃室にこもる。
その頃、ニューヨークのテレビ局NBCの有名キャスター、トム・ブロコウは、アシスタントのエリンから炭疽菌に感染していることを打ち明けられる。

2001年10月12日。トム・ブロコウの助手エリン・オコナーが感染したという連絡を受け、FBI捜査官のライカーとムーアはニューヨークへ向かう。テロの標的となったワールドトレードセンターは1か月経った今もまだ燃え続けており、上空には煙が立ちこめていた。
ライカーはNBCが入っているビルを封鎖し、感染源である手紙を捜索しようとするが、ジュリアーニ市長は猛反発する。
市長を動かすには証拠を見つけるしかない、とブロコウに言われたライカーは、警備員室に保管されていた袋の中から白い粉末が入った手紙を見つけ出す。だが指紋もDNAも採取できず、コピーのためインクも不明だった。ムーアは消印を手がかりにトレントンの集配場を訪れるが、エリア内にあるポストは600以上もあるという。
ニューヨーク・ポストにも同様の手紙が送られており、病変のある女性がいることが判明。しかし彼女は封を開けておらず、封の隙間から漏れたと推測された。ライカーたちは少量でも感染させる力があるのではと危惧する。
そのころ陸軍感染症医学研究所のブルースは、ニューヨークから続々と届くサンプルの検査に追われていた。同僚のサイモン・カーツ博士が炭疽菌事件の犯人ではないかと疑い始めたブルースは、セラピストに相談する。

2001年10月15日。ワシントンにある連邦上院議員のオフィスに、炭疽菌入りの手紙が届く。手紙の宛名はトム・ダシュル上院議員だったが、封を開けたのはインターンの女性だった。
知らせを受けて現場を訪れたライカーは、心理分析官のダニエル・トレッティと会う。彼女は犯人をアルカイダではなく、単独犯だと予想していた。手紙の消印は前回と同じトレントンで、ムーアは処理班を総動員して投函されたポストを見つけ出そうとする。
ライカーは膨大な郵便物を検査するため、新たなラボを設置する。アルカイダの仕業だと信じる上司のコパックは、テロリストをあぶり出すようライカーに命じる。
炭疽菌の粉は前回よりもエアロゾル化し、封筒の紙の繊維を通過していることが判明。未開封であっても近くにいるだけで危険だとわかり、ライカーたちは配達ルートを割り出そうとする。
最後の集配場であるブレントウッド集配センターは、2000人が働く巨大な集配場だった。ライカーは避難勧告をするが、責任者は手紙が通った17番の仕分け機を止めただけで、従業員を避難させていなかった。やがて体調不良を訴えていた従業員のジョセフとトーマスが病院に運ばれ、亡くなってしまう。
司法委員会の委員長リーヒ議員あてにも炭疽菌入りの手紙が送られていることがわかり、トレッティは愛国者法を支持する彼らを狙うことで、アルカイダに疑いが向くように仕向けたのではないかと考える。
筆跡から「科学に精通した高学歴のアメリカ人」と犯人像を予想したトレッティは、犯人をあぶり出すため3万人の会員が所属する微生物学会に犯人像のデータを送る。会員のひとりであるナンシーは、学会から送られてきた犯人像のプロファイルを読んで「該当者に心当たりがある」と返信する。
一方、研究所内に犯人がいると疑うブルースは、マーロン大佐に直談判し、カーツ博士が調べた炭疽菌の再検査を願い出る。そして再検査の結果、イラクが生物兵器開発に使っているベントナイトが混じっていたと報告する。

炭疽菌からベントナイトが見つかり、上司のコパックは炭疽菌テロがイラクによるものだと信じて疑わない。疑念を拭えないライカーは、かつて査察団でイラクの生物兵器を調べたガブリエル・ルイズを訪ね、彼がイラクから持ち帰った炭疽菌を見せてもらう。それは手紙に入っていた炭疽菌とは完全に別物だった。
その頃、シアトル在住の微生物学者ナンシーは、FBIに情報を提供。かつて大学院で一緒だったブルースの行動傾向が、今回の犯人の行動と似ていると指摘する。
ブルースは女子学生クラブ“カッパ・カッパ・ガンマ”に異常なこだわりを見せ、クラブに所属するナンシーに一方的な好意を寄せてしつこくつきまとっていた。そして彼女が距離を取ろうとすると、彼女の研究室から論文用のノートを盗み、ノートの場所を示す暗号を書いた手紙を届けてゲームを楽しんでいたという。
だがナンシーの話を聞いた担当者は「よくある話」と重要視せず、上には「確認済み」とだけ報告することを決める。
ブルースはソフトを使って同僚のジョディのパソコンを監視し、彼女が元同僚のマーラから「ブルースに気をつけて」というメールを受け取っていることを知る。マーラに会いに行くブルースだったが、突然我に返って引き返す。
ムーアは大学の近くのナッソー通りで、炭疽菌の手紙が投函されたと思われるポストを発見する。そこは“カッパ・カッパ・ガンマ”の建物の前だった。
ライカーとトレッティは郵政公社の監察官の協力を得て、犯人が封筒を購入した場所を突き止める。その近くにはユーサムリッドがあった。ライカーは犯人が研究所の中にいると確信する。

ライカー、トレッティ、ムーアの3人はユーサムリッドに乗り込み、職員全員を徹底的に調べる。トレッティはブルースが男性職員から評価を得ている一方で、女性職員から不快に思われていることに注目する。
ブルースが送ったメールを確認したトレッティは、彼が犯人だと確信する。ライカーもまた、ストーカー被害に遭ったというシアトル在住の微生物学者ナンシーの証言を重要視する。
ブルースが証拠隠滅に動いていることを知ったライカーは、急遽彼を取り調べることに。だが優越感に浸るブルースに9.11を未然に防げなかったことを嘲笑され、感情的になってしまう。さらに、ポリグラフ検査でも彼が犯人であることを決定づける結果は得られず、落胆するライカーたち。
そんな中、ライカーに対抗心を燃やすサイクスが、政府の元研究員スティーブン・ハットフィルを容疑者としてあげる。コパックはハットフィルを第一容疑者とすることを決定。ライカーはサイクスの捜査チームに入るよう命じられる。独自にブルースを追い続けることを決めたライカーは、密かにトレッティとムーアに捜査を続けさせる。
ブルースは行きつけの図書館のパソコンがFBIに押収されたことを知って焦り、自宅に隠し持っている“カッパ・カッパ・ガンマ”の品を処分する。彼を監視していたムーアはその様子を目撃する。
一方、サイクスはハットフィルの家を大々的に捜索するが、炭疽菌は見つからず…。

サイクスはハットフィルの車から発見された地図の場所を捜索し、凍った池の中から透明の容器を発見する。だが分析の結果、カメを捕獲するための罠だったことが判明。ライカーとトレッティは改めてブルースが犯人だとコパックに訴える。
ムーアはブルースが捨てたゴミを押収。彼が大量の酒と抗不安薬を飲んでいることや、カッパ・カッパ・ガンマの附属施設から雑誌を盗んだことが判明。施設は炭疽菌が出たポストの真後ろにあった。
ライカーはブルースがワクチン研究に誇りを持っていることから、犯行の動機が金ではなくヒーロー願望だと見抜く。人を救った気分を味わうために、国をパニックに陥れてワクチンの必要性を高めたのではないかと。
その頃ブルースはグループセラピーで両親について話し、母親から暴力を受けて逃げ出した父親を臆病で情けないやつだと罵倒する。ブルースの攻撃性を見て危険を感じ取ったセラピストは、ブルースに精神鑑定を受けさせるためユーサムリッドに報告する。
令状が下り、ライカーとトレッティ、ムーアの3人はブルースの自宅とラボを捜索する。ブルースの家の地下室では武器庫と射撃場が発見され、犯行の理由を書きつけた紙も見つかる。ラボに保管されていたエームズ株のRMR-1029は、犯行に使われた炭疽菌と完全に一致する。
セラピストはブルースが妄想症、不安、統合失調症、記憶障害などの精神疾患に苦しんでいたことをライカーに話し、彼の真意がどこにあったのかはわからないと告げる。
2008年7月29日、ブルースは薬物の過剰摂取により死亡。起訴はおろか逮捕すらされなかった。容疑者として報道されたハットフィルは米国政府を提訴。司法省は彼の潔白を明らかにした。

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