パンドラIV―AI戦争―第5話|AIを使いこなせない人間の幼さ

WOWOWドラマ「パンドラIV―AI戦争―」

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どうも、夏蜜柑です。
WOWOW連続ドラマW「パンドラIV―AI戦争―」第5話。

登場人物たちの思わくが絡み合って、ますます面白くなってきました。
こういう人間の複雑な心理は、AIでは測れないですよね。

ドラマの中で「現在の診断AIの精神年齢は4~5歳児と変わらない」って言ってたけど、AIの精神年齢ってどうやって測るんだろう?

鈴木先生は〈ミカエル〉に感情を教えることにしたようだけど、感情ってどうやって教えるんだろう……?

夏蜜柑
知らないことがいっぱい。

第5話のあらすじ(ネタバレ有)

  • 意識を取り戻した鈴木(向井理)は病院を抜け出し、警察に向かう。鈴木はAIの普及を妨げたくないという理由で、被害届を出さないと申告する。
  • 厚労大臣の横山(升毅)は、新たに立ち上げる「AI医療促進委員会」に鈴木を参加させようと考え、有薗(黒木瞳)に鈴木をヘッドハントさせようとする。
  • 有薗は鈴木の父がかつて自分が死なせた患者だと知って動揺し、メディノックス医療センターを辞めた上野(原田泰造)に「間に入って欲しい」と頼むが断られる。
  • 鈴木は施設を抜け出した母・春子(鷲尾真知子)を迎えに行き、春子を保護した町医者の本山(津嘉山正種)の言葉に心を動かされる。鈴木は病院にもどり、〈ミカエル〉のロックを解除する。
  • 蒲生(渡部篤郎)は横山の忠告を無視して記者会見を開き、マスコミに医師解雇の正当性を主張する。さらに完全AI化と無人病院の開設を計画していることを発表。横暴とも思える会見に太刀川(山本耕史)と東(三浦貴大)は疑念を抱く。
  • 会見を終えて町に出た蒲生は、何者かに撃たれ病院に運ばれる。

キャスト

鈴木哲郎……向井理
蒲生俊平……渡部篤郎
有薗直子……黒木瞳
上野智津夫……原田泰造
太刀川春夫……山本耕史
東浩一郎……三浦貴大
木下和歌子……岡本玲
橋詰奈美……美村里江
横山新造……升毅
鈴木春子……鷲尾真知子
内海春明……長谷川朝晴

第5話の感想

AIを使いこなせない人間の幼さ

前回、余命宣告を受けても平然としている蒲生さんを見て「普通の人とは違う」と書いたのですが、間違っていましたね。

蒲生さんも普通の人と同じように、内心はショックを受けて混乱していました。
ただそう見えなかっただけ。

死を受け入れられず、暴走する蒲生さん。
こういうとき彼が弱音を吐ける相手が誰もいないことが悲しい。

誰でも、一度は考えたことがあると思うんです。
人生が残りわずかだと知ったとき、自分は何をするだろうって。

でも、その状況に立たされてみて初めてわかることのような気がする。
そのときどんな心理状態に陥るか、自分でも予測がつかないから。

未熟なAIの能力を十分に引き出し役立てるためには、使い手が成熟していなければならない。
だがAIを相手にするには人間はあまりにも幼い。

冒頭の太刀川さんのモノローグは言い得て妙。

心理学が発展して多くのことがわかるようにはなったけれど、心の動きを予測したりコントロールしたりすることは難しい。自分の心さえ自由に操れないのが現実。

夏蜜柑
こればっかりは、AIを頼れないよね。

厚労大臣の横山は、蒲生を利用するだけ利用して、捨てようと考えています。
穏やかに死なせてあげたいのに、そうはいかないのかなぁ……。

蒲生さんを撃ったのは、横山の息がかかった者なんでしょうか?

医者は万人を救えない

鈴木先生も、いい意味で予測が外れましたね。
わたしが思っていたほど弱い人じゃないとわかってホッとしたよ。

鈴木先生が立ち直るきっかけをくれたのが、たまたま出会った田舎のお医者さんの一言。

医者は万人を救えるって思いがちでしょ?
でも実は、自分が見た患者しか治せない。

本山先生も、若い頃はすべての人を救おうとしていたのかな。
小さな田舎の病院で患者さんと向き合ううちに、それが傲慢だったと気づいたのかも。

医師に限らず、そういう傲慢な考えにとらわれることは、わたしにもあります。
たとえば会社などの集団の中で、自分がいなければ物事が回らないと思い込んだり。

自分がもっと多くの仕事をやり遂げれば、いろんな人が助かると不遜な気持ちに陥ったり。

でも人間ひとりにできることなんて限られているし、時間も命も無限じゃない。
目の前にある自分にできることを、ひとつひとつやっていくことが大事なのに、それを忘れてしまうんですよね……。

蒲生さんは「理想はどこへいった」ってブチ切れちゃったけど、鈴木先生の考え方は間違ってないと思う。

思い出したくない過去

鈴木先生を持ち駒のひとつにしたい横山。
横山にそそのかされて、鈴木先生をヘッドハントしようとする有薗さん。

状況が状況なので、有薗さんは簡単に引き抜けると思っていたんでしょうね。
ウキウキで鈴木先生を呼び出しましたが……。

鈴木先生が過去に自分がミスをした患者の息子だと知って、かなりショックを受けた様子でした。

その直後、横山に連絡して「辞退させてください」と。
「思い出したくない過去」とも言っていました。

有薗さんにとっても、鈴木先生のお父さんの死は辛い出来事だったのではないでしょうか。
少なくとも「自分のミスではない」とは、考えていないと思います。

想像するしかないけど、有薗さんも当時は苦しんだのかもしれません。

そうでなかったら、わざわざ上野先生に間に入ってもらおうなんて、考えないはず。
彼女は、患者の遺族である鈴木先生と向き合うことが怖いのでしょう。

夏蜜柑
ともあれ、上野先生と鈴木先生はいいコンビになれると思う。

次回はついに最終回。
どんな結末になるのか楽しみです。