WOWOWの連続ドラマ「絶叫」第3話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
真相に近づいてきました。
今回は原作にはない場面もあって、より陽子の心情の変化が伝わる演出になっていました。夕日に染まる海岸で、陽子が絶望から立ち上がるシーンが圧巻。
安田顕さん演じる神代は原作を超える魅力を放ってますね。
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ドラマ「絶叫」登場人物(キャスト)一覧・視聴方法第3話のあらすじ
陽子(尾野真千子)は神代(安田顕)に恋人の礼二(郭智博)を殺して欲しいと持ちかけ、神代は受諾。2人は礼二を交通事故に見せかけて殺す〝保険金殺人計画〟を企て、準備を進める。
礼二がいともたやすく神代に心を掌握されるのを見て、神代の得体の知れない恐ろしさに気づく陽子。神代は花火大会の夜に礼二を泥酔させ、路上に寝かせて轢き殺す。運転手に過失がないとわかれば、たとえ人を殺しても殺人罪には問われないことを、陽子は弟の死で知っていた。
計画通り礼二の死は事故死として処理され、陽子と神代は約1億円の保険金を手に入れる。神代はこれを〝換金ビジネス〟と呼び、陽子にさらなる〝保険金殺人計画〟を持ちかける。神代に魅力を感じつつも恐怖を抱く陽子。
次のターゲットは、礼二を轢き殺した運転手・新垣清彦だった。新垣は神代に助けられた元ホームレスで、礼二のことを「神代の家族を惨殺した凶悪殺人犯」だと思い込み、計画に加担したのだった。
綾乃(小西真奈美)たち警察は、陽子が神代と組んで合計3度の〝保険金殺人計画〟を実行したことを突き止める。陽子は偽装結婚を繰り返し、夫となった男は3人とも交通事故で死亡。その都度、陽子は死亡保険金を受け取っていた。
犯罪を重ね、神代から逃れたくても逃れることができなくなった陽子。母・妙子(麻生祐未)に会いに行くが、妙子は認知症を患い陽子の言葉も理解できない状態となり、弟の純を求めるばかりだった。
母にすがることをやめた陽子は、神代から逃れるため3番目の夫を轢き殺した八木徳夫(片桐仁)に「私と手を組まない?」と持ちかける。一方、綾乃は陽子の死に疑問を抱く。そこへ、探していた八木徳夫が北海道で見つかったという連絡が入る。
第3話の感想
ついに殺人に手を染めてしまった陽子。
彼女が神代と共に企てた〝保険金殺人計画〟は完璧でした。
しかしこの計画は、神代に魅力がなければ不可能だったと思います。
居場所を与える神代
礼二は、ホストの仕事を失って自暴自棄になり、毎日家でパソコンを見るだけの生活を送っていました。プライドの高い彼は、相当鬱屈していたと思われます。
神代は、そんな礼二の性質をたちどころに捉えました。
彼のプライドを満たす言葉をかけ、仕事を依頼し、彼に〝居場所〟を与えました。
2番目の被害者・新垣にしても同様です。
ホームレスで生きる希望を失っていた新垣に住む場所と仕事を与え、〝居場所〟を作ったのです。
神代によって救われ、生きる場所を与えられた彼らは、「神代のためなら何でもする」都合のいい人間に改造されていったのだと思います。一種の洗脳ですね。
誰かに必要とされたい
原作には神代が仕事を依頼するときの一部始終が描かれているのですが、非常に巧みなんですよね。
最初は簡単な仕事を頼んで、ホームレスだった彼らに「必要とされることの喜び」を植え付けるのです。
わたしにも覚えがありますが、「誰かに必要とされること」ほど嬉しいことはありません。親から認められずに育った人は、特にその傾向が顕著かもしれません。
後半、陽子が母・妙子に会いにいき、認知症で何もわからなくなった妙子に罪を打ち明ける場面がありました。ここは原作にはないのですが、尾野真千子さんの演技にクギヅケになりました。
必死に助けを求める陽子に、妙子は「純ちゃんどこ?」「純ちゃんに会いたい」と言う。陽子など眼中にないのです。
自分を助けてくれる人はどこにもいない。
海に向かって絶叫し、泣き崩れる陽子。
絶望の底に突き落とされた陽子は、それでも生きることを放棄しません。
陽子が夕日を見つめて立ち上がるシーンは、胸を打ちました。
「わたし決めたのよ。誰かに必要とされるために、もう自分をねじまげたりしない」
陽子の命がけの抵抗が始まります。
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