ネタバレ有「スハウエンダム~12の疑惑~」全話あらすじ・感想・キャスト

「スハウエンダム~12の疑惑~」あらすじキャスト

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海外ドラマ「スハウエンダム~12の疑惑~」(全10話)についてまとめました。

湖畔の小さな村スハウエンダムの12日間にわたる異常事態を描くサスペンスドラマ。小さな町で生きる人々の心の闇に迫るスリリングなストーリーと、洗練された映像の美しさが見どころ。

第1弾「オルデンハイム~12の悲劇~」と同じプロデューサー陣による続編ですが、舞台も登場人物もまったく異なる新たなストーリーです。

作品概要

  • 放送局:WOWOWプライム
  • 放送時間:2020年8月15日(土)、22日(土)午後1:00~
  • 製作国:オランダ(2019年)
  • 原題:De 12 van Schouwendam
  • 監督: アン・ファン・デル・リンデン

あらすじ

オランダの湖畔の小さな村スハウエンダム。1995年、ヘリットの息子オラフと警官アラードの娘アリスという2人の高校生が、パーティーの帰り道に行方不明になる。アラードはオラフがアリスに何かしたのではないかと疑っていた。
そして25年後、自分はオラフだと語る男性が、老いたヘリットとアラードがともに入居している介護施設に現われる。彼は記憶喪失だが、アリスのブレスレットを持っていた。アリスの妹ウィレマインも彼がオラフだと感じだす。オラフだという男性がアラードの通報で警察署に連れて行かれた後、“自分は真実を知っている”と語ったマウトがボートに乗って湖に出たまま戻らない事態が発生。やがて見つかったボートから血痕が見つかり……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

謎の男(ハイス・ナバー/声:星野貴紀)
突然スハウエンダムに現れ、25年前に失踪した高校生オラフだと名乗る。記憶を失っており、3週間前にポーランドの小さな村ボフニャで倒れているところを保護された。自分が何者で、過去に何があったのか知るため、村人たちを訪ねて回る。

オラフ・ウィッテ(Gilliam Löw/声:小川凌輝)
25年前に失踪した16歳の少年。1995年、同級生アリスの父アラードの誕生日パーティーから帰る途中、アリスとともに姿を消した。失踪する数日前、マウトの父が経営するヨットハーバーの金庫の金を盗もうとして警察に連行されている。

アリス・ドロスト(Susan Radder/声:秋吉優衣)
25年前に失踪した16歳の少年。1995年、父の誕生日パーティーの帰り道に行方不明になる。当時ロヒールと付き合っており、オラフとは演劇仲間だった。失踪時身につけていたブレスレットは、当日父からプレゼントされたもの。

ウィレマイン・ドロスト(フォクリン・アウウェルケルク/声:石塚理恵)
アリスの妹。ロヒールの妻。薬物に依存し、ロヒールとの仲は冷え切っているが、何らかの秘密を共有している。25年前、パーティーでオラフがアリスを追っていく姿を目撃している。

ロヒール・ファン・パラント(ベンヤ・ブラウニング/声:佐々木望)
アリスの元恋人。現在はウィレマインの夫だが、秘書のソフィーと不倫関係にある。強引なやり方で水辺の土地を買い占め、スハウエンダムの4分の1の土地を所有している。オラフが戻ってきたと知って激しく動揺する。

エリック・ファン・パラント(Maarten Heijmans/声:石黒史剛)
ロヒールの兄。外科医。麻薬取引に関わっており、ロヒールと何らかの秘密を共有している。25年前、体育教師のレオと親しくしていた。

アラード・ドロスト(ヨープ・ケースマート/声:千葉哲也)
アリスとウィレマインの父。元警察官で、25年前の失踪事件はオラフによる犯行だと考えている。現在はオラフの父ヘリットと同じ介護施設で暮らしている。

ヘリット・ウィッテ(フープ・スターペル/声:赤星昇一郎)
オラフの父。かつてはガソリンスタンドを経営していたが、現在は妻を亡くして介護施設で暮らしている。帰ってきたオラフを見て心臓発作を起こし、病院に運ばれる。

マウト・ファン・クーレン(Nieloefaar Bahadori/声:清水はる香)
シーブレンの妻。ステインの母。オラフを名乗る男と会った後、「真実を話すべきよ」と何者かに電話をしていた。翌朝、船で海に出て行方不明となる。

シーブレン・ファン・クーレン(Mads Wittermans/声:森宮隆)
マウトの夫。ステインの父。夫婦でマリーナを経営しているが、ロヒールに一方的に賃貸契約を打ち切られる。エリックとともに麻薬取引に関わっている。

テッサ・デ・ハーン(エヴァ・ラウレンスン/声:宮本茉奈)
ヘリットとアラードが入居する〈ゾイデルキム介護施設〉の職員。レオとヨゼの娘。記憶喪失の男と惹かれ合い、深い関係になる。

レオ・デ・ハーン(ハヨ・ブロウンズ/声:山岸治雄)
高校の体育教師。テッサの父。30年間高校に勤務し、救助隊の一員としても活動している。シーブレンの息子ステインの自転車のコーチをしている。

ヨゼ・デ・ハーン(Simone Milsdochter/声:三沢明美)
レオの妻。テッサの母。ステインとシーブレンを心配し、夫とともに支えようとする。

ソフィー(Annelies Appelhof/声:園崎未恵)
ロヒールの秘書。ロヒールと不倫関係にある。ロヒールと妻ウィレマインが25年前の件で秘密を共有していることを知り、探るようになる。

カーライン・ファン・アンデル(カリーヌ・クルツェン/声:塩田朋子)
犯罪捜査部の捜査官。ピムからの要請を受けてスハウエンダムにやってくる。記憶喪失の男を疑いつつ、次々と起こる殺人事件の捜査にあたる。1年前に息子が自殺している。

ピム・ネイブール(マタイス・ファン・デ・サンデ・バッカイゼン/声:川田紳司)
村の警察官。アラードから連絡を受けてオラフと名乗る男を聴取し、犯罪捜査部に協力を依頼する。私生活では子どもを産んだばかりの妻ハーニャが情緒不安定な状態で、仕事中も常に心配している。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1995年。オランダの湖畔にある小さな村スハウエンダムで、オラフとアリスという2人の高校生がパーティの帰りに姿を消す。アリスの父で警察官のアラードは、オラフがアリスに何かしたのではないかと疑う。オラフの父ヘリットは息子が帰ってくることを信じて待つが、2人は戻らず、長い年月が過ぎる。
25年後、ヘリットが入居する介護施設に、オラフを名乗る男が現れる。ショックを受けたヘリットは心臓発作を起こし、救急車で病院に運ばれる。同じ介護施設で暮らすアラードは、アリスの行方を問い詰めるが、オラフは記憶をなくして覚えていないと言う。
父親から連絡を受けたアリスの妹ウィレマインは、オラフと名乗る男と話をする。男は3週間前にポーランドで保護され、意識不明の状態から目覚めたが、自分が何者か分からなくなっていたと説明する。男はアリスのブレスレットを持っていた。
警察で事情聴取を受けた男は、ここへ来た経緯を話す。25年前の記憶を取り戻すため、マウトに会いに行く男。行方不明になる少し前、オラフはバイト先のヨットハーバーで金庫の金を盗もうとしてマウトとウィレマインに見つかり、窃盗未遂の罪に問われていた。マウトはオラフが消える前の夜、オラフがアリスの恋人ロヒールに殴られているのを見たと話す。
翌朝、記憶喪失の男がロヒールの家を訪ねると、ウィレマインがいた。ロヒールとウィレマインは夫婦になっていた。
マウトの夫シーブレンは、今朝早く船で海へ出たきり戻ってこないマウトを探しに行き、沖でマウトの船を見つける。船は無人で、血痕が残っていた。

記憶喪失の男は、25年前にオラフを殴ったことについてロヒールに確認するが、マウトの話と食い違う。意識を取り戻したヘリットは記憶喪失の男をオラフと認めるものの、DNA検査による親子鑑定を拒否する。
行方不明になったマウトの捜索が続く中、犯罪捜査部のカーライン・ファン・アンデルがやって来る。やがてマウトの遺体が海で発見され、遺体に刺し傷があることから、殺人事件と断定される。マウトとオラフの事件に関連があると考えたカーラインは、ヘリットと男のDNA検査を行う。
アラードは記憶喪失の男に会いに行き、窃盗未遂事件のときにヘリットがオラフを叩くのを見たと告げる。男が問い詰めるとヘリットは事実だと認め、オラフが失踪したのは自分のせいだと思っていた、と打ち明ける。
警察の調べで、マウトが最後に電話したのはウィレマインだったことがわかる。マウトは留守電に「真実を話すべきよ」というメッセージを残していた。ウィレマインは25年前に金庫の金を盗んだのは自分とマウトで、その場にいたオラフに罪を被せたことを告白する。
DNA検査の結果、ヘリックと記憶喪失の男は親子ではないことが判明。男のDNAは船で見つかったDNAと一致し、カーラインは男を殺人の疑いで逮捕する。

記憶喪失の男の髪の毛が船で見つかり、カーラインは事件への関与を疑う。男とオラフ本人のDNAが一致するか確認するため、オラフの持ち物をヘリックから預かってくるよう命じられたピムだったが、妻ハーニャに呼び出され介護施設へ行くのが遅れてしまう。
警察が妻バウトの浮気を疑っていることを知ったヘリックは、真実を知る恐怖からオラフの持ち物を密かに処分する。アラードはオラフが生まれる前、バウトと一度だけ関係を持ったことを打ち明け、DNA検査を受ける。
マウトの船で少量のコカインが見つかり、シーブレンは動揺する。警察は経営データを調べ上げ、2万ユーロのクレーンを現金で払っていたことを突き止めるが、シーブレンは裏金だと口を濁す。
記憶を呼び覚ますため、男はウィレマインと一緒にアリスと最後に歩いた場所を辿る。バウケとアラードの関係を知って苦しむヘリットは、墓地でバウケの骨壺に話しかけていたが、その後遺体となって発見される。

妻バウケの骨つぼで殴られたヘリットが墓地で遺体となって発見される。ピムは現場から立ち去った人物が球根の栽培所あたりで消えたという目撃情報を追うが、何も得られない。
記憶喪失の男は、村に農園と小屋があったことを思い出し、激しく動揺する。DNA検査の結果アラードの息子ではないことが判明した男に、カーラインは心理学者の診察を受けるよう勧める。
シーブレンはエリックと麻薬の取引現場へ向かう。取引相手が妻マウトを殺した犯人だと思ったシーブレンは取引相手に襲いかかって反撃に遭い、金を奪われて取引を台無しにしてしまう。
薬物依存症のウィレマインは秘書ソフィーを夕食に招き、夫ロヒールとの不倫を問い詰める。ロヒールと口論になったウィレマインは、離婚しない理由をソフィーの前で口にしようとしてロヒールの怒りを買う。
地下室で縛られていた記憶を取り戻した帰り道、男は暗闇で銃撃される。ピムはアラードに話を聞きに行き、かつて地下に貯水槽があったこと、それをベースに地下道ができたことを知らされる。
記憶喪失の男はテッサと食事をし、トレーラーハウスで一夜を共に過ごす。

レオが農園を借りていたことからバウトとの関係を疑ったカーラインは、レオにDNA検査を依頼するが、頑なに拒否される。テッサと記憶喪失の男はDNA検査を受け、兄妹ではないことが判明。レオも検査を受け、親子ではないことが明らかになる。
地下道を発見したピムは、墓地から去った人物が地下道を通って逃げたことに気付く。農園の地下にも貯水槽があり、男が取り戻した記憶は正しいとわかる。男は医療センターで心理学者の診察を受け、回復には時間がかかると診断される。
ピムは農園を借りていたモレマに話を聞き、レオが定期的に少年たちを小屋に招いていたことを知る。レオは相談に乗ったりチェスをしていたと言うが、ある日エリックに迫られたことを明かす。
シーブレンはエリックから取引の損失分15万ユーロを穴埋めしろと要求され、悩んだ末に息子ステインに麻薬取引の件を打ち明ける。ステインに警察へ行くよう言われ、マウトの葬儀のあとカーラインに麻薬取引について告白する。
エリックは逮捕され、事情聴取を受ける。小屋での一件を聞かれたエリックは、レオに服を脱がされて関係を求められたため逃げ出したと話す。レオは小児性愛者だというエリック。

エリックは釈放されるが、25年前の失踪事件と2件の殺人について警察に疑われ、苛立ちを隠せない。沈黙を守るよう諭すロヒールに対し、「おまえの身代わりはごめんだ」と口走るエリック。
失踪したピムの妻ハーニャは、子どもと一緒に入水自殺を図ろうとしたところをレオの妻ヨゼに発見され、警察に保護される。どうしてと問うピムに、何も答えないハーニャ。
カーラインはテッサの父親レオを警察署に呼び、過去にエリックと何があったのか問いただす。レオはゲイであることを認め、小屋でエリックのキスに応じたことを話す。偶然そこへ現れて2人のキスを目撃したオラフをエリックが追いかけ、彼を貯水槽に監禁したという。レオはオラフを解放するが、警察へ行くというオラフを脅して口止めしたのだった。
警察から戻ったレオは、妻ヨゼと娘のテッサに真実を打ち明ける。テッサは「誰も襲っていない」という父親の言葉を信じ切れず、ステインに話を聞きに行く。ステインから話を聞いたシーブレンは激怒し、レオに「二度と息子に近づくな」と忠告する。
エリックのボートハウスでコカインが見つかり、再び連行されるエリック。カーラインは過去の出来事について正直に話せば麻薬所持と流通罪については減刑すると持ちかける。エリックはレオを誘ってキスしたことを認めるが、突然意識を失い起こして死んでしまう。死因は毒を盛られたことによる心臓発作だった。
さらに学校の体育館でレオが首を吊った状態で見つかり、首を絞められて殺された後に吊されたことがわかる。カーラインは一連の犯行を、オラフの人生を不幸にした人間への復讐だと考え、記憶喪失の男を疑う。
男はパーティーの夜の帰り道を辿る中、森の中の鳥小屋の近くである記憶を取り戻す。テッサと一緒に現場の地面を掘ると、土の中から人骨が見つかる。

記憶喪失の男は自分がアリスを殺して森の中に埋めたのではという恐怖にとらわれ、テッサを残して逃亡する。テッサの通報を受けて警察が追跡するが、男は見つからない。カーラインは2人が勝手に犯罪現場を荒らしたことを咎める。
白骨遺体はアリスと判明する。警察から連絡を受け、動揺するロヒールとウィレマイン。アリスの父アラードは、オラフを逮捕してくれと訴える。
記憶喪失の男が警察に出頭してくる。カーラインはトレーラーハウスにあったロープがレオ殺害に使用されたロープと一致したことを告げるが、男は「誰かが僕を嵌めようとして切り取った」と無実を主張する。
エリックとロヒールの父親マックスが、オラフの母バウケに好意を持っていたことをアラードから聞き出したカーラインは、エリックと記憶喪失の男のDNAを調べるが一致しない。カーラインは男がオラフである可能性は低いと判断し、記憶喪失を装ってオラフになりすましていると推測。男の供述の裏を取るため、ポーランドへ行くことを決める。
ピムは看護師を雇って妻ハーニャに付き添わせるが、ハーニャはパニックを起こして泣き叫び、ピムに「もう二度と私を置いていかないで」と懇願する。

記憶喪失の男を連れて、ポーランドへ行くカーライン。彼を発見した農夫と担当警官によると、強盗に頭を殴られて荷物を奪われ、所持品はアリスのブレスレットだけだったという。
さらに農家近くのバーで聞き込みをすると、畑で発見される前の晩、自分はオランダから来たオラフだと名乗り、店の電話を借りていたことが判明。電話の前のメモに書かれた番号にカーラインが電話すると、応えたのはウィレマインだった。
地元警察の再捜査によって、奪われたバッグと強盗犯が見つかる。強盗犯はバーで男に目をつけ、店を出たあと男の後頭部を殴ってバッグを奪ったと供述する。
オランダに戻ったカーラインは、検察官の命令でしぶしぶ記憶喪失の男を釈放する。殺人犯の疑いをかけられた男はアラードやシーブレンに襲われ、トレーラーハウスも追い出される。
ポーランドからの電話についてカーラインに聞かれたロヒールは無言電話だったと答えるが、通話時間は32秒だったことがわかる。ロヒールとウィレマインが25年前の秘密を共有していることに気付いたソフィーは、「警察に話す」とロヒールを脅して金を強請る。
捜査に行き詰まったカーラインは、村でただ1人のポーランド人であるピムの妻ハーニャに協力を求めようとするが、ピムに拒まれる。ピムがハーニャに出会った時、彼女はすでに妊娠6か月だったという。ハーニャの子どもの父親が記憶喪失の男ではないかと考えたカーラインは、ピムに無断でハーニャに会い確かめようとするが、駆けつけたピムに止められる。
警察の捜査が進展していないことに焦りを感じた記憶喪失の男は、ロヒールの家に押し入り、ウィレマインを拘束してロヒールに真実を告げるようナイフで脅す。

記憶喪失の男に脅されたウィレマインは、25年前の夜のことを話し始める。優秀な姉に嫉妬していたウィレマインは、パーティーでロヒールの気を引こうとしていた。だがロヒールはオラフを殴ってアリスから別れを告げられ、苛立っていた。
アリスとオラフが森へ消えていくのを見たロヒールとウィレマインは2人の後を追い、オラフに無理やりドラッグを飲ませて置き去りにした。ウィレマインは帰宅するものの姉が帰ってこないので心配になり、再び森へ戻ったが、2人の姿はなかったという。
ロヒールに黙っているように言われ、警察にも話せなかったというウィレマイン。さらに、彼女は現場に落ちていたオラフのメガネを今も隠し持っていると明かす。記憶喪失の男はメガネを奪い、トレーラーハウスのそばの桟橋の下に隠す。
その様子を目撃したディアナは警察に通報し、カーラインは男を逮捕して事情を聞く。警察がロヒールとウィレマインを探すが、夫妻の姿は消えていた。
レオが殺された体育館から男の血縁者と思われる人物のDNAが検出される。さらにメガネから検出されたオラフ本人のDNAが記憶喪失の男と一致しないことが判明。男がオラフではないことが明らかとなる。カーラインは男を問い詰めるが、背後から何者かに銃を突き付けられる。

カーラインに銃を突き付けたのはソフィーだった。記憶喪失の男とソフィーは、カーラインに手錠をはめてトレーラーハウスの中に監禁する。カーラインを殺そうとするソフィーを制し、男はオラフとの出会いについて語り始める。
南米を旅する途中でオラフと出会い、意気投合してベルギーの家へ連れて帰ったという。そこでは男の妹ソフィーが待っていた。ソフィーとオラフは恋に落ち、ソフィーは妊娠。だがオラフは過去について一切語ろうとせず、ソフィーに別れを告げて自殺を図る。病院に運ばれ一命をとりとめたオラフは、25年前の出来事について2人に語る。
マウトとウィレマインにやってもいない盗みの罪を着せられたこと。エリックとレオのキス現場を目撃して脅されたこと。パーティーの夜、ロヒールにドラッグを飲まされ意識を失ったこと。目を覚ましたオラフの手には石があり、そばにはアリスの遺体があったという。犯人と疑われることを恐れたオラフは、アリスをその場に埋めて逃げたのだった。
オラフは息を引き取り、ソフィーも流産してしまう。真相を突き止めオラフの潔白を証明するため、ソフィーはロヒールの会社に潜入。ロヒールと肉体関係を結んで真相を聞き出そうとしたがうまくいかず、男がオラフを名乗ってスハウエンダムへ行くことを決める。記憶喪失を装うため、ポーランドへ行って強盗に襲われる事件をでっちあげた。
マウトが今も嘘をつき続けていると知ったソフィーは、海でマウトを殺害。オラフの無実を信じなかった父ヘリットも墓地で殺害した。男を狙撃したのは、警察の捜査を攪乱するためだった。ソフィーはその後も犯行をやめず、エリックとレオを殺した。
男はソフィーを止めるためにロヒールとウィレマインを脅して真実を聞き出したが、ソフィーは2人が警察へ行くことを恐れて森の中で殺害した。結局アリスを殺した犯人はわからないままだった。
一方、ピムはテッサの母ヨゼを訪ねていた。ヨゼの家はアリスが殺された現場近くにあり、あの夜、アリスが助けを求めたのではないかと考えたからだ。ピムに問い詰められたヨゼは、25年前に産後うつを患っていたことを明かす。アリスが訪ねてきたとき、彼女は産まれたばかりのテッサに手をかけようとしていた。
アリスに見られたと思ったヨゼは、彼女を追って森の中へ行き、石で後頭部を殴って殺害。血のついた石を近くに倒れていたオラフの手に握らせ、立ち去ったのだった。ピムはテッサの前でヨゼを逮捕する。
ピムからの留守電を聞き、ヨゼが逮捕されたことを知るソフィー。そこへテッサが現れ、ソフィーはヨゼの代わりに彼女を撃つ。警察に包囲されたソフィーは、時計塔の上から身を投げて自殺する。
テッサは救急車で運ばれ、男は逮捕される。後日、男はオラフの墓にソフィーの骨壺を置く。

感想と解説

前作「オルデンハイム~12の悲劇~」より面白かった! 過去の秘密がひとつずつ解き明かされていく過程も楽しめたし、主人公の謎めいた男も、探偵役のカーラインも魅力的でした。

カーラインは「トラウマを抱えている」「思い込みが激しい」という点は前作の主人公ペギーと同じ。またこのタイプかーと正直がっかりしていたのですが、それがミスリードになっているという仕掛けが面白かった。

そしてたびたび登場する、事件とは無関係のハーニャ(警察官ピムの妻)が、実は最初から犯人を暗示していたというひねりのきいたプロットにも唸らされました。

ここから先は結末のネタバレに触れています。ご注意ください。

時系列(ネタバレ有)

事件の流れを時系列で整理してみました。

25年前の失踪事件の真相
  1. マウトとウィレマインが金庫の金を盗もうとし、オラフに罪を被せる
  2. エリックとレオがキス現場を見られ、オラフを脅して口止めする
  3. パーティーでロヒールがオラフを殴り、アリスがロヒールに別れを告げる
  4. 嫉妬したロヒールが森でオラフにドラッグを飲ませ、意識不明にする
  5. ロヒールとウィレマインは2人を置いて帰宅する
  6. アリスはヨゼの家に行き、助けを求める
  7. 子ども(テッサ)を殺そうとしていたのをアリスに見られたと思ったヨゼは、森でアリスを殺害。意識不明のオラフに石を握らせる
  8. 森で目が覚めたオラフは、血のついた石とアリスの遺体を見てパニックになり、アリスの遺体をその場に埋めて逃走
今回の事件の真相
  1. 南米を旅行中、男とオラフが出会う
  2. 男がベルギーの家にオラフを連れて帰り、オラフと男の妹ソフィーが恋仲になる
  3. ソフィーは妊娠するが、オラフが別れを告げて自殺を図る
  4. オラフは25年前の事件について2人に語り、死亡する
  5. 真相を突き止めるため、ソフィーがロヒールの会社に応募する
  6. 男がオラフになりすましてポーランドへ行き、強盗に襲われて記憶喪失になったふりをする
  7. オラフを名乗る男がスハウエンダムに現れる
  8. ソフィーが復讐のためマウトとヘリット、エリックとレオを殺す
  9. 男はソフィーを止めるため、ロヒールとウィレマインから真相を聞き出す
  10. ソフィーがロヒールとウィレマインを殺害する

それぞれの秘密と結末

ここからは、ドラマの主要人物が抱えていた秘密と結末についてまとめます。

オラフ

いちばん気の毒だった人。マウトとウィレマインに金庫のお金を盗もうとした罪を着せられ、アラードに逮捕され、父親のヘリットには殴られ、誰にも信じてもらえなかった。

そのうえレオとエリックが農園の小屋でキスしているところを偶然見てしまい、エリックに殴られて貯水槽に監禁され、レオに解放されるも「誰かに言ったら学校の金を盗んだ犯人に仕立てる」と脅されてしまう。

彼が信じていたのはアリスだけだった。そしてパーティーの夜、アリスにフラれたロヒールに無理やりドラッグを飲まされ、意識を失っている間にアリスがヨゼに殺され、目覚めると自分の手には血のついた石が。

パニックになったオラフはアリスの遺体をその場に埋め、落ちていた彼女のブレスレットをポケットに入れ、血のついた石を海に捨てて、逃走しました。

南米で男と出会うまで、25年間どこで何をしていたのか…。アリスを殺したかもしれないという罪悪感に、ずっと苦しんできたのでしょうね。最後は自ら命を絶ちました。

謎の男

本名は最後まで明かされませんでしたね。オラフを名乗っていましたが、別人です。記憶喪失も嘘。迫真の演技にすっかり騙されました。

目的は25年前の事件の真相を突き止め、友人で妹の恋人でもあったオラフの潔白を証明することでした。

オラフとは南米の旅の途中で出会い、1年以上一緒に旅をしたらしい。彼が持っていたアリスのブレスレットは、オラフが持っていたもの。

記憶喪失を偽装するためにポーランドへ行ったのは、スハウエンダムにポーランド出身のハーニャがいたから。捜査を攪乱させて正体がバレないようにしたんですね。

ポーランドからロヒール夫妻に電話したのは、2人にプレッシャーをかけるため。そして時々記憶を取り戻したふりをして、事件に関わる人物を追い込んでいきました。

途中からは次々と殺人を重ねる妹ソフィーを止めようと、かなり焦っていたようです。後半は捜査が進展しない警察にしびれを切らし、思い切った行動に。

最後はソフィーに撃たれたテッサに付き添い、逃げることもせず逮捕されました。

ソフィー

まさか彼女が犯人だったとは。ただの不倫相手だと思ってた。盲点でした。

彼女は謎の男の妹で、オラフの恋人でした。今回の時間は、彼女が死んだオラフのために真相を突き止めようと、村に乗り込んで調べ始めたのがきっかけ。ロヒールに近づいたのも、情報を得るためでした。

しかし事件の関係者が25年たった今も嘘をつき続けていることに怒りを抑えられなくなり、オラフを陥れたマウト、彼を傷つけた父親ヘリット、貯水槽に監禁したエリック、脅して口止めしたレオ、と次々と殺人を重ねていきます。途中からは兄に知らせず、独断でやっていたようです。

しかし兄が買ったロープを盗んでわざわざ犯行に使用し、兄に罪を被せるなんてひどいねぇ。もう正常な判断ができないところまで来ていたのでしょうか。

アリスを殺したヨゼが逮捕され、自ら手を下すことができないとわかったソフィーは、代わりにヨゼの娘テッサを撃ちます。

そしてカーラインの目の前で時計塔から飛び降り、自殺を図りました。

ヨゼ

アリスを殺した犯人。25年前のパーティーの夜、産後うつで情緒不安定だった彼女は、夜泣きをやめない娘テッサを殺そうとしました。そこへ偶然アリスがやってきたのです。

アリスはオラフのために「救急車を呼んで欲しい」と助けを求めにきただけだったのですが、娘を殺そうとしたところを見られたと思ったヨゼは、アリスを石で殴って殺しました。

そしてその石をオラフの手に握らせ、立ち去りました。

「オラフに罪を着せようと思った。でも夜が明けると彼もアリスも消えていて、わけがわからなかった。2人はずっと見つからず、凶器の石も消えて、警察が来ることもなかった。あなたと別れるのが怖かったの。あなたを失ってしまうなんて、ママは耐えられなかった。許して」

産後うつのハーニャが赤ん坊と一緒に入水自殺を図ろうとしたとき、彼女を見つけて説得したのがヨゼでした(第6話)。自分も同じ経験をしたからわかる、と語っていたヨゼ。

ハーニャはずっと、犯人に繋がるヒントを視聴者に与えていたわけです。

ロヒールとウィレマイン

彼らが25年間隠し続けてきた秘密は、第9話で明らかになりました。

パーティーの夜、ロヒールはオラフを殴り、アリスに愛想を尽かされて別れを告げられていました。アリスに嫉妬していたウィレマインは、ここぞとばかりにロヒールに言い寄ります。

2人はアリスとオラフを追って森の中へ入り、ロヒールはオラフに無理やりドラッグを飲ませて意識不明にしてしまいます。アリスはウィレマインに助けを求めますが、ウィレマインはロヒールと一緒に2人を置き去りにしました。

翌日になっても2人は帰宅せず、ウィレマインは警察官の父親に話そうとしますがロヒールに止められ、それ以来ずっと沈黙を守ってきたのです。エリックが知っていたのは、ロヒールが話したから。

最後はオラフを名乗る男に真相を語り、ソフィーに殺されました。

レオとエリック

25年前、農園の小屋でキスをしていたレオとエリック。オラフは偶然その現場を見てしまい、焦ったエリックはとっさに「レオに無理やりされた」と嘘をつきます。

オラフは警察へ行こうと主張しますが、エリックはオラフを殴って貯水槽に監禁。レオはエリックから話を聞いて、オラフを解放します。しかしレオもまた、ゲイであることが知れ渡るのを恐れ、オラフを脅して口止めしました。

レオがDNA検査を拒んでいたのは、以前、通っていたゲイクラブに警察の捜査が入ったことがあったからです。ゲイクラブに出入りしていることがバレたら学校にいられなくなり、結婚生活も破綻すると。

レオはソフィーに自殺に見せかけて殺され、エリックはロヒールに会いに来た際にソフィーに毒を盛られ、警察の事情聴取中に心臓発作で死にました。

カーライン

優秀だけど息子の自殺というトラウマを抱え、危うい一面も持つ捜査官。当初からオラフを名乗る男をとことん疑い、ピムや検察官からは「犯人を1人に絞りすぎ」「視野が狭い」と指摘され、精神面を心配する声もあがっていました。

男の供述の裏付けを取るためにポーランドへ向かうも、矛盾は見つからず、無駄足のように見えましたが…。

蓋を開けてみると、かなりいい「読み」だったことがわかります。

「時々過去を思い出すの。常にぴったりのタイミングでね。でも実際は誰かに情報をもらってるのよ、誰なの?」

第7話のこのセリフも、まさに真実を突いているんですよね。彼女の読みどおり、彼はオラフではなく、オラフから聞いた情報をもとに記憶を取り戻したふりをしていたわけですから。

わたしは謎の男にすっかり騙されていたので、カーラインの思い込みや決めつけによる捜査に苛立ちながら見ていたのですが、ミスリードだったわけですね。いい意味で裏切られました。

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