WOWOW連続ドラマ「トップリーグ」第1話のあらすじと感想です。
WOWOWが得意な骨太の社会派ドラマが始まりました。まだ初回ですが、とても重厚で期待できそうです。
第1話のあらすじ
大和新聞の記者・松岡直樹(玉山鉄二)は、1年という約束で経済部から政治部へ異動になる。松岡は初めて参加した近藤官房長官(小林薫)の定例会見でルールを無視した質問を繰り返し、近藤の目に留まる。
取材をするうちに、ごく一部の記者が近藤から特別扱いを受けていることを知る。彼らは「トップリーグ」と呼ばれる、担当の政治家から特別な情報をもらえる特権を持った記者だった。“永田町のトップリーグ”と呼ばれる政治部長の阿久津(陣内孝則)は、松岡に「トップリーグに入れ。そこからが本当の取材だ」と言う。
一方、松岡の元同僚で週刊誌記者の酒井祐治(池内博之)は、都内の埋立地で発見された旧紙幣1億5千万円が1981年に日銀で発行され、日本不動産信用銀行に供給された紙幣であることを警視庁捜査一課の刑事・柴田(光石研)から聞き出す。
酒井はその金が昭和59年に起きた戦後最大の疑獄事件「クラスター事件」でばらまかれた裏金の一部ではないかと疑い、独自に調査を始める。やりたい仕事ができずストレスを抱えていた新人の大畑康恵(佐久間由衣)も協力を申し出る。
酒井は当時日本不動産信用銀行の総務部長だった久保民男が金の正体を知っていると見て、久保に取材をかけるが、久保は意味深な言葉を残した後、強盗事件に巻き込まれて死亡する。
ついに「トップリーグ」に入った松岡は、懇談会に出席した帰り、阿久津に呼び出されてバーに赴く。そこには近藤の姿があった。
第1話の感想
いきなりトップリーグ入りする主人公
1年だけ、という約束でしぶしぶ政治部への異動を飲んだ主人公・松岡。
しかし「トップリーグ」の存在を知り、野心に火が付いたようです。
政治部の記者たちの間にある暗黙のルールが面白いですね。
会見での質疑応答は決まりきったことだけ、とか。
取材相手が言ったことを各社同じになるように一字一句合わせる、とか。
何も知らない松岡は、いきなりそのルールを破って会見で突拍子もない質問をしてしまい、他社の記者たちから睨まれることに。
ところがなぜか近藤官房長官に気に入られ、トントン拍子に「トップリーグ」入りを果たしてしまう。
ちょっとうまくいきすぎな気がしますね。
野間口さんじゃないけど、何か裏があるのでは?と思ってしまいます。
元同僚・酒井に何があったのか?
もうひとりの主人公・酒井は、かつては松岡と同じ大和新聞政治部の記者でしたが、現在は週刊誌の記者に。
新聞社を辞めるとき、彼は松岡に「新聞記者なんて何の意味もねえ」と言っていましたが、何があったんですかねぇ。その理由を、松岡は今も知らないようでした。
新聞記者を辞めた理由について、酒井は新人の康恵にこんなふうに語っていました。
「飲み込まれていくんだよ。自分でも知らないうちに……どんどん深みにとらわれていく」
かつて酒井が辿った道を、松岡が辿ろうとしているのでしょうか。
小林薫さんも陣内孝則さんもクセモノの匂いがプンプンするし……恐ろしいです。
でも松岡はけっこう図太そうだし、そんな簡単には取り込まれないかも。
クラスター事件とは?
埋立地で発見された金庫の旧紙幣1億5千万円の正体を、昭和59年の「クラスター事件」で流れた裏金だと疑う酒井。
「当時アメリカ最大の航空機メーカー・クラスター社が、航空機を売り込むために巨額の金を日本政財界にばらまいた。時の総理大臣まで逮捕された。戦後最大の疑獄事件です」
「ロッキード事件」ですね、これは。年代は違うけど。
酒井のメモによれば、クラスター社がばらまいた金のルートは3つ。
- 日亜ルート(5億円)
日亜航空 ⇒ 族議員と官僚 - 帝東ルート(5億円)
帝東商事 ⇒ 総理大臣ほか - 筒美ルート(30億円)
筒美忠生 ⇒ 政治家
①と②は関係者が全員逮捕されて解決。
③は今も全容がわかっていない。
当時の30億円は、現在の価値にすると120億だそうで。
酒井は「当たれば大スクープ」だと意気込んでいましたが、有力な証言を得られそうだった久保民男が口封じで殺されてしまいました。
これ以上踏み込めば、おそらく酒井も命を狙われることになりますよね。
で、ふとここで気づくわけですが、松岡もこの金庫について言及してたんですよね。近藤官房長官の会見で。
近藤さんが松岡を「トップリーグ」入りさせたのは、口封じが目的なのか……?
怖い怖い。けど面白い。
次回が楽しみです。
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