「盗まれた顔~ミアタリ捜査班~」最終話あらすじ感想|白戸の覚醒と千春の正体

WOWOW「盗まれた顔」あらすじ感想

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WOWOWの連続ドラマ「盗まれた顔~ミアタリ捜査班~」最終話(第6話)のあらすじと感想です。

原作とはちょっと違うラスト。でもいいね。
前半は川本との直接対決、後半は千春との再会が描かれました。

千春の正体がようやく明らかに。

最終話のあらすじ(ネタバレ有)

白戸(玉木宏)は街で整形した須波(渋川清彦)を見つける。小池(和田聰宏)に知らせるよう安藤(内田理央)に告げ、一人で後をつける白戸。須波を消そうともくろむ公安と中国マフィアに尾行されるが、途中でまくことに成功。白戸は須波の車を追って日本リング社があるつくばへ向かう。

川本(丸山智己)は携帯の電波を追って須波と白戸の行き先を特定し、日本リング社へ向かう。しかし須波が乗ってきた車は手配中の宗教団体が使用している車のナンバーで、パトカーを呼び寄せることに。川本は逮捕されるが、須波と白戸は川本の銃弾を受ける。

須波は死亡し、警察病院で司法解剖された後、早々に無縁仏として処理されたという。川本は護送中に中国マフィアの襲撃に遭い、生き埋めにされる。張(呉汝俊)のもとには、後任の大牟田(眞嶋秀和)が送り込まれる。

白戸は千春(伊藤歩)と初めて会ったときのことを思い出す。それは白戸がまだ見当たり捜査員になる前、犯人と格闘していたときに道端で傍観していた女性の顔だった。

千春は施設に預けていた子どもを連れて再び白戸の前に現れる。千春は暴力をふるう夫から身を隠すため、子どもを児童相談所に預けて白戸の家に逃げたのだと告白する。白戸は千春と子どもを受け入れ、家族になる。

3人で街を歩いていると須波を見かけ、驚く白戸。さらに後日、白戸がずっと探していた行方不明の少女・新野真美を見つける。

最終話の感想(ネタバレ有)

原作よりもバイオレンス色の濃いドラマになっていましたが、面白かったです。
千春の正体がわかりやすく改変されていましたね。

千春に関しては原作の不気味な終わり方が好きだったんですけど、ドラマの結末もよかったです。松戸の施設とか背中の痣とか、けっこういろんなところに伏線が敷かれていたのに、全然気づかなかったな……。

白戸の覚醒

川本は、公安を裏切った須波さんをひそかに抹殺しようとしていました。

けれども整形した須波さんを東京の雑踏の中から見つけ出すことは、素人には難しい。
それで白戸を泳がせて自分たちの代わりに見つけさせたんですね。

原作には、白戸が須波さんを見つける前に、〈覚醒〉するシーンがありました。

20年前に1週間だけ一緒に働いた、特に親しくもなかったアルバイト仲間の顔を、白戸は雑踏の中で見つけ出すのです。そんなの常人にはありえないですよね。

白戸が〈覚醒〉するシーンの描写は、この作品の中でも強く印象に残るもので、読んでいても興奮しましたが、映像的には難しかったのかも。ドラマでは省かれていました。

前回、須波さんが白戸に「覚醒しろ」と言ったのは、白戸が〈覚醒〉しなければ整形後の須波さんの顔を見つけることは不可能だったから。

須波さんが川本をおびき出し「社会的に殺す」ためには、白戸の〈覚醒〉が必要不可欠だったのです。

そして白戸の〈覚醒〉は、忘れていた千春の「顔」を思い出すことにも繋がります。

須波と川本の関係

川本は、非公式の協力員(表に出せない仕事を請け負う要員)が欲しかった。
須波さんに目をつけた川本は、恋人の林小麗が殺されるように画策したと思われます。

林小麗は、公安の協力員でした。
川本はその情報を中国マフィアに流し、彼女を殺させたんですね。

その後、須波さんが中国マフィアに復讐し、中国マフィアから追われるようになることも、すべて川本の計算どおり。そのタイミングで須波さんに手を差し伸べれば、須波さんは川本にすがるよりほかないわけですから。

須波さんはその事実を知って、川本のもとを離れたのでしょう。

須波さんの作戦は、Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)を利用して警察の部隊を呼び寄せ、川本の悪事をバラし、社会的に殺すことでした。

そのために逃亡犯(宗教団体)が使用している車と同じナンバーの車を使って、川本を日本リング社におびき寄せたのです。

護送中の川本が中国人マフィアに襲われて海岸に埋められるシーンと、川本の代わりに大牟田(眞嶋秀和さん)が現れるシーンは、原作にはないオリジナル。

千春の正体

千春が隠していた過去は、ドラマオリジナルでしたね。
彼女がたびたび松戸へ足を運んでいたのは、施設に預けていた息子に会うためでした。

白戸は、出会い系サイトで知り合うより前に、千春と出会っていました。
共助課に来る前、白戸がまだ刑事課にいたとき。東京タワーが見える路上で。

このシーン、ちょっとわかりづらかったんですけど……。
白戸が捕まえた男は、千春の関係者(夫?)だったのでしょうか?

それとも、千春はただの通りすがりで、男とは無関係?
千春の外見があまりにも派手だったので、犯罪に関わっているようにも見え、混乱してしまいました。

いずれにせよ、暴力夫から逃げるために白戸のマンションに移り住んだということは、白戸と知り合った当時、彼女は人妻だったことになりますね。

2年間施設に預けていた子どもを引き取り、白戸と家族になった千春。
原作とは違い、幸せな結末でした。

ちなみに原作では、千春はある事件の容疑者の関係者でした。
白戸が出会い系サイトで千春の顔を(無意識に)選んだのは、彼女の顔を「参考写真」で目にしていたからです。

白戸は〈覚醒〉したがために、その真実に気づいてしまうんです。
ゾッとするでしょ?

少し複雑なストーリーでしたが、十分楽しめました。

普段生活する上で「監視されている」なんて意識したことはありませんでしたが、そういうことが簡単にできる世の中なんですね。怖いです。

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