海外ドラマ「イエローストーン」シーズン2(全10話)についてまとめました。
モンタナの広大な自然を舞台に、家族と土地を守るための壮絶な戦いが描かれる“現代版・西部劇”の第2シーズン。新たに登場する実業家ベック兄弟によって、土地をめぐる抗争はさらに複雑に、激しくエスカレート。
ジョンと袂を分かったジェイミーがどんどん追い込まれていき、見ていて可愛そうになるほど。新人のジミーは意外な才能を発揮します。ケイシーとモニカ、ベスとリップの愛の行方にも注目です。
今回もたくさん人が死にますのでご注意を。
▼シーズン1はこちら
Contents
作品概要
- 放送局:WOWOWプライム/WOWOW4K
- 放送時間:2022年3月15日(火)から毎週火曜20:00~ほか ※2話ずつ放送
- 製作国:アメリカ(2019年)
- 原題:Yellowstone
- 企画・脚本:テイラー・シェリダン
- 製作総指揮:テイラー・シェリダン/ジョン・リンソンほか
あらすじ
モンタナ州。広大なダットン牧場を持つジョンは妻と長男を亡くすが、弁護士の次男ジェイミー、投資会社で働く長女ベス、先住民のモニカと結婚した三男ケイシーの3人の子どもがいる。
父と決別したジェイミーは、ジョンの真実をメディアに暴露しようとするが迷いが生じている。ベスは、ボーズマンにオフィスを構えて上司のボブと土地ビジネスの計画を練り始める。ケイシーは、モニカとテイトが家を出たため、実家に戻り牧場で暮らし始めていた。
一方、開発業者ダンと先住民の首長トーマスが手を組みカジノを建設する計画を進める中、突然ジョンが牧場で倒れて病院に搬送され……。
予告動画
登場人物(キャスト)一覧
※シーズン1のネタバレを含みます
ダットン家

ジョン・ダットン(ケヴィン・コスナー/声:原康義)
モンタナ州のイエローストーン国立公園に隣接する広大な牧場の経営者。妻を事故で亡くし、自らも結腸がんを患っている。普段は理性的だが怒らせると常識が通用せず、誰にも止められなくなる。先祖代々の土地を守るため、先住民や開発業者と戦う。

ジェイミー・ダットン(ウェス・ベントリー/声:赤坂柾之)
ダットン家の次男。弁護士。次期司法長官に立候補するがジョンに反対され、家を追い出される。選挙運動を手伝うクリスティーナと恋仲になり、彼女に励まされてジョンと戦うことを決める。

ケイシー・ダットン(ルーク・グライムス/声:清水裕亮)
ダットン家の三男。元軍人。ジョンの反対を押し切って先住民のモニカと結婚した。以来ジョンとは疎遠になっていたが、モニカの兄ロバートを射殺したことでモニカに別れを告げられ、牧場に戻ってくる。

ベス・ダットン(ケリー・ライリー/声:加藤美佐)
ダットン家の長女。ソルトレークの投資銀行で辣腕を振るうキャリアウーマン。気が強く毒舌家。リップと関係を持っている。
幼い頃、母が落馬して命を落とすきっかけを作ったことで、今でも自責の念にとらわれている。
牧場の従業員

リップ・ウィーラー(コール・ハウザー/声:斎藤寛仁)
ジョンの牧場で長年働くカウボーイ。少年時代に母と弟を殺した父親を殺し、逃亡中にジョンと出会って救われた。ジョンに対する忠誠心が厚く、父親のように慕っているが、ジョンがケイシーを跡継ぎに選んだことで降格される。子供の頃からベスを想い続けている。

ジミー(ジェファーソン・ホワイト/声:藤井雄太)
ジョンの牧場で働き始めた新入り。犯罪者だがリップに助けられ、「Y」の焼き印を胸に刻まれてチャンスを与えられた。牧場での仕事に慣れつつあるが、昔の仲間に金を返すよう脅され…。

ウォーカー(ライアン・ビンガム)
リップに雇われたカウボーイ。元犯罪者で、7年間服役していた。ジミーと同じく「Y」の焼き印を入れられるが、牧場の“ルール”に馴染めずリップと対立し、逃げ出そうとする。

ロイド(フォリー・J・スミス)
リップやジミーと同じく罪人で、「Y」の焼き印を持つカウボーイ。面倒見がよく、ジミーの意外な才能を発掘する。

エイブリー(タナヤ・ビーティ)
元ストリッパー。調教師志望。リップの依頼でダンを探る役目を引き受け、牧場のカウボーイとして雇われた。男たちと一緒に小屋で寝起きしている。

カウボーイ(スティーヴン・ウィリアムズ)
本名を告げず、“カウボーイ”と名乗る男。アリゾナへ行く途中、日雇いの仕事を求めて牧場に立ち寄る。ウォーカーとは以前同じ牧場で働いていたことがある。
先住民

モニカ(ケルシー・アスビル/声:吉元里謹)
ケイシーの妻。心優しく聡明な女性。ケイシーが兄ロバートを殺したことを知り、別居することを決める。ブロークンロック先住民居留地で教師をしながら、州立大の講師として働き始める。

テイト(ブレッケン・メリル/声:小林さとみ)
ケイシーとモニカの息子。牧場を訪れるうちジョンに懐くようになる。ジョンから馬を与えられ、進んで世話をする。

フェリックス・ロング(ルディ・ラモス)
モニカの祖父。思慮深く、ジョンとも理性的に話ができる人物。ケイシーと別居することを決めたモニカを心配し、夫婦で解決方法を探るよう助言する。

マーティン(マーティン・センズメアー)
モニカが通うリハビリセンターの理学療法士。モニカに好意を寄せ、既婚者であることを知りながら急接近する。

トーマス・レインウォーター(ギル・バーミンガム/声:安原義人)
先住民居留地の新首長。ジョンから先祖の土地を奪い返そうとする野心的な男。開発業者のダンと組んで、ジョンの牧場の隣にカジノを建設する計画を進めている。
開発業者

ダン・ジェンキンス(ダニー・ヒューストン/声:菊池康弘)
開発業者〈パラダイス・バレー〉の代表。先住民のトーマスからカジノ建設計画を持ちかけられれ、手を組むことを決めるが、ケイシーやリップに脅されて計画について話してしまう。さらに、ベック兄弟からも目をつけられる。
政治家

ペリー(ウェンディ・モニツ)
モンタナ州知事。ジョンと関係を持っている。最近のジョンの暴走を懸念し、ジェイミーを司法長官に立ててジョンを制御しようと企む。
そのほか

マルコム・ベック(ニール・マクドノー)
〈ロッキーマウンテン・ガス・アンド・カジノ〉のオーナー。トーマスとダンのカジノ建設計画を知り、ダンを脅迫して契約を破棄させようとする。

ティール・ベック(テリー・セルピコ)
マルコムの兄弟。ビジネスパートナーでもあり、マルコムとともにカジノ建設計画を妨害する。

ドニー・ハスケル(ヒュー・ディロン)
保安官。ジョンの友人。ベック兄弟に弱みを握られており、苦しい立場に立たされる。

サラ・グエン(ミカエラ・コンリン)
記者。ジョンの不正を暴き、社会に変革をもたらそうと意気込む。ジョンと決裂したジェイミーに接触し、インタビューを行った。それをもとにジョンの悪事を暴露する記事を載せようとするが…。

クリスティーナ(キャサリン・カニンガム)
ジェイミーの選挙活動をサポートする助手。ジェイミーと恋仲になる。ジョンや牧場のことをよく思っていない。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
ベスとジョンはジェイミーの対抗馬として、カスター郡の州検察官キャシディに目をつける。さらにベスはボーズマンにオフィスを構え、ボブと土地ビジネスの計画を練る。その計画にはジョンの牧場の周りの土地を買い占めるという裏の目的があった。
トーマスはジョンの土地を奪って居留地に併合し、カジノを作る計画を部族評議会で発表する。マーカスは「白人が我々にしてきたことと同じ」と非難し、承認を拒む。モニカは居留地で教師の仕事を続けながら、州立大で講師として働くことを決める。
牧場に“カウボーイ”と名乗る男が日雇いの仕事を求めてやってくる。彼と顔見知りだったウォーカーは、早く出ていったほうがいいと警告する。リップは自分に従わないウォーカーに苛立ち始める。
ジョンは牧場で血を吐いて倒れ、その場にいた獣医のサムに助けられる。ジョンを苦しめていたのは結腸がんではなく潰瘍だった。サムの処置でジョンは命をとりとめるが、まだ死なないとわかって戸惑う。
退院したジョンは今後の生き方について探り始める。牧場ではウォーカーがリップと対立して出ていこうとするが、ジョンとケイシーに慰留される。ジョンはケイシーにカウボーイたちを仕切らせようと、リップを説得してケイシーに家を譲らせる。
牛追いの途中で再び逃げようとしたウォーカーは、リップに捕まり殺されそうになったところをケイシーに助けられる。牧場に戻った2人は決着をつけるため、ジョンやカウボーイたちが見守る中、本気で殴り合う。ケイシーに敗北したリップは、「息子を育ててやってくれ」とジョンに頼まれる。
ベスはリップを気遣い、彼の居場所を奪ったケイシーを非難する。そしてジョンとは距離を置き、モニカのもとへ戻るべきだと諭す。
モニカは大学講師として初めての授業に臨むが、生徒のひとりに侮辱的な言葉を浴びせられる。毅然とした態度で対応し、先住民から見た虐殺の歴史を教えようとする彼女に、生徒は態度を改める。
学長のトンプソンから教職員住宅について教えられたモニカは、テイトとともに引っ越すことを考える。モニカの祖父フェリックスは、ケイシーと2人で解決方法を探るべきだと助言する。
ケイシーはジョンのリハビリに付き合い、同じくリハビリに来ていたモニカと会う。
ケイシーに跡を継がせるため、牧場の経営を教えるジョン。気が乗らないケイシーはモニカが住む教職員住宅を訪れ、関係を修復しようとするが、モニカはジョンのもとに戻ったケイシーを責める。
ダンとトーマスは協定を結び、カジノ建設の記者会見を行う。新聞記事でカジノ計画を知ったベック兄弟は、先住民との契約を破棄して自分たちと組むようダンを脅す。
ジェイミーはジョンがキャシディという対抗馬を立てたことを知る。さらにペリー知事からトーマスを紹介され、資金援助の申し出を受ける。クリスティーナはトーマスの資金を得れば選挙に勝てるとジェイミーを鼓舞するが、家族を裏切る行為にためらうジェイミー。
悩んだジェイミーはベスに相談し、敵の餌食になるだけだと諭され、出馬を断念することを決める。ジェイミーの決断に失望したクリスティーナは、彼を家から追い出す。ジェイミーは牧場に戻り、ジョンと和解する。
真夜中、ジョンの牧草地に小型機が飛来し、大量の牧草をまいていく。その後、ケイシーらは腹にガスがたまった牛を発見。さらに丘の下では数百頭の牛が死んでいた。この連絡を受けたジョンは、事件の調査のためケイシーを保安官代理に任命させ、ジェイミーに犯人を突き止めるよう指示する。そして被害を食い止めるため、牧草地を焼き払う。
トーマスは起工式で、カジノ建設のために購入した土地をブロークンロック居留地に併合することを宣言。併合に同意していなかったダンは戸惑いを隠せない。
ジェイミーは牧場が信託に入っていることに気付き、ベスを問いつめる。ベスが全財産の半分以上もの金を投資につぎ込んだと知ったジェイミーは、牧場の将来を心配して激怒する。
ベック兄弟がジョンを訪ねてくる。カジノ建設に反対する彼らは、共通の敵に立ち向かうためジョンに手を組むことを提案するが、ジョンは「家族にとっての最善を選ぶ」と回答を保留する。
ケイシーは家畜教会の職員ヘンドンと一緒に、牛が襲われたというポールソン牧場へ向かう。牛を殺した犯人は隣人のジェリー・ヘイズだったが、父親を助けようとジェリーの息子ルークが銃を持ち出し、ヘンドンがルークを射殺してしまう。
ベスは家族同然のリップが降格され、家を追い出されたことに腹を立てる。それに対し、ジョンは息子のケイシーと交代させただけで、リップも納得の上だと説明する。
借金返済のために金が必要なジミーは、仲間の忠告を無視してテキサスのカウボーイたちに勝負を挑み、惨敗してしまう。
モニカは学生たちを連れて、先住民のリレーレースの練習場を見学する。モニカに好意を寄せるマーティンは、ワイオミングで行われる本番を見に来ないかと誘う。
ケイシーはダンの家に押しかけ、牧場の牛を殺したことを自白させようとするが、ダンは「牛の殺し方など知らない」と否定する。ケイシーの中に別人を感じ取ったジョンは、戦地で何があったか尋ねる。ケイシーはパキスタンでの悲惨な戦争体験を語り、罪のない母娘を殺したことを打ち明ける。
ジェイミーは記者のサラから連絡を受け、自分が暴露したジョンの所業に関する記事が出ることを知って動揺する。それを知ったベスは激怒し、ジェイミーをジョンの前に引きずり出す。
ジミーは借金返済のため、ロデオ大会に出場して賞金を得ようと考える。これにロデオ経験者のロイドが協力し、代わりに参加費用を出してジミーを特訓する。
ベック兄弟はトーマスと会い、自分たちと手を組まなければカジノ建設を妨害すると脅迫。トーマスはダンと手を切ってベック兄弟と組むことを決める。
ジョンは保安官のドニーからベック兄弟に目を付けられていると忠告され、牛を殺した犯人がベック兄弟だと気付く。激怒したジョンはダンの会社に乗り込んで暴れ、トーマスを交えて3人で話し合う場を設けるよう言いつける。
記者のサラにジョンの所業を暴露していたジェイミーは、ジョンから「彼女の狙いを探ってこい」と命じられ、サラと会う。記事を阻止すべくサラの説得を試みるジェイミーだったが、サラの決意は変わらない。怒りに駆られたジェイミーは、サラを殺してしまう。
牧場に戻ったジェイミーは、リップに相談してジョンには内緒でサラの遺体を処理することに。ウォーカーを騙してサラの車を運転させ、遺体を川に運んでカヌー事故を装う。犯人に仕立て上げられたウォーカーは牧場を去ることを決め、リップは彼を“駅”へ送ろうとする。それに気付いたケイシーは、ウォーカーを“駅”へ送ると見せかけて逃がす。
ロデオ大会に出場したジミーは、見事に暴れ馬を乗りこなして賞金を手にする。エイブリーに報告しようとするが、彼女は既に牧場を去っていた。
翌朝、ジョンとケイシーはテイトを狩りに連れて行く。初めて撃った獲物を前にして、ショックを受けるテイト。ジョンは命の尊さとそれを奪うことの重みを教える。
サラを殺したジェイミーに、ベスは自殺を勧める。ジョンはライフル銃を持って姿を消したジェイミーを探し出し、大学に進学させたのは間違いだったと謝る。ジェイミーは新しい自分を作り直すため、カウボーイ小屋に移り、馬の餌やりや厩舎の掃除をする。
ジェイミーに優しくするようベスを諭すジョンだったが、「私やケイシーのように彼を愛せる?」とベスに問われ、答えることができない。
モニカはケイシーとやり直すことを決め、牧場で暮らし始める。ジョンは自分の部屋をケイシーたち家族に譲り、長男リーが住んでいた家に移る。
ダットン家の協力を得られずに不満を募らせたベック兄弟は、ダンの酒類販売権を認めず、事業を妨害。さらにベスのオフィスに現われ、自分たちに協力するよう脅迫する。断固拒否してマルコムを侮辱するベスに、宣戦布告するマルコム。
翌日の夜、2人組の覆面の男たちがベスのオフィスを襲撃し、ジェイソンを射殺。ベスをレイプして殺そうとするが、連絡を受けて駆けつけたリップが男たちを殺す。錯乱状態のベスに「愛してる」と告げるリップ。
ジョンは事件を揉み消すため、撃たれたリップを病院に連れて行かず、内々に処理しようとする。翌朝、マルコムは玄関先に吊り下げられている2人の男の遺体を発見する。
翌朝、顔中あざだらけになったベスを見て衝撃を受けるモニカ。ベスやケイシーに理由を尋ねてもはっきりとした返答を得られず、争いの絶えない牧場で暮らすことに不安を募らせる。
ジョンはダンとトーマスを牧場に呼び出す。3人は共通の敵であるベック兄弟と戦うため、互いに協力することを誓う。ジョンはベック兄弟が航空機を所有していたことを突き止め、彼らが牧草を撒いた犯人だと確信する。
玄関先に遺体を吊されたマルコムは激怒し、ジョンから愛する者を奪おうと画策する。
ジミーは昔の仲間レイを訪ね、ロデオで獲得した金を渡すが、さらに1000ドル払うよう要求される。
居留地の入り口で先住民の警備員が殺される。ベック兄弟の仕業だと悟ったジョンとトーマスは、兄弟をジャクソンホールに呼び出す。
ケイシーはベック兄弟の格納庫へ忍び込み、飛行機の燃料タンクに爆弾を仕掛ける。牧場で働くジミーのもとに、祖父ダークの遺体が発見されたという知らせが届く。
死因が外傷によって引き起こされた脳卒中だと聞かされたジミーは、激昂してライフル銃を持ち出す。リップはジミーをなだめ、今夜中に報復する計画を練る。
ジェイミーはクリスティーナに呼び出され、サラの死の真相を問いただされる。無関係を装うジェイミーに、クリスティーナは妊娠したことを明かす。そしてジョンを選ぶか自分の家庭を選ぶか、9か月の間に決めるよう告げる。
モニカはメインストリートの洋服店で万引きを疑われ、警察に通報されて調べを受けることに。モニカから連絡を受けて店に向かったベスは、警察官から侮辱的な扱いを受けるモニカを見て不当な捜索だと避難する。さらに店内で暴れ、モニカがされたように店主を辱める。
ベスはモニカが牧場の暮らしに耐えられなくなる日が来ることを予想し、そのときは必ずケイシーも一緒に連れて行ってほしいと頼む。
夜になり、リップとケイシー、ジミー、ロイドは復讐を実行するためレイの住むトレーラーハウスへ向かう。焼き印のないライアンも志願したため、一緒に連れていく。彼らはハウスにガスを充満させ、爆発させる。ジミーは奪われたバックルを取り戻す。
テイトは愛馬に餌をやり忘れていたことをジョンに指摘され、ひとりで餌をやりに行く。しかしそのまま家に戻らず、姿を消してしまう。翌朝、牧草地にタイヤ痕が残っているのを見つけるジョン。その先にはテイトの長靴が落ちていた。
攻撃を続けるベック兄弟はダン・ジェンキンスを殺害。事態を案じたトーマスは、用心棒のモウをジョンのもとへ送る。ベック兄弟への襲撃を決意したジョンは保安官のドニーを味方につけ、牛殺しの件で捜査令状を取る。
モニカに「奴らを殺して」と頼まれたケイシーは、ベックの自宅に侵入しティールを射殺。誘拐されたテイトがクレイジー・マウンテンズの基地にいるという情報を得る。
ジョンは財産に関する信託の内容を変更し、牧場にある家をリップに譲ることを決める。リップをその家の前に連れていき、ジョンからの手紙を読んで聞かせるベス。ジョンに息子と認められたことを知ったリップは涙を流す。
ジョンはケイシー、リップ、モウとともに基地を襲撃する。逃げるマルコムを撃ち、テイトの居場所を聞き出すジョン。死を悟ったマルコムは搬送を拒む。
ケイシーとドニーはテイトが監禁されている家に乗り込み、無事にテイトを取り戻す。連絡を受けたジョンは安堵し、涙する。
感想と解説(ネタバレ有)
荒野に響く銃声と家族の叫び
牧場を守る――一見のどかに見えるけれど、その裏では銃撃戦や裏切り、命をかけた争いが次々と勃発。
見ていて何度も「これ、本当に牧場が舞台のドラマ?」とツッコミたくなりました。まるでマフィアの縄張り争いを見ているよう。それでも、この作品がただの抗争ドラマに終わらないのは、登場人物たちの心の動きや、家族の絆が丁寧に描かれているから。
ダットン家の父であり帝国の“王”でもあるジョンは、病気をきっかけに「これからどう生きるか」を考え直し、子どもたちとの関係に向き合おうとします。そこには人間らしい弱さがあり、同時に希望も感じられる。
今回は、家族のあり方や忠誠心、そして「本当に守るべきものは何か」という問いがさらに深く掘り下げられていたように思います。抗争の裏で描かれる人間ドラマこそ、この作品の一番の魅力なのかもしれません。
家族、権力、そして忠誠
ダットン家は結束の強い家族に見えますが、その絆は愛情というよりも、「支配」と「忠誠」でつながっているように感じられました。
ジョンは家族を守るためなら手段を選ばない父親。ただし彼の愛には条件があって、「従うこと」が前提。子どもが逆らえば、容赦なく突き放します。
モニカはケイシーと牧場で暮らすことを決めますが、ダットン家の異常な家族愛に戸惑います。彼女の目を通すことで、この家族の「異常さ」がより鮮明になる。
ジェイミーに対するジョンやベスの冷たい態度も気になりました。「本当の子どもじゃないのでは……?」と思うくらい、彼だけ扱いが違う。ジェイミーは父の愛を求めて必死になり、その結果、自分を見失ってしまう。家族に傷つけられる姿が痛ましくて見ていられない。
一方で、ベスとリップの関係は、このドラマで唯一「無条件の愛」が描かれている部分かも。誰にも心を開かないベスが、リップにだけは本音を見せる。愛の告白を拒まれたリップが、命がけでベスを守ったあとに「愛してる」と伝える場面は、暴力と裏切りが渦巻く世界の中で、ほんの一瞬だけ訪れる救いのようでした。
家畜協会という“影の司法”
このドラマで一番びっくりしたのが「家畜協会」の存在感。まるで武装集団のように描かれるんですよね。
最後の殴り込みのシーンで「家畜協会だ!」と叫びながら突入する姿は、完全に「警察だ!」のノリ。あまりのギャップに思わず笑ってしまいました。
ちなみに、実際のモンタナ州にも家畜協会はあって、家畜の盗難や違法取引に対応する調査権限を持っているそうです。でも、ドラマみたいに銃を構えて突入……なんてことは、現実ではまずありません。
このドラマでは、「家畜協会」が“法の届かない場所での正義”を担う存在として描かれ、まるで裏の司法機関のような役割を果たしています。
ジョンが家畜協会を使って敵を排除する場面は、法の力ではなく「自分のルール」で秩序を守ろうとする姿勢の象徴。彼の信じる「土地を守るための正義」が、一般的な法や倫理とは大きくズレていることを示していました。
抗争と癒しのバランス
このドラマは、激しい抗争と人間ドラマの温かさが絶妙なバランスで描かれています。
ベック兄弟との対立や土地をめぐる争いは、まるで戦争のような緊張感。でもその合間に挟まれる小さなエピソードが、物語に深みと余韻を与えてくれます。
たとえば、ジミーがロイドの特訓を受けてロデオに挑戦し、みごと優勝するエピソード。抗争とは無縁のこの場面は、ジミーの成長や仲間との絆を描いていて、見ている側の心を自然となごませてくれます。
ダットン家の朝食シーンもユーモラス。シーズン1で死期を悟り、遺言まで準備していたジョンですが、実はがんではなく潰瘍だったと判明。「死なない」とわかった瞬間から、彼は人生をどう生き直すかを考え始めます。
とはいえ、長年築いてきた支配的な関係はそう簡単には変わらない。毎回登場する朝食シーンは、その象徴のよう。家族が集まっているのに、そこには緊張と不協和音が漂い、まるで「家族ごっこをしている集団」のように見える。
こうした場面があることで、暴力に満ちた世界の中にも人間らしさが息づいていることが感じられます。正直、こういうシーンばかり見ていたい気もしますが……それだとやっぱりドラマにならないんでしょうね。
シリーズ関連記事
ネタバレ有「イエローストーン」シーズン1全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|荒野に刻まれた血と絆
ネタバレ有「イエローストーン」シーズン3全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|静けさの中に潜む嵐
ネタバレ有「イエローストーン」シーズン4全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|復讐の行方と壊れていく絆
ネタバレ有「イエローストーン」シーズン5(最終章)全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|家族の崩壊と残された風景
おすすめ映画

