ネタバレ有「刑事シンクレア シャーウッドの事件」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)・予告動画

英国ドラマ「刑事シンクレア シャーウッドの事件」あらすじキャスト

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英国ドラマ「刑事シンクレア シャーウッドの事件」(全6話)についてまとめました。

2022年6月にBBC Oneで放送され、「今年度最高のBBCドラマ」「ここ数年で見た中で最も説得力のある番組」ほか、数々のメディアから絶賛された最新作脚本家ジェームズ・グラハムが育った集落で実際に起き、英国全土を震撼させた2つの殺人事件に着想を得て制作された社会派ミステリー!

AXNミステリー公式サイトより

ロビン・フッドゆかりの地ノッティンガムシャーを舞台に、殺人事件の捜査と1980年代の炭鉱ストライキによる悲劇を描いた、社会派ミステリードラマ。IMDbの評価は7.4。

「ウォーキング・デッド」のデヴィッド・モリッシーをはじめ、「華麗なるペテン師たち」のロバート・グレニスター、「ダウントン・アビー」のジョアン・フロガット、「カササギ殺人事件」のレスリー・マンヴィル、「ニュー・トリックス」のアラン・アームストロング、「ルイス警部」のクレア・ホルマン、「名探偵ポワロ」のフィリップ・ジャクソンといったオールスターキャストにも注目です。

作品概要

  • 放送局:AXNミステリー
  • 放送時間:2022年10月8日(土)16:00~一挙放送 
  • 製作国:英国(2022年)
  • 原題:Sherwood
  • 脚本:ジェームズ・グラハム
  • 監督:ルイス・アーノルドほか

あらすじ

ロビン・フッドゆかりの地ノッティンガムシャーに住む元炭鉱労働者のギャリーが“矢”で殺害される。刑事シンクレアたちは捜査を進めていくうちに、この事件が悪夢としていまだに人々の記憶に残る1984年に発生した炭鉱労働者のストライキに端を発した事件ではないか?という疑念に至る。そして第2の殺人事件が起こる…。果たして殺人の目的は?

AXNミステリー公式サイトより

予告動画

用語解説

1984年の炭鉱ストライキ

サッチャー政権時代、政府による赤字炭鉱閉鎖計画に反対した全国炭鉱労働組合(NUM)が敢行したストライキのこと。サッチャー時代とその後の英国の行く末を決定づけた重大な政治的・社会的事件。

政府は2万人の失職につながるこの炭鉱閉鎖計画が炭鉱労働者の大規模な反抗を受けることを予測し、法的整備によるストライキ対策を十全に行っていた。そのため争議行為の随所に「違法性」が見いだされることとなり、警官による激しい弾圧が行われた。

政権側の様々な「切り崩し」策により炭鉱労働者たちは徐々に分断され、職場復帰する者が増えたことで、1985年3月3日、約1年間に及ぶ戦いは炭鉱労働者側の敗北という形で幕を閉じた。

スト破り

ストライキ中であるにもかかわらず、使用者側について業務を続けること。特に、使用者がストライキに対抗して雇用者の一部や外部からの雇用者を就業させること。また、その労働者。

ピケットライン

スト破り防止のための監視線。労働組合員が会社・事業所などの出入口に立番し、スト破りが出ないように見張っていた。

登場人物(キャスト)

警察

イアン・シンクレア(デヴィッド・モリッシー)
ノッティンガムシャー警察の警視正。炭鉱集落で起きた殺人事件を捜査する。1984年当時、父親のロンは炭鉱夫でギャリーと同じスト参加者だった。収穫祭の夜に起きた襲撃事件で警察官として苦渋の選択を迫られ、心に深い傷を残すこととなった。現在は妻ヘレンとともに村はずれに住んでいる。

ケヴィン・ソールズベリー(ロバート・グレニスター)
ロンドン警視庁の警部補。警視総監の命令でノッティンガムシャーの捜査を手伝うことになり、因縁の相手であるイアンと再会する。1984年の炭鉱ストライキの際、地元警察の応援のため村に派遣され、スト参加者の娘ジェニーと恋に落ちた。収穫祭の夜に重大な過失を犯し、今もその苦しみを抱えて生きている。

ジャクソン家

ギャリー・ジャクソン(アラン・アームストロング)
殺人事件の被害者。元炭鉱労働者。1984年の炭鉱ストライキで全国炭鉱労働組合を支持し、村では少数派のスト参加者だった。30年たった今も“スト破り”を嫌悪し続けており、一部の住民から嫌われている。当時、ある人物の告発により放火容疑で逮捕されたが、ケヴィンの証言でアリバイが成立し、告訴が取り下げられた。

ジュリー・ジャクソン(レスリー・マンヴィル)
ギャリーの妻。最愛の夫が殺され、ショックを受ける。1984年には積極的にストの参加者たちを支援していた。隣に住む妹のキャシーとは仲違い状態で、長年敬遠し合っている。

ロージー・ジャクソン(シャネル・クレスウェル)
ジュリーとギャリーの娘。シンデレラとノアの母。2人の子供を両親に預け、海外へ出かけている。

シンデレラ・ジャクソン(Safia Oakley-Green)
ギャリーとジュリーの孫。母親のロージーが海外にいるため、祖父母宅に預けられている。家族に内緒でスパロウ家の次男ロナンと付き合っている。

ラウリー家

キャシーラウリー(クレア・ラッシュブルック)
ジュリーの妹。夫のフレッドと、彼の連れ子であるスコットと3人で村に住んでいる。隣に住む姉のジュリーとは仲が悪く、家族で敬遠し合っている。

フレッドラウリー(ケヴィン・ドイル)
キャシーの夫。前妻との間にスコットをもうけ、その後離婚してキャシーと再婚した。スコットを引き取るものの、ほとんど会話をしていない。炭鉱労働者だが、1984年のストには参加しなかった。

スコット・ラウリー(アダム・ヒューギル)
フレッドの息子。3歳の時に両親が離婚し、揉めた末に父親であるフレッドに引き取られた。愛情に飢え、引きこもり生活を続けている。給付金詐欺で判決を待つ身だが、突然姿を消す。

フィッシャー家

アンディ・フィッシャー(アディール・アクタル)
電車運転士。鉄道オタクで空気が読めない。妻を亡くし、息子のニールと2人で生きてきた。ニールがサラと結婚したことで生活が一変してしまい、戸惑いを隠せない。

ニールフィッシャー(バリー・ギル)
アンディの息子。住宅金融組合で働いている。父親思いの優しい性格。サラと結婚して新婚生活を始めるが、ことあるごとに衝突するサラとアンディに気を揉む。

サラ・ヴィンセント(ジョアン・フロガット)
ニールの妻。保守党議員。気が強く、歯に衣着せぬ物言いをする。舅のアンディと反りが合わず、何かと喧嘩腰になってしまう。父親はスト当時、働く炭鉱夫を乗せるバスの運転手だった。

スパロウ家

ミッキー・スパロウ(フィリップ・ジャクソン)
スパロウ家の主。集団を嫌い、家族でタクシー業を営んでいる。麻薬犯罪で告発されたこともあり、住民から敬遠される存在。

ダフネ・スパロウ(ロレイン・アシュボーン)
ミッキーの妻。小学校の理事をしている。夫と子供たちを愛し、自分たち家族に疑いの目を向ける警察を憎む。

ローリー・スパロウ(ペリー・フィッツパトリック)
スパロウ家の長男。タクシー業を手伝う傍ら、怪しげなネット事業に手を出している。

ロナン・スパロウ(ビル・ジョーンズ)
スパロウ家の次男。家族に内緒でシンデレラと付き合っている。

そのほか

ヘレン・シンクレア(クレア・ホルマン)
イアンの妻。夫にも話していない重大な秘密を抱えている。母親は石炭庁に勤めていた。

ロン・シンクレア(マーク・アディ)
イアンの父。1984年当時、村では少数派だったスト参加者だった。

マーティン・シンクレア(マーク・フロスト)
イアンの弟。1984年の炭鉱ストライキの際、イアンとともに働く炭鉱夫を警護する役目に就いていた。収穫祭の夜に起きた事件で大怪我を負った。

ジェニー・ハリス(ネイディーン・マーシャル)
イアンの友人ジェイコブの妻。小学校の校長。1984年当時、村に派遣されていたケヴィンと恋に落ち、密かに交際していた。しかし収穫祭の夜に起きた襲撃事件によって人生が一変してしまう。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ノッティンガムシャーの炭鉱集落で、ニールとサラの結婚式が行われる。招待客の中には、地元で育ったノッティンガムシャー警察の警視正イアン・シンクレアとその妻ヘレン、元炭鉱夫のギャリー・ジャクソンとジュリー夫妻らがいた。
ジュリーの妹キャシーは、夫であるフレッドの連れ子スコットの扱いに悩んでいた。スコットは給付金詐欺の容疑で判決を待つ身だったが、家族との会話を拒み、部屋に閉じこもってネットの世界に没頭していた。
その夜、ギャリーは犬の散歩に出かけたまま帰宅せず、翌朝路上で遺体となって発見される。胸にはクロスボウの矢が刺さっていた。
ギャリーは全国炭鉱労働組合(NUM)の会員で、1984年の炭鉱ストライキの際にはNUMを支持した数少ないスト参加者だった。彼は30年たった今も村の多数派である“スト破り”を嫌悪し続け、彼らの悪口を言い続けていた。
当時若き巡査として現場にいたイアンは、ギャリーが1984年の10月に放火容疑で逮捕された際の資料を確認するが、内容は一部修正され閲覧禁止になっていた。イアンは当時この事件で証言をしたロンドン警視庁のケヴィン・ソールズベリー警部補に連絡を取り、詳細を知らせて欲しいと頼む。
だが警視庁の上層部はそれを拒み、代わりにケヴィンを現地に送り込んで捜査に協力させることを決める。

殺人事件の捜査が続けられる中、ニールの父アンディが運転する列車が矢で攻撃される。アンディを狙ったものと思われたが、彼には心当たりがないという。アンディは妻を亡くした後、息子のニールと2人で生きてきたが、ニールがサラと結婚したことで生活が一変。アンディの考えを無視して強引に推し進めるサラに鬱屈を感じていた。
ギャリーの庭で見つかった粉の袋から、ミッキー・スパロウと息子ローリーの指紋が検出される。スパロウ家は麻薬犯罪で告発されるなど疑惑が多く、住民からも敬遠されていた。スパロウ家を調べると列車に当たったのと同じ模様の矢が見つかり、イアンはその場でミッキーとローリーを殺人容疑で逮捕する。ギャリーの孫シンデレラは密かにスパロウ家の次男ロナンと付き合っていたが、知らせを受けて彼と距離を置くことを決める。
しかし矢による攻撃は止まらず、ギャリーの事務弁護士チャクラバルティが狙われる。彼はギャリーから頼まれ、1984年の不当逮捕について調べていたという。
ギャリーの飼い犬の口から検出したDNAが、スコット・ラウリーと一致する。警察はラウリー家に踏み込むが、スコットの姿はなかった。キャシーとフレッドはスコットとの希薄な親子関係を口にし、彼が事件の夜から失踪していることを明かす。
イアンはスコットの車庫を調べ、ギャリーに関する資料と計画の痕跡を発見する。車庫の天井には「みんな嘘つきだ」と落書きされていた。さらに、スコットの口座を調べると、彼は1万5000ポンドもの大金を全額引き出していた。
ケヴィンはかつての恋人ジェニーと再会し、互いに気まずい思いをする。ロンドンに帰ろうとしたケヴィンだったが、事件の続報を聞いて戻ることを決め、捜査チームに復帰する。
イアンとケヴィンは事務弁護士のチャクラバルティから、ギャリーが30年前に自分を逮捕させた覆面捜査官を捜していたことを知らされる。当時、政府は架空の身分を持つ特別デモ捜査班(SDS)のスパイ警官を炭鉱の村に送り込み、情報を送らせていたという。さらに、その人物は任務終了後も村を去らず、今も正体を偽ったまま暮らしているというのだ。
アンディは預かった宅配の荷物をサラに届けるため隣家を訪ね、彼女と口論になる。自殺した亡き妻を軽視するような発言に、たまりかねたアンディは衝動的にその場にあった鋤でサラを殴り殺してしまう。

イアンは記者会見を開き、失踪したスコットを捜索中であることを公表。キャシーは会見でスコットに自首を呼びかける。
そんな中、出張から戻ったニールが自宅でサラの遺体を発見する。凶器の鋤はサラがネットで注文したものだとわかり、不在票も見つかる。イアンは連続殺人を疑うが、サラの父親は“スト破り”に味方した人物で、ケヴィンは1件目の殺人とは明らかに傾向が違うと話す。
スコットが口座から引き出した1万5000ポンドは、フレッドが離婚時に自身の退職金を息子に与えたものだった。当時炭鉱が閉鎖され子育ての余裕がなかったフレッドは、スコットを前妻に引き渡したが、彼は新しい家になじめなかったという。両親から望まれずに育ったスコットに、イアンは同情を覚える。
ギャリーの即席追悼式を行うため、炭鉱労働組合の仲間たちが村にやってくる。彼らはストに参加しなかった住民たちを責め、村に紛れ込んでいるスパイを探していると話す。
ジュリーの家にスコットが侵入し、ゲーム機の登録名を“ロビー・プラット”に変更する。その名前を見たジュリーは、ギャリーの遺品の中に同じ名前が書かれた手帳があったことを思い出す。
ケヴィンはパブへ行き、住民と喧嘩沙汰を起こす。知らせを受けて駆けつけたイアンはケヴィンを連れ帰り、「何もわかっていない」となじる。ケヴィンは「何もかもあんたのせいだ」とイアンを責める。
翌朝、ジュリーは庭の壁越しにキャシーの泣き声を聞き、思わず声をかける。自分の息子がギャリーを殺したことに胸を痛め、泣きながらジュリーに謝罪するキャシー。
イアンはサラの荷物を受け取ったのがアンディだと知り、車で移動中のニールに電話して出頭するように伝える。車を運転していたアンディは動揺し、車を下りて森へ逃げ込む。

ゴルフ場で新たな犠牲者が出る。エイミー・ウィスタブルがスコットの放った矢を受け、負傷したのだ。エイミーと一緒にいたジェイコブはイアンの友人で、ジェニーの夫だった。ケヴィンはジェイコブの聴き取りを行い、彼がエイミーと浮気をしていたことを明らかにする。
ノッティンガムシャー警察は森に潜伏するスコットとアンディの捜索を迫られ、やむなくロンドン警視庁から応援部隊を迎えることに。30年前の二の舞だと抵抗するイアンだったが、新たなる犯行を防ぐため渋々同意する。
イアンはジュリーから「ロビー・プラット」について聞かされる。ギャリーが保管していた新聞記事に写真が載っており、ギャリーはその名前に印を付けていた。写真には若き日のイアンも写っていた。
ダフネは次男のロナンがジュリーの孫シンデレラと付き合っていることを知り、ジュリーにその事実を告げて2人の交際を許す。
スコットの犯行の動機が覆面捜査官を見つけ出すことだと推測したイアンとケヴィンは、炭鉱労働組合の代表ヘイルと面会する。ヘイルは当時の政府と警察がスパイを送り込んだと考えており、それによって民衆を分断したと話す。さらに、ストは政府が望んでいたことだと話し、彼らの真の目的は“国有化された産業にストを起こすこと”だったと指摘する。
ケヴィンは“ロビー・プラット”について調べるため、ロンドン警視庁へ向かう。上層部は元覆面捜査官の調査に難色を示すものの、写真の人物が15年前に引退した“ラゲット”であることを教える。
ケヴィンはラゲットに会い、彼が覆面捜査官の“ロビー・プラット”であることを知る。1984年当時、彼を含む5人の覆面捜査官が活動していたが、彼は任務終了後に全員引き揚げたはずだと主張する。
しかしケヴィンの話を聞くと、裏切り者の可能性があるのは“キーツ”だと思い出す。署への同行を命じるケヴィンに、秘密は死ぬまで守り抜くと頑なに拒むラゲット。彼はケヴィンが電話に出ている間に4人の仲間あてに「裏切り者がいる」というメッセージを送り、拳銃自殺を図る。
ケヴィンに電話をかけてきたのはイアンの妻ヘレンだった。ケヴィンが自分をスパイと疑っていることに気付いたヘレンは、会って話したいと言う。

森の中でアンディに遭遇したスコットは、彼を隠れ家に連れて行き「手を貸してほしい」と頼む。いよいよ捜索隊が迫り、スコットは“スパイ捜しゲームをしたい人?”というメッセージを残してアンディとともに移動する。
ケヴィンはイアンの妻ヘレンが覆面捜査官ではないかと疑うが、彼女はその説を否定する。そして父親から虐待を受けていた過去を打ち明ける。ヘレンの資料が閲覧禁止になっていたのは、母娘で承認保護を受けていたからだった。
1984年10月。ロンドン警視庁からノッティンガムシャーの炭鉱集落に派遣されていた若き巡査ケヴィンは、村の娘ジェニーと恋に落ちる。彼女はスト参加者であるジョナサンの娘だったため、2人の関係は周囲には秘密だった。
収穫祭の夜、村に潜入していた覆面捜査官“キーツ”は、ジェニーから秘密を打ち明けられる。“キーツ”はケヴィンがバス車庫の見張りを抜け出してジェニーとデートすることを知り、その情報をスト参加者のギャリーや、イアンの父ロンたちに与える。
ギャリーは反対するが、ロンとジョナサンたちはバス車庫から警察の食料を盗むことを計画。ケヴィンがいない隙に決行するが、逃げる際にストーブの火が燃え移り、火事を起こしてしまう。
計画に参加していなかったギャリーは、市民農園でデートしていたジェニーとケヴィンに偶然遭遇する。イアンと弟のマーティンは火事の現場に駆けつけ、ジョナサンの遺体を発見。父親がまだ中にいると思い込んだマーティンは、炎の中に飛び込んで大火傷を負う。
“キーツ”は自分の責任だと後悔しながらも、上司に問われて車庫を襲撃したと思われるギャリーたちの名前を伝える。それによってギャリーが誤認逮捕されてしまう。
イアンはケヴィンの供述を取るよう命じられ、ケヴィンを聴取することに。ケヴィンは昨夜ギャリーを農園で見たと証言するが、勤務時間中に持ち場を離れてジェニーと会っていたことが露呈し、イアンは激しく非難する。
ケヴィンはロンドンに戻され、イアンは上司から証言を求められる。煩悶しながらも、警察官としての正義を選び、父親ロンと友人たちを告発するイアン。ロンはイアンの目の前で逮捕される。
任務に疑問を抱き始めた“キーツ”に、ミッキーは「集団の外側で心のままに人生を生きないか」と誘う。“キーツ”の正体はダフネ・スパロウだった。
現在。自首することを決めたアンディに、スコットは携帯電話と武器を手渡す。ニールはアンディからの留守電メッセージに気付き、警察に通報。位置情報を確認したイアンたちは森の中でアンディを見つけ、追跡する。説得を試みるニールだったが、アンディは武器を持ったまま警官に向かい、射殺される。

スパロウ家の扉にスコットの矢が刺さり、不安を隠せないダフネ。息子のローリーは、スコットの標的は自分で、逃亡に手を貸すよう頼まれていたが無視したと話す。
イアンは妻ヘレンを疑ったことで夫婦仲が壊れ、上司からはスパイ捜しをやめるよう命じられる。ケヴィンは鑑識の友人から送られてきたラゲットの携帯の写真をイアンに提示。そこには彼がメールを送った4人の元スパイの電話番号が表示されていた。イアンは唯一電話が繋がった相手に「過去を正そう。君を助けたい」と告げるが、相手は名前を名乗らないまま電話を切ってしまう。
そんな中、ミッキーが農園に寝泊まりしていたスコットを発見し、警察と住民が協力してついに確保に成功する。しかし、取り調べで彼が語ったギャリーの殺害動機は、炭鉱ストとは全く関係のないものだった。
家族の愛に飢え孤独を抱えていたスコットは、幸せな家庭を持ち、常に住民の注目を浴びるギャリーに屈折した思いを抱いていた。スコットは給付金詐欺についても無実を訴え、「誰も俺を見ない」と吐き捨てる。スパイの存在を匂わせたのは警察を攪乱するためで、正体は知らないと言う。
ケヴィンはジェニーと会って過去の出来事について謝罪し、彼女に対する長年の想いを終わらせる。覆面捜査官の正体にこだわるイアンに「今さら知って何になる?」と告げて村を去る。
イアンは集会を開き、事件の顛末を説明。集まった住民たちに、互いに思っていることを吐き出すよう促す。フレッドは長年“スト破り”と言われ続け、怯えながら暮らしてきたことを打ち明ける。
ジュリーは分断こそが政府の狙いだったと言い、利用されたうえに何十年も過去にしがみついて憎み合っている自分たちに、未来はないと話す。
イアンはジュリーの家を訪ね、彼女から昔のダフネの写真を見せられる。ジュリーはダフネの父親が存在しないことを告げ、彼女がスパイである可能性を示す。
シャーウッド小学校で収穫祭のイベントが開催される。イベントに参加したダフネは、携帯電話から寄付をする際に誤って「ダフネ・スパロウ キーツ」と打ち込んでしまう。表示された画面を見たイアンは逃げ帰ったダフネを追いかけ、拳銃自殺を図ろうとする彼女を説得する。
「彼女に戻るくらいならダフネ・スパロウとして死ぬ」というダフネに、イアンは「誰にも話す気はない。ここだけの秘密だ」と約束して彼女を救う。
後日、スコットが隠した数万ポンドが森の中に眠っているという噂が流れ、ローリーとディーノは埋蔵金を見つけようと森へ向かう。

感想

数々のメディアから絶賛されただけあって、とても見応えのある作品でした。

実際に起きた殺人事件と、歴史的な出来事を組み合わせた複雑なストーリーでしたが、スパイの正体が暴かれていく後半の展開は震えるほど面白かったです。

元炭鉱労働者で過激派ストの参加者が殺されたことで、過去の炭鉱ストライキに端を発した事件ではないか?と考える刑事イアン・シンクレア。彼自身も村育ちで、父親は殺された被害者と同じ立場の炭鉱労働者でした。

イアンとともに捜査するのは、ロンドン警視庁から派遣されたケヴィン・ソールズベリー。30年前に起きたある事件でイアンと出会い、そのことが彼の人生を一変させることとなりました。

30年経った今も、イアンとケヴィンの間には拭いきれないわだかまりが残ったまま。再会した当初、互いに口には出さなかったものの、捜査を続けるうちにその鬱屈が徐々に噴出していきます。

それと同時に、次第に明らかになっていく1984年10月の夜の事件と、スパイの正体。悲しいのは、当時のイアンもケヴィンもスパイの“キース”も、残酷すぎるほど若かったこと。何が正しいかもわからず、命じられるままに動くしかなかった彼ら…。

英国の炭鉱ストライキは映画などで少しは知っていたものの、本作ほど深く切り込んだ作品を見たのは初めてだったので、とても勉強になりました。殺人事件のほうは、キース・フログソン殺人事件に基づいています。

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